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女人の理想像に近い弁護士夫人市子や、市子を同性愛のように慕いながら、各自の恋愛に心奥の業火を燃やす若い二人の女性を中心に、女であることのさまざまな行動や心理的葛藤を描いて女の妖しさ、女の哀しさをみごとにとらえた名作。ここには、女が女を知る恐怖、女の気づかぬ女の孤独と自負が、女の命のなまなましさと無常の美とをたたえながら冷酷に照らし出されている。
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Posted by ブクログ
日本語ってこんなにも美しいんだと感動した作品。 恋心、嫉妬、貞淑、妖艶。 儚い中にも強かさが見え隠れ。 まさに女性そのものの感情、言葉、行動。 男性には理解できないと思ってた、、、のに。 なぜ川端康成は書けてしまうんだろう? 怖い、、、笑
分厚くてとても読む気にならなかったけれど、落ち着いてやっと読めました。 妙子と有田の、愛を考えるシーンがとても印象的で、家族愛や夫婦愛を自身の体験に重ねて読むことができてとても感銘を受けました。愛は誰しもが与えられて育っているのにそれに気づかなく、生きてしまうもの、愛は無償に誰しもが与える事が出来る...続きを読むんだと気づくことが出来て、とても満たされました。
何度も読んでいます。 男性である著者がなぜこんなにも女性を深く掘り下げられるのか。 妙子の飲んだ薬がなんなのか気になります。
川端康成は女性の性質をあぶりだす天才なのか、女性が思うより男性には「女」が溢れ出でて見えるのか… いろんなタイプの女性が出てくるけれど、どの女性の心の機微も的確に美しく描いてあって、読んでいて頷ける描写が散りばめられていた。
著者らしい、綺麗な描写、文章。 男性が書いたとは思えないくらい、非常によく女性の内面が描かれている。 市子、さかえ、妙子、音子、山井、千代子、有田の下宿先の女主人… くるくる変わる女性の心の内、空気、見た目も。 時にふと沸きおこる、「清純」「完璧」らしいものへの嫌悪感、嫉妬、不信感。 どうしようも...続きを読むないくらい相手を傷つけたい衝動にかられたり、かと思えば突如襲ってくる空虚感、この上なく優しい気持ち。 そんな、自分でも説明をつけ難い、なんだかわからない女というものを、 描写している。 綺麗だったり、可愛かったり、子供だったり、強かったり、頑固だったり、弱かったり。 女性って、色んな顔がある。飽きない。 決して軽くはないけど、読み終わってくらい気持ちになることもない。
書いてる人は男なのに、なぜにここまで書けるのかと思うくらいスゴイ本。何人か女の人が出てきますが、心の変化が繊細すぎるぐらいにきれいに描かれていて素晴らしい。そして切ない。
若い女性が二人、かたや水底に澱んだような不穏と悲しみ、かたや火花のような混乱と衝動が印象的。若い感性ゆえの危うさとイタさなんだろうけど、それを美の極地に昇華させているのが川端一流の筆力。彼の日本語がそうさせている。 そもそも川端にかかれば初夏で風が蒸し暑くなってきたってだけのことが、あるいは戸口に郵...続きを読む便屋さんが来たってだけのことが、こんなにも美しくなるのだから恐ろしい。
女、というものに冷静に向かいあって書いた小説。女というと谷崎などもよくテーマにするし、またさかえなどは氏の小説に出てきそうなキャラクターだが、読後受ける印象は反対と言っていいに等しい。ただなまなましさや哀しさが残った。文章はとても美しく、難なく読めるが、読み終わると読んでいる最中とは打って変わって暗...続きを読むい気持ちに襲われる不思議な小説である。
吐き気がするくらい、女という性について生々しく描いた小説。 自分が嫌ってる女性像の裏に自分にもある汚い女性が垣間見えて、とっても気分が悪くなる話。うーわー。 いや、悪いエンディングではないんだけどね。 川端さんはすごいなー。 なんでこんなにわかるんだろう。
川端康成の現代物。 昭和30年代の東京を舞台に、子供のいない弁護士夫妻、身を寄せる被告人の娘、大阪から出奔してきた友人の娘が織りなす出来事。 小説として深いものはないが、戦後間もない、豊かになりゆく昭和の世相が面白い。有楽町のキネラマ、キャバレー、デパートなど。映画化されてたら観たい。 また、女...続きを読む性の描き方もど昭和で、男女交際の進み方とか「純潔を奪われる」みたいな表現、21歳くらいなのにすぐ結婚相手にどうかとか周りがソワソワしたりとかが面白い。女性の生き方は本当に限られていて、成人して結婚するまでの数年しか自由はなかったんだなと感じる。
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