夜中に目覚めると、隣の姉が眠りながら浮かんでいた――。あの日から本当に色んなことが起きた。竜巻が私たちの町を襲い、妹の朝ちゃんは空飛ぶ一家に連れさられてしまう。彼らは家族の交換に来たのだった(表題作)。西暁町で繰り返される山火事と殺人の謎(「矢を止める五羽の梔鳥」)ほか、「Dead for Good」「我が家のトトロ」「スクールアタック・シンドローム」の全5編を収録。21世紀型作家による、〈愛と選択〉の短篇集。
【Dead for Good】
『人間という命の長い、知性を持つ生き物は、それゆえひたすら退屈を厭い、楽しみためなら何でもする。苦しみ、悲しみ、それに耐え、悪意にとらわれ、人を騙し、殺し、それを悔やみ、惜しみ、泣き、涙が枯れた後には死のうと思い、死ななくてはいけないと思い、死ねない自分は駄目だと思うが、それらはすべてそういう気分を楽しんでるだけなので、死なない。』
「Dead for Good」もとてもよかった。現実に振り回されながらも、何が自分にとってリアルなのか、何を自分は選択していくのかに向き合っている作品なのではないかと思った。
でも、「矢を止める五羽の梔鳥」は全然わからなかった(笑)。
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2015年06月27日
Posted by ブクログ
【みんな元気。/Dead for Good/矢を止める五羽の梔鳥】家族もの。超展開ばかりだけど表題作は比較的綺麗にまとまっていた感じ。愛に溢れている!
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2015年02月28日
Posted by ブクログ
夜中に目ざめると、隣の姉が眠りながら浮かんでいた――。あの日から本当に色んなことが起きた。竜巻が私たちの町を襲い、妹の朝ちゃんは空飛ぶ一家に連れさられてしまう。彼らは家族の交換に来たのだった(表題作)。西暁町で繰り返される山火事と殺人の謎(「矢を止める五羽の梔鳥」)。
単行本『みんな元気。』から「みんな元気。」「Dead for Good 」「矢を止める五羽の梔鳥」の3篇をセレクト。
「 Dead for Good」
バイト先の友人が狂的サディストで薬を盛られて散々いたぶられてから身体が不自由で時折奇声を発するようになった主人公は、まともな仕事につくことが出来ずに職を転々とするが老人ホームで働くようになってなんとかなった。サディストの友人は海外でテロリストを捕まえていたぶり殺したり変態に売りさばいたりしてそれをいちいち手紙で報告してくるので「早く死ね」といつも返事を送るのだが、それでも主人公は彼を友達だと思っているのであった。