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Posted by ブクログ
別れた男に片腕をもらい、その片腕と共に暮らす女。ある日、男の妻が訪ねてきて、意外な要求を受ける(『くちなし』)。
繊細で不思議な幻想世界を描く愛の短編集。
表題作を含め7篇を収録していますが、別れた男の片腕と暮らす女、運命の恋人同士に見えるという幻の花、難民の少年との人形遊びなど、どれも現実とは少しだけ乖離した不思議な物語。けれど、描かれるのは淡々としていつつ繊細で、その中にとろりとした熱の籠った愛の世界。
本当に7篇全てがそれぞれ唯一無二で、それでいてどの話も本当に良いです。
幻想作品めいたものばかり取り上げてしまいましたが、現代日本を舞台にしていると思しき作品も2作ほど収録されています。
一番心に残ったのは、やっぱり表題作の『くちなし』。主人公と共に暮らす貰った「片腕」が、無垢でありながらどこか艶っぽく、とても可愛らしく見えます。
ラストのすっと醒めた感じも好き。
きらきらにユラユラ
自分の置かれた環境がどんなものであっても
強い自分を持つ人なら揺らがないだろうけれど、
こうした話のように、ちょっと官能的で
きらきらしているものを見てしまって
自分のしていることに身が入ってないと
ああ、自分もそうです、愚かだと思います。
でも、そうです、いつもの自分は
こんなふうに、揺らいでしまいます。
ああ、それでは駄目だから、
しっかり自分の頭で考えようと思います。
だけど、よろめくのは簡単で
悩むのは楽だから、つい強い自己を
持たないまま、ふらふらと、それも楽しいですね。
こういうお話に浸って、同じように揺らいで
安易に世の中のせいにしているのは
判断停止で楽。だから、こうやって
毒と分かって楽しむくらいはいいかな?
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