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書店猫ハムレットのお散歩
ダーラが経営するニューヨークの書店では、最近、店のマスコットの黒猫ハムレットの元気がない。愛想がないのはいつもどおりだけれど、お客をひとりも追い出していないし、買い物袋を爪で引き裂いたりもしていない。これはおかしい。“猫の行動の共感力者”と名乗る猫のセラピストによると、自分を出来損ないのように感じているという。あのふてぶてしいハムレットがそんなふうに思っているとは! 愕然とするダーラだったが、通っている武術道場で、さらに驚きのできごとが……。名探偵(かもしれない)黒猫が大活躍するコージー・ミステリ! シリーズ第2弾。 -
武蔵野アンダーワールド・セブン―意地悪な幽霊―
「多重迷宮」事件から遡ること二年、南北に分断された、もうひとつの日本。“禁止区域”での壮絶な過去を背負う神子都だが、相棒・颯平と保護者・秀秋に見守られながら女子高生として平穏な毎日を送っている。夏のある日、神子都も所属する地下世界研究会に依頼が舞い込む。女子大学の地下劇場「13シアター」で多発する転落事故の原因を調べて欲しいというのだ。依頼主は四人の女子学生による演劇サークル「ビッチ・バッコス」。しかし調査の最中、四人の中の一人が犠牲者に――。七ツ森神子都が挑むのは究極の階段密室! 横溝正史ミステリ大賞作家による青春ミステリ。 -
影王の都
【第1回創元ファンタジイ新人賞選考委員特別賞受賞作】村はずれに一人住む少女リアノ。両親が相次いで亡くなり、兄も夢を追って家を出ていってしまった。そんな孤独な彼女のもとにある日やってきたのは、口をきく髑髏。図々しいことに髑髏はリアノに砂漠に連れていって欲しいと求めた。若く美しい娘としゃべる髑髏の奇妙な道行き。だが砂漠で待っていたのは、〈影王〉が統べる呪われた〈影の都〉。不老不死を望んで神の怒りにふれ、永遠に砂漠を彷徨う運命になったという伝説の都だった。捻れた運命の糸に搦め捕られるリアノ。〈影王〉とは何者か。/第1回創元ファンタジイ新人賞選考経過、選評=井辻朱美、乾石智子、三村美衣 -
青玉は光り輝く
予言された12番目のタイムトラベラーであることが判明したグウェンドリンは、タイムトラベル能力の調整のために行う“時間消化”中に、若き日の祖父に出会った。絶好のチャンスとばかりギデオンや〈監視団〉のメンバーには内緒で、ルーシーとポールがクロノグラフを盗んで逃亡した謎を解明しようと画策する。クロノグラフが12人のタイムトラベラーの血を読みこんだとき、いったい何が起きるのか? そしてグウェンドリンに固執するサンジェルマン伯爵の思惑は? ドイツで100万部突破。大人気のタイムトラベル・ファンタジー3部作、第2弾! -
ウィンター家の少女
ウィンター邸で男が殺された。男は保釈中の殺人犯で、裁縫用の鋏で胸を刺されていた。屋敷にいたのは70歳の老婦人と、小柄な聖書マニアの姪だけ。どちらかが侵入者を正当防衛で殺したのか? だが老婦人ネッダは58年前、この屋敷で9人の人間が殺された“ウィンター邸の大虐殺”以来行方不明になっていた女性だった。ネッダは当時12歳。果たして彼女が事件の犯人だったのか? 今までいったいどこにいたのか? 今回の事件との関わりは? 謎が謎を呼ぶ迷宮のような事件に、完璧な美貌の天才ハッカー、ニューヨーク市警のマロリーが挑む。/解説=若林踏 -
モッキンバードの娘たち
わたしが母親になるまでの旅は、母を埋葬した日にはじまった――。本物の魔術を使うことができ、自由奔放に生きた母。わたしはそんな彼女に反発し、大学を出て三十歳になる今まで、まったく違う堅実な人生を歩んできた。だが母が亡くなったとき、奇妙な力を持つ六人の〈乗り手〉が降りてくる彼女の能力を、むりやり受け継がされてしまう。素質のあった妹ではなく、能力など望まない自分になぜ? わたしは母が〈乗り手〉たちをしまっていた、シフォローブの扉を開ける……。母娘、姉妹、家族の絆を深く伝える、世界幻想文学大賞候補作。 -
逃げ出したプリンセス
理想の王子さまは、なんと本物のプリンスだった! ガラスの靴とロイヤルウエディングの物語を主食に育った女の子たちがたいていそうであるように、わたしもかつて、プリンセスは生まれながらにプリンセスなのであって、あとからなるものではないと思っていた。そう、あの日までは……。わたし、エイミー・ワイルドはロンドンで庭師をしている。植物を愛することにかけては人に負けない自信とプライドがある。彼氏はいないけど、気の合うルームメイトにも恵まれ、充実した毎日だ。だが、その同居人のパーティーが、すべての始まりだった。スウィートでビターな、これぞ現代版シンデレラストーリー。 -
放課後スプリング・トレイン
四月のある日、福岡市内の高校に通う私は、親友・朝名の年上の彼氏を紹介される。そのとき同席していた大学院生の飛木さんは、私の周りで起こる事件をさらりと解き明かしてみせる不思議な人だった。天神に向かう電車で出会った奇妙な婦人、文化祭で起きたシンデレラのドレス消失事件……。福岡の街で私はたくさんの答えを探している。解くことが叶わなかった問題も、真相に辿り着けなかった謎も、すべて覚えておこう。今日は見えずとも、形を変えて色を変えて、いつの日か扉を開ける鍵が手に入ると信じて。福岡・天神を舞台に贈る、透明感溢れる青春ミステリ。 -
ヴァイキング、ヴァイキング
バラクラヴァ郡の地元紙記者クロンカイトは、105歳の誕生日をひかえた女性ヒルダのインタヴューに農場を訪れたあと、近くにあるルーン石碑を見にいこうとして、偶然、作男の怪しい死亡事故に遭遇する。その後、彼がくだんの石碑のことを大々的に報じるや、やじ馬が大挙して押しよせ、農場一帯は混乱の極みに。さらに第二、第三の“事故”が起き、石碑をたてたヴァイキングの呪いか? とささやかれるなか、シャンディ教授はまたしても右往左往するはめになりつつも、事件解決をめざす。温かなユーモアが満載の、心の底から楽しめる傑作ミステリ第3弾。/解説=宮脇孝雄 -
氷の家
フレッド・フィリプスが走っている……その言葉は八月の静かな午後、さながら牧師のお茶会で誰かが発したおならのように鳴りひびいた。庭師を周章狼狽させたのは、邸の氷室に鎮座していた無惨な死骸――性別は男。だが、胴体を何ものかに食い荒らされたその死骸は、人々の嘔吐を誘うばかりで、いっこうに素姓を明示しようとしない。はたして彼は何者なのか? 迷走する推理と精妙な人物造形が読む者を八幡の藪知らずに彷徨わせ、伝統的な探偵小説に織りこまれた洞察の数々が清冽な感動を呼ぶ。新しい古典と言うにふさわしい、まさに斬新な物語。英国推理作家協会最優秀新人賞受賞作!/解説=巽昌章 -
月の夜は暗く
「母さんが誘拐された」ミュンヘン市警の捜査官ザビーネは、離れて住む父から知らせを受ける。母親は見つかった――大聖堂で、パイプオルガンの演奏台にくくりつけられて。遺体の脇にはインクの入ったバケツが置かれ、口にはホース、その先には漏斗が。処刑か、なにかの見立てなのか? おまけに父が容疑者として勾留されてしまった。ザビーネは父の嫌疑を晴らすべく、連邦刑事局の腕利き変人分析官の捜査に同行する。そして浮かび上がったのは、ひと月半のあいだに、別々の都市の聖堂で、同様に奇妙な殺され方をした女性たちの事件だった。『夏を殺す少女』の著者が童謡殺人に挑む! -
罪悪
ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。何不自由のない暮らしを送る主婦が続けてしまう万引き。麻薬密売容疑で逮捕された孤独な老人が隠す真犯人。――弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。刑事事件専門弁護士の著者が、現実の事件に材を得て描きあげた15の奇妙な物語。世界各国を驚嘆せしめ、2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた『犯罪』を凌駕する至高の連作短篇集!/解説=杉江松恋 -
犯罪
一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の末っ子。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。――魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。高名な刑事事件専門の弁護士である著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描き上げた珠玉の連作短篇集。クライスト賞ほか文学賞三冠、2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた傑作。単行本より改訂増補された最新決定版!/解説=松山巖 -
樹霊
植物写真家の猫田夏海は北海道の撮影旅行の最中、「神の森で、激しい土砂崩れにより巨木が数十メートル移動した」という話を聞き、興味を覚えて日高地方最奥部の古冠村へ向かう。役場の青年の案内で夏海が目にしたのは、テーマパークのために乱開発された森だった。その建設に反対していたアイヌ代表の道議会議員が失踪する。折しも村では、街路樹のナナカマドが謎の移動をするという怪事が複数起きていた。三十メートルもの高さの巨樹までもが移動し、ついには青年の墜落死体が発見されたとき、夏海は旧知の〈観察者〉に助けを求めた! 〈観察者〉探偵・鳶山が鮮やかな推理を開陳する、謎とトリック満載の本格ミステリ。/解説=村上貴史 -
妖女のねむり
廃品回収のアルバイト中に見つけた樋口一葉の手になる一枚の反故紙。小説らしき断簡の前後を求めて上諏訪へ向かった真一は、妖しの美女麻芸に出会う。目が合った瞬間、どこかでお会いしましたねと口にした真一が奇妙な既視感に戸惑っていると、麻芸は世にも不思議なことを言う。わたしたちは結ばれることなく死んでいった恋人たちの生まれかわりよ。今度こそ幸せになりましょう。西原牧湖だった過去のわたしは、平吹貢一郎だったあなたを殺してしまったの……。前世をたどる真一と麻芸が解き明かしていく秘められた事実とは。名匠が幻想味あふれる物語に仕掛けた本格ミステリの罠。/解説=松浦正人 -
黄昏の彼女たち
1922年、ロンドン近郊。戦争で男手を喪い、母とふたりで暮らすフランシスは、生計のため広すぎる屋敷に下宿人を置くことにする。広告に応じたのは若い夫婦、レナードとリリアンのバーバー夫妻だった。家の中に他人がいる生活に慣れないフランシスだが、ふとしたきっかけからリリアンと交流を深めていく。公園でのピクニック、『アンナ・カレーニナ』の読書、そして互いの過去を知りあうことで……。いつしかふたりの女性に芽生えた感情は、この物語をどこへ運んでいくのか? 心理の綾を丹念に描いて読む者を陶酔させる、〈このミス〉〈週刊文春〉第1位作家・ウォーターズの傑作! -
銀河盗賊ビリイ・アレグロ/暗殺心
七つの銀河系に悪名高い日系人盗賊ビリイ・アレグロ・ナルセ。仲間は宇宙船の喋る船載コンピューターと、テレパシイで会話する毒蛇だ。彼らを先々で待つのは奇妙な依頼――有翼人の娘には王女に殺された恋人の復讐を、大企業の経営者には愛娘に贈ったアンドロイドの恋人の奪還を、市民全員が仮面の着用を義務づけられた都市の女子大生には市長本人の仮面の強奪を。そして驚愕の結末に至る『銀河盗賊ビリイ・アレグロ』。五つの国の王に復讐を誓う元王女・真晝(マヒル)は名うての刺客・鹿毛里(カゲリ)を雇い、この世の涯から涯へと旅を続ける。二人の行く手を阻むのは、それぞれに特殊能力を持つ刺客たち。手の込んだ展開で傑作の呼び声も高い活劇長編『暗殺心(アサツシン)』を合冊して贈る。/解説=半村良、矢田省作、日下三蔵 -
未来警察殺人課[完全版]
三課――殺人課とは、殺人事件を捜査する部署ではなく、殺人を行う部署である。科学技術の発展とテレパシー能力者の存在により、殺人願望を抱く者が事前に察知されるようになった“第二の地球”では、殺人事件は起こってはならないものであり、ゆえに刑事たちの使命は殺人を起こす可能性のある者を強制的に排除することである。しかも刑事たちは全員、かつて殺人願望に取り憑かれ、一度は社会から排除された人間たちだった。短編の名手・都筑道夫を代表する傑作SFミステリ連作全15編を1巻に収めて贈る。/解説=辻真先、鏡明、日下三蔵 -
霜の降りる前に
リンダ・ヴァランダー、まもなく三十歳。警察学校を修了して秋からイースタ署に赴任することが決まり、この夏は父クルトのアパートに同居している。久しぶりの故郷で、旧友ふたりとのつきあいも復活した。だが、その友人のひとりアンナがいきなり行方不明に。いなくなる直前にアンナは、彼女が幼いころに姿を消したままの父親の姿を見たと、リンダに告げていた。アンナになにが? 心配のあまり、まだ正式に警察官になっていないからと諫める父の制止を無視し勝手に調べはじめるリンダ。全世界で4000万部突破! スウェーデンミステリの巨匠マンケルの人気シリーズ。 -
密室の鎮魂歌
世界的に成功した、ある女流画家の個展会場で、『汝、レクイエムを聴け』という作品を見た女が、悲鳴をあげて失神した。失踪した自分の夫の居場所をこの画家が知っているにちがいない、というのが彼女の不可解な主張だった。しかし、画家と失踪した男に接点はなかった。五年前の失踪事件は謎に満ちていた。そして五年後の今、ふたたびその失踪事件の現場だった家で事件が起きる。今度は密室殺人事件。さらに密室殺人は続く。問題の絵に隠された驚くべき真実! 魅力的な謎といくつもの密室に彩られた第14回鮎川哲也賞受賞の傑作本格ミステリ。/解説=村上貴史 -
真鍮のむし
相も変わらずの天才的なテナーサックスの演奏と、鮮やかな推理を披露するいっぽうで、世事にはうとい永見緋太郎だが、クインテットを活動休止にして、海外で原点を見つめ直すという唐島に同行することになった。ニューヨークを皮切りに、シカゴ、そしてジャズの聖地ニューオリンズで永見と唐島が出合った不思議な出来事。あこがれのミュージシャンが遺した楽器を手に入れた唐島を襲った災難、ニューヨークで管楽器の盗難事件に巻き込まれた永見が見いだした真相など、全7編を収録。ジャズと不思議に満ちた、日本推理作家協会賞受賞シリーズ第3弾。/解説=法月綸太郎 -
この世にひとつの本
「ユーレイが消えた!」――著名な書家の幽嶺が、山奥の庵から忽然と姿を消した。後援していた大塔印刷では、御曹司の三郎に捜索をまかせることに。だが、工場でもあいついで病死者が出るという異常な事態が起こっていた。これは会社存亡の危機だ! いささか頼りない三郎は、有能な社長秘書の南知子と、切れ者ながら史上最速で窓際族になった社史編纂室の建彦の助けを借り、事件を探りはじめる。病死はただの偶然か、それとも無版印刷をめぐる陰謀なのか? そして、一見まったく関係がなさそうなそれぞれの事件は、世界に一冊しかないある書物へと、つながっていき――。「文字」を愛する活字中毒者に贈る傑作ミステリ。/解説=古山裕樹 -
ガンメタル・ゴースト
第二次世界大戦中、英空軍で活躍する不死身のエース・パイロット“高射砲(アクアク)”マカーク。隻眼、葉巻と二丁拳銃がトレードマークの彼はある日、禁断の真実を知る――本当の彼は仮想空間に囚われた、人ならぬ存在だったのだ! 西暦2059年の世界で目覚めたマカークは、彼を救出した若き皇太子メロヴィクや人工脳を装着した元記者ヴィクトリアらとともに、三人を陥れた謎の集団を追う。彼らは仮想現実と人格移植研究に潜む陰謀を暴き、地球と火星に迫る危機を阻止できるのか? 英国SF協会賞を『叛逆航路』と同時受賞した拡張現実SFの傑作登場! -
夜愁
1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で、人々はしぶとく毎日を生きていた。戦争を通じて巡り合ったケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たちも。今日もまた、一日が終わり――夜が来る。彼女たちが積み重ねてきた歳月を、容赦なく引きはがす夜が。想いは過去へとさかのぼり、隠された真実を、心の傷を、さらけ出していく。『半身』『荊の城』で示したたぐい稀なる語り口にはさらに磨きがかかり、読者をとらえて放さない。ウォーターズが贈る、めくるめく物語が、いまここに。ブッカー賞、オレンジ賞最終候補作。 -
辛い飴
唐島英治クインテットのテナーサックス奏者・永見緋太郎は、天才的な技術とは裏腹に、相変わらず音楽以外に興味を持たない日々。しかし、ひとたび謎や不思議な出来事に遭遇すると、大胆にも的確にその真相を突いてくる。名古屋のライヴハウスに現れたという伝説のブルースマンにまつわる謎、九州地方の島で唐島と永見が出合った風変わりな音楽とのセッションの顛末、“密室”から忽然と消失したグランドピアノの行方、など7編に、特別編「さっちゃんのアルト」を収録。ライヴ感溢れる、日常の謎的ジャズミステリ〈永見緋太郎の事件簿〉第2弾。/解説=山田正紀 -
消えた修道士
オー・フィジェンティの大族長が、和平協定締結のために、モアン王国を訪れたその時、大族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。どちらも命に別状はなかったが、襲撃がモアン側の陰謀だというオー・フィジェンティの主張に、両国は一触即発の危機に。モアン国王は自国の潔白の証明を、妹で法廷弁護士でもある修道女フィデルマに託した。襲撃者はすでに殺されていた。フィデルマはわずかな証拠を頼りに、相棒エイダルフ修道士と共に、襲撃に使われた矢の出処と思われるクノック・アーンニャに向かう。美貌の修道女が名探偵。好評シリーズ、長編第7弾。 -
アーサー王の墓所の夢
1154年、グラストンベリー一帯を襲った地震の直後、ひとりの老修道士が息を引き取った。アーサー王の埋葬を見たと甥に言い残して。そして月日は流れ1176年、話を聞きつけたイングランド国王ヘンリー二世の命により、町ごと大火で焼失した大修道院の墓地から、二体の骨が掘り出される。遺骨は伝説のアーサー王とその妃グウィネヴィアのものなのか? 住み慣れたケンブリッジを追われた女医アデリアは国王の依頼により、供を連れ骨の鑑定に赴くが、その途上で友人エマの身に異変が起きたことを知る……。CWA最優秀歴史ミステリ賞シリーズ第3弾。/解説=千街晶之 -
紅玉は終わりにして始まり
十六歳の「あたし」ことグウェンドリンが“めまい”に襲われたのは高校のカフェテリア。それがすべての始まりだった。そもそもタイムトラベラーとして期待され、準備万端ととのえていたのは、いとこのシャーロットだったのだ。ところが実際に過去に飛んだのは、何の準備もしていないあたし。相棒になったギデオンは気絶しそうにステキなんだけど、鼻持ちならない嫌なやつで、あたしのことなんかバカにしてる。あたしだって好きでタイムトラベルしてるんじゃないのに。ドイツで百万部突破。大人気のタイムトラベル・ファンタジー三部作、第一弾! -
叛逆航路
はるかな未来。強大な専制国家ラドチは人類宇宙を侵略・併呑して版図を広げていた。その主力となるのは宇宙艦隊と、艦のAI人格を数千人の肉体に転写して共有する生体兵器“属躰(アンシラリー)”である――。“わたし”は宇宙戦艦のAIだったが、最後の任務で裏切りに遭い、艦も大切な人も失ってしまう。ただ一人の属躰となって生き延びた“わたし”は復讐を誓い、極寒の辺境惑星に降り立つ……。デビュー長編にしてヒューゴー賞、ネビュラ賞、クラーク賞など、『ニューロマンサー』を超える史上初の英米7冠を制覇。本格宇宙SFのニュー・スタンダード登場!/解説=渡邊利道 -
鏡の迷宮、白い蝶 美波の事件簿5
『水島のじいちゃん』の名代で、西遠寺家の人々と共にかのこの許嫁の別荘へ、猫のケンゾウを連れて向かうことになった藤代修矢。招かれた別荘の隣には有名な万華鏡作家が住んでいた。認知症になってしまったその隣人は、大きなダイヤモンドを所持していたのだが、置き場所のヒントをメモに残していて……(表題作)。周りで起きる奇妙な事件の真相を、『水島のじいちゃん』が華麗に解き明かしていく。修矢・かのこ編二作、美波・直海編二作に、書き下ろし一作を含む、ライトな本格ミステリ短編集。好評《美波の事件簿》シリーズ、前日譚第二弾。/解説=太田忠司 -
殺人者たちの王
21世紀最悪の連続殺人犯ビリー・デントが脱獄して二カ月、ジャズのもとをニューヨーク市警の刑事が訪れた。父ビリーに施された殺人者としての英才教育を生かして、ニューヨークの連続殺人、通称ハット・ドッグ・キラーの捜査を手伝ってほしいというのだ。渋々ニューヨークに同行するジャズ。だが事件を調べるうちに、故郷で起きた“ものまね師”事件との繋がりに気づく。そして被害者の遺体に書かれた〈ゲームへようこそ、ジャスパー〉のメッセージ。まさか父が? 悩みながらも事件を解決しようとするジャズ。好評の異色青春ミステリ第2弾!/解説=穂井田直美 -
星のダンスを見においで
西銀河じゅうにその悪名を轟かせた伝説の宇宙海賊ジャンピング・ジャック・フラッシュが姿を消して18年が過ぎた。かつて副官だったアレックスは、ジャックの足取りを追ううち、辺鄙な後進惑星にたどり着いた――地球である。それも、時は現代。横須賀のどぶ板通りで、戦場帰りを装って奇妙な骨董品屋を営んでいたジャックは、かつての部下たちから所構わぬ大攻撃を喰らい、横須賀沖に沈めてあった宇宙艇で再び宇宙へ飛び立った――事情を知るよしもない、女子高生の唯佳を乗せて。著者の真骨頂たるスペース・オペレーションSFを二分冊で贈る。/解説=堺光保 -
血の色の記憶
色覚障害者のサイト〈ランボー・クラブ〉。仲間を探す不登校の中学生・菊巳が偶然見つけた、そのサイトのトップに掲げられたアルチュール・ランボーの詩。フランス語など習ったこともないのに、なぜ僕はこの原語の詩を読めるのだろう? 「Aは黒、Eは白、Iは赤、Uは緑、Oは青……」。その時、僕にあるはずのない、鮮やかな血の色を見た記憶が蘇った。そして後日、何者かによってサイトの詩が書き換えられ、詩になぞらえた死体が発見された! 色覚障害の少年をめぐる事件の、驚くべき真相とは? 鮎川哲也賞受賞作家が贈る、傑作本格ミステリ。/解説=大矢博子 -
にぎやかな眠り
特徴といえば農業大学があることくらいの田舎町バラクラヴァ。この町が活気づく季節――クリスマスが今年もやってきた。ふだんは静かな町全体がクリスマス仕様に彩られ、見物客の大群が押し寄せる季節が。毎年くりかえされる大騒ぎにうんざりしていた大学教授のシャンディは、とてつもなく派手なイルミネーションで自宅を飾りつけて妨害を試みるが、それが事件を招いてしまう。休暇の船旅を早めに切りあげた教授がわが家で目にしたのは、親友の妻の死体だった……! アガサ賞生涯功労賞作家の出世作となった、万人に愛された傑作シリーズ第1弾。/解説=浅羽莢子 -
白の予言者
六公国の王子デューティフルと、かつての宿敵である外島人の族姫エリアニアとの婚約。互いに根強い恨みと反感を抱く二つの国に平和を打ち立てんとするこの縁組みを成立させるためには、黒いドラゴン、アイスファイアの首を落とさねばならない。約束を守るために、王子は神呪字諸島に向け出航する。お供は王妃の顧問官シェイド、王子の従者シック、身分を隠したままのフィッツ。さらに古き血族のウェブや〈気〉をもつ貴族シヴィルも乗りこんでいる。航海の行く手に待つものは。壮大な異世界ファンタジー〈道化の使命〉最後の幕があがる。 -
なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集
人間の裡に潜む不気味なものを抉り出し、独特の乾いた筆致で書き続けたシャーリイ・ジャクスンは、強烈な悪意がもたらす恐怖から奇妙なユーモアまで幅広い味わいの短編を手がけたことでも知られている。死後に発見された未出版作品と単行本未収録作を集成した作品集Just an Ordinary Dayより、現実と妄想のはざまで何ものかに追われ続ける女の不安と焦燥を描く「逢瀬」、魔術を扱った中世風暗黒ゴシック譚「城の主」、両親を失なった少女の奇妙な振るまいに困惑する主婦が語る「『はい』と一言」など、悪意と妄念、恐怖と哄笑が彩る23編にエッセイ5編を付す。本邦初訳作多数。/収録作=「序文 思い出せること」「スミス夫人の蜜月(バージョン1)」「スミス夫人の蜜月(バージョン2)――新妻殺害のミステリー」「よき妻」「ネズミ」「逢瀬」「お決まりの話題」「なんでもない日にピーナツを持って」「悪の可能性」「行方不明の少女」「偉大な声も静まりぬ」「夏の日の午後」「おつらいときには」「アンダースン夫人」「城の主」「店からのサービス」「貧しいおばあさん」「メルヴィル夫人の買い物」「レディとの旅」「『はい』と一言」「家」「喫煙室」「インディアンはテントで暮らす」「うちのおばあちゃんと猫たち」「男の子たちのパーティ」「不良少年」「車のせいかも」「S・B・フェアチャイルドの思い出」「カブスカウトのデンで一人きり」「エピローグ 名声」 -
王国は誰のもの
わたしはどこにも行き場のない人間だ――そう思い悩む女子高校生の莉世は、帰宅途中に大きな帽子をかぶったひ弱そうな少年・丈と出会う。家からほど近い、蕪坂という大金持ちが築いた王国に招かれた丈に同行することになった莉世。ところが中世欧州風に造られたリッフェントローフ城内で、不可解な殺人事件に巻き込まれてしまう。パーティの晩、王が何者かに殺害されたというのだ! 王位を巡る権力争いなのか? 容疑者はなんと、吸血鬼、狼男、ミイラ男、ゾンビと怪人だらけ。彼らを地下牢に閉じこめたはずなのに、第二、第三の殺人が発生して……。鮎川賞作家・アマン先生が満を持して放つ、“超変”ミステリ! -
仮面の貴族
ファーシーア一族を恨むパイボルド一派から、デューティフル王子をとりもどしたフィッツ。赤船の乱で六公国に大惨事をもたらした外島人とのあいだに平和を築くべく王妃ケトリッケンがとりまとめた神呪字諸島の族姫との婚約の儀は、つつがなく執り行われることになった。バックキープにやってきた族姫エリアニアはまだ十一歳。だが並々ならぬものを内に秘めた少女だった。華やかな婚約の宴の陰に潜む外島人の思惑は? かつての暗殺者兼間諜のフィッツはなんとか探りだそうとするが……。圧倒的スケールの異世界ファンタジー〈道化の使命〉第二部。 -
れんげ野原のまんなかで
新人司書の文子がこの春から所属されたのは、のどかな秋葉図書館。ススキ野原のど真ん中に建つこの図書館は利用者もまばら、暇なことこのうえない。しかし最近妙な闖入者が現れた。小学生が閉館後も居残るために、あの手この手で図書館員たちの裏をかこうとしているらしい。いったいなぜ? 文子はかねてよりその博識ぶりを崇拝している先輩司書・能勢の力を借りて、小学生たちの企みをつきとめようとするが……。季節の折々に、小さな図書館を訪れる人たちがもたらすささやかな謎の数々。すべての本好き、図書館好きに捧げる、やさしいミステリ。/解説=大崎梢 -
エアーズ家の没落
この地方で、かつて隆盛を極めたエアーズ家は、第二次世界大戦終了後まもない今日では斜陽を迎え、広壮なハンドレッズ領主館に逼塞していた。かねてからエアーズ家に憧憬を抱いていたファラデー医師は、ある日メイドの往診を頼まれたのを契機に、一家の知遇を得る。物腰優雅な老婦人、多感な青年であるその息子、そして令嬢のキャロラインと過ごす穏やかな時間。その一方で、館のあちらこちらで起こる異変が、少しずつ、彼らの心をむしばみつつあった……。悠揚迫らぬ筆致と周到な計算をもって描かれる、たくらみに満ちたウォーターズの傑作。ブッカー賞最終候補作。 -
シャーロック・ホームズ最後の挨拶【深町眞理子訳】
“およそ信じがたい異様な体験をした。それにつきご相談申しあげたし”――退屈に苦しむ名探偵ホームズに持ちこまれた、怪奇な雰囲気が横溢する事件「〈ウィステリア荘〉」。大英帝国の命運がホームズの推理にゆだねられる「ブルース=パーティントン設計書」。ワトスンが目にした、ベッドに横たわるホームズの衝撃的な姿「瀕死の探偵」。そしてシリーズの異色作の表題作のほか、全8編を収録する短編集。登場から一世紀以上がたったいまでもなお、さまざまなかたちで映像化されるなど、世界じゅうの人々を魅了する名探偵の事件簿。/収録作=「〈ウィステリア荘〉」「ボール箱」「赤い輪」「ブルース=パーティントン設計書」「瀕死の探偵」「レイディー・フランシス・カーファクスの失踪」「悪魔の足」「シャーロック・ホームズ最後の挨拶 ──ホームズ物語の終章」「解題=戸川安宣」「解説=日暮雅通」 -
わたしのリミット
母親と死別した坂崎莉実は、父親と二人暮らしの高校二年生。ある朝目覚めると父親の姿はなく、代わりに「うちの保険証を使って、彼女を莉実として病院へ入院させてほしい」という不可解な書き置きとともに、見知らぬ少女がいた――。本名を名のらず、やむなくリミットと呼ぶことになった少女は、どう見ても年下なのに莉実の身のまわりで起こった奇妙な出来事の話を聞くだけで、見事に謎を解いてしまう。不思議に大人びた彼女は、いったいどこの何者なのだろう? 莉実とリミット、二人の少女が送る、謎に満ちたひと月。心温まる連作ミステリ。/解説=大矢博子 -
大尉の盟約
イワン・ヴォルパトリル大尉。生粋のヴォルらしい黒髪にオリーブ色の肌をした、長身のハンサム。コマールで軍務についていたイワンのもとを、友人の機密保安庁職員バイアリーが訪れた。女の子を一人ひっかけてほしいというのだ。女の子ならイワンの得意分野。少々強引ながら彼女の家に押しかけたはいいが、そのあとの展開がいけなかった。いきなりスタナーで撃たれて拘束されるわ、誘拐容疑をかけられるわ……。そこで彼女が追われていることを知ったイワンは、窮地を逃れるための、偽装結婚を申し出る。マイルズの従兄弟イワンの運命やいかに! -
四人の署名【深町眞理子訳】
自らの頭脳に見合う難事件のない無聊の日々を、コカインで紛らわせていたシャーロック・ホームズ。唯一の私立探偵コンサルタントを自任する彼のもとを、美貌の家庭教師メアリーが訪れる。彼女の語る事件は奇妙きわまりないものであった。父が失踪してのち、毎年、高価な真珠を送ってきていた謎の人物から呼び出しの手紙がきたというのである。ホームズとワトスンは彼女に同行するが、事態は急転直下の展開を見せる。不可解な怪死事件、不気味な〈四の符牒〉、息を呑む追跡劇、そしてワトスンの恋……。忘れがたき余韻を残すシリーズ第2長編。/解題=戸川安宣、解説=紀田順一郎 -
緋色の研究【深町眞理子訳】
アフガニスタンへの従軍から病み衰えて帰国した元軍医のワトスン博士。ロンドンで下宿を探していたところ、偶然に同居人を探している男を紹介され、共同生活を送ることになった。下宿先はベイカー街221番地B、相手の名はシャーロック・ホームズ――。ホームズとワトスン、永遠の名コンビの誕生であった。ふたりが初めて手がけたのは、空き家でのアメリカ人旅行者の奇妙な殺人事件。いくつもの手がかりから、ホームズの精緻な推理によって浮かびあがった驚きの真相の背景には、長く哀しい物語があった……。名探偵ホームズ初登場の記念碑的長編!/解題=戸川安宣、解説=高山宏 -
シャーロック・ホームズの復活【深町眞理子訳】
名探偵ホームズが宿敵モリアーティー教授とともに〈ライヘンバッハの滝〉に消えた「最後の事件」から3年。ロンドンで発生した青年貴族の奇怪な殺害事件をひとりわびしく推理していたワトスンに、奇跡のような出来事が……。名探偵の鮮烈な復活に世界が驚喜した「空屋の冒険」を始めとして、ポオの「黄金虫」と並ぶ暗号ミステリの至宝「踊る人形」、奇妙な押し込み強盗事件の謎が鮮やかに解かれる「六つのナポレオン像」など、珠玉の13編を収録する、シリーズ第3短編集。/収録作=「空屋(くうおく)の冒険」「ノーウッドの建築業者」「踊る人形」「ひとりきりの自転車乗り」「プライアリー・スクール」「ブラック・ピーター」「恐喝王ミルヴァートン」「六つのナポレオン像」「三人の学生」「金縁の鼻眼鏡」「スリークォーターの失踪」「アビー荘園」「第二の血痕」「解題=戸川安宣」「解説=巽昌章」 -
黄金の狩人
六公国を危機に陥れた外島人の“赤い船団”が撃退されて十五年。王ヴェリティが去ったあと、王妃が一粒種の王子を守り育てながら、なんとか平穏に国を治めてきた。一方、ヴェリティの兄であった第一王子の庶子フィッツ、暗殺者の弟子で、今やファーシーア一族の〈技〉を継承する唯一の生き残りとなった彼は、絆を結んだ狼と、訳あって育てている孤児の少年とともに、隠遁生活を送っていた。だが、かつての師シェイドの突然の来訪が、彼を再び運命の渦に投げこむことに……。圧倒的なスケールの異世界ファンタジー〈ファーシーアの一族〉続編、壮大な三部作、堂々開幕。 -
黒百合
昭和27年の夏休み。14歳だった「私」こと進と一彦は、六甲山にあるヒョウタン池のほとりで、不思議な雰囲気を纏った同い年の少女と出会う。池の精を名乗ったその香という少女は、近隣の事業家・倉沢家の娘だった。三人は出会った翌日からピクニックや山登りを通して親交を深めてゆく。自然の中で育まれる少年少女の淡い恋模様を軸に、昭和10年のベルリン、昭和15年の阪神間を経由して、物語は徐々にその相貌を明らかにしてゆく。そして、最後のピースが嵌るとき、あらゆる読者の想像を超える驚愕の真相が描かれる。数々の佳品をものした才人による、工芸品のように繊細な傑作ミステリ。/解説=戸川安宣 -
プリズムの瞳
かつてはロボット研究が生み出した最先端機種として、期待を集めていた人型ロボット〈ピイ・シリーズ〉。しかし、現在ではその役割を終え、絵を描くだけの無用の〈残存種(レリクト)〉と呼ばれ、各地を放浪していた。恋人との仲に悩む女性、周囲にとけ込めない中年男性、人生を踏み外しかけた青年――ピイと出会った人々は、姿だけを人と同じくするロボットの瞳に何を見いだすのか。感情を持たないピイ、その傍に寄り添う歳をとらない少女。かれらとの対話を通して揺らぐ人々のこころを柔らかに描き出す、すぐそこの未来の、希望と祈りに満ちたSF連作短編集。/解説=三村美衣 -
仮想空間計画
病院のベッドで科学者ジョー・コリガンは記憶を失い目を覚ます。もはや以前の自分ではない。かつて、オズ計画と呼ばれた極秘プロジェクトの立案者として、現実世界に限りなく近いヴァーチャル・リアリティの開発に従事してきた。そのテスト段階で自ら被験者となり、仮想世界と神経接合する。記憶はそこで途絶えた。計画はずっと昔に放棄されたと聞かされ、妻は去り、ひとり馴染みのない環境に置かれている。そこへある女が現れて言う。二人とも、いまだシミュレーション内に取り残されたままだ、と。現実と境目のない虚構世界のなかで、罠に囚われた科学者に脱出の道は? リアルすぎる仮想空間を描く、本格ハードSF! -
青春探偵ハルヤ
【2015年10月より、Kis-My-Ft2の玉森裕太さん主演で連続ドラマ化!(読売テレビ・日本テレビ系全国ネット)】浅木晴也は、アルバイトで生活費を稼ぎながら大学に通う貧乏青年。彼の許にある日、悪友の和臣が報酬付きの相談事を持ちかけてくる。仕方なく引き受けたストーカー撃退の依頼だったが、いざ待ち伏せして捕えた不審者は人違い。事情を聞くと、一人暮らしの妹と連絡がつかなくて、心配で様子を見にきていたらしい。妹思いの男が放っておけず、晴也は女の子の捜索も請け負うことに。脅迫者との交渉、女子寮の盗撮犯捜しと、次から次へと芋づる式に厄介事は増えていく……。トラブル解決に奔走する青年の慌ただしい日々を、軽快な筆致で描いた青春小説。 -
獏鸚
科学知識を駆使した奇想天外なミステリを描き、日本SFの先駆者と称される海野十三。鬼才が産み出した名探偵・帆村荘六が活躍する推理譚から、精選した傑作を贈る。麻雀倶楽部での競技の最中、はからずも帆村の面前で仕掛けられた毒殺トリックに挑む「麻雀殺人事件」。身元不明の美女の轢死事件に端を発した、神出鬼没の怪人“赤外線男”との対決を描く「赤外線男」。異様な研究に没頭する夫の殺害を企てた、妻とその愛人に降りかかる悲劇を綴る怪作「俘囚」。密書の断片に記された暗号と、金満家の財産を巡って発生した殺人事件の謎を解く「獏鸚」など、10編を収録した決定版。 -
【東京創元社無料読本】ベストセレクション〈2015 Summer〉
『ビール、枝豆、ミステリ』は夏の新しい習慣! 今年もまた「ベストセレクションフェア」の季節になりました。今回のラインナップは読み継がれている東京創元社の定番中の定番をはじめ、これから新たな定番になる新作・話題作など目白押しです。本電子書籍は、フェアのガイドブックとしてお役立ていただけるよう、ベストセレクションフェア・ラインナップ作品の立読み版(電子書籍を配信している作品に限る)を収録しております。どうぞお楽しみください。/立読み版収録作品=『体育館の殺人』青崎有吾、『アヒルと鴨のコインロッカー』『夜の国のクーパー』伊坂幸太郎、『聴き屋の芸術学部祭』市井豊、『夜の写本師』乾石智子、『配達あかずきん』大崎梢、『二度のお別れ』黒川博行、『青空の卵』坂木司、『模倣の殺意』中町信、『まもなく電車が出現します』似鳥鶏、『慟哭』貫井徳郎、『ハルさん』藤野恵美、『もう年はとれない』ダニエル・フリードマン/野口百合子 訳、『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン/池央耿 訳、『シャドウ』道尾秀介、『盤上の夜』宮内悠介 -
太陽の石
かつて繁栄を誇ったコンスル帝国の最北西に位置する霧岬。そんな霧岬の村に住むデイスは十六歳、村の外に捨てられていたところを姉に拾われ、両親と姉に慈しまれて育った。ある日父と衝突し、怒りにまかせてゴルツ山に登った彼は、土の中に半分埋まった肩留めを拾う。金の透かし彫りに、〈太陽の石〉と呼ばれる鮮緑の宝石。これは自分に属するものだ、一目でデイスは悟った。だが、それがゴルツ山に眠る魔道師を目覚めさせることになるとは……。デビュー作『夜の写本師』で読書界に旋風を起こした、〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ第3弾。/解説=金原瑞人 -
助手席のチェット
リトル探偵事務所にある母親から持ち込まれた事件は高校生の娘の失踪だった。元刑事でバツイチの探偵バーニー・リトルは誘拐事件と判断、相棒の大型犬チェットと調査を開始したが、身代金要求はない。父親は単なる家出としてバーニーを解雇してしまう! 警察犬訓練所を優秀な成績で卒業、はできなかったが、それでも優秀な相棒犬チェットは、おのれの嗅覚を信じ、危険もかえりみず、バーニーをサポートする。チェットが犬の視点、犬の心ですべてを語り全世界の犬好きの心を鷲掴みにした史上最強の犬ミステリ『ぼくの名はチェット』(単行本版)改題。/解説=杉江松恋 -
ユダの窓
一月四日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。話の途中で気を失ったアンズウェルが目を覚ましたとき、密室内にいたのは胸に矢を突き立てられて事切れたヒュームと自分だけだった――。殺人の被疑者となったアンズウェルは中央刑事裁判所で裁かれることとなり、ヘンリ・メリヴェール卿が弁護に当たる。被告人の立場は圧倒的に不利、十数年ぶりの法廷に立つH・M卿に勝算はあるのか。法廷ものとして謎解きとして、間然するところのない本格ミステリの絶品。/座談会 ジョン・ディクスン・カーの魅力=瀬戸川猛資、鏡明、北村薫、斎藤嘉久、戸川安宣(司会)/本座談会と『ユダの窓』について=戸川安宣 -
白の祝宴 逸文紫式部日記
時は平安。都の人々の注目を集めているひとりの女性がいた――その名は紫式部。かの『源氏物語』の著者だ。式部には、あまり知られていない顔がある。彼女は都の謎を鮮やかに解き明かす名探偵でもあったのだ。折しも、帝が寵愛する女性が待望の親王を出産し、白一色で飾られ沸き立つ土御門邸。しかし、そのきらびやかな祝宴のさなか、都を騒がせている怪盗が逃げこんだとの報が入る。彰子にこわれて出仕していた式部は、『紫式部日記』編纂のかたわら、推理をめぐらせるのだが……。怪盗の行方は? そして書物にこめた式部の思いとは? 第13回鮎川哲也賞受賞作家が描く王朝推理絵巻、第2弾。/解説=細谷正充 -
楽園炎上
通信技術を飛躍的に発達させた、地球を包む〈電波層〉の発見。だがその正体は、通信を操って人類を巧妙に支配する集合知性型生物だった! 真実に気づいた人びとの秘密組織は、人間と見分けのつかない擬装人間に襲撃され壊滅。それから七年、再び襲撃を受けた少女キャシーらは決死の逃避行に出る。一方、キャシーの伯父である科学者イーサンの前に現れた敵のはずの擬装人間は、意外な情報を明かす……果たして、偽りの平和と繁栄を人類に与えた侵略者たちの真の目的とは? ヒューゴー賞・星雲賞受賞『時間封鎖』の著者が放つ、戦慄の侵略SF!/解説=大野万紀 -
サムソンの犯罪
肥満漢の弁護士が持ち込む仕事は「わたし」の生命線だから、蹴るわけにはいかない。土つかずの戦績を見て私立探偵としての腕を買ってくれているのはわかるが、難事件揃いなのには全く閉口する。捏造テープと換気扇の問題「中国屏風」や麻雀狂に捧げるエレジー「走れ俊平」、無名作家のとんだ有名税「サムソンの犯罪」等々、二進も三進も行かなくなると「わたし」はバー〈三番館〉へ足を運ぶ。ここでグラスを磨いているバーテンに知恵を借りて解決しなかった例はないのだから――。本格ミステリの泰斗が物した安楽椅子探偵譚、三番館シリーズ第2集。/解説=霞流一 -
落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館
落ちこぼれネクロマンサーのワードと死から蘇った美女シーリアは、彼女の父親、闇社会のプリンス殺しの濡れ衣を着せられてしまう。暗殺者に追われ這々の体で飛びこんだ先が邪悪な黒魔術師マセリオの屋敷。どうやらワードはマセリオの弟子候補と間違えられているらしい。となればさっさと逃げたほうが身のためだ。なのにいきなり現れた旧知の猟官には盗みを命じられ、召使の娘には助けを求められ、どんどん深みにはまっていくワード。気が弱いくせに正義感が強く頑固なワードにシーリアは苛立ちを隠せない。闇と魔法の異世界ファンタジー第2弾。 -
7は秘密
「盗まれたんです。家族を」1846年の真冬。創設まもないニューヨーク市警の警官ティムは、黒人の血が混じった女性ルーシーから助けを求められる。妹と息子が悪辣な逃亡奴隷捕獲人に拉致されたのだ。ティムは兄ヴァレンタインの助けを得て彼女たちを助け出し、兄の家に匿った。だが翌々日の朝、その家で首にローブの紐が巻きついたルーシーの死体を発見してしまう。兄に嫌疑がかかることを恐れたティムは死体を移動し、犯人を追って捜査を開始する。弱者への暴力や黒人奴隷売買が横行する苛酷な時代に、青年警官はただ一人真実を求め奔走する。/解説=酒井貞道 -
量子宇宙干渉機
世界が再び全面戦争の危機に直面した21世紀、若き物理学者ヒュー・ブレナーらのグループは、ついに量子コンピュータの開発に成功した。この世界は唯一無二の存在ではなく、無数の世界が並行してあり、それらが相互に干渉し合うことでいかなる物事が起こるのかが決定される。ならばその“干渉”をコントロールすることで世界を救うことはできないのか?国防総省が乗り出した極秘プロジェクトの主眼はそこにあった。政府の監督下で別世界操作の研究を強いられるヒューら。眼前に自由世界への道が開いたとき……。量子力学に基づく多元宇宙ハードSF! -
海辺の幽霊ゲストハウス
ニュージャージーの海辺に建つヴィクトリア様式の屋敷を買ったアリソン。シングルマザーの彼女は、築百年以上のこの屋敷を自らリフォームしてゲストハウスにし、9歳の娘メリッサと新しい生活を始めようとしていた。だがひょんなことから、屋敷に取り憑いているふたりの幽霊が見えるようになってしまう。それは、屋敷の前オーナーでツンツンしたマキシーと、気弱な私立探偵のポール。誰に殺されたか調べてほしいというポールの頼みで、調査を手伝うことにしたアリソンだったが、事件が起きてしまい……。明るく楽しい、コージーミステリ・シリーズ第1弾。 -
喜劇悲奇劇
右から読んでも左から読んでも「きげきひきげき」――アルコール浸りの落ちぶれ奇術師七郎は、動く一大娯楽場〈ウコン号〉の処女航海で冴えない腕前を披露することになった。紹介されたアシスタントを伴い埠頭に着いたところが、出航前から船内は何やら不穏なムードに満ちている。案の定というべきか、初日直前の船内で連続殺人の騒動が持ち上がり、犠牲者には奇妙な共通点が見出され……。章題はすべて回文、「台風とうとう吹いた。」の一文で始まる、奇抜な謎とぺてんの楽しさてんこ盛りの本格長編ミステリ。言葉遊びへの造詣こよなく深いミステリ界の魔術師泡坂妻夫が物した、他の追随を許さない会心作。/作者のことば=泡坂妻夫、解説=新保博久 -
落下する緑
ジャズバンド、唐島英治クインテットのメンバー、永見緋太郎は天才肌のテナーサックス奏者。音楽以外には関心を示さないのが玉に瑕だが、ひとたび事件や謎に遭遇すると、フリージャズを奏でるように軽やかに解決していく。反対に展示された絵画の謎、連綿と受け継がれたクラリネットの秘密、消えたトランペット奏者の行方など、永見の推理は――。鮎川哲也も絶賛した、著者のデビュー短編「落下する緑」にはじまる、洒脱で軽妙な本格ミステリ連作集。各エピソードの雰囲気に合わせ、著者が自らチョイスしたジャズCD、レコード紹介のおまけ付。/著者あとがき=田中啓文、解説=山下洋輔 -
黒い白鳥
6月2日早暁、久喜駅近くの線路沿いで男の射殺屍体が発見された。列車の屋根に乗ってそこまで運ばれた男は、労使抗争に揺れる東和紡績の西ノ幡豪輔社長と判明。敗色濃厚な組合側の妄動か、冷遇の憂き目に遭う新興宗教かと囁かれる中、最右翼と目される容疑者を追っていた当局は意外な線から彼の行方を知ることに。膠着する捜査を引き継いだ鬼貫警部は西ノ幡社長が貸金庫に預けていた写真に着目、あるかなきかの糸を手繰って京都から大阪へ、そして忘れじの九州へと足を運ぶ。そこで鬼貫が得たものは? 緻密なアリバイトリックを駆使し、第13回日本探偵作家クラブ賞を受賞した雄編。/解説=有栖川有栖 -
千年の黙 異本源氏物語
【第13回鮎川哲也賞受賞作】帝ご寵愛の猫はどこへ消えた? 出産のため宮中を退出する中宮定子に同行した猫は、清少納言が牛車につないでおいたにもかかわらず、いつの間にか消え失せていた。帝を慮り左大臣藤原道長は大捜索の指令を出すが――。闇夜に襲われた中納言、消え失せた文箱の中身。縺れ合う謎に挑む紫式部を描いた第一部「上にさぶらふ御猫」。『源氏物語』が千年もの間抱え続ける謎のひとつ、幻の巻「かかやく日の宮」――この巻はなぜ消え去ったのか? 式部を通して著者が壮大な謎に挑む第二部「かかやく日の宮」。紫式部を探偵役に据え、平安の世に生きる女性たち、そして彼女たちを取り巻く謎とその解決を鮮やかに描き上げた華麗な王朝推理絵巻。 -
水の葬送
シェトランド諸島の地方検察官ローナは、鎧張りの船にのせられ外海へ出ようとしていた他殺死体の第一発見者となる。被害者は地元出身の若い新聞記者で、島にある石油ターミナルがらみの取材を兼ねて帰省したらしい。新任の女性警部リーヴズがサンディ刑事たちとはじめた捜査に、病気休暇中のペレス警部もくわわるものの、本調子にはほど遠い。複雑な人間関係とエネルギー産業問題がかかわる難事件の解決には、ペレスの観察眼と推理力が不可欠なのだが――。〈シェトランド四重奏〉を経て、クリーヴスが到達した現代英国本格ミステリの新たな高み。CWA最優秀長篇賞受賞シリーズ。 -
皆勤の徒【創元SF文庫版】
高さ100メートルの巨大な鉄柱が支える小さな甲板の上に、“会社”は建っていた。語り手の従業者はそこで日々、異様な有機生命体を素材に商品を手作りする。雇用主である社長は“人間”と呼ばれる不定形の大型生物だ。甲板上とそれを取り巻く泥土の海だけが語り手の世界であり、そして日々の勤めは平穏ではない――第2回創元SF短編賞受賞の表題作にはじまる全4編。奇怪な造語に彩られた、誰も見たことのない異形の未来が読者の前に立ち現れる。デビュー作ながら第34回日本SF大賞を受賞した、現代SFの到達点にして世界水準の傑作!創元SF文庫収録に際し、著者によるイラストを5点追加。/本文イラスト=酉島伝法、解説=大森望(本電子書籍は、『皆勤の徒』(創元SF文庫 2015年7月初版発行)を電子書籍化したものです。) -
強欲な羊
怖い、でもページを捲る手が止まらない!とある屋敷で暮らす美しい姉妹のもとにやってきた「わたくし」が見たのは、対照的な性格の二人の間に起きた数々の陰湿で邪悪な事件。ついには妹が姉を殺害するにいたったのだが――。はたして“羊の皮を被った狼”は姉妹どちらなのか?圧倒的な筆力で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞した「強欲な羊」に始まる“羊”たちの饗宴。揺れ動く男の心理と狡猾な女を巧みに描く「背徳の羊」。愛する王子と暮らす穏やかな日々が崩壊する過程を、女たちの語りで紡ぐ「ストックホルムの羊」ほか全5編。女性ならではの鋭い狂気が秀逸な連作ミステリ。