恐怖の谷【深町眞理子訳】

恐怖の谷【深町眞理子訳】

小説・文芸
437円 (税込)

2pt

3.8

シャーロック・ホームズのもとに届いた暗号の手紙。悪の首魁モリアーティー教授の配下からのそれは、サセックス州の〈バールストン館〉のあるじに危険が迫っていることを告げるものであった。そして実際、その館で凄惨な殺人事件が発生する。捜査に乗りだしたホームズが解き明かした驚愕の真相とは? ホームズの推理譚の第一部に続き、第二部ではアメリカの荒涼とした〈恐怖の谷〉での目をおおいたくなるような、凄絶な物語が描かれる。第一部と第二部の双方に意外性が秘められた、最高傑作の呼び声高い長編!/解題=戸川安宣、解説=北原尚彦

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恐怖の谷【深町眞理子訳】 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    個人的評価としては、ホームズシリーズ屈指の最高傑作と思う。4作の長編のうち3作においては、後半でその犯罪にいたった経緯となる過去の出来事が語られるわけだが、その描かれ方に引き込まれる度合いが強烈で、谷にはびこる「恐怖」を共感させられる。これこそが、ストーリーテラーとしてのドイルの真骨頂と思う。
    一方の前半部分においても、伏線がきっちりと張られ、最後までにしっかりと回収され、宿敵モリアーティについても述べられており、探偵小説として申し分ない完成度を誇る。後世に与えた影響ははかりしれない。

    0
    2016年12月24日

    Posted by ブクログ

    ホームズ長編でありがちな、犯人独白が半分を占めるアレ。

    しかし第一部、第二部それぞれの物語いずれも魅力的。登場人物のあまりに怪しすぎる行動が、真相が判明した後では全く別の意味に変わったり、第二部に仕掛けられた大掛かりなトリックも見事。作品の描かれた時代を考慮しても、完璧と言える構成なのではないでしょうか。

    0
    2015年10月28日

    Posted by ブクログ

    「ホームズ」シリーズの最後の長編『恐怖の谷』を読みました。

    「ホームズ」シリーズの長編って、あまり評価が高くないのですが、、、
    長編の中では『バスカヴィル家の犬』と並んで、評価の高い作品です。

    暗号文の解読から始まり、密室殺人での証言者の偽証を暴いて… と、「ホームズ」の活躍が存分に楽しめる作品になっているのは確かですね。(「ホームズ」が活躍するのは第一部だけですが… )

    二部構成になっていて、第二部で事件の背景となった過去が語られ、しかも、それがアメリカでの出来事というのが「ホームズ」シリーズ処女作『緋色の研究』を思い起こさせました。

    第一部と第二部が別々な物語として楽しめる構成となっているので、、、
    良くいえば、それぞれが独立して楽しめるのですが、逆にいうと第二部の必要性が薄いという印象を受けました。

    でも、結末では二つの物語が巧みに繋がっていて、事件の動機が明確になるので、読み終わったあとはスッキリしましたね。

    強いていえば、「モリアーティ教授」の役どころが中途半端で、登場することに意味がない感じがするのが残念。



    それにしても、、、
    第二部の舞台となっているアメリカって、野蛮な国として描かれていて、差別的な感じを受けますね。
    当時のイギリスの雰囲気って、そんな感じだったのかなぁ。

    0
    2022年11月18日

    Posted by ブクログ

    久々にホームズのシリーズ。
    二部構成になっており、一部はホームズの推理で事件解決、二部は一部の事件の引き金になった過去の出来事が語られる。いつものホームズよりやや切れ味鈍め?な感じがしましたが、メインはタイトルになっている二部の「恐怖の谷」の方なのかも。すっかりホームズ物だってこと忘れて読んでしまった。ラストは見事などんでん返し。そして一部の事件に繋がって行く、という構成も好き。ホームズの活躍譚としてはやや物足りないけど、物語としては面白かったので満足です。
    しかし最初にホームズに情報垂れ込んできたモリアーティの部下は一体何がしたかったのやら…??

    0
    2021年09月18日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    シャーロック・ホームズのシリーズは、小学生の時にひととおり全部読んだ。
    その後中学・高校時代に、短編集だけは文庫本(大人の本)で読みなおしたけれども、長編を読み返したことはないはず。
    だって、長編はあまり面白くなかったんだもの。

    今回大人の目で、名作と言われる『恐怖の谷』を読み返して、子どもの頃は面白くなかったろうなあと思った。
    まず、男女の真摯な恋愛に興味がなかったのである。
    そして、ハードボイルドも割と苦手分野であったこと。
    決定的なのは、シャーロック・ホームズ出てこなすぎ!

    一部と二部に分かれているのだが、シャーロック・ホームズが出てくるのは主に一部の方で、二部は、時代も違えば登場人物も全然違う話なのだ。
    それは、シャーロック・ホームズのお話を読もうと思っていた小学生だからこそ「なんだこれは?」となってしまう展開。

    では、大人の目で読んだ『恐怖の谷』は面白かったのかと言われると、「それほどでも…」となってしまう。
    一部と二部を別作品として書いていたのなら、どちらも面白かったけれど、無理やり長編にして、特に根拠も必要性も感じないモリアーティを登場させることによって、余計に作品としての統一性が失われたと思った。

    多分作者が書きたかったのは二部の方だったのだろうと思うけれど、シャーロック・ホームズ抜きでは出版が許されなかったのかな。
    二部だけで、エピローグ抜きで終わらせても、それはそれで面白いと思うのだけど。

    というか、エピローグのエピソードも、事実確認ができない時点で、ホームズ言いたい放題なわけです。
    ホームズの言う通りなのかもしれないし、さらに裏をかいて逃げ切ったということだってあり得る。
    ただ、悪の天才としてモリアーティを出してしまったから、彼に花を持たせなければならなかったのだろう。
    そのモリアーティよりホームズを上に置いて、究極の天才にしなければならないのだから。

    0
    2024年10月03日

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