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初潮を迎えた自分の身体に苛立ちを覚える秋月は、妹の春菜になつくロボット・ヨハネが子犬をかわいがる様子を見て、ちょっとした悪戯を思いつくが……ペットロボットを介した性と生の目覚めを描いた表題作、タイムトラベルした少女が自我の認識を獲得する「あたしを愛したあたしたち」、セクサロイドが語る波瀾の生涯「レプリカント色ざんげ」ほか、性愛SF9篇。日本SF大賞ノミネートの、切なく凛々しい傑作短篇集。
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Posted by ブクログ
お笑い官能小説から入った身としては、この作者さんの切なくて痛い文体は新鮮でした。「一卵性」が特にお気に入りです
表紙や扉絵のイラストがキュート。濃密にいやらしいのに、対象が美少女、美少年、レプリカントなので淫靡なのにどこかツルリとした印象。どれも奇想天外で面白かった。
SFエロ小説。 この人の書く少女もまた好き。 少女が少女でなくなることのトリガーを処女喪失に結びつけることが多々あるがそうじゃないんだと切々と語りたくなる。私は語りたくなった。 そしてまた、本自体の表紙また各話の扉絵にもなっているタカノ綾のイラストが合いすぎてたまらない。
耽美なわしらのノリとはまた違う新たな森先生の発見(これの前にも1冊読んではいるけれど)。ピンクなにおいがムンムンする作品ばかりだけれど、そんじょそこらのおピンク小説じゃない。涙が出てしまう作品もあって、胸がキュンキュンします。こんな気持ちをずっと持っていられたらと思います。
性愛SFというだけあってかなり直接的な性的表現が出てくるので苦手な人はいるかもしれないが、好きな人には深く刺さるであろう、独特な雰囲気を持った短編集だった。 「からくりアンモラル」☆☆☆ 思春期を迎えた少女が自分を性的な目で見られることに嫌悪感を覚えるというのは物語でよく見る描写だが、そこからロボ...続きを読むットを通して自分を見ることで愛のようなものを得るというのはおもしろい。 「あたしを愛したあたしたち」☆☆☆☆ 思春期を迎えた少女が自分を性的な目で見られることに嫌悪感を覚えるという構造は「からくりアンモラル」と同じ。 過去・現在・未来の自分たちで互いに自分を慰めるというのは、一見ひねくれた自己愛のようだが、それがとても真っ直ぐなものに感じてしまう不思議。 「愛玩少年」☆☆☆☆ 私にはマゾヒスティックな趣味はないので直接的な性的興奮を覚えることはなかった。 しかし、ラストシーンで唯一の理解者となりうる存在が奪われたときには何か変な高揚を覚えた。 とても残酷で悲しい出来事のはずなのに、Mのひととかいわゆる寝取られ趣味の人の気持ちが少しだけわかったような気がした。 「いなくなった猫の話」☆☆☆☆ 私の好きなロマンティックSF。 「繰り返される初夜の物語」☆☆☆ 無意味と知りながらロボットに恋して振り回される愚かな話。 「一卵性」☆☆☆ 一卵性の双子を愛するというのはこれまた変わった自己愛か。 「レプリカント色ざんげ」☆☆ SFにありがちだが、変わった世界の出来事の紹介のような物語で、あまり登場人物の精神に触れた気がしなかった。 「ナルキッソスの娘」☆☆ 美談のように書いているが、私はヒロシのような適当な男が苦手なので、感情移入できなかった。 「罪と罰、そして」☆☆ サディストの愛というのは、言わんとしていることはわかるのだが、私には理解しがたい感情だ。
短編集。SF。エロSF。恋愛。 SF設定は、ロボット、タイムスリップ、吸血鬼、キメラ、記憶移植、共感能力、アンドロイド、記憶の共有など、さまざま。 エロいし、SF設定ではあるけど、基本的には切ない恋愛がメインだと思う。 なかでも特に切ない「いなくなった猫の話」が素晴らしい。 「繰り返される初夜の物語...続きを読む」「レプリカント色ざんげ」もとても好き。
どの物語にも勢いがあって、一日で読み終えました☆ だいぶエロチックですが、この作者様の文体はわかりやすくて好きです。 親しい友達にオススメしてしまうかもしれません☆
森奈津子はおすすめ!と聞いていたので読んでみた。良い。何が良いと感じるのか考えてみて、解説を読んで腑に落ちた。女が女である事を感じた本。
森奈津子、最新文庫本と言う事でウキウキと購入。「西城秀樹のおかげです」のノリを期待したら見事に裏切られた。いい意味で。静謐な文章、そしてやっぱり卑猥。SF官能小説とでも言うのでしょうかね?うかつにも涙しました。表題作の「からくりアンモラル」で。これは女性にしか分からない。初潮が訪れた時の気持ち。心の...続きを読む痛み。少女から女性への変化は喪失感を伴うものなのです。私は子供の頃はずっと男の子に生まれたかったと思っていたので。その時の気持ちを代弁されてる気分になりました。
からくりアンモラル SFを舞台装置にした、性愛をテーマにした短編集です。 タイムトラベル、レプリカント、人と動物のハイブリッド、吸血鬼、テレパシー。いろいろな舞台装置の上でいろいろなアイデアが盛り込まれています。 でも、何か違和感があるのは、視点が偏っているのと、物語が紡がれていない点なのかなあ?...続きを読むと思います。 ちょっと長めのショートショートという感じですか。 ちょっとエッチ(結構エッチかも)で軽いノリで楽しめて、その後に少し考えさせられるという本をお探しの方にはお薦めします。 竹蔵
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