【感想・ネタバレ】暁天の星のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2020年12月03日

葉室麟が見る陸奥宗光の最期を知りたかった。
日本史では思いのほかさらっと名前が出て時代が流れていく人だけれど、幕末を駆け抜けた一人が明治をどう悩み生き抜いたかというのは、知らない裏側を見ているようで、とても面白い内容です。

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Posted by ブクログ 2020年01月11日

初めて陸奥宗光という人物を意識した。そして、何故日清、日露と続いたのかも分かりかけてきた気がした。坂本龍馬の意志を継いでいるのも初めて知った。乙女姉さんも改めて好きになった。今更ながら、再度、葉室麟に興味を持った。次は「蝶のゆくへ」を読んでみようか。しかし、これで何度目だろうか、偶然に手に取った本が...続きを読む遺作だなんて。それも読み終わって気付くなんて。

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Posted by ブクログ 2019年06月29日

2017年月刊文庫「文蔵」に6回連載された絶筆。
解説と、龍馬の姉が龍馬に代わって桂と西郷に会い、膠着していた薩長同盟交渉の端緒をひらくという「乙女が行く」を収録。

亡くなってからもたくさん単行本になっていたが、これが最後かな。13年間で60冊出して、これから近代日本をつくってきた人々の姿を本格的...続きを読むに描こうとし、日本の近代化とは何だったのかを問いたかったらしい。それにしても残念。まだまだ読みたかった。

不平等条約改正に心血を注いだ陸奥宗光の苦悩を描いている。
紀州藩の上士が脱藩して海援隊に入り、龍馬に心酔しいつもその自由な生き方を反芻していたのだが、条約改正のために欧米列強から対等と認められねばならないため、朝鮮、中国と帝国主義戦争を戦う必要があるという現実の分析と理想の相克に悩につつ、開戦準備をし、戦勝後の講和条約交渉の前で絶筆となった。無念だっただろうな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月04日

葉室麟最晩年の作で未完。陸奥宗光を描いたものと坂本龍馬の姉を描いた短編。龍馬の姉については、司馬遼太郎も津本陽も作中に登場させているが、こんふうに活劇の中に登場するとは思いもよらなかった。未完で十分な手を入れられないまま出版せざるを得なかったことがとても残念。

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Posted by ブクログ 2020年06月25日

不平等条約の改正に取り組んだ『剃刀外相』こと陸奥宗光の半生を描いた葉室さんの絶筆。

未完と知らずに読んでしまったので、結末をどう描かれるのか分からないままなのは残念。勿論、一番残念なのは作家さんご本人だろうが。

陸奥宗光というと、先に書いたように外相として不平等条約改正に取り組んだことと、奥様の...続きを読む亮子夫人が大変な美人で『鹿鳴館の華』の一人として活躍したことくらいしか知らなかったので、それまでの彼の人生は興味深く読んだ。
特に坂本龍馬との関わりがこれほどあったとは全く知らず、この作品では坂本龍馬ならどう世界と渡り合うのか、坂本龍馬のように欧米に臆することなく交渉するためにはどうするのかということを念頭に動くので、坂本龍馬との関わりが陸奥宗光の原点だったのだと思え、すでにこの世にいない坂本龍馬が様々な人に影響を与えたのだと感じる。
勿論それは葉室さんなりの坂本龍馬像であり陸奥宗光像なのだけど。

葉室さんらしく文体はサラリとして読みやすい。
ここで描かれる伊藤博文の色好みもまた政治の一つの要素になっている。官邸でのかの醜聞もこんな真相があったとすれば少し伊藤を見直す。
そして陸奥宗光の不平等条約改正のためには軍事力で世界と渡り合わねばという、現代の感覚からは違和感を覚える考えも当時としては仕方ないものかも知れない。
何と言っても欧米は圧倒的な軍事力で日本を震え上がらせ不平等条約を結ばせたのだから。そして当時の欧米はそれが常套手段だったのだから、日本がそれを覆すために欧米と同等の軍事力を持ちそれを示すために戦争をせねば、というのも分からないではない。
ただここでもまた坂本龍馬なら…という迷いも出てくる。
さて、坂本龍馬ならどう交渉しただろうか。

短編の「乙女がゆく」は、坂本龍馬の姉・乙女が龍馬に頼まれ、薩長同盟締結前の薩摩藩邸に乗り込む話。
かなりのファンタジー設定ではあるが、豪快でいながら繊細な乙女の魅力が描かれていた。

娘さんによるあとがきを読むと、葉室さんはこの作品を完成させたら、明治維新についての様々な物語の構想があったという。
それが読めないのは残念だが、最後まで葉室さんの作家としての意欲は衰えていなかったということが嬉しくもあり、それが叶わず切なくもある。

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Posted by ブクログ 2020年06月16日

葉室麟さんは、新聞連載の『紫匂う』を読んだきりだが、いずれしっかりと読んでみたい作家だった。逝かれてのち、未完の作が発刊され、陸奥宗光というこれまでほとんど存じ上げなかった人物を取り上げておられ、新たな視点で描かれる維新後の近代を興味深く読む。伊藤博文、板垣退助など、かつてのお札の人物像がなんとも人...続きを読む間臭くて面白いというのか、どうなのよというのか。しかし、ここで終わるのかと残念だが、著者こそが無念であったろう。

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Posted by ブクログ 2019年09月29日

20190926
不平等条約改正のために、他国と渡り合った陸奥宗光を主人公とした話。葉室さんの遺作のひとつであり、未完。
これから面白くなりそうなところで終わってしまうが、そこまででも面白い場面は多い。戦争も駆け引きの道具であったのか、と感心するが、府に落ちる。しかし、葉室さんが作家になったのが、5...続きを読む0歳の頃とは知らなかった。

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Posted by ブクログ 2019年08月09日

葉室麟の本は江戸時代物が多かったが、初の明治維新後の本で知らなかった外相:陸奥宗光を描いた本。陸奥は坂本龍馬の門下生で龍馬が死しても師と仰ぎ江戸末期に押し寄せた諸外国と結んだ不平等条約の改正に尽力したとの事でその時代はイマイチ把握していなかったので色々と学べた。
当時の政治の表舞台には、渋沢栄一、通...続きを読む信大臣:榎本武揚、内部大臣:山縣有朋、大隈重信を追い落とした初代総理:伊藤博文らが鎮座している。井上馨は当時西洋かぶれで社交場として(鹿銘館)舞踏会を催し要人らは夫婦共々募って参加していた。陸奥も美貌を誇る妻:亮子を伴い参加するも伊藤博文は、岩倉具視の娘人妻極子に熱を上げる。この行為は伊藤自身が裏で公となり、総理:伊藤博文→黒田清隆、外務大臣:井上馨→大隈重信への失策カモフラージュでお札にもなる伊藤は好色男で且つ、戦略家であった様だ。その後、嫌いな大隈重信の下で米国大使とし米国に渡り国内薩長派閥が残る中日本人として条約改正に注力する。

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