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本書は故・葉室麟が最期に書きたかった「近代」に挑んだ作品。「これだけは書いておきたい」と願い、病と闘いながら書き続けた物語である。明治新政府で外務大臣として欧米列強と対峙し、不平等条約の改正に尽力した陸奥宗光――。日本の尊厳を賭けて強国に挑んだ陸奥の気概は、どこで育まれたものなのだろう。陸奥が生まれたのは幕末の紀州。坂本龍馬に愛され、海援隊で頭角を現し、明治新政府では県知事などを務めたが、政府転覆を企てたとして投獄されてしまう。そんな不遇の時代を経て、伊藤博文内閣のもとで外交官として、その才能を花開かせる。外務大臣となった陸奥は、日本を欧米に伍する国家にすべく奔走するのだが……。本書は残念ながら未完。しかしながら葉室麟の溢れる想いが感じ取れる貴重な作品でもある。陸奥宗光のその後は、解説の細谷正充氏が、連載中の想いは長女の涼子氏が紹介。坂本龍馬の姉を描いた短篇「乙女がゆく」を特別収録。
...続きを読むPosted by ブクログ 2020年01月11日
初めて陸奥宗光という人物を意識した。そして、何故日清、日露と続いたのかも分かりかけてきた気がした。坂本龍馬の意志を継いでいるのも初めて知った。乙女姉さんも改めて好きになった。今更ながら、再度、葉室麟に興味を持った。次は「蝶のゆくへ」を読んでみようか。しかし、これで何度目だろうか、偶然に手に取った本が...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年06月29日
2017年月刊文庫「文蔵」に6回連載された絶筆。
解説と、龍馬の姉が龍馬に代わって桂と西郷に会い、膠着していた薩長同盟交渉の端緒をひらくという「乙女が行く」を収録。
亡くなってからもたくさん単行本になっていたが、これが最後かな。13年間で60冊出して、これから近代日本をつくってきた人々の姿を本格的...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年06月25日
不平等条約の改正に取り組んだ『剃刀外相』こと陸奥宗光の半生を描いた葉室さんの絶筆。
未完と知らずに読んでしまったので、結末をどう描かれるのか分からないままなのは残念。勿論、一番残念なのは作家さんご本人だろうが。
陸奥宗光というと、先に書いたように外相として不平等条約改正に取り組んだことと、奥様の...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年06月16日
葉室麟さんは、新聞連載の『紫匂う』を読んだきりだが、いずれしっかりと読んでみたい作家だった。逝かれてのち、未完の作が発刊され、陸奥宗光というこれまでほとんど存じ上げなかった人物を取り上げておられ、新たな視点で描かれる維新後の近代を興味深く読む。伊藤博文、板垣退助など、かつてのお札の人物像がなんとも人...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月29日
20190926
不平等条約改正のために、他国と渡り合った陸奥宗光を主人公とした話。葉室さんの遺作のひとつであり、未完。
これから面白くなりそうなところで終わってしまうが、そこまででも面白い場面は多い。戦争も駆け引きの道具であったのか、と感心するが、府に落ちる。しかし、葉室さんが作家になったのが、5...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年08月09日
葉室麟の本は江戸時代物が多かったが、初の明治維新後の本で知らなかった外相:陸奥宗光を描いた本。陸奥は坂本龍馬の門下生で龍馬が死しても師と仰ぎ江戸末期に押し寄せた諸外国と結んだ不平等条約の改正に尽力したとの事でその時代はイマイチ把握していなかったので色々と学べた。
当時の政治の表舞台には、渋沢栄一、通...続きを読む
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