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独りであること、未熟であることを認識の基点に、青春を駆けぬけていった一女子大生の愛と死のノート。学園紛争の嵐の中で、自己を確立しようと格闘しながらも、理想を砕かれ、愛に破れ、予期せぬうちにキャンパスの孤独者となり、自ら生命を絶っていった痛切な魂の証言。明るさとニヒリズムが交錯した混沌状態の中にあふれる清冽な詩精神が、読む者の胸を打たずにはおかない。
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Posted by ブクログ
去年古本市でふと目に止まって購入した本。二十歳を目前にして読むべき本だった。出会えて良かった。 特に「独りであること」について彼女は何度も思考を巡らせている。考えることは苦しい。それでも考えることをやめない、向き合うことをやめないこと、それが彼女を支えて、やがて追い詰めたのか…。学園紛争の最中、この...続きを読む本の時代の大学生、大学の様相は今とはあまりにも違う。彼女が綴った日記は正直で、赤裸々で、理想と現実の狭間でもがいている。読んでいるこちらも苦しく、恥ずかしく、彼女の感情の波に飲まれていった。ときおり挟まれる美しい自然の詩は、現実を離れ、心の羽を伸ばしているようだ。 自分について、大学について、孤独について、性について、労働について…50年前の同い年の学生がここまで自分の周囲の物事を深く、内省的に考えていたことに驚き、その熱量に圧倒された。彼女の人生の最期の半年間。薄い本だけどとても重かった。
当時の情景と心情がアリアリと綴られた内容はどんな小説や映画よりも1969年のことを深く知れた。 価値観もイデオロギーも違う時代の人なのに、不意に自分とリンクする瞬間がある。そんなリアルさがあって生身の人間の日記を見てる罪悪感と背徳感が入り混じった感情を味わえるのは、本当に唯一無二の作品なのではと思う...続きを読む。 てか文才どうなってんだよ。
もし今も彼女が生きていたら、 普通に就職・結婚し、子どもをもうけ、 「ウフフ、若かったわね」なんて笑うだろうか。 死を選ばなかった、同年代の人たちのように。 甘すぎたのか、あるいは厳しすぎたのか。 幼稚だったのか、あるいは大人すぎたのか。 読むたびに相反する感想を持ってしまう。 ただ、私が二十歳...続きを読むの頃はここまで悩み多くなかった。
30代差し掛かった今、出会った作品ですが、読後は長い息をひとつつきました。 この作品は、学生運動が盛んだった時代の女子大生の自死までの日記です。物質的には、関わり的には、1人ではなかった本人ですが、いつも「独り」だと感じています。 今、独りではない自分は、一緒にいてくれる人を「独り」にしないよう...続きを読むにしようと思いました。 これを、この日記を作品として消費してしまった後ろめたさに対するせめてもの償いとしたいと思います。 余談ですが、作品中の詩はとてもくるものがありました。芸術はその人を知るところから始まるのかもしれないと思ったところです。。。
これを読んで強く思ったことは、考えることは時に人の心を蝕むということだ。 高野悦子さんは、日記にたくさんの言葉を残している。ここに書かれているものは、思考したものの半分にも満たず、全貌は見えないほどの量だろう。 けれど、それでも、葛藤や考え、違和感、鼓舞する気持ち、多くの言葉を書き記している。 とて...続きを読むも深く、多くの時間を思考に費やしていた人なのだろうなと思う。自殺は日々、思考したが故の結末なのだろう。 そう思うと、考えるってなんなんだろうなと疑問が湧いてくる。 すごく昔を生きていた人の言葉だが、今の私にも、社会にも通じる多くのものがある。この渦巻く孤独や虚しさは時代も何も関係ないと伝えてくれている気がした。
顔写真が載っている。 まだ少女のような本人が日記の中で惚気たように、たしかに綺麗な顔立ちだ。 二十歳と言えば、その瞬間、自己イメージがアップデートされたかのような錯覚を感じた記憶もあるが、しかし、酒もタバコもその前から経験していたのだから何も変わらない。何も変わらず、ただ、陰鬱な授業やその後の溜ま...続きを読むり場での頽廃的な日々、友人と意味のない芸術論を交わすような暮らしだった。何が原点なのかはそれぞれ違うようだが、中身は似たようなものだ。時に若さが無謀を働き、感傷に浸らせ、虚無感の中、希死念慮に取り憑かれることだってある。思想や行為の大部分が、ファッションや自己演出だった。誰しも。 学生運動があったのも、時代だろう。しかし、その思想はファッションだったのではないか。死ぬ必要はなかったのだと思う。この年齢はいつだって危うい。 高野悦子をどこで知って、なんでこの本を持っていたかも忘れてしまった。本書は日記。赤裸々な記録だ。飾りもせず、多くの自己陶酔とそれを徐々にエスカレートさせていく記録。特別だが、普遍的な青年(少女といってもよい)だ。それを覗き見て、彼女の死と、私が生まれる前の学生運動の雰囲気を、刹那、想像する。二十歳に死んで、それが原点なんて、一体どういう意味だろう。 結局思うのは自分の二十歳、自分の原点である。いまだに他者の価値基準を意識したファッションを抜けられず、原点ならぬ原罪を背負ったままのようだ。平均値による価値観など、もう良いではないか。
日記という人に読まれる前提じゃないからこその言葉の生々しさに魂揺さぶられる感。読んでるだけでエネルギーが持って行かれた、、、 知性に満ち溢れてるし、それ故に考えて周りとすれ違い孤独になっていく様子が生々しく彼女自身の目線で描かれている。 記すことの重要性感じたし日々同じ分量書くよりもフリーハンドで書...続きを読むくようにしようと思った。
彼女はこの日記が出版されいわゆる「名が知られた存在」になった。でも(闘争以外は)同年齢の私と同じところがいくつかあったので、読んでいるうちに彼女が自分の友達みたいな存在になっていった。だからこそ最後の詩を読むのが辛かった。 なぜ彼女が自殺を選んだのか、要因はいくつか考えられると思う。でも考えること自...続きを読む体ナンセンスなのではないかと思う。 ちなみに、読む時は物理的に独りで、できれば個室にいる時がおすすめ。
【きっかけ】 社会派ブロガーちきりんさんが紹介されていた書籍で気になっていた本。「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」というフレーズがあまりに印象的。私も本を読む前にこのフレーズを先に知ってだいぶ前から気になり続けていた。今年、明石市の泉元市長がtwitterでこのフレーズ...続きを読むを引用していたことをきっかけに、気になっていたことを思い出し、このたび読んでみました。 【感想】 全体的に重苦しい内容だということはわかったうえで、最初に巻末の高野悦子さんの経歴を読んでから本編を読みました。当時の学生運動や政治についての彼女の考え・思想は正直読みにくい。が、「独りであること、未熟であること」に対する表現は、令和に生きる三十代の私にも共感できる部分があった。全編を通じてこれだけの文章を紙のノートに手書きで綴るって、素直にすごいと思った。まさか後に出版されるとは本人は思いもしなかったであろうが、読み手がいるかのような書きぶりがすごい。思いを表出する作業って、エネルギーが込もるものなんだなと感じた。私が二十歳かそれ以前にこの本と出会っていたら、おそらく最後まで読めなかったと思う。
日記を書くことで自分を突き詰めていけるんだなと思った。難しくて高野さんが言いたいことが6割くらいしかわからなかった、ごめんなさい。安らかに。
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二十歳の原点
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高野悦子
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