カールの降誕祭

カールの降誕祭

ドイツでは、クリスマスに最も殺人が多い――日本人女性に恋をしたパン職人が、“まともなパン屋”でなくなってしまった理由とは(「パン屋の主人」)。規律を守り、公明正大だった裁判官に退職後おとずれた、すさまじく数奇な人生の結末(「ザイボルト」)。10世紀から続く貴族トーアベルク家。クリスマスの帰省中に息子が起こした悲しい惨劇(「カールの降誕祭(クリスマス)」)。本屋大賞翻訳小説部門第1位『犯罪』のシーラッハによる珠玉の3編と、気鋭の版画家タダジュンによる謎めいたイラスト。ふたりの天才が贈るブラックなクリスマス・プレゼント。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外ミステリー
  • 出版社
    :
    東京創元社
  • タイトル
    :
    カールの降誕祭
  • タイトルID
    :
    342952
  • ページ数
    :
    94ページ
  • 電子版発売日
    :
    2015年11月12日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    33MB

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カールの降誕祭 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     皮肉な結末が三話。こんなクリスマスは、絶対に嫌だけれど、お話としては面白かった。どれも甲乙つけ難いが、やはりタイトルである、『カールの降臨祭』が最もインパクトがあった。カールが子どもの頃に言われた 所詮はクズ という一言が、彼の心にずっと燻っていたところが、たまらなかった。
     ドイツの著者だったが、親日家なのか、随分と日本の話が出てきたことも、印象的だ。

    0
    2024年12月21日

    Posted by ブクログ

    罪とは何か。これがシーラッハ文学の中心テーマだ。
    …「罪」という漢字を分解すると「目に非ず」と読める。「現実」を把握するのに「百聞は一見にしかず」というが、こと「罪」に関してはこれが通用しない。なぜなら「罪」に見入る者は心の闇を覗くことになるからだ。
    ー訳者あとがきより

    ブラック・クリスマス、タダジュンさんのおどろおどろしいながらも目が離せない絵に惹かれて読んだ。
    たった三遍が載った100ページにも満たないお話。
    けれど読みやすい比較的短い文章で綴られた罪に満ちた三つの物語は、その主人公たちの末路はどれもじわじわと衝撃的で、けれど、ああ、これは私たちの物語だ。と思わされた。
    主人公たちはカオスに魅入られて、罪を犯してしまう。淡々と描かれる文章に、タダジュンさんの大胆でこちらが飲み込まれそうな黒の挿絵が、不思議なカオスと禍々しさを生み出していた。
    そのカオスは、いつ我が身に降り注いでもおかしくない。そのことに戦慄し、その事実を淡々と印象的に描くこの物語たちにゾクゾクした。
    どの話を特にピックアップするのは無理というか、三遍とも全て同じくらいゾクゾクするので、甲乙つけ難いのです。

    シーラッハの書く物語を、網羅したい気持ちに駆られた作品。
    そう思わせてくれるのに、作品そのものはもちろん、充実した訳者あとがきが何役もかってくれたので、ぜひこの本の全部を読んで欲しい。


    目次
    パン屋の主人
    ザイボルド
    カールの降誕祭
    訳者あとがき

    0
    2023年03月28日

    Posted by ブクログ

    シーラッハの安定した独特な文章に加えタダジュン氏のインパクトある版画絵の表紙や挿絵により、更なる相乗効果で作品一つ一つがとてもリアルに楽しめました。もちろん、決して楽しい内容ではないのですが、人間誰にでも潜んでいる悪や「罪とはなにか」について、とても深く考えさせられます。また、巻末の訳者酒寄進一氏の解説により、よりシーラッハが伝えたい意味も参考になりました。少し早めの自分へクリスマスプレゼントになりました。

    0
    2016年02月16日

    Posted by ブクログ

    「パン屋の主人」
    「ザイボルト」
    「カールの降誕祭(クリスマス)」の短編3編収録。
    ザイボルトめいた状況は前の職場であった。直接面識はないが、お元気で過ごされているだろうか。

    0
    2015年12月24日

    Posted by ブクログ

    不必要な文飾を極端なまでに削ぎ落とした簡潔な文体で描ききだされるのは、人間の内面に抑圧されてきた狂気とも、悪とも、暴力とでもひとまずは言える。これが、ゲルマン気質なのだろうか。秩序を愛し、中庸を尊び、ひたすら恭順に世間を生きている人びとが、ひとたび、世間の秩序だった世界の中に自分が容れられないと気づくや否や狂気に囚われた戦士のように衝動的な暴力沙汰を起こす。まるで、それまでの自己が偽りで、今剥き出しにされたのが、本来のあるべき自己なのだとでもいうように。淡々と事態を叙する記述がかえって、その世界の酷薄さを物語るようで、居ても立ってもいられないような強烈な読後感をもたらす。主人公の内にあって常に抑圧を義務づけられた欲望のようなものはもしかしたら誰の裡にもあって、抑圧の激しさゆえに奇妙に捻じ曲げられ歪みきった怪物の姿をしているのではないか。読後、そんな恐怖感に襲われること必至。とんだクリスマス・プレゼントである。

    0
    2015年12月21日

    Posted by ブクログ

    3つの短編集です。やたらという簡潔で淡々とした文章ですが、内容は衝撃的です。主人公は、秩序とかルールとか常識とかの中では安定して生きているのですが、その枠組みがなくなった途端に壊れてしまいます。なんとなくドイツ人は日本人と似ている気がします。

    0
    2016年12月22日

    Posted by ブクログ

    薄氷を踏むような危うさ、一度踏んでしまえば、繰り返される麻薬のような体験。日本にも興味があるらしいシーラッハの仕掛も効果的です。

    0
    2016年02月13日

    Posted by ブクログ

     犯罪、罪悪のような、淡々としてそれでいて怪しさをはらむ数式のような短編集。正直、シーラッハはすごく好きなんだけど前作「禁忌」が個人的にイマイチだったので不安だったが、これはヒット。
     これぞシーラッハ節、というような芸術や文化たる整然さと人の業たるカオスさが混ざり合ってなんとも言えず不気味な雰囲気が全編にあふれていた。まさにブラッククリスマス。満足満足。…だけど、やっぱり最初に読んだ「エチオピアの男」を越える傑作短編は、まだない。
     あれを越える話をこれからも求め続けるのは、シーラッハにハマった読者の業だろうか。来年再来年と、引き続きそれを期待しながら、また訳者の素晴らしくカオスを落とし込んだ日本語にも期待しながら、ゆっくりと過ごしたい。

    0
    2015年11月29日

    Posted by ブクログ

    作品紹介・あらすじ

    ドイツでは、クリスマスに最も殺人が多い。十世紀から続く貴族トーアベルク家のクリスマスの惨劇を描いた表題作と、日本人の女子留学生に恋をしたパン職人の物語「パン屋の主人」、公明正大だった裁判官の退職後の数奇な運命を描く「ザイボルト」を収録。本屋大賞翻訳小説部門第1位『犯罪』のシーラッハによる珠玉の短編を、気鋭の版画家タダジュンの謎めいたイラストが彩る。ふたりの天才が贈るブラックなクリスマス・プレゼント。

    *****

    初めて読むシーラッハ。
    名前はなんとなく知っていたし、「犯罪」が2012年本屋大賞の翻訳部門で1位を獲得したことも知っていたのでちょっと期待して読んでみたのだけれど、今ひとつ読み応えがなかった。
    100頁足らずの中に3つの短編が収録されているので、著者が本領を発揮した作品ではなかったのかもしれない。読みが浅いと言われそうだけれど、内容も何となくありふれた事柄のようにも思える。さらにヒンシュクを買いそうな書き方をすれば、本編よりも「訳者あとがき」の方が読み応えがあって面白かった。
    シーラッハは他の作品も積読状態になっているので、そちらに期待。

    0
    2025年12月11日

    Posted by ブクログ

    初シーラッハです。殺人犯たちの殺人にたどり着くまでのエピソードやその背景が淡々と描かれています。まるで、モノクロの短編映画を見るように、自然と映像が浮かび上がってきました。挿絵もすばらしい。物語を盛り上げる重要な要素になっています。

    0
    2020年05月06日

カールの降誕祭 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外ミステリー
  • 出版社
    :
    東京創元社
  • タイトル
    :
    カールの降誕祭
  • タイトルID
    :
    342952
  • ページ数
    :
    94ページ
  • 電子版発売日
    :
    2015年11月12日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    33MB

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