短篇作品一覧

非表示の作品があります

  • 仮面王子と無慈悲な夜を【分冊版】 1
    完結
    -
    恋人なんて、いたことない。どこにいても人から言われることは同じ――キレイだとか相手にされないとか――。そんな陸也(りくや)は、基樹(もとき)と出逢う。一見ちょっと恐そうだったけど、仕事のできるいい人だった。昼間、仕事ではあんなに真面目なのに、二人きりの時は別人のように熱くなる――そんな人に、「好き」と言われて……。表題作を中心に、細密かつハードな描写で紡がれる愛の形。著者入魂のBL短篇集。
  • 鴨川ランナー
    4.0
    日本という異国に住まいながら、日本人と外国人の間をさまよう人々を巧みな心理描写と独特の文体で描いた短篇2本。 「鴨川ランナー」第二回京都文学賞受賞作。選考委員の満場一致で選出された。日本から京都に仕事に来た西洋人の日常や周囲の扱い方に対する違和感を、「君」という二人称を用いた独特の文章で内省的に描く。 「異音」・・・福井の英会話教室を突如やめる羽目になった外国人の主人公は同僚の紹介で結婚式の神父役のバイトを始める。
  • 火曜クラブ
    3.7
    甥のレイモンドを筆頭に、前警視総監や画家など様々な職業の人々がミス・マープルの家に集った。一人の提案で各自が真相を知っている昔の事件を語り、その解決を推理しあうという〈火曜クラブ〉ができたが……田舎の老婦人ミス・マープルが、初めて驚異の推理力を披露した短篇13篇を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 辛口のカクテルを
    -
    1巻495円 (税込)
    ぼくが言ったことのほとんどは、酒の肴に小説や詩を読むという文学少女、亜矢子の受け売りだ。「ふうん」彼女は頷き、それから言った。「意味のあることは、もう書き尽くされてしまったんでしょうね。今の作家はたいへんだわ」そうか。なんてこった。これが答えかもしれない。答えは風に舞っていると言ったのは誰だ。もしそうならば彼女は風だ。(「水曜日の詩人たち」より)  著者の原点ともいうべき青春ハードボイルド短篇小説集。 *見えない標的 *辛口のカクテルを *水曜日の詩人たち *詩人たちの喧噪 *乾杯を小さな声で *月時計の夜 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。
  • からくりアンモラル
    4.2
    初潮を迎えた自分の身体に苛立ちを覚える秋月は、妹の春菜になつくロボット・ヨハネが子犬をかわいがる様子を見て、ちょっとした悪戯を思いつくが……ペットロボットを介した性と生の目覚めを描いた表題作、タイムトラベルした少女が自我の認識を獲得する「あたしを愛したあたしたち」、セクサロイドが語る波瀾の生涯「レプリカント色ざんげ」ほか、性愛SF9篇。日本SF大賞ノミネートの、切なく凛々しい傑作短篇集。
  • カレノドロイド【電子限定おまけ・番外篇付き】
    完結
    4.0
    全1巻759円 (税込)
    俺とお前の時間を、また動かせたら――。 “縁結び王子”こと南沢円は、婚活サロンで働いている。ある日、円が企画した婚活パーティに現れたのは、中・高時代の友人・江西。仲が良かったはずなのに、なぜ、いつから彼と疎遠になってしまっていたのか。押し込めた記憶と想いが甦ってきて……!? 同級生同士の再会LOVE。電子限定、短篇「安藤のセオリー」も収録!!
  • カレンダーの余白 現代日本のエッセイ
    -
    四季おりおりの自然、自己とその周囲、今と昔、生の哀しみ、日常生活の襞。生粋の都会人の冷徹な目と繊細な詩人の感性横溢する、簡潔化されたエッセイの世界。「鴉」「天気予報」「桃の節句」「夜涼身辺」「歯のこと」「小唄」「酒について」「水のあと」ほか、短篇の名手・永井龍男が、多彩な題材で軽妙に描いた、82篇の名文。
  • かわいい自分には旅をさせよ
    3.5
    男の堕落とはなにか――笑いと涙の極上エッセイ集 責任感の欠如、性的退行。現代の男は堕落した!?一流の人生指南、旅の極意。幻の短篇も特別収録した極上エッセイ集。
  • 可哀想な蠅
    3.7
    1巻1,705円 (税込)
    近所で目撃した光景をツイートしたのをきっかけに絡んできた、粘着質なアカウント。芽衣子は、彼をスマホの中で「飼う」ことに決めるが――。SNSで、会社で、家の中で。どこからか湧いてくる、哀れな人たち。蓋をしてしまいたい感情。日常の裏で誰もが「見て見ぬふり」をしているものを突き付ける、ブラックな短篇集。
  • 変わったタイプ
    3.6
    月旅行を目指す高校からの四人組。西部戦線帰還兵のクリスマス。変わり者の億万長者とその忠実な秘書。男と別れたばかりの女がつい買ったタイプライター。ボウリングでセレブに上り詰めた男――。「良きアメリカの優しさとユーモアにあふれる短篇集」と各紙で賞賛された、人生のひとコマをオムニバス映画のように紡ぐ17の物語。
  • 川端康成第四短篇集「心中」を主題とせるヴァリエイシヨン
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 考えられないこと
    4.0
    大阪大空襲で生家が焼けたことも知らず、終戦から半年後に復員してきた兄。混みあった電車のなかで、「君、結婚は?」と声をかけてきた兄の友人は、すでに戦死していた。誰にも言うなよと言って聞かされたその話を、語っておきたい――。若き戦没者たちを哀しむ表題作など八十七歳で書かれた三つの短篇に、詩三篇、日記を付す。
  • 感光生活
    4.0
    「その日も、呼び鈴は、いつにもまして、権力的に鳴った。その瞬間、わたしは神経を逆なでされ、理由もなく押したひとに反感を抱いた」(「隣人鍋」)。日常と非日常との、現実と虚構との、わたしとあなたとの間の一筋の裂け目に、ある時はていねいに、ある時は深くえぐるような視線をそそぐ15の短篇。
  • 看守眼
    3.8
    刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。
  • カンタヴィルの幽霊/スフィンクス
    3.6
    結婚を控え、手相占いに翻弄される「アーサー・サヴィル卿の犯罪」。生真面目で頑張り屋の幽霊が棲みつくお屋敷をアメリカ公使一家が買って一騒動の「カンタヴィルの幽霊」。知る人ぞ知るあの長詩「スフィンクス」ほかワイルドの短篇4作に、出獄したワイルドを迎えた親友の女性作家が当時のワイルドの様子を綴る「回想」を含む佳作を収録。ワイルドのことがますます、好きになる短篇集。
  • かんちがい閉口坊
    3.0
    全国津々浦々の善男善女のサラリーマンが坊主にみこまれて、坊主や尼の姿になって、一流ビジネス街のビルからお経を唱えながら、ぞろぞろ出て来て全国行脚の旅に出る──表題作をはじめ、奇怪な生命体が次々に登場する「出入星管理事務所」、人の行動を火山活動にあてはめてみた「活火山」「休火山」「死火山」など、十一篇の短篇はいずれも奇想天外のアイデアとケタはずれの面白さを満載。SF界の奇才が段ちがいの力量を示す突撃的SF大行進!
  • 官能仕事人 悪女潰し
    -
    1巻495円 (税込)
    前川恭子は肉体もいいし、感度もバツグンである。半田啓一は得をした感じである。本当は彼女の同僚の伴沢悦子から、恋人を横取りしようとしている恭子に手を引かせるように依頼されたのだが、想像と違って美人で色気も充分だ。まず、官能のさぐり合いで話の糸口をつけることにして……。 吉原のソープランド『不夜城』でナンバー1の売れっコの加津子と元警視庁の刑事であった丸木から依頼を受け、数々の人間トラブルを解決する。連作短篇・官能ミステリ。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 完璧な恋人の作りかた
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    現実とは別次元の「完璧」を手にすること 非常に雑な感想めいた言葉でまとめてしまうなら 例えば「ストーカー」といった言葉で この短篇の何がしかを言い表すこともできるかもしれない。 しかし、恋人、と呼んで差し支えない女性の姿を 自分が不在で、彼女が完璧に一人でいる時の美しさとして 本人に気付かれることなく写真で見たい、という男の欲望は ここでは良し悪しとは別の次元で純度を上げていく。 そう、事は現実とは別次元の「完璧」をめざしたものなのだ。 そしてご安心。ラストには女性側からのささやかな復讐も待っている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 骸骨:ジェローム・K・ジェローム幻想奇譚
    4.5
    残念ながら自分には いささか陰鬱な傾向があるに違いない―― 英国屈指のユーモア作家に隠された、もう一つの顔。 ユーモア小説『ボートの三人男』で知られるジェローム・K・ジェロームによる異色作品集。 西洋骨董のように古風な趣と気品をそなえた、知られざる逸品の数々。 心和ませる幽霊小説、冷たく怖い怪奇小説、優しく美しい幻想小説、不思議な現代ファンタジイ、数千年の時を跨ぐケルト・ファンタジイ等々、多彩な味わいの奇譚17篇を収録。 1篇ごとに異なる魅力の、世にも稀なる短篇小説集。 【目次】 食後の夜話 ダンスのお相手 骸骨 ディック・ダンカーマンの猫 蛇 ウィブリイの霊 新ユートピア 人生の教え 海の都 チャールズとミヴァンウェイの話 牧場小屋(セター)の女 人影(シルエット) 二本杉の館 四階に来た男 ニコラス・スナイダーズの魂、あるいはザンダムの守銭奴 奏でのフィドル ブルターニュのマルヴィーナ 訳者あとがき

    試し読み

    フォロー
  • ガイズ&ドールズ(新潮文庫)
    NEW
    -
    賭け事にとり憑かれた生粋のギャンブラーが一目惚れしたのは、魂を救済するため布教活動に従事する清廉な美女だった――。『ガイズ&ドールズ』の題名でおなじみのミュージカルや映画の原作者として知られ、ブロードウェイを舞台に悲喜こもごもの人間喜劇を描き続けたデイモン・ラニアン。ジャズ・エイジを代表する短篇の名手の歴史的デビュー作品集を、オリジナル収録そのままに紹介する。(解説・小森収)
  • 月山・鳥海山
    4.3
    1巻896円 (税込)
    いまも読み継がれる、芥川賞史上最高作と名高い小説 出羽の霊山・月山の山ふところにある破れ寺に、ひとりの男がたどりつく。炉ばたでひたすら割り箸を作り続ける寺の男、女たちによる念仏のあつまり、庭を見せようと豪雪にもかかわらず雪かきにはげむ老人……。雪に閉ざされた山間のむらで、不思議な村人たちと暮しをともにするこの男が知った此の世ならぬ幽明の世界。芥川賞受賞作「月山」と、その姉妹篇ともいうべき「天沼」、著者の〈月山への道〉が浮き彫りにされる短篇集「鳥海山」を収録。 【目次】 月山  月山  天沼 鳥海山  初真桑  鴎  光陰  かての花  天上の眺め 解説 小島信夫
  • 合本 季節風(春)(夏)(秋)(冬)【文春e-Books】
    -
    1巻2,513円 (税込)
    重松清の傑作短篇集「季節風」シリーズ全4巻が1冊に! (春):古いひな人形が、記憶の中の春とともに、母の面影を思い起こさせる「めぐりびな」、子どもが生まれたばかりの共働きの若い夫婦が直面した葛藤と、その後の日々を鮮やかに描き出した「ツバメ記念日」など、美しい四季と移りゆくひとの心をテーマにした短篇集「季節風」シリーズの春篇。別れと出会いに胸震わせる、春の物語12篇を収録。 (夏):転校が決まった“相棒”と自転車で海へ向かう少年たちの冒険「僕たちのミシシッピ・リバー」、野球部最後の試合でラストバッターになった輝夫と、引退後も練習に出続ける控え選手だった渡瀬、2人の夏「終わりの後の始まりの前に」など、美しい四季と移りゆくひとの心をテーマにした短篇集「季節風」シリーズの夏篇。まぶしい季節に大切な人を想う、夏の物語12篇を収録。 (秋):同窓会で久しぶりに再会した中年5人が始めた秘密基地の集まりに、1人が息子を連れてきたいと言い出した……「秘密基地に午後七時」、男の子と、離婚する両親との最後の外食を描いた「少しだけ欠けた月」など、美しい四季と移りゆくひとの心をテーマにした短篇集「季節風」シリーズの秋篇。ひと恋しい季節にそっと寄り添うような、秋の物語12篇を収録。 (冬):出産のために離れて暮らす母親のことを想う5歳の女の子の素敵なクリスマスを描いた「サンタ・エクスプレス」ほか、<ひとの“想い”を信じていなければ、小説は書けない気がする>という著者が、普通の人々の小さくて大きな世界を季節ごとに描き出す短篇集「季節風」シリーズの冬篇。寒い季節を暖かくしてくれる、冬の物語12篇を収録。
  • 【合本版】阿刀田高傑作短編集(全5冊)
    -
    人生、男女、心…珠玉のミステリー10編を収録した『遠い迷宮』、日常にひそむ恐怖を描いた戦慄のホラー12編収録の『黒い迷宮』、膨大な蘊蓄と想像力で紡がれる『白い魔術師』、驚愕のどんでん返し! 黒いユーモア11編『青い罠』、そして切なく悩ましい男女のエロス&ミステリー11編『甘い闇』。短篇の名手が放つ5つの《ミステリー》劇場を合本で。
  • 【合本版】タルカス伝
    -
    官能、暴力、呪術、化学、神話、音楽、あらゆるものを飲み込んで想像力の限界に挑む!  血と精液の匂いに満ちた狂乱の国グユ。そこを治める狂熱風雲王がひとりの娘に惚れた。その娘とは、狂熱風雲王が長年攻め落とせずにいる辺境の小国“花と硝子のふるさと”アムネシアの王、黙り牛のひとり娘だった。力ずくで彼女を手に入れようと考えた彼はアムネシアに対して兵を起こし、その不意をついて国境を越え攻め入ったのだった。  名作SF「タルカス伝」シリーズ1~5巻が、合本版として登場! ●中井紀夫(なかい・のりお) 1952年生まれ。武蔵大学人文学部卒業。ハヤカワSFコンテストを経てデビューし、短篇「山の上の交響楽」で星雲賞を受賞。主な著書に、『能なしワニ』シリーズ、『タルカス伝』シリーズ(ともに早川書房)、『漂着神都市』、『海霊伝』(ともに徳間書店)など著書多数。
  • 【合本版】能なしワニ
    -
    住民のほとんどが超能力を持っている星で、賞金首を求めてさすらう“能なし”ワニ!  ナインガックは文明に見離された植民惑星。しかし住民は西部開拓時代の風俗にどっぷりつかって結構楽しくやっている。その上、住民のほとんどが超能力を持っているあきれた星でもある。しかし、たまに何の能力も持たない奴もいる。主人公ワニはその「能なし」なのだ。くやしさから拳銃の腕をみがいたくだらん流れ者だが、妙に愛嬌があって憎めない。  名作SF「能なしワニ」シリーズ1~7巻が、合本版として登場! ●中井紀夫(なかい・のりお) 1952年生まれ。武蔵大学人文学部卒業。ハヤカワSFコンテストを経てデビューし、短篇「山の上の交響楽」で星雲賞を受賞。主な著書に、『能なしワニ』シリーズ、『タルカス伝』シリーズ(ともに早川書房)、『漂着神都市』、『海霊伝』(ともに徳間書店)など著書多数。
  • 合本版 レッドサンブラッククロスⅠ・Ⅱ・Ⅲ・全短篇
    -
    「よろしい」  ベルンハルトはこたえた。 「ならば、戦争をはじめようじゃないか」 第二次世界大戦で勝利した大ドイツ帝国は、抗戦を続ける英国を追って北米に侵攻。ここに日英同盟対ドイツの第三次世界大戦が勃発した。インド洋では独東方艦隊と伊東洋艦隊、日本遣印艦隊と英ロイアル・ネイヴィーが激突。日英同盟は独伊連合が死守するソコトラ島への侵攻作戦を開始、熾烈な戦車戦が。一方、日本からアメリカへと北太平洋を渡る支援船団に、ドイツ海軍が放つ〝海の狼〟Uボートが襲いかかる。北米陥落の危機に、日英同盟はついにパナマ運河侵攻作戦を発動する!! 架空戦記史上に屹立する未完の大作「レッドサンブラッククロス」――著者最大のシリーズの本篇1~11と、外伝ほかの中短篇27篇、著者インタビュー、高梨俊一による解説を収録した合本版。 収録作品 〈本篇〉 1 合衆国侵攻作戦/2 迫撃の鉄十字/3 反撃の旭日旗/4 作戦グスタフ発動/5 第二戦線崩壊/6 インディアン・ストライク/7 バーニング・アイランド/8 死戦の太平洋1/9 死戦の太平洋2/10 パナマ侵攻1/11 パナマ侵攻2 〈短篇〉 戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期/勇者の如く倒れよ/予備士官/塹壕にて/新戦艦建造に関する往復書簡/少し遠い場所/九九九艦隊計画概論/ある中尉の戦死/戦艦/標的は〈大和〉/飛鳥の征けぬ空はなし/交戦規則/海底戦隊〈隼〉/七二七高地の争奪/市民討論/法務大佐かく語りき/フリードリヒ大王最後の勝利/主力戦闘戦車論・断章/喪失第一号/宇宙英雄ヴァルター・ケーニヒ/ルール・ブリタニア/最後の一人まで/夜桜は散った/乗艦命令/オデュッセウスの霊廟/看過せず/ペリカンはいつも血を流す (インタビュー)佐藤大輔、仮想戦記を語る/(解説)高梨俊一
  • 合本 山本周五郎名品館【文春e-books】
    5.0
    没後50年、いまもなお読み継がれる巨匠の傑作短篇から、沢木耕太郎が選び抜いた名品。山本周五郎の世界へ誘う格好の入門書であり、その作家的本質と高みを知ることができるシリーズ4冊を便利な合本で! 生涯、膨大な数の短篇を遺した山本周五郎。その大半がいまだに読み継がれ、多くの読者に愛され、また後進の作家たちに多大な影響を与え続けている。山本周五郎作品に深く傾倒する沢木耕太郎氏が独自の視点と切り口で4巻36篇を選び、各巻の末尾に斬新かつ詳細な解説エッセイを執筆。 第1巻「一丁目一番地のひと」(周五郎作品に登場する女性像を分析する。) 第2巻「彼らを輝かせるもの」(男女が貫く「意地」をキーワードに作品世界に迫る。) 第3巻「寒橋のまぼろし」(「情」の万華鏡とも言うべき作品世界の魅力を解き明かす。) 第4巻「悲と哀のあいだ」(微妙に意味合いの異なる「悲」と「哀」を、周五郎はいかに描いたか。)
  • ガラスの靴・悪い仲間
    3.8
    初期作品世界デビュー作「ガラスの靴」芥川賞受賞「悪い仲間」「陰気な愉しみ」他、安岡文字一つの到達点「海辺の光景」への源流・自己形成の原点をしなやかに示す初期短篇集。幼少からの孤立感、“悪い仲間”との交遊、“やましさ”の自覚、父母との“関係”のまぎらわしさ、そして脊椎カリエス。様々な難問のさなかに居ながら、軽妙に立ち上る存在感。精妙な“文体”によって捉えられた、しなやかな魂の世界。
  • ガラスの街
    -
    1巻495円 (税込)
    それは、ミミというフーテンの真実であると同時に、あらゆるビートやヒッピーの真実であり、また人間そのものの真実でもある。私はそういう観点で、そのヒューマン・ドキュメントを作り上げた。レンズの対象として選んだ瞬間から、私にとって、ミミは捨て猫でしかなかった。(「ガラスの街」より)  サイケとゴーゴーの渦巻く夜の新宿で、美貌のフーテン・ミミの捨て猫のような不様な死を推理タッチで描く表題作のほか、中年男女の爛れたセックスを、幼い目を通して鋭く告発する「殺!」等、昭和の風俗の虚像を余すところ描いた、ハードボイルド小説の中短篇集。 *ギラギラ *殺! *ガラスの街 *青い群 *黒い牛、青い羊 *疫病神より愛をこめて ●河野典生(こうの・てんせい) 1935年1月高知県生まれ。詩作、劇作のかたわら1960年『陽光の下、若者は死ぬ』でデビュー。1964年『殺意という名の家畜』で推理作家協会賞を受賞。日本のハードボイルド小説の先駆者となる。幻想派SF小説、ジャズ小説など、多彩な執筆分野とジャズのフィーリングを持つ作家として特異な存在。
  • ガルシア=マルケス全短編
    -
    「死」や「夢」など根源的な主題を実験的手法で描き、溢れんばかりの活力を小説に甦らせたコロンビアのノーベル賞作家ガルシア=マルケスの短篇全集。「青犬の目」「ママ・グランデの葬儀」「純真なエレンディラと非情な祖母の信じ難くも悲惨な物語」と題されてまとめられた初期・中期・後期の3つの短篇集所収の26編を収録。巻末の詳細な「作品解題」とあいまって、この作家の誕生から円熟にいたるまでの足跡をつぶさにたどることができる。

    試し読み

    フォロー
  • 贋作ゲーム
    5.0
    謎の画家といわれるオイレングラス、コンピューター管理の貨物列車で運ばれるこの画家の作品を奪うために、綿密な計画と果敢な行動力で“作戦”を成功させる男たちのドラマ「贋作ゲーム」をはじめ、爆発物処理のスペシャリストが撤去不可能といわれる機雷の除去に取り組む「スエズに死す」、ハイジャック犯をいかにして逃がすかに映画屋が立ち上がった「エアーポート・81」など、いずれも実行不可能な作戦を遂行するために命がけで挑む男たちの姿を描く“泥棒小説”の傑作短篇集。
  • がんばれ、ジーヴス
    4.5
    《あの男がドライマティーニ以外に何かを深く愛したことがあるとは思えません》 こうまで腐されたバーディーの今回の運命は?爆笑短篇3作も収録した、シリーズ第11弾。

    試し読み

    フォロー
  • ガーンズバック変換
    3.8
    ネットへの視覚的なアクセスを遮断する規制が敷かれた香川県からやってきた女子高生の大阪観光サイバーパンクの表題作、百合SFアンソロジーや『異常論文』へ書き下ろしとして発表された短篇群など、『元年春之祭』著者による知性と感情を揺さぶる小説全8篇
  • 黄色いアイリス
    3.5
    四年前に死んだ妻の追憶のための晩餐会に出席してほしい――ある富豪から依頼されポアロが赴いた場所では、昔と同じ状況が繰り返され、テーブルには依頼人の義妹の死体が……表題作をはじめ、ポアロもの五篇、マープルもの一篇、パーカー・パインもの二篇、幻想小説一篇を収録する珠玉の短篇集。

    試し読み

    フォロー
  • 黄色い雨
    4.3
    比類なき崩壊の詩情、奇蹟の幻想譚。スペイン山奥の廃村で朽ちゆく男を描く、圧倒的死の予感に満ちた表題作に加え、傑作短篇「遮断機のない踏切」「不滅の小説」の二篇を収録。
  • 記憶の盆をどり
    4.0
    頭のなかに雨が降る。 小説という名の異世界。 町田康の九つの世界に溺れる一冊。 犯人当てミステリー 背筋も凍るホラーサスペンス 異世界ファンタジー お伽話の現代語訳 果ては美少年BLまで―― 名手が演じる小説一人九役! 【内容紹介】 狭い部屋で暮らす男のもとへやって来た、白い謎の生き物。 機嫌がよいときはころころ転がって過ごしているが、 機嫌が悪くなると、糞尿を垂れ流し、嘔吐し、ひどい声で喚き立てる。 だが、ある日を境に、生き物はどんどん可愛くなり、 男の人生もみるみる好転し――(「エゲバムヤジ」)。 短篇の快楽に満ちた作品集。 【収録作品】 エゲバムヤジ 山羊経 文久二年閏八月の怪異 百万円もらった男 付喪神 ずぶ濡れの邦彦 記憶の盆おどり 狭虫と芳信 少年の改良
  • キオスクのキリオ
    3.0
    とある郊外の駅のキオスクに勤めるキリオは関西弁の中年男。彼は訪れるさまざまな人と、「袖すり合うも多生の縁」を持ってしまう不思議な男だ。本人にはその気が無いのに、結果としてはなぜか人生相談になり、妙に深い関わりを持つことになる。人徳か? 脇が甘いのか? 連作短篇集。
  • 飢渇の人 エドワード・ケアリー短篇集
    3.9
    『堆塵館』でごみから財を築いた奇怪な一族の物語を紡ぎ、『おちび』でフランス革命の時代をたくましく生きた少女の数奇な生涯を描いた鬼才エドワード・ケアリー。その彼が本国で発表し、単行本未収録の9篇(『おちび』のスピンオフ的作品を含む)+『もっと厭な物語』(文春文庫)収録の1篇に、この短篇集のために特別に書き下ろした6篇を加えた、日本オリジナル短篇集。書き下ろしイラストも多数収録。ケアリーらしさがぎゅっと詰まった、ファン垂涎の一冊。/【目次】序/吹溜り/おれらの怪物/バートン夫人/アーネスト・アルバート・ラザフォード・ドッド/かつて、ぼくたちの町で/家庭で用いられる大黒椋鳥擬の歌/コズグレーヴ諸島/私の仕事の邪魔をする隣人たちへ/エドワード七世時代の寄せ集めの人物/おが屑/毛物/鳥の館 アーネスト・アルバート・ラザフォード・ドッド著/パトリックおじさん/名前のない男の肖像/グレート・グリート/飢渇の人/訳者あとがき
  • 帰艦セズ
    -
    徹底した取材から浮かび上がる「事実」の重み――必読の七短篇 昭和19年、巡洋艦「阿武隈」の帰還兵・成瀬時夫が、小樽郊外の山のなかで「飢餓ニ因ル心臓衰弱」で死んだ。 市役所を退職し、いまは北海道の民衆史研究会で活動をする橋爪は、自らの過去の経験から、成瀬は“逃亡”したのではないか、と直感。 遺族を探し、調査をするようになる――。 長篇小説『逃亡』と合わせ鏡のようになっている表題作をはじめ、大阪の篤志面接委員から聞いた話をもとにした「鋏」、ある寺の墓石をつくる石材店主がもらしたことがきっかけとなった「白足袋」、能登の岩海苔採りの遭難を報じた新聞記事がヒントになった「霰ふる」など、全7篇。 不可解な謎を秘めた人の生の、奇妙な一面を見事にすくい上げ、徹底した取材と想像力により文学作品に結実した短篇集。待望の新装版。 文庫解説:梯久美子(ノンフィクション作家) ※この電子書籍は1988年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 帰郷
    4.5
    エンジンが大好きな組立工がいた。故郷の自動車エンジン工場勤務から、ある日、F1チームのエンジン組み立てメンバーに選ばれた。サーキットを転戦して世界を回る毎日。すばらしい日々だ。帰国休暇にはガールフレンドに土産をやり、土産話をするのも、その栄光の一部だった。3年の出向期間が終わり、故郷に戻った男を待っていたのは、しかし味気ない、退屈な生活だった──喜びのあとに訪れる悲しさ、“成熟と喪失”を描いた第111回直木賞受賞作ほか、傑作短篇が全6篇。
  • 危険信号
    4.0
    短篇の名手が贈るバラエティ豊かな秀作集。人生の危険信号を軽妙に描く12篇。黒い笑いに満ちた夢の宝石箱――美津子は、幼いころからよく腹痛をおこした。それも肝心なときに。楽しい山登りの前夜、友達の家に遊びに行くとき、就職試験の折……。そして会社の同僚の並木から、遠出のドライブに誘われたときも、腹痛がおき、淡い恋は去ってしまった。結局、並木は、美津子の友人・芳枝と結ばれたのだが、これには裏があった! 人生の危険信号を軽妙に描く秀作集。
  • 危険なあなた
    -
    1巻495円 (税込)
    しあわせそうに見えるが、歳月は五人の女たちにそれぞれの重荷を背負わせていた  あの女が私を殺そうとしている! 売れっ子デザイナーの妻・千鶴の周囲で次々と起こる不審な事故。背後に夫の裏切りを感じた千鶴の胸に、密かな意志が芽ばえた…。しあわせなはずの日常にふと生じる、心の隙間を揺るがす危険な旋律。連作短篇サスペンス5話。 ・あじさい色のレディ ・曼珠沙華の夜 ・ボニーに首ったけ ・騒々しい悪魔 ・あなたのいない夜 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
  • 危険な旅は死の誘惑
    -
    スリルとロマン溢れる異境の空の下、夢追い人が秘境の果てに見るのは… 「今は伯父さんは何をなさっているの」 「ダイヤモンドの買い付けだ。財産はあるが、じっとしていられなくてね。生命がけのスリルを楽しむためにやってる」 「お願い。美沙も連れて行って……」  安隠な日本の生活を捨て、アマゾンの秘境で危険きわまりない商談に臨む美沙の得たものは?(「ダイヤと干し首」)  その他、異郷にロマンを追い求めた末に夢を成し遂げ、あるいは討ち果てる者達を強烈に描く。痛快冒険ノベル短篇集。 ・白夜の街で ・モンローを盗んだ男 ・ダイヤと干し首 ・ああ革命 ・暗号名はマンガ ・壮士再び帰らず ●胡桃沢耕史(くるみざわ・こうし) 1925年東京生まれ。府立六中(現新宿高校)、拓殖大学卒。『近代説話』同人。昭和30年、『壮士再び帰らず』(筆名・清水正二郎)で第7回オール讀物新人賞、58年、『天山を越えて』で第36回推理作家協会賞、同年『黒パン俘虜記』で第89回直木賞を受賞。『翔んでる警視正』シリーズ、『旅人よ』、『ぼくの小さな祖国』、『女探偵アガサ奔る』、『ぶりっこ探偵』、『夕闇のパレスチナ』、『闘神』など著書多数。
  • キス・キス
    4.2
    残酷で、皮肉で、冷徹で、透明な、ロアルド・ダールの短篇世界。一度味わえば、その味わいは二度と忘れられないものとなる。「女主人」「誕生と破局」「ウィリアムとメアリイ」など、忘れ得ぬ11篇を収録。
  • キス・キス〔新訳版〕
    3.7
    目の前の世界をがらりと変えてしまう、不思議で魅惑的なお話を読みませんか? 「死の淵にある男が知人の医師から勧められた驚愕の最後」「従順な妻が横暴な夫から受けた仕打ちの行方」「詐欺牧師による狡猾な手段とその結末」「不倫妻が夫をだしぬく意外な方法」「養蜂家がとった恐るべき行動」――淑女の口づけとみせかけて悪魔の噛みつきのように刺激的。読書の愉悦にどっぷり浸らせてくれる短篇11篇をご賞味あれ。新訳決定版。/掲出の書影は底本のものです
  • キスギショウジ氏の生活と意見
    4.3
    移動する都市、呪いを飼う男、新聞蝶、裁判にかけられる神、駅のトイレの秘密―― 意外な結末満載。短篇SFの匠(たくみ)の全篇初収録+書き下ろし作品集 あらゆるジャンルの面白い短篇が入っている本。 移動し続ける都市で家を見失った男「十五パズル」などのSF。 別れさせる呪いを“飼った”男が味わう恐怖「お別れ」などのホラー。 神が人間たちに裁判にかけられる「公聴会」、 駅のトイレの開かずの扉の秘密「キスギショウジ氏の生活と意見」などの奇妙な味の話。 “新聞蝶”を探す少年が早朝に不思議な冒険をする「お父さんの新聞」などのファンタジー。 愕然とするダイイングメッセージの真実「OEの謎」はミステリ。 最初のページから最後のページまで、 奇想天外なアイデアと意外な結末が詰まった全篇初収録+書き下ろしの十九篇。 SFを知らないひとにもマニアにも絶対おすすめの一冊。
  • 輝跡
    3.8
    プロ野球をこよなく愛する著者が贈る、ひとりのプロ野球投手をめぐる女性たちの物語。 北澤宏太は野球の才能に恵まれ、中学校時代は「怪物」と呼ばれていた。 しかし家庭の事情で野球名門校の誘いを断り地元の高校に進学、一度はプロ野球選手の夢をあきらめたが、四国独立リーグから育成ドラフトを経て、プロ野球選手になった。 短い時間ながらも輝きを放った北澤の野球人生と、彼を取り巻く女性たちの人生の交錯を描く連作短篇集。 ・高校の同級生で、元恋人の穂波は、宏太がドラフトで東京の球団に指名されたときに、東京に呼ぶから待っていてほしいと言われる。(星霜) ・女性誌の看板編集長から左遷され廃刊寸前の野球雑誌に異動になった美潮は、キャンプの取材をして飲み屋で偶然北澤と知り合う。(手紙) ・チームの先輩選手・竜也の妻である雪菜は、かつて北澤と恋愛関係にあったが、竜也の引退後、居酒屋を営む。(菊姫) ・落ち目の歌手・マリアは沖縄のバーで出会った男と一夜をともにする。(ディーバ) ・女子アナの茉莉は北澤と結婚、ひとり娘をもうけるがやがて離婚へ。(洋紅葉) 合間に挿入される「ダーキニー」の章では北澤と同じチームの高橋信之を追い続けた慶の十年が描かれる。 解説・和田豊(前阪神タイガース監督)
  • 季節風 冬
    4.0
    1~4巻565~691円 (税込)
    出産のために離れて暮らす母親のことを想う5歳の女の子の素敵なクリスマスを描いた「サンタ・エクスプレス」ほか、<ひとの“想い”を信じていなければ小説は書けない気がする>という著者が、普通の人々の小さくて大きな世界を季節ごとに描き出す短篇集「季節風」シリーズの冬篇。寒い季節を暖かくしてくれる、冬の物語12篇を収録。
  • 北アルプス冬の罠
    -
    1巻671円 (税込)
    長野県松本市で、ホテルの完成祝賀パーティーが開かれた。 国会議員、県会議員、市町村議員、そして長野県の財界人が集まる中、殺人事件が起きた。 被害者は、財界の重鎮。毒殺だった。 周囲には、秘書、役員、ホステスなどもいたが、誰ひとりとして、殺人が起きた瞬間を目撃していなかった。 誰がどんな殺意をもっての非道な行為をしたのか。 道原伝吉刑事は、被害者の過去を洗い出すチームに配され、地道に捜査に当たる。そして、被害者が裸一貫から財界人として成り上がってきたことがわかり、そこに何かがあると思いを巡らした。「偽装」より。 人情刑事道原伝吉が犯人の殺意を読み解く、全6篇を収めた短篇集。なお、収録の「避難命令」「弱味」は短編集『白銀の暗黒』にも収められています。
  • 北野武第一短篇集 純、文学
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    北野武がラップ小説!?漫談と小説が奇跡の融合!?オンリーワンよりもナンバーワンよりも大切なものがここにはある。疲労もポン!これが「小説」の覚醒剤。現代日本の悩みを吹き飛ばす、小説家・北野武の圧倒的な才能が詰まった傑作「純、文学」作品集、ついに刊行!
  • 北の武士たち・狼奉行 傑作時代小説集
    -
    自害の恐れがある代官の嫡男・孫四郎を預かった左金吾。領内に現れた盗賊の討伐に向かう夜、孫四郎が姿を消し――(「赤い米」)。羽州上山藩の僻地に赴任した靱負は、病を運ぶ狼と藩の陰謀に立ち向かう(直木賞受賞作「狼奉行」)。山形在住の直木賞作家が、北の武士の哀楽を活写する短篇集。書き下ろし二篇を収録した、文庫オリジナル編集。
  • キッドナッパーズ
    3.3
    オール讀物推理小説新人賞を受賞した幻のデビュー作「キッドナッパーズ」と書籍未収録作品で編んだオリジナル短篇集! 「大声をだすな」 宅配便を装って侵入してきた男は、健次郎の腹にナイフを突きつけてきた。 平凡な日常に突如押し入ってきた犯罪者は声が甲高く、背が低く、野球帽をかぶった……小学生と見まがわんばかりの中学生!? 少年は「これは誘拐だ」と断じた。だが被害者は健次郎ではなく犯人であるはずの少年自身だという。 摩訶不思議な誘拐事件は二転三転し、ラストで意外な結末が待っていた! オール讀物推理小説新人賞受賞の表題作ほかを6篇収録。 解説・宇田川拓也 【オール讀物推理小説新人賞「選評」から】 「これこそ逆転に次ぐ逆転の連続で、着地がどうなるのかまったく予想できなかった。」(高橋克彦委員) 「何とか読者を面白がらせ、驚かせようとする創意工夫が、今回の作品に結実した」(宮部みゆき委員) 【収録作品】 キッドナッパーズ 目刺し 架空の風景 十字架ジュース ごとんがたん べつばら おなじ本でも
  • 木に登る犬(電子復刻版)
    -
    犬が木に登る? 何気ない子供の話に、ぼくは興味を覚えた。先日、崖から転落死した少年が飼っていた犬が登ったという楠は、ぼくがかつて思いを寄せていた真知子の家の側に有る。ぼくは以前、彼女の兄が犯した殺人事件を目撃し、それ以来彼女とは疎遠になっていたのだ。木に登る犬のことで久しぶりに会った彼女は、何かを隠しているようで……。推理作家協会賞短篇賞を受賞した表題作ほか九篇を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 砧をうつ女
    -
    1巻440円 (税込)
    和服にパラソルをさして、日本から母は帰って来た。貧しいなかをおおらかに生きた母の生涯を清冽な文体で描く鎮魂の譜。ひろく共感を呼んだ芥川賞受賞作品。この表題作と表裏をなす「人面の大岩」は、喜怒哀楽ははげしかったがきわめて平凡な人生を送った父の肖像を感動的に綴った。ほか、在日朝鮮人の哀切な魂の唄を歌い上げ、著者の文学的基点を示す珠玉の短篇「半チョッパリ」「長寿島」「奇蹟の日」「水汲む幼児」の四篇を収録する名品集である。
  • 昨日壊れはじめた世界で
    3.9
    1巻1,925円 (税込)
    幼馴染の翔子と再会した書店店主・大介は、忘れていた小学校時代の出来事を思い出す。同級生四人と忍び込んだ町で一番高いマンションの最上階。そこにいた不思議な男は、世界の終わりを予言した。三十年の時を経て、大介と翔子は謎の男を探し始めるが、男がマンションから飛び降りたという噂を耳にして……。ひび割れた世界のかすかな希望を力強く描く連作短篇集。
  • 鬼ノ仁短篇集 愛情表現
    完結
    3.5
    近親相姦・同性愛・不倫…美しい少女たちの壊れた愛情表現。美少女コミック界最強の異端者・鬼ノ仁、メジャデビュー!!
  • 奇病庭園
    4.2
    それは、鉤爪や翼や魂が再びそなわった者たちの物語 奇病が流行った。ある者は角を失くし、ある者は翼を失くし、ある者は鉤爪を失くし、ある者は尾を失くし、ある者は鱗を失くし、ある者は毛皮を失くし、ある者は魂を失くした。 何千年の何千倍の時が経ち、突如として、失ったものを再び備える者たちが現れた。物語はそこから始まる―― 妊婦に翼が生え、あちらこちらに赤子を産み落としていたその時代。森の木の上に産み落とされた赤子は、鉤爪を持つ者たちに助けられ、長じて〈天使総督〉となる。一方、池に落ちた赤子を助けたのは、「有角老女頭部」を抱えて文書館から逃げだした若い写字生だった。文字を読めぬ「文字無シ魚」として文書館に雇われ、腕の血管に金のペン先を突き刺しながら極秘文書を書き写していた写字生は、「有角老女頭部」に血のインクを飛ばしてしまったことから、老女の言葉を感じ取れるようになったのだ。写字生と老女は拾った赤子に金のペン先をくわえさせて養うが、それが「〈金のペン先〉連続殺人事件」の発端だった…… 歌集『Lilith』、短篇集『無垢なる花たちのためのユートピア』、掌篇集『月面文字翻刻一例』の新鋭、初の幻想長編小説。
  • 基本を学ぶ幸せ
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    彼であり、彼女である存在が至近距離で学んだこと 男でありながら、美しい女性としての外見を備えている。しかし声は、あきらかに男性のそれだ。というような一人の存在が、恋人である男性を深く愛している。ところが突然、その恋人を奪われる日が訪れる。それは二人のいさかいではなく、時間の経過とともに、人の一生にはこのようなこともありうる、という事態での別れだった。「彼」を失った後の日々、その母親とのやり取りなど遺された人間としてのふるまいの、その美しさ。悲しさ。片岡義男らしい、同情を排しながらも深く優しい傑作短篇である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 希望
    -
    1945年8月9日、長崎に投下された原爆によって、絶望が始まった。しかし、長い時間の末に、被爆者たちにも、一筋の光が見えた。もう悲劇を繰り返さないように。祈りの短篇集。 ――8月9日、長崎で被爆した人たちの苦悩が始まった。生と死の狭間を体験し、未来への絶望との闘いの日々に、彼らは、時の流れで癒されていったのであろうか。自らの足跡を確かめ、振りかえり見つめ続けた著者が、いつかその運命を希望へと繋げていく……。3月11日を経験した、すべての日本の人々に捧げる、林京子の願いと祈りを込めた、短篇集。 ※本書は、『谷間』(講談社刊 1988年1月)『希望』(講談社刊 2005年3月)を底本としました。
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)
    3.8
    誰からも愛された弟には、誰も知らない秘密があった。突然姿を消した弟、希望(のぞむ)。行方を追う兄の誠実(まさみ)は、関係者の語る姿を通し弟の持つ複数の顔を知る。本当の希望(のぞむ)はどこにいるのか。記憶を辿るうち、誠実もまた目をそらしてきた感情と向き合うこととなる――。痛みを抱えたまま大人になった兄弟が、それぞれの「希望(きぼう)」を探す優しいエールに満ちた物語。文庫化にあたり、書下ろし短篇を収録。(解説・山中真理)
  • 君が代は千代に八千代に
    3.5
    20世紀末に連載が開始された2作の長篇小説『日本文学盛衰史』『官能小説化』とほぼ同時期、文芸誌「文學界」に毎回短距離走のように連載された短篇小説群。 明治の作家たちを登場人物とした先の2篇とは真逆の方向で、現代日本にあふれる空虚な賑やかさと残された希望の乏しさを、そして愛と日常を、どこまでも真正面から受けとめ表現しつづける短篇小説が13篇。 『さようなら、ギャングたち』で鮮烈なデビューを飾り、『日本文学盛衰史』で作家としての評価をさらに高めた高橋源一郎の、新たなる転換点としての傑作短篇集。
  • きみの処方箋
    4.1
    父を知らずに育った智朗は、たった一人の家族だった母を亡くして伯父の家に引き取られた。けれど頑固な伯父とは衝突してばかりのうえ、従兄の克巳からは屈託もなく言い寄られ、智朗は早くこの家を出て独り立ちしたいと思っていた。ところが、心臓の病にも負けず明るく見えた克巳には、実は智朗が思いもよらぬような秘密があり……。きみを守りたい、そして癒したい??あの名作が、書き下ろし短篇とともに甦る!!
  • きみはただ淋しいだけ
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    今はもう10年前ではない この短篇小説を読み終え、あらためてタイトルを見ると、いかにも的確で、同時に残酷に思えてくる。 10年前の輝きを、その当時の風景を目の当たりにしていくらでも語ることができるのは、現在にその輝きが失われているからだ。 かつて選んだ男が去り、選ばなかった男が新たにやってきた、という単純な話ではない。 あの輝きはもはや、確実に消えてしまったのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 給仕の室 日本近代プレBL短篇選
    3.7
    ――やはり恋です。男同士の恋。 日本近代文学における「男性間の愛と絆」をテーマに、1902~49年に発表された傑作・名作・怪作を精選。小説では1960年代に森茉莉、少女漫画では70年代に「24年組」が登場して以降、この分野では作者・読者とも女性層が拡大していった。本書ではそれ以前の20世紀前半に発表された短篇を集成、現在に至る源流を辿る。 表題作は1910年「白樺」に発表され、長らく文学全集でしか読むことができなかったため、「図書室を使って読む小説」として一部で名高い逸品。その他、実話から童話、怪談、時代小説まで幅広いジャンルの短篇を揃える。 カバー装画は人気イラストレーター、ホノジロトヲジによる描き下ろし。 【目次】 Ⅰ 秋田雨雀「同性の恋」(1907) 日下諗「給仕の室」(1910) 倉田啓明「若衆歌舞伎」(1912) 山崎俊夫「執念」(1918) 木下杢太郎「船室の夜」(1916) 室生犀星「お小姓児太郎」(1920)/「美小童」(1926) 綿貫六助「小松林」(1922) Ⅱ 国木田独歩「画の悲しみ」(1902) 田中貢太郎「ある神主の話」(1920) 小川未明「野薔薇」(1920) 岡本かの子「過去世」(1937) 豊島与志雄「死ね!」(1934) 太宰治「駈け込み訴え」(1940) 山本周五郎「泥棒と若殿」(1949) 〈カバーイラスト〉ホノジロトヲジ 〈カバーデザイン〉円と球
  • 休眠用心棒 武士の本分
    -
    吉良家の用心棒として雇われた隣人の身代わりに、上野介の寝所近くに起居することになった傘張り浪人。赤穂浪士の討ち入りに遭遇した彼が、そのときとった行動とは……。表題作ほか、武士道の精華を描く、時代短篇傑作選。文庫オリジナル。

    試し読み

    フォロー
  • 94627
    -
    戦争、クスリ、多重人格……1990年代の生と死。マラソンの素人に近かった女性ランナーがクスリを使用し、世界記録を上回るペースで来た40キロ過ぎに突然死した。その死を巡って、複数の毒物に関わった研究者や医師が、麻薬や毒物の研究と症例を生々しく裁判の証言で語る。  第9回三島由紀夫賞候補となった表題作のほか2篇を収録。 *「イスラム教の信者、ユダヤ教の信者、キリスト教徒など、神と終末の日とを信じ善を行う者は、その主のみもとに報酬がある。彼らには恐れも悲しみもない」 *94627 *ALICE ●石黒達昌(いしぐろ・たつあき) 作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。
  • 強運の持ち主
    3.7
    ショッピングセンターの片隅で占い師を始めたルイーズ吉田は、元OL。かつて営業職で鍛えた話術と、もちまえの直感で、悩む人たちの背中を押してあげるのが身上だが、手に負えないお客も千客万来。「お父さんとお母さん、どっちにすればいいと思う?」という小学生。何度占いがはずれてもやって来る女子高生。「俺さ、物事のおしまいが見えるんよ」という大学生まであらわれて、ルイーズはついに自分の運勢が気になりだす…。ほっこり優しい気持ちになる連作短篇集。
  • 教会で死んだ男
    3.4
    舞踏会の最中に殺された子爵と美貌の婚約者の変死、消失した機密書類の行方、忽然と消えた使用人の謎など、ポアロとヘイスティングズの名コンビが数々の難事件に挑戦する。ポアロもの11篇のほか、ミス・マープルもの1篇、怪奇もの1篇を収録。クリスティーが短篇の名手ぶりを発揮した傑作集。

    試し読み

    フォロー
  • 教科書名短篇 科学随筆集
    4.3
    科学者にして名文家であった寺田寅彦、中谷宇吉郎、湯川秀樹。国語教科書で彼らの文章と出会い、科学への扉を開かれた者は多い。この三人を中心に、岡潔、矢野健太郎、福井謙一、日髙敏隆の名随筆を収録する。考えるよろこび、知る楽しみを味わえる「教科書名短篇」シリーズ唯一の随筆集。  文庫オリジナル 【目次】 科学者とあたま他六篇/寺田寅彦 (科学者とあたま/簑虫と蜘蛛/蜂が団子をこしらえる話/茶碗の湯/藤の実/鳶と油揚/蜻蜒)  地球の円い話他三篇/中谷宇吉郎 (科学以前の心/地球の円い話/立春の卵/科学の限界) 詩と科学他八篇/湯川秀樹 (詩と科学/原子と人間(詩)/科学と環境/目と手と心/単数と複数/具象以前/創造性の尊重/少数意見/アインシュタイン先生の想い出) 発見の鋭い喜び/岡 潔 科学的なものの考え方/矢野健太郎 広く学ぶ心/福井謙一 チョウの飛ぶ道/日髙敏隆
  • 教科書名短篇 少年時代
    4.5
    ヘッセ、永井龍男から山川方夫、三浦哲郎まで。少年期の苦く切ない記憶、淡い恋情を描いた佳篇を中学教科書から精選。珠玉の12篇。文庫オリジナル。 【目次】 少年の日の思い出/ヘルマン・ヘッセ(高橋健二訳) 胡桃割り/永井龍男 晩夏/井上靖 子どもたち/長谷川四郎 サアカスの馬/安岡章太郎 童謡/吉行淳之介 神馬/竹西寛子 夏の葬列/山川方夫 盆土産/三浦哲郎 幼年時代/柏原兵三 あこがれ/阿部昭 故郷/魯迅(竹内好訳)
  • 恐怖の日常
    -
    1巻495円 (税込)
    ひどくむしゃくしゃする。不愉快な感情が体の中を駆けめぐる。全身に毒素が回り、内臓が焼けただれていくようだ。吐き気がする。もうがまんできない。ぼくはどうなっていくのだろう。これもみんな黒い雲のせいだ……。さりげない日常や家族の団欒の裏側に潜む、真の恐怖を描いた表題作など、不安な現代を生きる病める精神たちの相貌が、ホラー小説の姿をとって描かれる。モダンホラー短篇集の名作。 *山の家 *窓 *白い少女 *大きくなあれ *反乱 *葬られた薬 *子宮の館 *屋上の老人たち *恐怖の日常 ●村田基(むらた・もとい) 1950年、京都市生まれ。名古屋大学文学部中退。出版社勤務ののち、1986年に「SFマガジン」に短編「山の家」を発表して作家デビュー。主にホラー、SFを執筆。
  • 恐怖之場所 死にます。
    -
    1巻495円 (税込)
    著者・倉阪鬼一郎が、不動産屋の女性から聞き出した恐怖物件の驚愕の怪談。ちょっとした踏切での行為が、コンビニの惨事につながる。さらに誰もが利用するチェーン店レストランでの血なまぐさい事件、またお買い得一戸建、と思った念願のマイホーム購入後に起こる想像を絶する不幸な事件、マンションでも、平和な田舎の隠居先にでも“恐怖之場所”は存在し、今も呪われた事件が繰り返されているという……。あなたの場所は無事なのか? ホラー連作短篇集。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。
  • 恐怖への招待 1
    完結
    -
    深い森の中にある一見の古びたホテル。道に迷った男が一人、助かったとばかりに立ち寄った。出迎えたのはうら若き女主人、しかも一人でこのホテルを切り盛りしているという。妙だな、と男は思ったが、熱いシャワーを浴びていると女主人の視線を感じた。二人はもつれ合いながらベッドへ…と、突如その女主人によって振り下ろされる出刃包丁! 何が起こったのかわからず絶命する男。彼女は淡々と死体を処分し、鏡に向かって話しかける。「一体何人殺せばすむの?」(『森の家』より)松森正の微細流麗な絵が読者を恐怖の渦へと飲み込む傑作短篇集!
  • 享保のロンリー・エレファント
    -
    享保十三年、第八代征夷大将軍・徳川吉宗が招聘したのは、巨大な「象」であった。海を越えてはるばる旅をしてきた象は、長崎の港に着いたのち、陸路、徒歩で江戸城に向かう。多くの人間を引き連れた象の行く先々は、珍獣を一目見ようとする見物人であふれかえり、さまざまな人間模様を見せる……。史実を元にファンタジックに描かれた連作短篇時代小説。 *わらしべの唄 *獺祭の湊 *象鳴き坂 *半鐘さん *マン・オン・ザ・ムーン *千日手の解法 *エピローグ 象を引く ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • きょうも舗道にすれちがう
    -
    渇いた都会の街角で、刹那の煌めきを放つ人生の交差。すれ違う想いは、時に甘く時にほろ苦く――。切なく透明な筆致で描かれた佐々木譲珠玉の短篇集。

    試し読み

    フォロー
  • 教養としてのアメリカ短篇小説
    4.3
    戦争、奴隷制、禁酒法……背景を理解すれば、作品がもっとよくわかる 「黒猫」のプルートはなぜ黒いのか? 書記バートルビーはなぜ「しない方がいい」と思うのか? 度重なる戦争の歴史、色濃く残る奴隷制の「遺産」等、アメリカという国、そこに暮らす人々の特異な歴史的・文化的・社会的背景を踏まえて短篇小説を読み解く。これまで主にマイノリティや越境者の文学に注目してきた著者が、メルヴィル、フィッツジェラルド、フォークナー、ヘミングウェイ、サリンジャー等、アメリカ文学の「王道」といえる作家に挑む、アメリカ文学入門の新・定番! 〈目次〉 暴力と不安の連鎖―ポー「黒猫」 屹立する剥き出しの身体―メルヴィル「書記バートルビー‐ウォール街の物語」 英雄の物語ではない戦争―トウェイン「失敗に終わった行軍の個人史」 共同体から疎外された者の祈り―アンダソン「手」 セルフ・コントロールの幻想―フィッツジェラルド「バビロン再訪」 存在の基盤が崩れるとき―フォークナー「孫むすめ」 妊娠をめぐる「対決」―ヘミングウェイ「白い象のような山並み」 人生に立ち向かうためのユーモア―サリンジャー「エズメに‐愛と悲惨をこめて」 美しい世界と、その崩壊―カポーティ「クリスマスの思い出」 救いなき人生と、噴出する愛―オコナー「善人はなかなかいない」 言葉をもたなかった者たちの文学―カーウ゛ァー「足もとに流れる深い川」 ヴェトナム戦争というトラウマ―オブライエン「レイニー河で」 愛の可能性の断片―リー「優しさ」
  • 虚線の下絵
    3.8
    男はしがない肖像画家。一方、親友は画家として名声を得た。差は明白だが、男の妻にはその違いが分からない。愛する夫のため、肖像画の注文取りに奔走する妻は、次第に妖しい色気を増していく。疑心暗鬼にかられた男が陥った罠とは──。男女の業(ごう)をあぶり出す表題作ほか、2度の手術を耐えた男の「与えられた生」、英語通訳の心理を描く「通過する客」、見習い軍医の立場から二・二六事件を描く「首相官邸」、と鋭い人間観察が冴える全4篇の短篇集。
  • 巨大な月曜日
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    その瞬間はまだやってこない サーフィンを描いた有名な映画に『ビッグ・ウェンズデイ』がある。 この場合の「ビッグ」とは言うまでもなく波のことだ。 この短篇では、待望すべきその「巨大さ」は、 どうやら月曜日にやってきそうだ。確かに台風はやってきた。 しかし、8フィートの波はどうか。 今、海に出て行くのは危険すぎはしないか。 待ち受ける2人の若者の期待と不安、不穏な海・・・ 待つこと、まだ来ないこと、しかしすぐそこにありそうなこと、 それらのざわめきを描いたスリリングな一篇。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • きらきらのなつ ささだあすか短篇集
    完結
    4.3
    それは小学6年生の夏休み――。ある事情で田舎の祖母の家に越してきた、 口ベタで引っ込み思案な女の子・すず。 同じ学年のひなたと友達になり……! ? 少女達の成長をやさしく描いた表題作や、 その続編「ぽかぽかのふゆ」を描き下ろしで収録! さらに単行本初収録となる 「自転車ブルー! 」「星空☆ファクトリー」も読める、 ささだんファン待望のほっこり短篇集!
  • 綺羅星波止場
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 大陸の涯での山地から運ばれて来た石は瑠璃色、それはやがて砕かれ、「群青」になるという。その鉱石が欲しくて、夜更けの波止場をさまよう灯影と垂氷の前に、丸眼鏡の妙な麺麭屋が現れた…。長野ワールド、夢の傑作短篇集。
  • キリン航海記・他二篇
    -
    中国・明の時代に大航海をおこなった宦官・鄭和のセイロン島での活躍を描いた「錫蘭山の仏歯」、鄭和艦隊がキリンを連れ帰った顚末を物語る「キリン航海記」、細川氏と大内氏が明で争った寧波の乱を題材にした「政吉の羅針盤」。未刊行の短篇3本を収録。
  • 緊縛
    3.0
    「わたしを縛って……」心も体も強く縛られることを欲しながらも、二人の男とのアイマイな情事を淡々とくり返す美緒、三十二歳。その日常の果てに彼女の心が向かう先は……。第十八回太宰治賞受賞作。短篇の秀作「見ていてあげる」を併せて収録。
  • 偽悪病患者
    3.3
    「佐治は偽悪病患者だ。接近させてはいけない」兄の警告を妹は一笑に付したが……犯罪の萌芽から事件発生と解決まで往復書簡形式で語られるモダン探偵小説の表題作、犯行に至る殺人者の心理を克明に描き、“なぜ殺したか”の謎を追求した「死の倒影」「情獄」、掘り出し物の骨董をめぐる奇譚「金色の獏」、都市伝説めいた怪現象が連続猟奇殺人に発展する犯罪幻想譚「魔法街」他、全九篇。日本探偵小説草創期に江戸川乱歩、甲賀三郎とともに絶大な人気を博した巨匠、大下宇陀児の多彩な作品を紹介する短篇傑作選。/【目次】偽悪病患者/毒/金色の獏/死の倒影/情獄/決闘介添人/紅座の庖厨/魔法街/灰人/〈エッセイ〉探偵小説の型を破れ/探偵小説不自然論/解題/解説=長山靖生
  • 祇園祭に降る黒い花(1)
    完結
    3.0
    全3巻550~715円 (税込)
    病をもたらす疫神(えきしん)を祓う夏の京都の祭り・祇園祭。疫神を引き寄せて祓う人の姿をした「山鉾(やまほこ)」と、一緒に空を飛びながら彼らをサポートする人間の「衛り方(まもりかた)」は、ふたり一組でバディを組む。 優秀な兄・隼(じゅん)の後任として、山鉾のリーダー的存在である薙(なぎ)と組む事になった高所恐怖症の鴎(かもめ)。 不甲斐ない想いを抱える鴎と、準と比較して苛々する薙のふたりは、果たして信頼関係を築けるのか――…。 表題作のほか短篇「泣かぬ神は身をこがす」も収録。薙と鴎の和風バディ・ストーリー、第一弾!! 雑誌掲載時のカラーを再現したデジタル版限定仕様!
  • ギフト
    -
    1巻990円 (税込)
    みんなひとりひとり、ギフトを持っている。 自分の好きな味になる「不思議なパン屋さん」。 人生の転機となった一瞬を描く「明日の私と私の明日」。 心の扉を開くことになったあの夏の冒険を振り返る「幼いハンス」。 奇跡的な人生の出会いを懐かしく、瑞々しく描写する五篇。 一篇一篇があなたへのギフト――。珠玉の短篇集。

    試し読み

    フォロー
  • ギブ・ミー・ア・チャンス
    3.6
    1巻754円 (税込)
    「人生やりなおしたい!」と思ったことありませんか。 人生の転機を迎えた人々の悲喜こもごもを掬いあげる、笑いと涙の「再チャレンジ」短篇集。 尾行しても、すぐに気づかれてしまう残念な元相撲取りの探偵。 (「探偵には向かない職業」) 超人気連載マンガのアシスタントを務めながら、連載の終了におびえるマンガアシスタントの苦悩。 (「夜明けはスクリーントーンの彼方」) テレビに出る夢をかなえたい……こどもの頃の夢に突き進む元柔道少女。 (「追いしれの国の女王様」) CAからグリーン車のキャビンアテンダントに転職した女性の奮闘。 (「アテンションプリーズ・ミー」) 小柄ゆえ不人気ゆるキャラ「たけぴよ」の""中の人""に決まった若手公務員の話。 (「たけピヨサイドストーリー」) 営業のドサ回りをする売れない演歌歌手の本当の夢。 (「冬燕ひとり旅」) 夫の殺害方法を考えながらミステリー新人賞に応募し続ける妻。 (「リリーベル殺人事件」) 相方を失っても、コンビニのバイト中にツッコミ練習を続けるお笑い芸人。 (「ギブ・ミー・ア・チャンス」) 短篇8編に著者書き下ろしの「あと描き」も特別収録!
  • ギャラクシーエンジェルEX
    -
    アニメもなんだか絶好調~の5人娘たちの外伝が登場! ドラゴンマガジンで連載されたものに大幅加筆。さらに書き下ろし短篇、特別短篇も収録という超豪華版。ミルフィーユたちが大活躍でなんだかとってもいい感じ!
  • 暁天の星
    4.0
    坂本龍馬に愛され、認められた男・陸奥宗光――。明治新政府では県知事などを務めるも、政府転覆を企てたとして投獄されてしまった陸奥。そんな彼の才能に目を留め、花開かせたのは、時の総理大臣・伊藤博文だった。外務大臣として入閣した陸奥は、日本を欧米列強に伍する国家にすべく奔走し、不平等条約の改正に尽力する。そして、日本の尊厳をかけて強国に挑まんとする陸奥を支え続けたのは、妻の亮子だった。本書は、著者が最期に「これだけは書いておきたい」と願い、病と闘いながら綴った長編小説。残念ながら未完ではあるが、著者の歴史作家としての矜持を感じ取れる貴重な作品である。陸奥宗光のその後は、解説の細谷正充氏が、連載中の著者の想いは、長女の涼子氏が紹介。坂本龍馬の姉を描いた短篇「乙女がゆく」を特別収録。
  • 暁天の星
    3.5
    本書は故・葉室麟が最期に書きたかった「近代」に挑んだ作品。「これだけは書いておきたい」と願い、病と闘いながら書き続けた物語である。明治新政府で外務大臣として欧米列強と対峙し、不平等条約の改正に尽力した陸奥宗光――。日本の尊厳を賭けて強国に挑んだ陸奥の気概は、どこで育まれたものなのだろう。陸奥が生まれたのは幕末の紀州。坂本龍馬に愛され、海援隊で頭角を現し、明治新政府では県知事などを務めたが、政府転覆を企てたとして投獄されてしまう。そんな不遇の時代を経て、伊藤博文内閣のもとで外交官として、その才能を花開かせる。外務大臣となった陸奥は、日本を欧米に伍する国家にすべく奔走するのだが……。本書は残念ながら未完。しかしながら葉室麟の溢れる想いが感じ取れる貴重な作品でもある。陸奥宗光のその後は、解説の細谷正充氏が、連載中の想いは長女の涼子氏が紹介。坂本龍馬の姉を描いた短篇「乙女がゆく」を特別収録。
  • 銀河聖船記(1) ディアスの少女
    4.0
    敵の包囲網をかいくぐり、少女は巨大戦艦復活を目指す  長屋の屋根を突き破って飛び込んで、猫種のバイオハーフであるアドラの平和な眠りを破り、思いもよらぬ帝国軍相手の大冒険に引き込んだのは、永眠カプセルに入った美しい少女だった。200年前の独立戦争の英雄バルトの孫娘で、戦後封印されたままだった巨大戦艦ディアス復活のキーとなる使命をおわされていたリナ。彼女は、帝国の皇太子レオンに追われていたのだ。  ディアスを利用しようとする帝国の陰謀を阻止するため、アドル達はディアスに潜入する…!  猫とネズミと美少女が大活躍する、冒険スペースオペラ第1弾! 電子版あとがきを収録。 ●岡本賢一(おかもと・けんいち) 1964年、八丈島で生まれる。1994年に『銀河聖船記1 ディアスの少女』(ソノラマ文庫)にてデビューし、同年「宇宙塵」掲載の『鍋が笑う』にてSFファンジン大賞を授賞する。1996年に第三回パスカル短篇文学新人賞を受賞。小説以外では、劇団飛行船の第一回シナリオ公募にて準優秀賞を得ている。ライトノベル系のSFアクション小説を中心に三〇冊ほどの長篇を発表。同時に雑誌や新聞、アンソロジー等にSFホラー系の短篇小説を多数掲載している。
  • 銀河帝国の弘法も筆の誤り
    3.5
    「ブラックホールの中にホトケはいるかおらぬか、そもさん」史上初めて傍受された知的生命体からのメッセージは、なぜか敵意むきだしの禅問答であった!?――「人類圏」存亡の危機に立ち向かう伝説の高僧・弘法大師の勇姿を描く表題作、大量のゲロとともに銀河を遍歴した男の記録「嘔吐した宇宙飛行士」など、人類数千年の営為がすべて水泡に帰す、おぞましくも愉快な遠未来宇宙の日常と神話、5篇を収録するSF短篇集。
  • 銀河六巡り
    3.3
    高橋拡那による初の連載作品が単行本にまとまりました。【収録作品一覧】伝統工芸品・和蝋燭店のひとり娘が高校生とお見合い結婚する「第一話・明月来たりて」。ヒロイン白百合姫のキスを目当てに、改造されたゲームを攻略する「第二話・七畳半の勇者ども」。1丁のライフルと4人のキッズによる救出活劇「第三話・標的は牙をむく」。お尻をタッチされると超能力が発動!「第四話・蟹田の告白」。恋した男の子は農業系鈍感オトコ「第五話・小さな収穫」。変形賃貸ラブコメディー「第六話・機動下宿金剛荘」。各話とも描き下ろしの後日談付き。何度もくり返して楽しめる、新鋭の情熱が描き込められた、これぞ短篇読切連作!
  • 空獏
    -
    「獏」と呼ばれる制御システムがもたらす眠りのなか、延々と戦争の夢を見続けている  昔々のこと。世界が古くなったので、えらい人たちは獏を創って、新しい世界を夢見てもらうことにしました。みんなは安心して獏のなかで眠りにつきました。でも、やがて獏は不安に囚われてしまったのです。自分のなかの人たちは実は死んでいるのではないか、と。まあ、そんなこんなで私は、戦いつづけているわけだ。商店街で敵を待ち伏せしたり、ヒト型戦闘機械に乗り込んだり、西瓜太郎の指揮で悪の王国に奇襲をかけたり。でも肝心の私とは誰か、まったく思い出せないのだけれどね、あの夕陽のきれいな街の風景以外は……。  9つの短篇と10の掌篇が織りなす、不条理で情けなく、けれどヒトに優しい戦争の話。 ●北野勇作(きたの・ゆうさく) 1962年生まれ。大阪府在住。SF作家。1992年『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。2001年『かめくん』で、日本SF大賞受賞。著書に『クラゲの海に浮かぶ舟』『どーなつ』『きつねのつき』『どろんころんど』『カメリ』等。
  • 草のいのちを 高見順短篇名作集
    4.0
    自らの出生の秘密を語る「私生児」、左翼体験の暗部を飄々とした筆致で描く「嗚呼いやなことだ」など戦前4作品と、敗戦後の荒廃からの精神の甦りを高らかに謳い上げる表題作、リベラリズムの内に潜む頽廃を一知識人に戯画化する「あるリベラリスト」など戦後4作品を収める。ユーモア溢れる文体から生まれる批評精神を1冊に凝縮。
  • くさり ホラー短篇集
    3.3
    地下にある父親の実験室をめざす盲目の少女。ライフルを手に錯乱した肥満の女流作家。銀座のクラブに集った硫黄島での戦闘経験者。シリアスからドタバタまで、おぞましくて痛そうで不気味な恐怖体験が炸裂。
  • 口入れ屋おふく 昨日みた夢
    4.3
    亭主の勇次が忽然と姿を消し、実家の口入れ屋「きまり屋」に出戻ったおふく。色気より食い気、働きもので気立てのよいおふくは助っ人女中として奉公先に出向き、揃いもそろって偏屈な雇い主たちに憤慨したり同情したり。一筋縄ではいかない人生模様を目の当たりにするうち、自分も前を見て歩いていこうと心を決める――。市井人情小説の名手が渾身の筆で描ききった江戸のお仕事小説。単行本未収録の短篇「秋の朝顔」併録。
  • くちなし
    4.2
    直木賞候補&第五回高校生直木賞受賞の傑作短篇集 別れた男の片腕と暮らす女。運命で結ばれた恋人に会うと体に咲くという花。幻想的な世界がリアルに浮かび上がる繊細で鮮烈な短篇集。 解説・千早茜 ※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 靴の話/眼 小島信夫家族小説集
    3.0
    芥川賞受賞作「アメリカン・スクール」から戦後文学の金字塔といわれる「抱擁家族」までの十年間の短篇作品を精選。この間、アメリカ留学、家の新築、妻の手術、妻の死、再婚と、著者自身へもめまぐるしい「事件」が生じ、〈関係〉をめぐるドラマが主題となる。見知らぬ男からの一方的な関係、監禁という関係、友人の中にいる異質な友との関係、友人と妻の姦通……。「抱擁家族」へとなだれ込む、貴重な短篇集。
  • クネレルのサマーキャンプ
    3.3
    自殺者が集まる世界でかつての恋人を探して旅する表題作のほか、ホロコースト体験と政治的緊張を抱えて生きる人々の感覚を、軽やかな想像力でユーモラスに描く中短篇31本を精選。
  • 首
    完結

    -
    「ある瞬間の、ある人間を、自然の心でとらまえて描きつづっていく…(略)…そこから生まれる作品群は、一篇の詠嘆詩であるだろう」(あとがきより) 永島慎二の中期傑作劇画短篇集。珍しいセルフカバー作品の「殺人者たち」を収録。

最近チェックした本