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レオナルド・ディカプリオ主演の映画公開をきっかけに初めて本作を手に取るという人もおられるでしょう。いくつも翻訳が重ねられている本作ですが、個人的には『ライ麦畑でつかまえて』の邦訳でも知られる、この野崎孝訳をおすすめします。語り手の一人称が「ぼく」であること、そして適度にしゃちほこばった文体が、いかにもお金持ちの青春小説らしくて魅力的。
目も眩むような大富豪たちの栄華の裏にある、それぞれの虚栄と慢心。それらが交錯し、最後はギャツビーもろとも、多くの人間が破滅の一途を辿ります。それでも最後、物語の語り手であり、自らも大切な知り合いを数人失ったニック・キャラウェイがこれまでの出来事を振り返り、改めて世界と向き直そうとする姿勢には、普遍的な青春のきらめきが見られることでしょう。ラスト二文が特に秀逸。
「こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでゆく。」
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