ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
独りであること、未熟であることを認識の基点に、青春を駆けぬけていった一女子大生の愛と死のノート。学園紛争の嵐の中で、自己を確立しようと格闘しながらも、理想を砕かれ、愛に破れ、予期せぬうちにキャンパスの孤独者となり、自ら生命を絶っていった痛切な魂の証言。明るさとニヒリズムが交錯した混沌状態の中にあふれる清冽な詩精神が、読む者の胸を打たずにはおかない。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
去年古本市でふと目に止まって購入した本。二十歳を目前にして読むべき本だった。出会えて良かった。 特に「独りであること」について彼女は何度も思考を巡らせている。考えることは苦しい。それでも考えることをやめない、向き合うことをやめないこと、それが彼女を支えて、やがて追い詰めたのか…。学園紛争の最中、この...続きを読む本の時代の大学生、大学の様相は今とはあまりにも違う。彼女が綴った日記は正直で、赤裸々で、理想と現実の狭間でもがいている。読んでいるこちらも苦しく、恥ずかしく、彼女の感情の波に飲まれていった。ときおり挟まれる美しい自然の詩は、現実を離れ、心の羽を伸ばしているようだ。 自分について、大学について、孤独について、性について、労働について…50年前の同い年の学生がここまで自分の周囲の物事を深く、内省的に考えていたことに驚き、その熱量に圧倒された。彼女の人生の最期の半年間。薄い本だけどとても重かった。
当時の情景と心情がアリアリと綴られた内容はどんな小説や映画よりも1969年のことを深く知れた。 価値観もイデオロギーも違う時代の人なのに、不意に自分とリンクする瞬間がある。そんなリアルさがあって生身の人間の日記を見てる罪悪感と背徳感が入り混じった感情を味わえるのは、本当に唯一無二の作品なのではと思う...続きを読む。 てか文才どうなってんだよ。
もし今も彼女が生きていたら、 普通に就職・結婚し、子どもをもうけ、 「ウフフ、若かったわね」なんて笑うだろうか。 死を選ばなかった、同年代の人たちのように。 甘すぎたのか、あるいは厳しすぎたのか。 幼稚だったのか、あるいは大人すぎたのか。 読むたびに相反する感想を持ってしまう。 ただ、私が二十歳...続きを読むの頃はここまで悩み多くなかった。
顔写真が載っている。 まだ少女のような本人が日記の中で惚気たように、たしかに綺麗な顔立ちだ。 二十歳と言えば、その瞬間、自己イメージがアップデートされたかのような錯覚を感じた記憶もあるが、しかし、酒もタバコもその前から経験していたのだから何も変わらない。何も変わらず、ただ、陰鬱な授業やその後の溜ま...続きを読むり場での頽廃的な日々、友人と意味のない芸術論を交わすような暮らしだった。何が原点なのかはそれぞれ違うようだが、中身は似たようなものだ。時に若さが無謀を働き、感傷に浸らせ、虚無感の中、希死念慮に取り憑かれることだってある。思想や行為の大部分が、ファッションや自己演出だった。誰しも。 学生運動があったのも、時代だろう。しかし、その思想はファッションだったのではないか。死ぬ必要はなかったのだと思う。この年齢はいつだって危うい。 高野悦子をどこで知って、なんでこの本を持っていたかも忘れてしまった。本書は日記。赤裸々な記録だ。飾りもせず、多くの自己陶酔とそれを徐々にエスカレートさせていく記録。特別だが、普遍的な青年(少女といってもよい)だ。それを覗き見て、彼女の死と、私が生まれる前の学生運動の雰囲気を、刹那、想像する。二十歳に死んで、それが原点なんて、一体どういう意味だろう。 結局思うのは自分の二十歳、自分の原点である。いまだに他者の価値基準を意識したファッションを抜けられず、原点ならぬ原罪を背負ったままのようだ。平均値による価値観など、もう良いではないか。
日記という人に読まれる前提じゃないからこその言葉の生々しさに魂揺さぶられる感。読んでるだけでエネルギーが持って行かれた、、、 知性に満ち溢れてるし、それ故に考えて周りとすれ違い孤独になっていく様子が生々しく彼女自身の目線で描かれている。 記すことの重要性感じたし日々同じ分量書くよりもフリーハンドで書...続きを読むくようにしようと思った。
彼女はこの日記が出版されいわゆる「名が知られた存在」になった。でも(闘争以外は)同年齢の私と同じところがいくつかあったので、読んでいるうちに彼女が自分の友達みたいな存在になっていった。だからこそ最後の詩を読むのが辛かった。 なぜ彼女が自殺を選んだのか、要因はいくつか考えられると思う。でも考えること自...続きを読む体ナンセンスなのではないかと思う。 ちなみに、読む時は物理的に独りで、できれば個室にいる時がおすすめ。
【きっかけ】 社会派ブロガーちきりんさんが紹介されていた書籍で気になっていた本。「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」というフレーズがあまりに印象的。私も本を読む前にこのフレーズを先に知ってだいぶ前から気になり続けていた。今年、明石市の泉元市長がtwitterでこのフレーズ...続きを読むを引用していたことをきっかけに、気になっていたことを思い出し、このたび読んでみました。 【感想】 全体的に重苦しい内容だということはわかったうえで、最初に巻末の高野悦子さんの経歴を読んでから本編を読みました。当時の学生運動や政治についての彼女の考え・思想は正直読みにくい。が、「独りであること、未熟であること」に対する表現は、令和に生きる三十代の私にも共感できる部分があった。全編を通じてこれだけの文章を紙のノートに手書きで綴るって、素直にすごいと思った。まさか後に出版されるとは本人は思いもしなかったであろうが、読み手がいるかのような書きぶりがすごい。思いを表出する作業って、エネルギーが込もるものなんだなと感じた。私が二十歳かそれ以前にこの本と出会っていたら、おそらく最後まで読めなかったと思う。
日記を書くことで自分を突き詰めていけるんだなと思った。難しくて高野さんが言いたいことが6割くらいしかわからなかった、ごめんなさい。安らかに。
あまりに切実だった。 純粋な少女にとって、上洛後目の当たりにした世間、大学、時代は余りに圧倒的であったに違いない。 唐突に現れた抱えきれぬような社会の多様性、そして必死に"自由・平等・真理"を求めつつも画一的な"実力排除・闘争"に教義を求めてしまう学生運動。...続きを読む 高野さんはこれらに違和感を抱きながらも、ひたむきに自己を見出そうともがいていた。 自分探しにおける彼女のアプローチは、自身も社会の中の1人として生きているという前提を失っているように思える(自覚しようと試みるものの自覚しきれていない)。自己は世界の全てから断絶された場所に存在する丸裸の自分であるといった前提が自ずからあり、その前提に基づいて自己の"定義化"をしようとした。 しかし世界からの断絶を前提とすれば、孤独は避けられない。視野狭窄に陥り、なおのこと自身をちっぽけな存在としか感ぜられなくなっていったのではないか。 屈折した孤独と思春期の性欲はベターハーフ論的幻想を生み出し、恋人というよりは自分を包容してくれるsomeoneへの欲求に繋がる。しかし、その思いは結ばれることはない。 さらに曖昧で崇高な理想は、その理想を達成できない自分という結果を招き、余計に苦しみはひどくなる。 その脆さの中、ふと覗く詩は美しい。 これこそが彼女の自我だろう。特に自然への感性は素晴らしく、こんなに清冽で素直な彼女の一面を彼女に愛してほしかった。 山が好きで音楽が好きで喫茶が好きなカッコちゃんも、自己の確立に悩む高野悦子もすべて、全て彼女なのである。そう気付き、someoneにではなく彼女自身に彼女をembraceして欲しかった。 さて、フォーマットが日記であることを除いても、彼女の文章はあまりに正直でリアルだ。己の未熟さをどう受け止めればよいかわからず、ひたすら現状への不満と焦燥を抱え、折合いの付け方も知らない。見つけ方も分からない。 すべてが悲しかった頃の自分の写し鏡のようだった。(このように感じた人も多いのではないか?) だからこそ、読み継がれるのだろう。 私もあの頃の自分に、自分を愛せよと言ってやりたい。(自分を愛さずして他人を愛すことなどできない) ちなみに最近は多少諦め方を覚えたものの、未だに人生との折合いの付け方は模索中である。
なんていうか、普遍的なものだと思った。「学生運動」をSNS上のフェミニズム運動などに変えても成り立つだろう。ひとりの人間が大きな流れに翻弄され、惑わされ、鼓舞され、最終的に自家中毒で死んでいく流れ。「物語」としては好きじゃない、むしろ嫌いだけれども、ときどき差し込まれるきらきらとした言葉が胸に残った...続きを読む。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
二十歳の原点
新刊情報をお知らせします。
高野悦子
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
エキプ・ド・シネマの三十年
コミック版 二十歳の原点
二十歳の原点シリーズ(全3巻)合本版(新潮文庫)
二十歳の原点 [新装版] 二十歳、最後の日記
試し読み
二十歳の原点序章
二十歳の原点序章 [新装版] 十七歳から十九歳の日記
二十歳の原点ノート
二十歳の原点ノート [新装版] 十四歳から十七歳の日記
「高野悦子」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲二十歳の原点 ページトップヘ