新潮社作品一覧

  • 「忠臣蔵」の決算書
    4.0
    吉良邸討ち入りに費やされた軍資金は「約七百両」──武器購入費から潜伏中の会議費、住居費、飲食費に至るまで、大石内蔵助は、その使途の詳細を記した会計帳簿を遺していた。上野介の首を狙う赤穂浪士の行動を金銭面から裏付ける稀有な記録。それは、浪士たちの揺れる心の動きまでをも、数字によって雄弁に物語っていた。歴史的大事件の深層を一級史料から読み解く。「決算書」=史料『預置候金銀請払帳』を全文載録。

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  • 外交プロに学ぶ 修羅場の交渉術
    3.5
    外交のプロたちは、交渉に臨むビジネスマンにとって最高の教師である。要求を突きつけ、相手を説き伏せ、国益を守る彼らは、熾烈な戦いに勝つためのテクニックや戦略、言葉を持っている。説得力を失うNGワード、非常識な相手との付き合い方、ナメられる交渉者の特徴、「交渉決裂」をどう表現するか……。日経新聞で長年外交・安全保障を担当してきた記者が、巧妙で周到な「プロの交渉術」を紹介する。

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  • さぶ
    4.4
    小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋をさぶが泣きながら渡っていた。その後を追い、いたわり慰める栄二。江戸下町の経師屋、芳古堂に住みこむ同い年の職人、男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶの、辛さを噛みしめ、心を分ちあって生きる、純粋でひたむきな愛と行動。やがておとずれる無実の罪という試練に立ち向う中で生れた、ひと筋の真実と友情を通じて、青年の精神史を描く。

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  • 江戸川乱歩傑作選
    4.3
    日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作『二銭銅貨』、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する『芋虫』、他に『二癈人』『D坂の殺人事件』『心理試験』『赤い部屋』『屋根裏の散歩者』『人間椅子』『鏡地獄』。

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  • 破船
    4.3
    1巻693円 (税込)
    二冬続きの船の訪れに、村じゅうが沸いた。けれども、中の者は皆死に絶えており、骸が着けていた揃いの赤い着物を分配後まもなく、恐ろしい出来事が起った……。嵐の夜、浜で火を焚いて、近づく船を座礁させ、積荷を奪い取る――僻地の貧しい漁村に古くから伝わる、サバイバルのための過酷な風習“お船様”が招いた海辺の悲劇を描いて、著者の新境地を示す異色の長編小説。

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  • 吾輩は猫である
    4.3
    中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。

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  • 町奉行日記
    4.5
    着任から解任まで一度も奉行所に出仕せずに、奇抜な方法で藩の汚職政治を摘発してゆく町奉行の活躍ぶりを描いた痛快作『町奉行日記』。藩中での失敗事をなんでも〈わたくし〉のせいにして、自己の人間的成長をはかる『わたくしです物語』。娘婿の過誤をわが身に負ってあの世に逝く父親の愛情を捉えた短篇小説の絶品『寒橋』。ほかに『金五十両』『落ち梅記』『法師川八景』など全10篇を収録。

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  • 新約聖書を知っていますか
    3.9
    新約聖書の冒頭で、マリアの夫ヨセフの系図を長々と述べているのはなぜでしょう。処女懐胎が本当ならば、そんなことはイエスの血筋と無関係のはずです。ところで、聖書の中に何人のマリアが登場するか知っていますか? ではヨハネは? そして、イエスの“復活”の真相は? 永遠のベストセラー『新約聖書』の数々の謎に、ミステリーの名手が迫ります。初級者のための新約聖書入門。

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  • そして粛清の扉を
    4.5
    荒れ果てた都内の某私立高校。卒業式の前日、あるクラスで女性教師が教室に立てこもり、次々と生徒を処刑しはじめた。サバイバルナイフで喉をかき切り、手馴れた手つきで拳銃を扱う彼女は教室を包囲していた警察に身代金を要求。金銭目的にしてはあまりに残虐すぎる犯行をいぶかる警察に対し、彼女はTV中継の中、用意された身代金で前代未聞のある「ゲーム」を宣言した。彼女の本当の目的は? 第1回ホラーサスペンス大賞を受賞した、戦慄の衝撃作。

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  • 旧約聖書を知っていますか
    4.2
    「旧約聖書」を読んだことがありますか? 天地創造を扱う創世記あたりはともかく、面倒なレビ記申命記付近で挫折という方に福音です! 預言書を競馬になぞらえ、ヨブ記をミュージカルに仕立て、全体の構成をするめにたとえ――あらゆる意味での西欧の原点「旧約聖書」の世界を、枝葉末節は切り捨て、エッセンスのみを抽出して解説した、阿刀田式古典ダイジェストの決定版。

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  • 黄色い目の魚
    3.9
    1巻880円 (税込)
    海辺の高校で、同級生として二人は出会う。周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。友情でもなく恋愛でもない、名づけようのない強く真直ぐな想いが、二人の間に生まれて――。16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。青春小説の傑作。

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  • 破獄
    4.2
    1巻935円 (税込)
    昭和11年青森刑務所脱獄。昭和17年秋田刑務所脱獄。昭和19年網走刑務所脱獄。昭和22年札幌刑務所脱獄。犯罪史上未曽有の四度の脱獄を実行した無期刑囚佐久間清太郎。その緻密な計画と大胆な行動力、超人的ともいえる手口を、戦中・戦後の混乱した時代背景に重ねて入念に追跡し、獄房で厳重な監視を受ける彼と、彼を閉じこめた男たちの息詰る闘いを描破した力編。読売文学賞受賞作。

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  • 『吾輩は猫である』殺人事件
    4.0
    「吾輩は猫である。名前はまだ無い」この一行に、大きな謎が仕組まれていたとは―。上海の街に苦沙弥先生殺害の報せが走り、猫の「吾輩」はじめ、おなじみ寒月、東風、迷亭に三毛子、さらには英国猫のホームズやワトソン、シャム猫の伯爵など、集まった人が、猫が入り乱れ、壮大な野望と謀議が渦を巻く。卓抜な模写文体とロマンで、日本文学の運命を変えた最強のミステリー。

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  • 水晶内制度
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    原発を国家の中枢として日本から独立した女人国ウラミズモ。亡命作家は新国家のため創作神話を書くが……。高校では「ロリコン」男が飼育され、男性保護牧場では美男だけが生き延びる!? 家畜人ヤプーから出雲神話、児童ポルノ規制法案等、古今東西の名作・迷作を友とし敵として、自由も倫理も性愛もない女の楽園を描く平成の「奇書」。

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  • 談志歳時記―名月のような落語家がいた―
    4.4
    わたしは十五歳の時、末広亭で彼の真打披露興行を見て、人生が決まってしまった――。落語を芸術に高めた男・立川談志との五十年を描く慟哭のメモワール。談志はどれだけ落語に愛され、どれだけ落語を愛し、破壊し、創り直していったか。老いや病そして落語と格闘し続けた最後の五年間を間近で克明に記した日記を附す。

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  • 縦走路
    3.6
    北アルプス、冬の八ヶ岳で二人の山男は、「女流登山家に美人なし」と言う通念をくつがえす、美貌のアルピニスト“千穂”に夢中になる。彼女の旧友でライバルの美根子を交えた四人の間に恋愛感情のもつれが起こるが、命がけの北岳胸壁攻撃の後、千穂は……。きびしい冬山と氷壁を舞台に、“自然対人間”そして“男対女”を通して緊迫したドラマをみごとに描く傑作長編山岳小説。

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  • きびだんご侍
    4.0
    黍団子を食べれば百人力、槍の腕は武士にも引けをとらない与右衛門。志願して加わった上杉方との戦で抜群の度胸と機転を発揮し、手柄をたてた彼が望んだものは――。名もない小作人の活躍をコミカルに描く表題作の他、歴史の背後に隠された気象情報戦略に迫る「豪雪に敗けた柴田勝家」、幕末のアイヌ反乱を扱った「最後の叛乱」など、バラエティに富んだ7編を収める時代小説短編集。

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  • 火の島
    -
    台風観測の最前線に位置する絶海の孤島・鳥島は、昭和40年11月、火山爆発の危機にさらされていた。無気味な地の鳴動、鼻をつく異臭、そして大噴火を目前にした鳥島観測所。絶体絶命の状況で、死の恐怖と観測の使命の間に苛立つ所員たちの緊迫した心理と行動を迫真の筆にとらえた長編表題作。ほかに、『毛髪湿度計』『ガラスと水銀』の2短編を併録する、著者ならではの科学小説集。

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  • 小説に書けなかった自伝
    4.0
    安月給の生活苦。妻の本に触発された訳ではないが、小説に挑戦してみようと思った。しかし、何をどう書けばいいのかまるでわからない。なくされた原稿、冷たい編集者、山岳小説というレッテル、職場での皮肉。フルタイムで働きながら、書くことの艱難辛苦……。やがて、いくつもの傑作が生まれていく。事実を下敷きに豊かな物語を紡いで感動を生んできた新田文学の知られざる内面史。

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  • アルプスの谷 アルプスの村
    4.2
    チューリッヒを出発した汽車は牧草地をぬけるとアルプスの山塊を登っていく。いきなり車窓に飛びこんできた巨大な岩壁のアイガー、朝日に全容を示した坐せる孤峰のマッターホルンをはじめ、人なつこい宿の主人シュトイリ氏、チナールの谷で逢った愛らしいベルギーの少女たちなど、憧れの土地で接した自然の風物と人情の機微を清々しい筆で捉えた紀行文。佐貫亦男氏の写真多数収録。

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  • チンネの裁き・消えたシュプール
    -
    剣岳の肩に聳える尖塔状の岩峰“チンネ”の直下に発生した落石遭難。その原因に不審を抱く山男たちを襲う第二第三の遭難。――岩壁に憑かれたクライマーたちの確執を描く長編『チンネの裁き』など4編を収録。峻烈な気象と嶮岨な地形、極限状況ともいうべき山での遭難に秘められた意外な事実――自然現象と人間行為のはざまに隠れた遭難事故の真相を追うユニークな山岳推理小説集。

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  • 岩壁の掟・偽りの快晴
    5.0
    競いあう二人の女性クライマーの虚栄の犠牲となり、穂高屏風岩に自ら生命を絶った田浦敏夫。彼に町の生活を捨てさせ、山へと駆りたてたものは何だったのか……。人生の重い悲しみを負った一人の山男の屈折した生涯を、冷厳に聳える岩壁を背景に描く長編『岩壁の掟』など全6編。――人間の内面に蟠る暗い影、心に生ずる陥穽を、厳しい自然との息づまる対決の中に描く山岳小説集。

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  • からかご大名
    3.0
    三島宿のはずれで大名行列の供先を横切ったために、六歳の少女が斬られた。名主、和尚の助命嘆願の甲斐もなく……。一つの事件が引き起す波紋を追い、人間関係の複雑さに光をあてた表題作。蒙古襲来の史実に添い、肥前松浦党の戦いと情報活動を描いた「元寇秘話」。他に「弾丸よけ竹束之介」「首様」「駒ヶ岳開山」など様々な時代、階層の人間の生に視点を据え、その本質を衝く10編。

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  • 六合目の仇討
    -
    江戸後期、西神田を出発した富士詣での先達をつとめる町人・八兵衛には、幼な馴染みのぬいをめぐる苦渋の過去があった……十年前に武士を捨てた男への復讐劇が、富士山中腹に展開される表題作。蝦夷地北辺の警衛に功のあった近藤重蔵の失脚を描く「近藤富士」、ほかに「関の小万」「冬田の鶴」「指」「太田道灌の最期」「生人形」「賄賂」「島名主」「伊賀越え」「仁田四郎忠常異聞」「意地ぬ出んじら」の、歴史に材をとり、そこに生きた人々の姿を見据える全12編。

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  • 梅雨将軍信長
    4.1
    織田信長は、土砂降りの桶狭間を急襲して今川義元を倒し、雨の晴れ間を狙って長篠に武田勝頼を破った。大勝するのはいつも雨の時季。その陰には「気」を見る男がいた――。表題作の他、算法に惹きつけられた侍たちの悲劇を描いた「算士秘伝」、言い争いから富士登山に挑むことになった大奥下女の物語「女人禁制」など、自らも科学、技術、山岳の人であった著者の異色歴史小説全9編。

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  • 風雪の北鎌尾根・雷鳴
    4.0
    厳冬の北アルプス北鎌尾根を縦走中異常気象にあって遭難する二人のパーティーの緊迫したドラマを描く『風雪の北鎌尾根』、専門的な山登りとハイキングのプロセスのちがいに着想の妙をえた『雷鳴』の表題作2編をはじめ、著者がヨーロッパ旅行の経験をもとにして、日本の風土とは異なる自然を描く『古城』『牧草地の初雪』『チロルのコケモモ』など山岳小説全13編を収録する。

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  • アイガー北壁・気象遭難
    3.3
    取りつき点から頂上まで1800メートルの巨大な垂直の壁に挑んだ2人の日本人登山家の実名小説『アイガー北壁』。2人のパーティーが白馬岳北陵で吹雪にあい、岩陵から姿を消す『気象遭難』。冬期の富士山で、不吉な予測が事実に変って主人公の観測所員が滑落死する『殉職』。他にヨーロッパ・アルプスを舞台にした『オデットという女』『ホテル氷河にて』など、山岳短編の傑作全14編を収録する。

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  • 銀嶺の人(上)
    4.3
    1~2巻704~792円 (税込)
    女医をめざす、勝気な“泣かない子”であった駒井淑子は、冬の八ヶ岳で単独行を試みて遭難しかかった時、若林美佐子と出会う。鎌倉彫の新鋭彫刻家として注目されていた美佐子は、無口ですぐに“涙ぐむ子”であった。死を覚悟した二人を事もなげに助け出した三人の男性登攀家(クライマー)に魅入られて、彼女たちは、ついに初の女性隊によるマッターホルン北壁登攀への挑戦を試みる……。
  • 蒼氷・神々の岩壁
    3.7
    鋭いアイゼンの爪もよせつけない蒼氷に覆われる厳冬期、石が水平に飛ぶ台風シーズン――富士山頂の苛烈な自然を背景に、若い気象観測所員の厳しい生活と、友情と愛と死を描いて息づまる迫力をよぶ長編「蒼氷」。ヒマラヤを夢み、岩と氷壁に青春を賭けた天才クライマーが、登攀不能といわれた谷川岳衝立岩を征服するまでの闘志と情熱の半生を描く実録小説「神々の岩壁」。他に2編併録。

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  • 珊瑚
    4.0
    華やかな珊瑚景気にわく五島列島を襲う空前の海難事故。海に生き、珊瑚採りに愛と野心と生命を賭けた三人の若者を描く海洋ロマン。

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  • 強力伝・孤島
    3.9
    五十貫もの巨石を背負って白馬岳山頂に挑む山男を描いた処女作「強力伝」。富士山頂観測所の建設に生涯を捧げた一技師の物語「凍傷」。太平洋上の離島で孤独に耐えながら気象観測に励む人びとを描く「孤島」。明治35年1月、青森歩兵第五連隊の210名の兵が遭難した悲劇的雪中行軍を描く「八甲田山」。ほかに「おとし穴」「山犬物語」。“山”を知り“雪”を“風”を知っている著者の傑作短編集。

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  • アラスカ物語
    4.5
    明治元年、宮城県石巻町に生れた安田恭輔は15歳で両親を失う。外国航路の見習船員となり、やがてアラスカのポイントバローに留まった彼はエスキモーの女性と結婚してアラスカ社会に融けこんでいく。食糧不足や疫病の流行で滅亡に瀕したエスキモーの一族を救出して、アラスカのモーゼと仰がれ、90歳で生涯を閉じるまで日本に帰ることのなかったフランク安田の波瀾の生涯を描く。

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  • 先導者・赤い雪崩
    4.7
    上越国境を縦走する女性4人と男性リーダーのパーティーが遭難死に至る経緯をとらえ、極限状況における女性の虚栄心、嫉妬心などを克明に心理描写した『先導者』。南アルプスを背景に女性をめぐる二人の若者の争いを描く『赤い雪崩』。ヨーロッパ・アルプスの悲運のガイドを描く『嘆きの氷河』など、山でおこる人間ドラマと自然の厳しさを雄渾な文体で綴る全8編を収録する。

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  • 新田義貞(上)
    -
    ともに源氏の嫡流でありながら、かたや足利氏の女(むすめ)を室(しつ)としてむかえる園田庄と、無位無冠の新田庄とは、上野国で代々、水争いを続けていた。元弘2年(1322年)新田家8代の小太郎義貞は、京都大番役の役目をはたして帰郷の折、鎌倉に立ち寄り足利氏の面々を訪れる。足利尊氏や楠正成の陰に隠れながら、源氏再興の夢を賭けた悲運の武将の生涯を活写する。山岳小説の名手が書き上げた傑作時代小説(全2冊)。

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  • 氷原・非情のブリザード
    -
    明治45年、木造帆船で南緯80度を越えた白瀬隊長の英雄物語「氷原」、昭和35年、昭和基地で遭難した福島隊員の悲劇「非情のブリザード」等の極地小説。地震の前日に現われる発光現象と地震の関係を調査する学者と、虹と地震の関連性を研究する在野の篤学者との相克「虹の人」、イタイイタイ病をはじめカドミウムによる公害病を告発した「神通川」他、「火山群」「三つの石の物語」「風の墓場」「春紫苑物語」「高原の憂鬱」の、自然に挑む人間を捉えた全9編。

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  • 望郷
    -
    昭和20年11月、沢田冬明は北朝鮮の丘の上から家族たちと引きはなされ、ソ連軍の捕虜となる。2カ月後、中共軍の技術者として職を得る。中共と国府が争う極限状況下、遠く妻子を思い、心の荒廃した人たちの間で、ひとり誠実に生き抜く……。表題長編および、その連作『豆満江』『夕日』の自伝的作品3編をはじめ、戦争の深い傷跡を小説化した著者の戦争文学全6編を収録する。

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  • 栄光の岩壁(上)
    4.0
    1~2巻792円 (税込)
    戦前に幼少時を過した竹井岳彦は18歳のとき八ヶ岳で遭難し、凍傷によって両足先の大半を失う。戦後の荒廃した雰囲気の中で、青春を賭けるものは山しかないと考えた岳彦は、鴨居からロープを吊して、まず歩行訓練をはじめる。やがて“ない足”を甦らせて、未登攀の岩壁をつぎつぎと征服し、強烈な意志の力と不屈の闘魂によって日本一のクライマーにまで成長していく……。

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  • 八甲田山死の彷徨
    4.4
    日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験が強いられた。神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき、大隊長が突然“前進”の命令を下し、指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31聯隊は210余キロ、11日間にわたる全行程を完全に踏破する。両隊を対比して、自然と人間の闘いを迫真の筆で描く長編小説。

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  • 孤高の人(上)
    4.3
    1~2巻990円 (税込)
    昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。
  • 死顔
    4.0
    1巻451円 (税込)
    生と死を見つめつづけた作家が、兄の死を題材にその死生観を凝縮させた遺作。それは自身の死の直前まで推敲が重ねられていた──「死顔」。明治時代の条約改正問題とロシア船の遭難事件を描きながら、原稿のまま残された未定稿──「クレイスロック号遭難」。さらに珠玉の三編を合わせて収録した遺作短編集。著者の闘病と最後の刻を夫人・津村節子がつづった「遺作について」を併録。

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  • わたしの流儀
    4.5
    旅に出て、人と出会い、酒肴を愉しみ、言葉を選び、小説を書き、歳を重ねる……。自らの流儀を守り、穏やかで豊かな生活から産まれる傑作の数々。その精密な取材と静謐な筆致は、読む者を虜にし深い感動を呼び起こす。作家冥利に尽きる体験、日常の小さな発見、ユーモアに富んだ日々の暮し、そしてあの小説の執筆秘話を綴る。作家・吉村昭の文章を紡ぐさまをかいま見る芳醇な随筆集。

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  • 天に遊ぶ
    3.8
    1巻528円 (税込)
    見合いの席、美しくつつましい女性に男は魅せられた。ふたりの交際をあたたかく見守る周囲をよそに、男は彼女との結婚に踏みきれない胸中を語りはじめる。男は、独り暮らしの彼女の居宅に招かれたのだった。しかし、そこで彼が目撃したものは……(「同居」)。日常生活の劇的な一瞬を切り取ることで、言葉には出来ない微妙な人間心理を浮き彫りにする、まさに名人芸の掌編小説21編。

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  • 人間の建設
    4.0
    有り体にいえば雑談である。しかし並の雑談ではない。文系的頭脳の歴史的天才と理系的頭脳の歴史的天才による雑談である。学問、芸術、酒、現代数学、アインシュタイン、俳句、素読、本居宣長、ドストエフスキー、ゴッホ、非ユークリッド幾何学、三角関数、プラトン、理性……主題は激しく転回する。そして、その全ての言葉は示唆と普遍性に富む。日本史上最も知的な雑談といえるだろう。

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  • 大黒屋光太夫(上)
    3.9
    天明2年(1782)、伊勢白子浦を出帆した回米船・神昌丸は遠州灘で暴風雨に遭遇、舵を失い、七カ月後にアリューシャンの小島に漂着した。沖船頭・光太夫ら十七人の一行は、飢えと寒さに次々と倒れる。ロシア政府の意向で呼び寄せられたシベリアのイルクーツクでは、生存者はわずかに五人。熱い望郷の思いと、帰国への不屈の意志を貫いて、女帝エカテリナに帰国を請願するが……。
  • わたしの普段着
    4.0
    かつて電車で目にした、席を譲られた老紳士の優美な仕種。我が家に家出娘を迎えに来た父親が農村の事情を語る言葉の奥深さ。結核による死を覚悟した頃を思えば感じる、今この時に生きる幸せ――。気取らず、気負わず、殊更には憂いを唱えず。いつも心に普段着を着て、本当に知った人生の滋味だけを悠悠閑閑と綴ってゆく。静かなる気骨の人、吉村昭の穏やかな声が聞こえるエッセイ集。

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  • Xへの手紙・私小説論
    4.3
    文芸批評家として最初の、揺るぎない立場を確立し、後の文学活動のあらゆる萌芽を含む『様々なる意匠』。人生観、ことに女性観、芸術論、社会批評などが、鋭く、渾然一体となって述べられた『Xへの手紙』。わが国に特有な私小説を見事に解剖した『私小説論』。その他、『一ツの脳髄』『女とポンキン』等の初期創作から始まって、中期以降戦後に至るまでの主要な論文、感想を収録する。

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  • 人生の鍛錬―小林秀雄の言葉―
    3.5
    日本の近代批評の創始者であり、確立者でもある小林秀雄――。厳しい自己鍛錬を経て記されたその言葉は、没後二十余年の今日なお輝きを増し続け、人生の教師として読む者を導いている。人間が人間らしく、日本人が日本人らしく生きるためには、人それぞれ何を心がけ、どういう道を歩んでいくべきか。八十年の生涯の膨大な作品の中から選り抜いた、魂の言葉四百十六。

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  • 近代絵画
    -
    昭和27年50歳の暮、外国旅行に出た。パリに始まり、約半年、欧州を巡って絵を見た。モネやセザンヌ、彼ら一流画家たちの、意味深長の人間喜劇を見た……。

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  • モオツァルト・無常という事
    4.2
    小林批評美学の集大成であり、批評という形式にひそむあらゆる可能性を提示する「モオツァルト」、自らの宿命のかなしい主調音を奏でて近代日本の散文中最高の達成をなした戦時中の連作「無常という事」など6編、骨董という常にそれを玩弄するものを全人的に験さずにはおかない狂気と平常心の入りまじった世界の機微にふれた「真贋」など8編、ほか「蘇我馬子の墓」を収録する。

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  • 作家の顔
    3.8
    書かれたものの内側には、必ず作者の人間があるという信念のもとに、著者の心眼に映じた作家の相貌を浮彫りにし、併せて文学の本質とその魅力を生き生きと伝える。青春の日に出会ったランボオ、敬愛する志賀直哉、菊池寛、個人的に深い交渉のあった富永太郎、中原中也、さらには中野重治、林房雄、島木健作、川端康成、三好達治等々、批評家小林秀雄の年輪を示す27編。

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  • 彰義隊
    3.5
    皇族でありながら、戊辰戦争で朝敵となった人物がいた──上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王は、鳥羽伏見での敗戦後、寛永寺で謹慎する徳川慶喜の恭順の意を朝廷に伝えるために奔走する。しかし、彰義隊に守護された宮は朝敵となり、さらには会津、米沢、仙台と諸国を落ちのびる。その数奇な人生を通して描かれる江戸時代の終焉。吉村文学が描いてきた幕末史の掉尾を飾る畢生の長篇。

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  • アメリカ彦蔵
    4.0
    嘉永三年、十三歳の彦太郎(のちの彦蔵)は船乗りとして初航海で破船漂流する。アメリカ船に救助された彦蔵らは、鎖国政策により帰国を阻まれ、やむなく渡米する。多くの米国人の知己を得た彦蔵は、洗礼を受け米国に帰化。そして遂に通訳として九年ぶりに故国に帰還し、日米外交の前線に立つ──。ひとりの船乗りの数奇な運命から、幕末期の日米二国を照らし出す歴史小説の金字塔。

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  • ドストエフスキイの生活
    3.8
    ペトラシェフスキイ事件連座、シベリヤ流謫、恋愛、結婚、賭博――不世出の文豪の魂に迫り、漂泊の人生を的確に捉えた不滅の労作。

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  • ふぉん・しいほるとの娘(上)
    3.7
    1~2巻979~1,089円 (税込)
    幕末の長崎で最新の西洋医学を教えて、神のごとく敬われたシーボルト。しかし彼は軍医として、鎖国のベールに閉ざされた日本の国情を探ることをオランダ政府から命じられていた。シーボルトは丸山遊廓の遊女・其扇を見初め、二人の間にお稲が生まれるが、その直後、日本地図の国外持ち出しなどの策謀が幕府の知るところとなり、厳しい詮議の末、シーボルトは追放されお稲は残される。

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  • 本居宣長(上)
    4.5
    「とにもかくにも人は、もののあはれを知る、これ肝要なり……」。本居宣長七十二年の生涯は、終始、古典文学味読のうちに、波瀾万丈の思想劇となって完結した。伊勢松坂に温和な常識人として身を処し、古典作者との対話に人生の意味と道の学問を究めた宣長の人と思想は、時代をこえてわれわれを深い感動の世界につつみこむ。著者がその晩年、全精力を傾注して書きついだ畢生の大業。
  • かぼちゃの馬車
    3.9
    1巻572円 (税込)
    地方から都会に出てきて、ひとりで暮している若い女のもとに届いたダイレクト・メールの内容は? だれもが見すごしてしまいそうな、目立たない家に住んでいる夫婦者の正体は? 熱帯の小さな国の独裁者に捕えられた男の運命は? めまぐるしく移り変る現代社会の裏の裏のからくりを、寓話の世界に仮託して、鋭い風刺と溢れるユーモアで描くショートショート28編。
  • 俺俺
    3.6
    なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった俺は、気付いたら別の俺になっていた。上司も俺だし母親も俺、俺ではない俺、俺たち俺俺。俺でありすぎて、もう何が何だかわからない。増殖していく俺に耐えきれず右往左往する俺同士はやがて――。他人との違いが消えた100%の単一世界から、同調圧力が充満するストレスフルな現代社会を笑う、戦慄の「俺」小説! 大江健三郎賞受賞作。

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  • さまざまな迷路
    3.8
    1巻737円 (税込)
    ある日とつぜん、おとぎ話の主人公になりたいと、とんでもないことを言い出した〈王女〉、なぜか、鬼が見えるという患者で繁盛する〈神経科の医師〉、街頭で通行人相手にキャンディーを売る〈ロボット〉etc.未来・現代・過去を一つの次元にとらえ、迷路のように入り組んだ人間生活のさまざまな世界を32のチャンネルに写し出し、文明社会を痛撃する傑作ショート・ショート。
  • コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―
    3.8
    これが「脱北」だ! 豆満江を渡って平然と南北を行き来する、飢えた子供たち。ハンディカム片手に北へ潜入する不思議な男――「母国」北朝鮮から指名手配を受けながらも取材活動を続ける在日ジャーナリストが、「脱北の町」で見た真実とは? どこか緩くて滑稽な、それでいてリアルで哀しい、初めて登場した等身大の北朝鮮・脱北ルポ!

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  • 白痴
    3.7
    白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自嘲的なアウトローの生活をくりひろげながら、「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編を収める。

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  • 50代からのスローセックス―人生の黄金期を迎えるために―
    3.0
    愛を諦めてはいませんか? 欲望を封印してはいませんか? いまが、人生をリセットするラストチャンス! パートナーの「心と身体」を愛する技術を身につければ、コンプレックスもセックスレスも必ず解消。中高年だからこそ味わえる、真の悦びとは? 生と性に悩める男女の必読書にして、あなたの後半生を変える運命の1冊!

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  • 中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?
    4.1
    お堅いNHKらしからぬ「だめキャラ」で、公式ならぬ軟式と呼ばれる@NHK_PR1号。さかなクンに「さん」を付けなかったと不思議な謝罪をしたかと思えば、緊迫の大震災渦中ゆるツイート続行での炎上に「不寛容とは戦う」と一本気。多くのお叱りを受けながらも、フォロワーを魅了するつぶやきに秘められた真意とは?

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  • 韓国窃盗ビジネスを追え―狙われる日本の「国宝」―
    4.0
    長崎県壱岐島の安国寺、兵庫県の鶴林寺……日本各地の寺院から次々と盗まれる高麗仏画や経典。それらは韓国で高額で売買され、一部が堂々と国宝に指定されたという疑惑も。「元々は我々のもの、取り返して何が悪い」と開き直る古美術商や、彼らからの注文を受け暗躍する窃盗団たち。竹島だけではない、日韓の“火種”に迫る。

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  • 中国 真の権力エリート―軍、諜報・治安機関―
    4.3
    1巻1,320円 (税込)
    軍を握るものが権力を握り、公安を含む諜報・治安機関こそが中国共産党の一党支配を維持する権力基盤である――。人民解放軍総参謀部、国家安全部、公安部国内安全保衛局、中央外事弁公室……これまで誰も触れることのできなかった“赤い権力”の中枢に、執拗な監視、尾行、盗聴、拘束を受けながらも肉薄した、比類なき一冊。

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  • 神を哲学した中世―ヨーロッパ精神の源流―
    4.8
    中世において「哲学」は「神学」の形をとった。キリスト教信仰と古代ギリシア哲学の出会いによって「神についての学問」が生まれ、ヨーロッパ精神が形作られていった。神の存在、天使の堕落、人間の富や色欲を当時のヨーロッパ人はどう捉えていたのか。中世神学から「信仰」というベールを剥ぎ、その実像に迫る。

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  • 妻の超然
    3.8
    結婚して十年。夫婦関係はとうに冷めていた。夫の浮気に気づいても理津子は超然としていられるはずだった(「妻の超然」)。九州男児なのに下戸の僕は、NPO活動を強要する酒好きの彼女に罵倒される(「下戸の超然」)。腫瘍手術を控えた女性作家の胸をよぎる自らの来歴。「文学の終焉」を予兆する凶悪な問題作(「作家の超然」)。三つの都市を舞台に「超然」とは何かを問う傑作中編集。

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  • ひっかかる日本語
    3.4
    あのトイレの張り紙って失礼じゃないのか? 「東京03」は「ゼロサン」? 「レイサン」? なぜ池上彰さんの説明はあんなにわかりやすいのか? なぜ女性は面接に強いのか? 目にする言葉、耳にするしゃべりの何もかもがひっかかる、ああひっかかる……「しゃべりのプロ」が、生来の粘着質をフル稼働。あちこち聞き回り、とことん考えた。偏執の彼方から贈るカジワラ流現代日本語の基礎知識とコミュニケーションの秘訣。

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  • 暴力団
    3.6
    なぜ暴力団はなくならないのか?学歴、年収、出世の条件とは?覚醒剤や野球賭博でどのように儲けるのか?女はヤクザになれるのか?なぜヒモが多いのか?刺青や指詰めのワケは?警察との瘉着は?ヤクザが恐れる集団とは何か?出会った時の対処法とは?その筋をも唸らせた第一人者が、時代ごとに変化し、社会の裏で生き延びる「わるいやつら」を、やさしく解き明かす「現代極道の基礎知識」。

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  • ピカソは本当に偉いのか?
    3.9
    「なぜ『あんな絵』に高い値段がつくのか?」「これって本当に『美しい』のか?」。ピカソの絵を目にして、そんな疑問がノド元まで出かかった人も少なくないだろう。その疑問を呑み込んでしまう必要はない。ピカソをめぐる素朴な疑問に答えれば、素人を煙に巻く「現代美術」の摩訶不思議なからくりもすっきりと読み解けるのだから――。ピカソの人と作品に「常識」の側から切り込んだ、まったく新しい芸術論。

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  • 批評時空間
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    ジャン=リュック・ゴダール、チェルフィッチュ、アルヴァ・ノト、飴屋法水、ジョナス・メカス、吉増剛造、クリント・イーストウッド――。映画、演劇、音楽、写真など、さまざまな分野の作品が生まれる場所に立ち、震災後の著者の、そして私たちの心の動きに寄り添いながら、芸術表現のありようを凝視し思索する12の論考。

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  • どうせ、あちらへは手ぶらで行く
    4.3
    「五月十六日 『楽しく楽に』を最優先。不快、厄介、後廻し。楽々鈍で、どんどん楽」──作家が手帳に記していた晩年の日録には、自身の老いを自覚し、見つめながら、限られた人生を最期まで豊かにしようとする姿があった。執筆への意気込み、友との交遊の楽しさ、家族への愛情、そして妻を亡くした悲しみなど、作家が世を去る三ヶ月前まで、九年間にわたって綴っていた感動の記録。

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  • 無所属の時間で生きる
    3.4
    どこにも関係のない、どこにも属さない一人の人間としての時間──それは、人間を人間としてよみがえらせ、より大きく育て上げる時間となるだろう。「無所属の時間」を過ごすことで、どう生き直すかを問い続ける著者。その厳しい批評眼と暖かい人生観は、さりげない日常の一つ一つの出来事にまで注がれている。人と社会を見つめてきた作家の思いと言葉が凝縮された心に迫る随筆集。

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  • 静かに 健やかに 遠くまで
    4.3
    著者は若い頃から箴言の魅力に惹かれ、生きる指針としてきた。その著者の作品にも、心に染みる会話や、じっくり考えさせる文章が数多くある。出世でこり固まった男もおもしろくないが、出世をあきらめた男も魅力はない/妻が愛人であり、愛人が妻である――多忙な夫には、それがふさわしい/人間の能力とは努力のことでしかない……忙しいビジネスマンの琴線に触れる言葉を、集大成!

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  • 打たれ強く生きる
    4.1
    自分だけの時計、歩け歩け、ぼちぼちが一番、配転は新しいはじまり、ふり回されるな、乱反射する友を――常にパーフェクトを求め、他人を押しのけることで、人生の真の強者となりうるのか? 企業の中にあって自分を見失わず、しかも企業に最高の寄与をなすことはどのようにして可能か? 著者が日々に接した事柄をもとに、ビジネスマンへの愛情をこめて静かに語りかける。

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  • 逃亡者
    -
    25年前、空襲の混乱にまぎれて刑務所を脱走した男を追っている刑事と、刑事の訪問で逃亡者にまつわる戦時中の記憶を蘇らせる守衛。二人の対話を通して、戦争の残影を凝視した表題作。子供のころに怪我をさせた人物から借金を強要され、それまで見向きもしなかったリベートに手を出してしまう男が、苦い胸中を吐露した「カカオ・フィーズの味」など、単行本未収録の8編を収める。

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  • 勇者は語らず
    -
    川奈自工の人事部長冬木と、その下請会社の社長山岡。かつて戦場で同じトラックに乗っていた二人を通し、戦後日本経済の勇者〈自動車産業〉の内部をリアルに重層的に描く。強大な力ゆえに海外から激しい非難の矢をあびせられながら、沈黙を守るメーカー。その下でより大きな沈黙を強いられる下請け。そんな構図の中に、戦後を生きぬいた日本人の縮図を透視した書下ろし長編小説。

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  • 冬の優しさ
    -
    青年時代にリヨンの広場で出会った老夫婦の、秋の果樹園にさす午後の陽のようなあたたかな微笑。齢をとったらそんな老人になりたいと思ってきたが、私もその年齢にたどりついたようだ……。優しさを、心のふれあいを、そして思いやりを求め、著者は真摯に人間を見つめてきた。青年時代から今日までの“私の歳月”と“人生の出会い”をふり返り、人間と愛と生と死を綴る愛のエッセイ集。

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  • 牧歌
    -
    1950年、27歳の著者は戦後初の留学生として、フランスに旅立った。街角にも人々の心にも戦争の暗い翳を残すヨーロッパで、信仰を、愛を、そして自らの生き方を真摯に模索する。この間に書かれた青春の苦渋と若さの香気溢れるエッセイを中心に、以後最近に至るまでの海外紀行エッセイを集める。〈日本と西洋〉というテーマを一貫して追求してきた著者の創作と表裏一体をなすエッセイ群。

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  • イースト・リバーの蟹
    -
    日本屈指の総合商社で副社長にまで昇りながら、男は権力抗争を潔しとせず、マンハッタンをのぞむ高層住宅に「引退」した。十ヵ月後、日本から吹きこんできた一陣の風。ライバルだった現社長の急死。男を社長に、と色めきたつ元部下たち。その時、男は……。ほろ苦い諦めや悔みきれぬ過去、くすぶり続ける野心を胸に秘め、日本を遠く離れた男たちが異郷に織りなす、五つの人生模様。

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  • 乗取り
    4.0
    株の買占めによる老舗デパートの乗取り。金と若さだけを武器に、現代における最も劇的なこの戦闘に挑んでいく、闇屋あがりの青年実業家、青井文麿。媚びと虚勢を徹底して使いわけ、金と金、顔と顔でつながった財界の厚い壁に体当たりしていく青井の姿に、高度成長期の日本が象徴される。現実に起った事件に材をとり、経済界の深奥での暗闘をスピーディなタッチで暴いてみせた快心作。

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  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―
    3.7
    神風特別攻撃隊第一号に選ばれ、レイテ沖に散った関行男大尉。敗戦を知らされないまま、玉音放送後に「最後」の特攻隊員として沖縄へ飛び立った中津留達雄大尉。すでに結婚をして家庭の幸せもつかんでいた青年指揮官たちは、その時をいかにして迎えたのか。海軍兵学校の同期生であった二人の人生を対比させながら、戦争と人間を描いた哀切のドキュメントノベル。城山文学の集大成。

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  • 打出小槌町一番地
    -
    東京近郊の閑静な高級住宅地、〈正妻とベンツの町〉と呼ばれる打出小槌町には、社会的地位と財産を手中にした現代の〈上層階級〉が堂々たる邸宅を構えている。銀行頭取の椅子が約束された御曹子、〈海軍式経営〉で成長を続けるオートバイ・メーカーの社長。彼らの成功物語の裏側に秘められた夫婦、親子のすさまじい葛藤の劇を通じ、人間の生き甲斐と幸福の意味を静かに問いかける。昭和五十一年に「週刊新潮」に連載され、翌年のベストセラーとなった。

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  • 部長の大晩年
    3.0
    彼の人生は、定年からが本番だった。三菱製紙高砂工場では、ナンバー3の部長にまでなり、会社員としても一応の出世をした永田耕衣。しかし、俳人である永田にとって会社勤めは「つまらん仕事」でしかない。55歳で定年を迎えた永田は、人生の熱意を俳句や書にたっぷり注いで行く。異端の俳人の人生を97歳の大往生まで辿りながら、晩年をいかにして生きるかを描いた人物評伝の傑作。

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  • 硫黄島に死す
    3.8
    〈硫黄島玉砕〉のニュースが流れた四日後、ロサンゼルス・オリンピック馬術大障碍の優勝者・西中佐は、なお残存者を率いて戦い続けていた。馬術という最も貴族的で欧米的なスポーツを愛した軍人の栄光と、豪胆さゆえの悲劇を鮮烈に描いて文藝春秋読者賞を受賞した表題作。ほかに「基地はるかなり」「軍艦旗はためく丘に」など、著者の戦争体験と深くかかわった作品全7編を収める。

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  • 役員室午後三時
    3.9
    80年の歴史に輝く日本最大の紡績会社華王紡に君臨する社長藤堂。会社へのひたむきな情熱によって華王紡の王国を再建し、絶対の権力を誇った彼が、なぜ若い腹心の実力者にその地位を奪われたのか? 帝王学的な経営思想をもつワンマン社長と、会社を“運命共同体”とみなす新しいタイプの経営者――企業に生きる人間の非情な闘いと、経済のメカニズムを浮き彫りにした意欲作。

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  • 真昼の悪魔
    3.3
    患者の謎の失踪、寝たきり老人への劇薬入り点滴……大学生・難波が入院した関東女子医大付属病院では、奇怪な事件が続発した。その背後には、無邪気な微笑の裏で陰湿な悪を執拗に求める女医の黒い影があった。めだたぬ埃のようにそっと忍びこんだ〈悪魔〉に憑かれ、どんな悪を犯しても痛みを覚えぬ白けた虚ろな心を持つ美貌の女――その内面の神秘を探る推理長編小説。

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  • 走馬燈―その人たちの人生 ―
    -
    日本人として初めてエルサレムを訪れたペドロ岐部、贋の大使として渡欧し、ローマ法王に謁見した支倉常長、そして多くの名もない殉教者たち――日本にはキリスト教の伝統はないと信じられながら、実際は四百年にわたる栄光と苦難の歴史が秘められている。日本人でありながらイエスと関わり、劇的な運命をたどった人々を、そのゆかりの地に赴いて回想した異色のエッセー。

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  • 素直な戦士たち
    -
    頭の良い男の子を生むには25、6歳、だから24歳の時に見合いをする。相手は知能指数さえ高ければ、むしろ自分の出世をあきらめたような男がいい。――これが千枝が、わが子を東大に合格させるために立てた遠大な計画の第一段階だった。あらゆるものを犠牲にして計画を実行する妻と、それに疑問を感じながらも従わされるサラリーマンの夫を通し、現代の教育と親子関係の断面を抉る。

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  • 生命なき街
    -
    焦熱と砂漠の街、外国人たちから“ライフレス・シティ”と呼ばれるワジバにただ一人で駐在する商社員の、同胞をも敵とした孤独で苛烈な日々を描いた表題作。ほかに『神武崩れ』『挑戦』『老人の眼』『鍵守り男』『白い闇』など、日本経済の高度成長の本当の担い手でありながら、組織や金に裏切られ、むくわれることなく追われてゆく男たちに光をあてた、初期の力作6編を収録する。

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  • ある倒産
    -
    定年を二年後にひかえた調査部長原口は、下請会社へ専務として出向を命じられる。突然の辞令にとまどいながらもはりきる原口。だが、その会社はすでに再建不能の状態であった。倒産の裏面で展開される男たちの息づまる格闘を描いた表題作。ほかに、『絶叫の街』『魔の同伴』『楽天地へ』など、複雑なビジネスの世界に生きる人間の哀歓をリアルに描き出した作品八編を収録する。

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  • わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯―
    3.9
    下駄と靴と片足ずつ履いて――その男は二筋の道を同時に歩んだ。地方の一紡績会社を有数の大企業に伸長させた経営者の道と、社会から得た財はすべて社会に返す、という信念の道。あの治安維持法の時世に社会思想の研究機関を設立、倉敷に東洋一を目指す総合病院、世界に誇る美の殿堂を建て……。ひるむことを知らず夢を見続けた男の、人間形成の跡を辿り反抗の生涯を描き出す雄編。

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  • 王の挽歌(上)
    -
    肉親も家臣も、いや自分自身さえ信じられぬ……。豊後の名門守護・大友家の統領として、内紛に悩まされながらも、北の大内、毛利と戦い、北九州六国に領土を広げた大友宗麟。戦乱にあけくれた生涯は、また時分自身との闘いの日々であったが、わずか数日のザビエルとの出会いが宗麟の心の闇に一筋の光を投げかけていた。戦国の世にもう一つの王国を求めた切支丹大名を描く歴史長編。

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  • スキャンダル
    5.0
    キリスト教作家の勝呂は自作の授賞式で、招待客の後ろに醜く卑しい顔をした、自分に酷似した男が立っているのに気が付いた。同じ頃、勝呂が歌舞伎町の覗き部屋や六本木のSMクラブに出入りしている、という醜聞(スキヤンダル)が流れる。この醜聞(スキヤンダル)を執拗に追うルポ・ライターに悩まされながら、もう一人の〈自分〉を探す勝呂が見たのは……。仮面(マスク)を外したキリスト教作家の心奥を鋭く抉った衝撃の長編。

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  • ボクは好奇心のかたまり
    -
    いかにもの好きと言われようと、いかに冷や水とけなされようと、生れつきの好奇心のムシはおさまらない――美人女優に面談を強要する、幽霊屋敷を探険に行く、上野の乞食氏と対談する、催眠術の道場を見物に行く、舞台熱が昂じて素人劇団を結成する、無謀にも運転免許に挑戦する、etc、etc。呆れるばかりのもの好き精神を発揮して狐狸庵先生東奔西走。珍妙無類のエッセー集。

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  • 男たちの好日
    -
    外国製品に蹂躙されている昭和初年の日本に、電気化学工業を興すことで「国の柱」になろうと邁進する牧。しかし、苦心惨憺して開発した硫安やアルミ製造技術は、統制経済をとりはじめた国家によって公開を迫られ、牧は国策会社の社長に祭りあげられてしまう。国家を幸せにすることはあっても、国家によって幸せにされることのなかった男の生涯を通し、「男の好日」とは何かを問う。

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  • 黄金の日日
    4.5
    戦国の争乱期、南蛮貿易によって栄える堺は、今井宗久、千利休ら不羈奔放な人材によって自治が守られ、信長や秀吉たちもその豊かな富に手を出すことができなかった。今井家の小僧、助左衛門は危ない仕事を何でも引受けることで戦国武者たちの知遇を得、大船を仕立てて幾度かルソン(フィリピン)に渡り巨利をなす。――財力をもって為政者と対峙し、海外に雄飛していった男の気概と夢。

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  • 秀吉と武吉 目を上げれば海
    3.6
    戦国末期、瀬戸内海の村上水軍を率いて独立自存の勢力を誇っていた海賊の総大将・村上武吉。毛利一族などとの争いの末に獲得した徴税権と領土が、天下統一を狙う豊臣秀吉に奪われそうになった時、武吉はいかにして、それと戦ったのか。いかなる権力にも臣従することなく、己れの集団を守りぬいた武吉の生涯を通じ、時代の転換期における指導者のあり方を示唆した歴史小説。

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  • 冬の派閥
    3.5
    御三家筆頭として幕末政治に絶大な影響力を持つ尾張藩の、勤王・佐幕の対立は、ついに藩士十四人を粛清する〈青松葉事件〉へと発展し、やがて明治新政府下、藩士の北海道移住という苦難の歴史へと続く。尾張藩の運命と不可分の、藩主徳川慶勝の「熟察」を旨とする生き方を、いとこ一橋慶喜の変り身の早い生き方と対比させつつ、転換期における指導者のありかたを問う雄大な歴史小説。

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  • 真昼のワンマン・オフィス
    -
    強大な経済力、広大な自然、人種のるつぼ――空前の繁栄を謳歌するアメリカ社会の中で、エコノミック・アニマルの尖兵といわれながら孤独な商戦を展開する商社海外駐在員。巨大組織の末端機構の一員として、ユダヤ商人や他の日本商社員との競争、本社との軋轢に苦しみつつ、インディアン保護区にまでわけ入り、南部の黒人たちに小間物を売り歩く彼らの苛烈な日々を描く連作小説集。

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  • 雄気堂々(上)
    4.3
    1~2巻704~748円 (税込)
    近代日本最大の経済人渋沢栄一のダイナミックな人間形成の劇を、幕末維新の激動の中に描く雄大な伝記文学。武州血洗島の一農夫に生れた栄一は、尊皇攘夷の運動に身を投じて異人居留地の横浜焼打ちを企てるが、中止に終った後、思いがけない機縁から、打倒の相手であった一橋家につかえ、一橋慶喜の弟の随員としてフランスに行き、その地で大政奉還を迎えることになる。

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