小説 - 新潮社作品一覧

  • 海に落とした名前
    3.7
    1巻1,320円 (税込)
    NYから東京に向かう飛行機が不時着。生きのびたと思ったのも束の間、「わたし」はすべての記憶を失っていた。手がかりは、ポケットの中のレシートの束だけ。スーパー、本屋、蕎麦屋、ロシア式サウナ……。熱心に過去を探る謎の兄妹が現れて、「わたし」の存在はますます遠のいていく。眩暈と笑いが渦巻く短篇集。

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  • 室町無頼(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,342円 (税込)
    応仁の乱前夜。天涯孤独の少年、才蔵は骨皮道賢に見込まれる。道賢はならず者の頭目でありながら、幕府から市中警護役を任される素性の知れぬ男。やがて才蔵は、蓮田兵衛に預けられる。兵衛もまた、百姓の信頼を集め、秩序に縛られず生きる浮浪の徒。二人から世を教えられ、凄絶な棒術修業の果て、才蔵は生きる力を身に着けていく。史実を鮮やかに跳躍させ混沌の時代を描き切る、記念碑的歴史小説。 ※当電子版は新潮文庫版『室町無頼』上下巻をまとめた合本版です。
  • デルタ―陸自「影」の兵士たち―
    値引きあり
    3.0
    1巻1,355円 (税込)
    日本の最新巡視船〈うおつり〉が尖閣奪取を目論む中国人武装集団〈愛国義勇軍〉に占拠された。犯行声明が世界中を駆け巡り、米国からの支援も断たれるなか、官邸は陸上自衛隊直轄の秘密部隊〈デルタ〉の出動を決断するが――。「兵士シリーズ」で知られる著者が圧倒的なリアリティで描く、究極のシミュレーションノベル!
  • けものみち(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,386円 (税込)
    割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。彼女は赤坂のホテル支配人・小滝にそそのかされ夫を焼殺し、行方を絶つ。直感で民子を疑った刑事・久恒はその行方を追ううち、民子への欲望をつのらせ、政財界の黒幕・鬼頭の女になっていることを突き止める。人倫の道を踏み外したものがたどる〈けものみち〉とは。 ※当電子版は新潮文庫版『けものみち』上下巻をまとめた合本版です。
  • 死ぬことと見つけたり(上下)合本版(新潮文庫)
    3.0
    1巻1,386円 (税込)
    常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求馬と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。 ※当電子版は新潮文庫版『死ぬことと見つけたり』上下巻をまとめた合本版です。
  • 女系家族(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,386円 (税込)
    大阪・船場の老舗矢島家は代々跡継ぎ娘に養子婿をとる女系の家筋。その四代目嘉蔵が亡くなって、出もどりの長女藤代、養子婿をむかえた次女千寿、料理教室にかよう三女雛子をはじめ親戚一同の前で、番頭の宇市が遺言書を読み上げる。そこには莫大な遺産の配分方法ばかりでなく、嘉蔵の隠し女の事まで認められていた。……遺産相続争いを通し人間のエゴと欲望を赤裸々に抉る長編小説。 ※当電子版は新潮文庫版『女系家族』上下巻をまとめた合本版です。
  • 山本五十六(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,397円 (税込)
    戦争に反対しながら、自ら対米戦争の火蓋を切らねばならなかった聯合艦隊司令官山本五十六。今日なお人々の胸中に鮮烈な印象をとどめる、日本海軍史上最大の提督の赤裸々な人間像を余すところなく描いた著者畢生の力作。本書は、初版刊行後、更に調査し、発見した未公開資料に基づき加筆された新版である。上巻では、ロンドン軍縮会議での活躍を中心に、若き日の山本像が描かれる。 ※当電子版は新潮文庫版『山本五十六』上下巻をまとめた合本版です。
  • 友情だねって感動してよ
    3.9
    1巻1,408円 (税込)
    優等生で日和見主義の「僕」とガールフレンドの吉川、人形の〈はるちゃん〉と会話するクラスメイト・湯浅の一筋縄ではいかない友情関係を描いた表題作をはじめ、三人の男女が紡ぐ“あの頃”の全て。20代の著者が執念で描く、いま、そこに確かに存在する若者たちの情動と煌めきが詰まった、生傷だらけの全6篇。
  • 幸せな結婚
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    スタイリストとして成功する妻を横目に、育児に追われる主夫の浩介。家事も育児も手伝わないラジオDJの夫に、いらだちを募らせる恵。渇いた心を持て余す二人は、ある日、公園で知り合う。パートナーには言えぬ想いを抱えて都会を生きる二組の夫婦が直面する、男と女の虚実とは――? インモラルで赤裸々な家族小説。
  • Team383
    3.9
    1巻1,408円 (税込)
    人生には3つの坂がある。数々の上り坂、下り坂を乗り越えて来た葉介に訪れた、人生最大のまさか! 75歳になってもう一度青春時代が来るなんて……。運転免許を返納して落ち込む葉介に舞い込んだのは、自転車レースへの誘いだった。何歳でも人は新しい世界を切り拓くことができる。温かく心に沁みる人間賛歌。
  • ナイス・エイジ
    3.8
    1巻1,408円 (税込)
    未来人がオフ会に降臨!? 興味本位で参加したAV嬢の絵里は自分の孫と名乗る青年と知り合い同棲。その日常はネット民の際限なき好奇心の餌食となってゆく……。自分が信じるものだけが真実となる時代の炎上騒ぎをクールに描いた話題作と、啓蒙欲と性欲をこじらせた男子中学生が暴走する新潮新人賞受賞作「二人組み」を収録。
  • 塔と重力
    4.6
    1巻1,408円 (税込)
    17歳の冬、僕らが眠るホテルは倒壊した。あの地震さえなければ、初体験の相手は美希子になるはずだった……。生き埋めからひとり生還した僕は20年後、Facebookを通じて大学の旧友と再会。彼女の記憶を抱えて生きる僕に彼が持ちかけた「あること」とは。繰り返される自然災害とテロ、21世紀の人類の苦悩の先に待つ希望。
  • 茄子の輝き
    3.6
    1巻1,408円 (税込)
    旅先の妻の表情。大地震後の不安な日々。職場の千絵ちゃんの愛らしさ――。次第に細部をすり減らしながらも、なお熱を発し続ける一つ一つの記憶の、かけがえのない輝き。覚えていることと忘れてしまったことをめぐる6篇の連作に、ある秋の休日の街と人々を鮮やかに切りとる「文化」を併録。芥川賞作家による会心の小説集。
  • 縫わんばならん
    3.7
    1巻1,408円 (税込)
    九州長崎の漁村の島を舞台に、一族をめぐる四世代の来歴を女性の語りで綴る。ほころびていく意識から湧き出る声を聴き取り、「縫わんばならん」と語り継ぐ……「過去に、記憶に、声に、もっと深く、まっすぐ向き合っていきたい」――語り合うことで持ち寄る記憶の断片を縫い合わせて結実したものがたりは、意識の自在な流れを縦横に編み込んで人生の彩りを織り成す。
  • パンゲア5
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    大学時代に出会い、「完璧なバランス」を保っていたはずの男女五人。その均衡は、ある事件をきっかけにバラバラに崩れてしまう。だが、石丸蓮太がテレビで偶然、高僧となった旧友・大和田道を発見。彼らの時は再び交わりはじめた――。R-18文学賞大賞受賞作家が描く、ユーモラスであたたかな、「選択」と「役割」の物語。
  • やすらい花
    4.3
    1巻1,408円 (税込)
    散る花とともに四方へ飛び散る悪疫を鎮めようとする鎮花祭。いまも歌い継がれるという夜須禮歌。豊穣を願う田植歌であり、男女の契りの歌でもあるおおらかな古来の節回しに、鮮やかに甦る艶やかな想い。その刻々の沈黙と喧騒――歳月を超えた日常の営みの、夢と現、生と死の境目に深く分け入る8篇。待望の最新連作短篇集。
  • 人生の色気
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    七分の真面目、三分の気まま――。僕はこうして生きてきた。作家渡世四十年、文学の達人が語る人生処方箋。
  • 野良ビトたちの燃え上がる肖像
    4.2
    1巻1,408円 (税込)
    河川敷で猫と暮らす柳さんは、アルミ缶を集めて生活費とキャットフード代を稼いでいる。あちこちでホームレスが増えてきたある日、「野良ビトに缶を与えないでください」という看板を見つける。やがて国ぐるみで野宿者を隔離しようとする計画が……。ほんの少しだけ未来の日本を舞台に、格差、貧困、差別の問題に迫る新鋭の力作。
  • ヘダップ!
    3.7
    1巻1,408円 (税込)
    桐山勇、18歳。かなりの天狗。J1所属のチームに入団が内定していたが、“ある噂”により取り消される。仕方なくこの春から、JFLの武山FCへ腰掛けのつもりで入ることになった。父と姉を残し向かった新天地で、天狗の鼻はぽきりと折れる――。汗と涙と泥にまみれ成長する勇を、好きにならずにいられない。ザ・青春小説金字塔!
  • 父、断章
    3.5
    1巻1,408円 (税込)
    怒りに駆られ、私の胸ぐらをつかんだ父。旅先の宿で、ふと姿を消した母。混雑するプラットフォームで、私を探し続けた恋人――。訪れた土地や手に取った書物の中に息づく過去の断片が、作家自身の記憶を揺さぶるとき、もう二度と会うことのない人への思いが湧き上がる。自伝的要素の強い表題作ほか、全7篇を収める短篇集。
  • サラバンド・サラバンダ
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    差出人にも、故人の名前にも、まったく心当たりのない香典返しの小包が自分宛てに届いた。むろん通夜も葬儀も行っていない。いったい何故、何のために。記憶を整えると、遠い昔に別れた女の名前が蘇り……。老いの入り口に立った男の憂いと怒り、焦燥、絶望、狂気、そしてエロス。芥川賞作家が円熟の筆で描く珠玉の短篇小説集。
  • 学校の近くの家
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    先生たちのキャラクター。男子と女子の攻防。隣の学区への小さな旅。PTAと子ども会。行事をめぐる一喜一憂。父との微妙な距離感。連続誘拐殺人事件の影。深まる母の謎――。小学生自身の視点で克明に立ち上がる、ノスタルジーも無垢も消失した、驚くべき世界像! 三島賞作家による、スーパーリアルな「小学生小説」。
  • レールの向こう
    -
    1巻1,408円 (税込)
    沖縄に生きて、その風土を呼吸しながら創作を続けてきた八十九歳の作家の、初の私小説。時の移ろいを生き抜く老年の日常。妻の入院をきっかけに、出会ってきた人々の面影とともに、遠い記憶が鮮明に蘇り、いまを生きる私を、強く激しく揺り動かす――川端康成文学賞を受賞した表題作と新作『病棟の窓』を収録する作品集。
  • マイクロバス
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    口のきけない青年は、入り組んだ海岸線に沿って、ただバスを走らせ続けることしかできなかった。まるで、世界を縫い合わせるかのように――。芥川賞候補となった表題作と、自身が人魚であると信じる老婆の物語「人魚の唄」を収録。寂れた漁村が特異な輝きを帯びる、神話的な二篇。三島賞受賞作家、渾身の野心作。
  • 少女のための秘密の聖書
    3.9
    1巻1,408円 (税込)
    楽園を追放されたアダムとエヴァ、兄弟殺しのカインとアベル、ノアの箱舟、神に滅ぼされた悪徳の町・ソドムとゴモラ、父と娘が子をなすロトとその娘――少女がお兄さんに誘われて扉を開いたのは近親相姦、殺人、男色、何でもありの世にも奇妙な聖なる書物。鬼才の芥川賞作家が描く、残酷でみだらで魅惑的な旧約聖書の世界。
  • モノクローム
    3.4
    1巻1,408円 (税込)
    母子家庭で育ち、幼いときに母に捨てられた少年・慶吾。孤独の中で囲碁に打ち込む慶吾の姿を、写真部の香田のカメラがいつも捕らえていた。香田の屈託ない態度のおかげで徐々に心を開いた慶吾は、それまで避けて通ってきた母の家出の理由と向き合おうとするが……。囲碁を通じて自分を取り戻す青春ミステリ。
  • 鐘の渡り
    5.0
    1巻1,408円 (税込)
    呪いめいた言葉をつれて、女と暮らすつもりの男が、女を亡くした友と旅に出る。彼らの視るものは、紅葉が燃えて狂ったように輝く山と、女人の匂い立ちのぼる森。そして夜には、谷を流れるあの鐘の音が、昏い峠に鳴り渡って――。三十男二人の妖うい山路を描く表題作ほか全八篇。現代日本最高峰の作家による言語表現の最先端。
  • かがやく月の宮
    3.5
    1巻1,408円 (税込)
    かの有名な竹から産まれたという逸話も、五人の公達の尋常ならざる貢物も、すべて竹取翁の仕掛けた罠だった――? 翁の術中にはまった帝は禁裏を抜け出し、竹取館へ向かう。愛しのかぐや姫と邂逅を果たした帝は、しかし、病に伏してしまった。天照大御神の末裔は一体、何を見たのか。姫が昇天する夜、月が真実を照らし出す。
  • 千度呼べば
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    抒情詩の可能性をひたむきに追い求め、豊かに紡ぎ続けて70年になんなんとする詩業の、全作品中から選びぬかれ、劇的に配列された41篇の恋の情景。かなわぬ恋、破れた恋の切なさ哀しさ、こんなにも苦しくて、こんなにも甘やかな「あのひと」への思いを鮮烈に歌いあげる。日本語という美(うるわ)しき言霊(ことだま)の幸(さきわ)いを、この一冊に込めて。
  • 見送ル―ある臨床医の告白―
    3.7
    1巻1,408円 (税込)
    医者だって人間だから、患者の好き嫌いは当然あるし、贔屓もすれば、外科と内科の対立も日常茶飯事。ほとほと疲れる日もあるけれど、輝く笑顔で退院する患者を、見送る。力を尽くしてもひっそりと消えゆく命を、見送る。どちらも私が選んだ仕事……。現役医師だからこそ「小説」でしか描けなかった、命の現場のいま。
  • 暗殺者たち
    4.5
    1巻1,408円 (税込)
    安重根による伊藤博文暗殺。大逆事件で処刑された幸徳秋水、管野須賀子、大石誠之助。生きのびた荒畑寒村……。日本近代史のなかの人々が、いまそこに生きている人として語りなおされ、歴史の記述にはおさまらないいきいきとしたポルトレとして浮かびあがってくる。小説ならではの達成として動乱の時代を語る画期的な長篇。
  • 武士喰らい
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    主君、父、兄弟、そして妻。戦場での突然の裏切りにより、全てを失った小次郎。男に残されたのは、復讐の道だけだった。命じられるまま仇討ちを繰り返しているうち、「武士喰らいの黒鬼」と恐れられるようになる。だが、小次郎は知らされてはいなかった。その殺戮に隠された真の目的を。そして、本当の仇が誰なのかを――。破天荒かつ号泣必至の戦国綺談!
  • 復讐
    3.8
    1巻1,408円 (税込)
    北九州の小さな町に赴任してきた教師・舞子。最初の登校日の朝、暗い目をした少年に出会う。教室では明るく優等生として振舞う彼をどうしても目で追ってしまう舞子。二人がそれぞれに抱えた闇が、夏祭りの夜、花火のように暴発する。映画『ふがいない僕は空を見た』の監督が放つ次なる代表作、緊迫サスペンス長編小説。
  • 白き隣人
    3.3
    1巻1,408円 (税込)
    フリーランスの女性記者はなぜ標的にされたのか。高学歴の美青年はどうしてあの娘を受け入れず、拒むのか。おぞましい贈り物、見えない狙い、噛み合わない会話、やまない嫌がらせ、誰がシロで、誰がクロか……。「なかったこと」には、出来ない。もう一線を越えてしまったから。夜と隣人、宅配便と食事が怖くなる、ホラー小説の大傑作。

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  • 憂国始末
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    スポーツとして発展させれば良いのか、それともあくまで武道なのか――空手・至一流の改革論議のさなかを襲った一報は、一同を混乱に陥れるに十分だった。身内からテロリストが出るとは――。壮大な疑問符に答えを出すべく、創始者一族の若者が白装束で姿を現した。伝統とは何か、継承とは何か。右翼も沈黙する長篇小説。

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  • 修羅ゆく舟
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    種痘普及を念願する豪放磊落な蘭方医・玄齋と彼を愛する千草と沙穂。二人の女が織りなす奇妙で穏やかな妻妾同居は、玄齋が幕命により蝦夷地へ旅立つと同時に均衡を失う。嫉妬と我欲に翻弄され、ついに起こる悲劇の果てに彼らは何を見出したのか。己れの愛と生を一途に貫く男女の数奇な運命を描ききった圧巻の時代長篇。

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  • 不法愛妻家
    -
    イタリア人のファブリは、大阪生まれの和泉と出会い、恋に落ち結婚する。せっかちでドライな和泉と、どことなく要領が悪く、ロマンチストなファブリ。「大阪人vsイタリア人」とも言える二人は、惹かれ合ったり反発し合ったりしながら、日々を送り、やがて子供も生れる。爆笑の中で、夫婦、家族、日本を問う、新鮮な、書き下ろし長編。

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  • 脱獄者は白い夢を見る
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    祭太鼓が轟くなかで、一人の模範囚が忽然と消え失せた。四十八時間以内に脱獄者を確保せよ――女子刑務所は騒然となった。異変に気づいていたのは若手刑務官のみ。「白い夢」にアクセス出来る彼女だけが、逃亡先を知っていた……。仰天の仕掛け、感泣のラスト。内部を知悉する作家だけが成し得るサスペンス長篇。

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  • 片桐酒店の副業
    3.4
    1巻1,408円 (税込)
    「法に触れない限り、何でもお届けします」。冴えない酒店の片手間仕事のはずが、最近ワケあり注文が多い。「アイドルに手渡し」「上司に悪意を」等の難題に直面する無愛想な店主にも大きな遺失物があった……。ボイルドエッグズ新人賞作家が二作目でストーリーテラーの本領を発揮、ほろ苦く心温まる絶対オススメ長篇。

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  • 青にまみえる
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    酒にではない、お茶に酔ったのだ。中国有史五千年のはるか以前より、福建省の深山に自生し続ける、大地自然の気をたっぷり吸い込んだ悠久の茶。この、水に次ぐ命の飲み物に酔った時から、「私」の運命はゆったりと動き始め……。混迷を深める人の世の底なしの泥沼に、疲れはてた心と体を温かくうるおす、大人のための小説。

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  • 中野トリップスター
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    身内にだけはちょっと甘い、武闘派極道の山根。組長から押しつけられた今度のシノギは、韓国スリ団相手の旅行代理店!義理も人情も通じねえわがまま放題の顧客、やくざよりも自分勝手な堅気の部下たち。正直、すぐにでもこんな会社潰してえ。だが待てよ、人のために働くって、案外楽しいかも!?ポップでシリアスな、極上エンタメ!

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  • 四龍海城
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    夏休みの最初の午後。中学生の健太郎は、海に浮かぶ謎の城に閉じ込められてしまう。城には同じように迷い込んだ十数人の大人たちと、暗い目をした少年、貴希がいた。次第に覇気を失う大人を尻目に、健太郎と貴希は城を出ようともがき続ける……。孤独で清らかな二つの魂がからみあう、ひと夏のファンタジック・サスペンス。

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  • 普天間よ
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    在日米軍基地の約75%が集中する沖縄。いまも「日常のなかにいつも戦争がある」基地のある町に暮らす祖母、父、娘、三世代それぞれの「普天間」。轟音の中での日常を切実に描き出す書下ろし中篇「普天間よ」を収録、戦前戦後を生き抜いて沖縄文学を牽引し続ける作家が沖縄の魂を織り込んで、「沖縄と戦争」をあぶりだす7篇。

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  • 落雷はすべてキス
    4.3
    1巻1,430円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 読む人の世界の美しさのきっかけになりたい――。webマガジン「yom yom」掲載詩を中心に、「最果タヒ書店」のグッズ、雑誌、SNS発表作品を加えた44編を収録。詩の映画化、個展、作詞、街とのコラボレーションなど、ジャンルを超え続ける詩人が、言葉にならない思いを紡ぎ、未知の感覚を呼びさます最新詩集。 ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 優駿(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,430円 (税込)
    生れる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように速く、嵐みたいに烈しく、名馬の天命をたずさえて生れますように……。若者の祈りに応(こた)えて、北海道の小さな牧場に、一頭のサラブレッドが誕生した。オラシオン(祈り)と名づけられた仔馬は、緑と光の原野のなかで育ち、順調に競走馬への道を歩みはじめるが、それと共に、登場人物ひとりひとりの宿命的な劇(ドラマ)が、幕を開けた――。 ※当電子版は新潮文庫版『優駿』上下巻をまとめた合本版です。
  • あのころなにしてた?
    3.4
    1巻1,430円 (税込)
    感染者数の増減に一喜一憂したりと深刻さと楽観視がくるくる入れ替わる心理状況は、まるで洗濯機のなかで洗浄モードと脱水モードが繰り返され、生地がすり減っていく洗濯物みたいだ――。コロナ禍による創作への思わぬ影響、家族との生活の変化、めまぐるしい世界の動きを、パンデミック収束への願いをこめながら綴った2020年の日記。
  • 羊たちの沈黙(上下)合本版(新潮文庫)
    4.0
    獲物の皮を剥ぐことから“バッファロウ・ビル”と呼ばれる連続女性誘拐殺人犯が跳梁する。要員不足に悩まされるFBIが白羽の矢を立てたのは訓練生クラリス・スターリング。彼女は捜査に助言を得るべく、患者を次々に殺害して精神異常犯罪者用病院に拘禁されている医学博士ハンニバル・レクターと対面するが――。1980年代末からサスペンス/スリラーの潮流を支配する“悪の金字塔”! ※当電子版は新潮文庫版『羊たちの沈黙』上下巻をまとめた合本版です。
  • 砂の器(上下)合本版(新潮文庫)
    5.0
    1巻1,430円 (税込)
    東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。 映画でもドラマでも大ヒットした社会派ミステリー。 ※当電子版は新潮文庫版『砂の器』上下巻をまとめた合本版です。
  • キリギリスのしあわせ
    3.8
    森のはずれの川のそばにあるキリギリスのお店には、どうぶつたちのほしがるものが〈なんでも〉ある。五本脚の椅子、なくならないケーキ、着替え用のうろこや羽毛、〈絶望〉や〈時間〉まで……。生きにくい時代にありのままであることを肯定し、そっと励ましてくれる『ハリネズミの願い』に続く大人のためのどうぶつ物語第三弾。
  • エロスでよみとく万葉集 えろまん
    3.5
    1巻1,430円 (税込)
    「君、センスいいね。俺、天皇」といきなりナンパしたり、「彼氏が来るからパンツ脱いで待ってよう♪」って赤裸々過ぎたり、単身赴任先で愛人に入れあげてたら本妻が乗り込んできたり! 新元号「令和」の出典として大注目の『万葉集』は、現代のツイッターも真っ青、エロ面白い歌のオンパレードだった! 衝撃の古典超訳。
  • きげんのいいリス
    3.8
    ブナの樹の上に暮らす忘れっぽくて気のいいリス。知っていることが多すぎて、頭の重みに耐えかねているアリ。始終リスを訪ねてきてはあちこち壊す夢みがちなゾウ。思いとどまってばかりのイカ。チューチュー鳴くことにしたライオン。……不器用で大まじめ、悩めるどうぶつたちが語りだす、テレヘン・ワールドへようこそ!
  • くたばれ地下アイドル
    4.4
    1巻1,430円 (税込)
    アイドルになりたい欲望って? アイドルを追いかける熱情って何なの? アイドルだって好きにしていいでしょ? 買いかぶることもないし、自虐になるのもいやだし、自由に暮らしていいよね……仕事じゃないから、ドルオタは! 日常にアイドルがある喜び。明日は誰を好きになろうかな――POPで明るい初めての作品集。
  • ハリネズミの願い
    3.5
    ある日、自分のハリが大嫌いで、つきあいの苦手なハリネズミが、誰かを招待しようと思いたつ。さっそく招待状を書き始めるが、手紙を送る勇気が出ない。もしクマがきたら? カエルがきたら? フクロウがきたら? ――臆病で気難しいハリネズミに友だちはできるのか? オランダで最も敬愛される作家による大人のための物語。
  • 雄気堂々(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,452円 (税込)
    近代日本最大の経済人渋沢栄一のダイナミックな人間形成の劇を、幕末維新の激動の中に描く雄大な伝記文学。武州血洗島の一農夫に生れた栄一は、尊皇攘夷の運動に身を投じて異人居留地の横浜焼打ちを企てるが、中止に終った後、思いがけない機縁から、打倒の相手であった一橋家につかえ、一橋慶喜の弟の随員としてフランスに行き、その地で大政奉還を迎えることになる。 ※当電子版は新潮文庫版『雄気堂々』上下巻をまとめた合本版です。
  • ペインレス(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,474円 (税込)
    野宮万浬、ペインクリニックで患者の痛みと日々向き合う優秀な医師。彼女には、秘密があった。心に一切痛みを感じないのだ。一方、数々の国際プロジェクトを手掛けてきた貴井森悟は、爆弾テロに遭って痛覚と情熱を失い、無為に生きていた。謎めいた老人、曾根雅雄の導きにより、ふたりは運命の邂逅を果たす──。人間の根源を抉るサスペンスにして、最もスリリングな医学エンターテインメント。 ※当電子版は新潮文庫版『ペインレス』上下巻をまとめた合本版です。
  • 海底二万里(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    ときは1866年、大西洋に謎の巨大生物が現れた! 異形の〈怪物〉の目撃譚に人々はおののき噂した。白鯨か? 伝説の怪異か? はたまた超自然現象か? 議論が沸騰するなか、アロナクス教授はその正体を暴くため、使用人のコンセイユとともに高速フリゲート艦に乗り込む。それが、驚くべき旅の始まりになるとも知らずに──。少年から大人までをも魅了する海洋冒険ロマンの傑作、新訳。 ※当電子版は新潮文庫版『海底二万里』上下巻をまとめた合本版です。
  • 孤高の人(上下)合本版(新潮文庫)
    4.7
    1巻1,474円 (税込)
    昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。 ※当電子版は新潮文庫版『孤高の人』上下巻をまとめた合本版です。
  • 犬は歌わないけれど
    -
    1巻1,485円 (税込)
    「未来はどこにあるの?」幼い息子の本質を突く問いに考え込む。バンドデビューした高校時代、背中を押してくれた友人の言葉。事務所から独立して初めて知る社会の一般常識。いとおしい愛犬の存在。そして親友のグループ脱退……。地下スタジオにこもって音楽と向き合う中で心に浮かんだ大切な記憶と想いを紡ぐエッセイ集。
  • 公園へ行かないか? 火曜日に
    4.3
    1巻1,496円 (税込)
    2016年11月8日、わたしはアメリカで歴史的瞬間に居合わせた、はずだった――。世界各国から作家や詩人たちが集まる、アイオワ大学のインターナショナル・ライティング・プログラムに参加した著者が、英語で議論をし、街を歩き、大統領選挙を経験した3ヶ月。現地での様々な体験から感じたことを描く11の連作小説集。
  • この血の流れ着くところ
    3.7
    1巻1,496円 (税込)
    母のようにだけはなるまい、と心に決めて生きてきた。なのに、気付けば母と同じことをしている自分がいる。この娘も、母や私のようになってしまうのだろうか――。貧困、いじめ、シェアハウス、シングルマザー、そして信仰。我が子の幸せを願うとは、いかなることか? 世の毒親物とは一線を画し、ここに母娘小説は極限を見る。
  • 炎の来歴
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    炎は消えてもその来歴は残る。ひとりの男の人生を根底から動かして、海の向こうへ、燃えさかる炎へと向かわせた、崇高なその行為とは。二人の間を流れた電流とは何だったのだろうか――。戦後の日本とヴェトナムを舞台に人間の尊さと愚かさ、平和と戦争、愛と憎しみを描き出す激しくも美しい物語。心震わせる著者入魂の飛翔作。
  • パラダイスィー8
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    失恋をして、仕事なんて全く手につかない。辛うじて生活を送るだけで精一杯……という人に朗報! あなたが日常に戻るまでサポートする、公的サービスがあるんです(「失恋給付マジカルタイム」)ほか。幻想文学の旗手が描く、ほんの少し不思議な世界に暮らす心優しき人々の日々。軽やかで幸福に満ちた新感覚SF短篇集。
  • ゆらぐ玉の緒
    4.3
    1巻1,496円 (税込)
    老齢に至って病いに捕まり、明日がわからぬその日暮らしとなった。雪折れた花に背を照らされた記憶。時鳥の声に亡き母の夜伽ぎが去来し、空襲の夜の邂逅がよみがえる。つながれてはほどかれ、ほどかれてはつながれ、往還する時間のあわいに浮かぶ生の輝き、ひびき渡る永劫。一生を照らす生涯の今を描く全8篇。古井文学の集大成。
  • 校舎の静脈
    4.3
    1巻1,496円 (税込)
    なかに入るとタイムスリップするという給食運搬用のリフト。毎日屋上からフェンスを越えて飛び降りるとささやかれる安行という謎の男。こことは並行して存在する異世界に思いをめぐらす少女。一見平凡そのものにみえる学校のかげに生じるかすかな綻び……。現実に微妙なズレを感じつつ生きる少年少女達を描く表題作他三篇。
  • ソラシド
    3.8
    1巻1,496円 (税込)
    むかし写真誌のレイアウター、今は文筆業のおれは、ふと手にした古い雑誌の記事に惹きつけられる。その二人組は愛してやまないアルバムと一番好きな曲が自分と一致し、片割れはかつてのおれと同じくダブル・ベース弾きだった。彼女たち=ソラシドの断片を掻き集め、おれは紡いでゆく――。クラフト・エヴィング商會の物語作者が描く、失われたものの小説。
  • 傲慢な婚活
    3.0
    1巻1,496円 (税込)
    職業・前衛音楽家、偶に小説家。ノイズの世界ではドイツで評判が良く、「新潮」の編集者に拝み倒されて書いた小説は日本で一番有名な文学賞の候補になり、本も売れた。が、パトロンを失い、暗転に次ぐ暗転でボンビー暮らしに転落。一寸マジメに婚活したら、俺のファンだという20歳で資産家の娘が嫁にして下さいと出現。とんだハメに……『下妻物語』的コミカルで感動のラブロマンス。
  • 聖地Cs
    3.8
    1巻1,496円 (税込)
    わたしは、もう、イヤなんです。死なせるのはもう。だから、なかったことには絶対しない──。原発事故による居住制限区域内で被曝した牛たちを今も飼い続けている牧場で、東京からボランティアに来た女性が見たものは──。原発事故問題を真正面から見つめて真摯に描いた表題作と「猫の香箱を死守する党」の二篇を収録。
  • ライオット・パーティーへようこそ
    3.0
    1巻1,496円 (税込)
    自殺するはずだった戸野宮毬は、飛び降り直前に天使のような青年・人百合と出会う。彼との出会いで毬は生まれ変わるが、世間では、通り魔事件、食品への薬物混入事件、意味不明のフラッシュモブなどが頻発し始める。それは、計画された未曾有の大規模暴動の前哨戦だった――恩田陸さんが選んだ新人作家、入魂の長編書下ろし!
  • その名もエスペランサ
    3.5
    1巻1,496円 (税込)
    本郷苑子29歳、黒縁めがね、生マジメ、独り暮らし、日課は通い猫のエサやり。前の職場で受難、三ヶ月ぶりの新たな派遣先は……英文事務のはずが、作業服で部品係とトラブル処理班も兼務、しかもチャラ男に仙人、いびりの鬼がいた。こんなエンジン工場から「希望」は生まれるのか? 大注目『片桐酒店の副業』の新鋭の傑作長篇。
  • 赤い追跡者
    4.1
    1巻1,496円 (税込)
    強奪、脅迫、色仕掛け。取材の為なら手段を選ばぬディレクター西悟は、罪なきエイズ患者の無念を晴らすため、厚生官僚・医学部教授・製薬会社がひた隠す秘密を暴いてゆく。衝撃的なNHKの薬害エイズ特番を制作し、すべての真相を知る当事者がここまで描き切った! 社会派小説の枠を超えた一気読み必至の極上エンタメ。
  • キミトピア
    4.3
    1巻1,496円 (税込)
    あなたが見せるその「優しさ」ってなんか違くない? 夫が分泌するものに、妻は名前をつける(「やさしナリン」)。許せない渾名の先輩をストーキングする私の親友(「ンポ先輩」)。一人ぼっちの部屋に突然現れたもう一人の自分(「あまりぼっち」)。話題作に書下し三作を追加、舞城最多七篇で編むトータル・ストーリーズ。

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  • 水晶内制度
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    原発を国家の中枢として日本から独立した女人国ウラミズモ。亡命作家は新国家のため創作神話を書くが……。高校では「ロリコン」男が飼育され、男性保護牧場では美男だけが生き延びる!? 家畜人ヤプーから出雲神話、児童ポルノ規制法案等、古今東西の名作・迷作を友とし敵として、自由も倫理も性愛もない女の楽園を描く平成の「奇書」。

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  • 僕の心の埋まらない空洞
    3.3
    1巻1,496円 (税込)
    栄転を目前にした検察官が最後に手がけた事件は、社内不倫の果ての殺人だった。故意なのか、それとも事故なのか。「検事さんにだけは本当のことを知ってもらいたい」と、恋の始まりから終わりまでをねっとり語る被告の言葉が、真面目な官吏のおだやかな毎日を少しずつむしばんでいく。思わず我が身を振り返る心理サスペンス長編。

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  • 謎とき『悪霊』
    4.3
    1巻1,496円 (税込)
    現代において「救い」はあり得るか? 究極の「悪」とは何か? そして、「神」の正体とは?……。「スタヴローギンの告白」3つの異稿を読み解くことで、これまで語られることのなかった、人間性の本質を問う試みが見えてくる。『罪と罰』『カラマーゾフ』『白痴』の「謎とき」シリーズから20年、亀山版「謎とき」の登場!

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  • いつか、この世界で起こっていたこと
    3.8
    1巻1,496円 (税込)
    犬を連れ、白樺とモミの林にきのこ狩りにでかけていたチェーホフ。一九七七年のエルヴィスの死と、アメリカ核施設見学ツアー。ユーゴから日本へと逃れてきた女性シンガー。関東大震災の津波で生死を分けた鎌倉の夫婦。震災後に生きるわたしたちを小さな光で導く、いつか、どこかで、起こっていたこと。深い思索にみちた短篇集。

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  • 兄よ、蒼き海に眠れ
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    生命を惜しむということは、死を怖れることではない。大義のための死なら貴い。しかし……。瀬戸内の基地で「回天」特攻隊員として出撃を待つ兄は、たぎる想いと葛藤の日々を、日記と弟への手紙に綴った。学童疎開先から返事を書き続ける弟。だが東京大空襲で父母を、そして疎開先で妹を失う――著者渾身の書下ろし長編小説。

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  • 虚像(上)―覇者への道―
    3.0
    1~2巻1,496円 (税込)
    平成大不況をよそに「大泉内閣」に食い込み、規制緩和の旗振り役となったノンバンクの帝王。男はいかに政商にのし上がり、なぜ表舞台から消えたのか――。紳士然たる風貌に隠された非情、恫喝、肥大する欲望。投資ファンドとの癒着、金融相と仕組んだ出来レース、そして経営破綻の危機……。巨利の構図を射抜く経済小説の金字塔!

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  • 村上春樹の「物語」―夢テキストとして読み解く―
    3.8
    1巻1,496円 (税込)
    村上春樹が『空気さなぎ』を書いていたらベストセラーになったか? 青豆の妊娠の背後にある「結婚の四位一体性」とは? 『1Q84』と村上春樹の主要作品を渉猟し、物語の背後に息づく近代以前の超自然に包まれた神話的世界を探り、そしてポストモダンの時代に生きる我々の姿を描き出す、ユング研究の第一人者による待望の小説論。

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  • 作家のへその緒
    3.5
    1巻1,496円 (税込)
    浄土真宗のお経のリズムとメロディから宮沢賢治の独特な文体が生まれた。母親の乳首をねぶった想い出を生涯にわたって慕いつづけた谷崎潤一郎。少年期に体験した激しい飢えがいつまでも消えなかった開高健。ほかにも与謝野晶子、稲垣足穂、高村光太郎ら十二人の作家、詩人、歌人たちの原点(へその緒)を探る文学談義。

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  • 雪の練習生
    3.9
    1巻1,496円 (税込)
    極北の地に生まれ、サーカスの花形から作家に転身し、自伝を書きつづける「わたし」。その娘で、女曲芸師と歴史に残る「死の接吻」を演じた「トスカ」。そして、ベルリン動物園のスターとなった孫の「クヌート」。人と動物の境を自在に行き来しつつ語られる、美しくたくましいホッキョクグマ三代の物語。多和田葉子の最高傑作!

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  • 財布は踊る
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    会社の同僚と平凡な結婚をし、ひとり息子にも恵まれ、専業主婦として穏やかに暮らす葉月みづほ。彼女はある夢を実現するために、生活費を切り詰め、人知れず毎月二万円を貯金していた。二年以上の努力が実り、夢を実現した喜びも束の間、夫に二百万円以上の借金があることが発覚して――。様々な事情で「今より少し、お金がほしい」人達の、切実な想いと未来への希望を描く!
  • こいごころ
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    剣呑なお願いをする妖狐・老々丸と笹丸が現れて、またもや若だんなは頭を悩ましているってぇ! しかも笹丸は妖としての力が尽きかけているようで、兄やも長崎屋の妖たちもいつもと様子が違う……。あまりに切実な、“また会いたい”という願い、永遠の命を持つはずの妖にとっての最期とは――。シリーズ第21弾。
  • 森をひらいて
    3.7
    1巻1,540円 (税込)
    手を繋ごう。この戦争を逃れて、私たちは生きる。生き延びる――。外界と隔絶された学園で寮生活を送る少女たちの間で流行する、「森を作る」という遊び。誰もが森を持つ中、揺は一人だけ森を作ることができない。思い悩む揺だったが、激化する戦争の影が学園にも忍び寄る。自らの生きる道を求めて、揺はある賭けに出る……。
  • 食いしん坊発明家
    3.7
    1巻1,540円 (税込)
    昭和三〇年代の福島。日本酒の蔵元に生まれた少年の夢は、食べ物でみんなを幸せにすること。かくて少年は、農大卒業後、東京で発明家を目指す。いまや常識となった「出汁入り味噌」、「匂い」に着目した絶品ラード、そして人類の悲願「人工松茸」――。尽きせぬ食欲だけを武器に、美味を追い求める発明家の栄光と失敗の日々。
  • 奈落
    3.8
    1巻1,540円 (税込)
    17年前の夏、人気絶頂のミュージシャン・香織はステージから落ち、すべてを失った。残ったのは、どこも動かない身体と鮮明な意識、そして大嫌いな家族だけ。それでも彼女を生かすのは、壮絶な怒りか、光のような記憶か、溢れ出る音楽か――。生の根源と家族の在り方を問い、苛烈な孤独の底から見上げる景色を描き切った飛翔作。
  • ここは夜の水のほとり
    3.3
    1巻1,540円 (税込)
    生に無頓着なのに、死と隣り合わせだったあの頃。あなたと優しい幽霊、古い一軒家、アトリエ、そして玉川上水のほとりの並木道……。あまりにも完璧な、けれどもどこか曖昧な環境で、かけがえのない人さえ守りきれなかった私たちの、歪でつかみどころのない青春群像。受賞作を含む連作短篇集。
  • 県民には買うものがある
    3.3
    1巻1,540円 (税込)
    滋賀の片田舎に住む私たちは、「JKでヤってない」ってだけでかなり取りこぼしてる。だから廃れたSNSで、ちょうどいい男を探すことに……。都民でも府民でも道民でもない、「県民」の心の底にある揺らぎを掬い取った「R-18文学賞」友近賞受賞作をはじめ、切実すぎるのになんだか残念、でも胸が熱くなる、デビュー短編集。
  • 百の夜は跳ねて
    3.5
    1巻1,540円 (税込)
    「格差ってのは上と下にだけあるんじゃない。同じ高さにもあるんだ」。高度200メートル。僕はビルの窓を拭く。頭の中で響く声を聞きながら。ある日、ふとガラスの向こうの老婆と目が合い……。境界を越えた出逢いは何をもたらすのか。無機質な都市に光を灯す「生」の姿を切々と描き切った、まったく新しい青春小説。
  • あなた
    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    あなたを見守り、また見送るなかで、二人ともに過ごした夫婦の時間は、行きつ戻りつしながら、記憶にさらに深く刻まれ、やがて新たに繋がり始める――沖縄に暮らす日々が、しずかに、ゆたかに、語りだされる。九十二歳の日常と沖縄の現状を綴り、生き抜いてきた時代を書き留める「御嶽の少年」等六篇を収録する最新作品集。
  • 忍びの国 オリジナル脚本
    5.0
    1巻1,540円 (税込)
    大野智(嵐)主演で映画化! 天下統一を企む織田軍勢vs.人でなしの忍者たち。その戦いを描いた大ヒット新感覚の忍び小説は、この脚本から誕生した。“原石”とも言えるオリジナル版を、作者が明かす創作秘話や、監督が語る撮影裏話とともにお届けします!
  • 王妃マリー・アントワネット(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,562円 (税込)
    美しいブロンドの髪とあどけない瞳を持つ14歳の少女が、オーストリアからフランス皇太子妃として迎えられた。少女はやがて、ヴェルサイユに咲いた華麗な花と呼ばれ、フランス最後の王妃として断頭台に消える運命にある……。フランス革命を背景に、悲劇の王妃の数奇な生涯を、貧しい少女マルグリット、サド侯爵、フェルセン、ミラボーなど多彩な人物を配して綴る、壮大な歴史ロマン。 ※当電子版は新潮文庫版『王妃マリー・アントワネット』上下巻をまとめた合本版です。
  • 贋作 桜の森の満開の下/足跡姫 時代錯誤冬幽霊
    -
    1巻1,584円 (税込)
    恐ろしいまでに妖しく、息を呑むほどに美しく。満開の桜の下で幻想と狂気が咲き乱れる。坂口安吾を下敷きにした名作「贋作 桜の森の満開の下」最新版。江戸時代の女歌舞伎に身を捧げた出雲阿国を描き、亡き十八代目中村勘三郎へのオマージュにして舞台芸術への愛に満ちた「足跡姫」。新旧の古典的マスターピースからなる決定版!
  • 〆太よ
    3.5
    1巻1,584円 (税込)
    まともなつもりで正気を失った20世紀末の日本で人間のクズを自認するおれと純粋無垢な盲目の青年〆太は本物の友情で結ばれる。究極の遊び人にしておれの麻薬(ドラッグ)の師匠や性交(セックス)を作品と心得るおれの中学時代の女神(マドンナ)との交歓の果て〆太とおれはある邪悪な陰謀に挑むことに……。構想20年。己れが己れであることをめぐる冒険の物語。
  • エンディング・パラダイス
    4.0
    1巻1,584円 (税込)
    亡き父の遺言を果たすため南太平洋の島に遺骨収集の旅に出た昭平。辿りついた地は村の人々が原始的な生活をして平和に暮らす桃源郷だった。彼は村で暮らす決心をする。だが迫り来る大国企業の天然ガス採掘の足音に脅かされる原住民たち。昭平は共に村を守り闘う決意を固める。渾身の力で未来を切り拓いていく老人の成長物語。
  • 忿翁
    5.0
    1巻1,584円 (税込)
    あの凄惨でどこか晴れやかな忿怒の老人は死んだ父親なのか、私なのか、それとも幻の息子なのか。鋭い感性と濃密な文体で、現代の狂気と正気、夢と現実の狭間に踏み入る長編小説。
  • 十三匹の犬
    4.0
    1巻1,584円 (税込)
    物語の語り手は、一家で飼われてきた歴代十三匹の犬たち。戦前の明るい空気の札幌、戦争中から敗戦後の混乱の中での北京、引揚げ後の米軍の占領に始まる戦後から平成までの東京を舞台に、愛らしい犬だけでなく、臆病な犬、凶暴な犬、殺された犬、様々な犬たちが紡ぎ出す、その犬の一生と家族の歴史。十三章からなる長編小説。
  • エデュケーション
    3.0
    1巻1,584円 (税込)
    この国に必要なのは、子どもの可能性を伸ばす理想の小学校だ――就活中の学生たちが、夢に向かって立ち上がった。設立のための資金は四億円、意気と情熱で奔走していく彼ら。だが前途に待っていたのは挫折、裏切り、そして黒い策謀だった。彼らが思い描く「志ある授業(エデュケーション)」は実現するのか。不可能に挑む青春群像を描き心震わす力作!
  • D菩薩峠漫研夏合宿
    4.0
    1巻1,584円 (税込)
    「ぜったい一緒に寝ようね。おにいさまより。」漫研の合宿に初参加した15歳の「わたし」は、出発前のバッグの中にメモを見つけて……。テレビもラジオもない漫画漬けの日々、熱愛カップルの復活、思いがけないおしおき、意外な告白、夜更けの甘いあえぎ声……。切なさに胸熱くなるひと夏の物語。著者初の自伝的BL小説。
  • 京都
    3.3
    1巻1,584円 (税込)
    「平安建都千二百年」に沸く京都で、地図から消されようとしている小さな場所。たしかにそこにいたはずの、履物屋の老夫婦と少年の自分。千年百年単位で幾重にも塗りこめられた土地の記憶。自身が生まれ育った京都という町を舞台に、昭和三十年代から現在までの半世紀にわたって、人びとの営みの根源に触れる連作小説。
  • 寝相
    3.7
    1巻1,584円 (税込)
    人生最後の日々を過ごす老人とその孫娘の静かな同居生活を描く「寝相」。失業中の男、元女番長、なぜか地面を這うようになった小学生が織り成す異色の群像劇「わたしの小春日和」。奇妙な美しさを放つ庭を男女四人の視点で鮮明に描き出す「楽器」(新潮新人賞受賞作)。目を凝らし、耳を澄ませるための三つの物語。瞠目のデビュー作。

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