文学作品一覧

非表示の作品があります

  • 仕事部屋
    値引きあり
    4.0
    《芸術の友よ。御身に捧ぐるに今この美しい言葉の花束を以てする。是こそ新興芸術派の巨匠・井伏鱒二の心の贈物である》(春陽堂、昭和6年刊『仕事部屋』広告文)。全集等未収録の幻の名作というべき「仕事部屋」を始め、「丹下氏邸」他初刊本の全14篇をそのままに収録。昭和初年代のモダニズム、都市小説の新風俗が描かれて、井伏鱒二の文学に新たな光を当てる真の芸術の友への贈物。
  • 先輩と私
    3.8
    T女子大学好色文学研究会の会員・光枝は、会長の阿真理先輩(ロリ巨乳系)に淡い恋心を抱いている。それを知ってか知らずか先輩はつれなくて、オナニーによる女性の真の自立と解放を叫ぶのみ。光枝は仕方なく、エッチな小説を書いて自らを慰める、しょんぼりな毎日。そこへライバルサークルの会長、華代の魔の手が。笑いとエロスが奇跡の融合を遂げた、著者の真骨頂。女だらけの官能小説。
  • 壺坂幻想
    値引きあり
    -
    盲目で死んだ祖母への鎮魂に、作家は壺坂寺に詣でた。山道を辿ると、みかん水を売って祖母を大切にした叔父の悲運、生きている母の姿など、親族の誰彼もの不幸が思い浮かんでくるのであった……。『雁の寺』『越前竹人形』『飢餓海峡』の著者が、作家生活20年にして初めて、書かずにはいられないテーマに突き当たった。水上文学晩年の陰翳に満ちた豊かな文学世界の到来を約束する、家族を巡る追想の連作短篇集。生きるとは、私とは、何か?
  • 不意の声
    値引きあり
    4.3
    孤独な内奥の世界を追究。読売文学賞受賞の名篇――「チチキトク」の電報を受け取った時、女は父の幻影を見た。父の死後に結婚した夫とは、諍が絶えず、しばしば現われる父の霊に励まされながら、陰惨な殺人を重ねる。意識の底からつき上る、不気味な想念。愛憎渦巻く夫婦生活を背景に、現実と非現実の交錯する、妖しく孤独な内奥の世界を苛烈に描く衝撃作。読売文学賞受賞作品。
  • 骨の肉・最後の時・砂の檻
    値引きあり
    5.0
    生の深奥を抉る明晰な衝撃。河野文学の中期秀作群――初期作品「美少女」「幼児狩り」、芥川賞受賞作「蟹」から、話題の『みらい採り猟奇譚』まで、著者の誠実な文学的展開の中で、中期と呼ぶべき中・短篇群。特に世評高い名篇「骨の肉」ほか、女流文学賞受賞の「最後の時」、更に「砂の檻」ほか4篇収録。男と女の関係、特に子供のいない女・妻と男・夫の関係を描き、抉り出されてくる生の深奥の類例のない明晰な衝撃。
  • 百億の女
    -
    1巻495円 (税込)
    高村建設の会長秘書・波島秀三は、ある日会長である高村大二郎から深夜、自宅に呼び出された。高村は、自らの寿命があと1~3ヵ月であることを知り、秀三に自分の隠し子・球子を探すよう秀三に命じる。手掛かりはただひとつ、球子の尻にあるクローバー型の痣だけだという。他に子供のない高村の個人資産は100億円以上。早急に球子を見つけなければ遺産を相続する人間はいないのだ。必死に球子を探す秀三の前に謎の美女が現れ、球子を知っていると言うが……。長篇ミステリ。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • (真)夏の夜の夢 七五調訳シェイクスピアシリーズ〈10〉
    NEW
    -
    1巻495円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 この作品の原題はA Midsummer Night’s Dream である。「真夏」、即ち、夏至の日。一年中で一番昼が長い6月24日の前夜である。6月は真夏ではないし、クライマックスの結婚式と余興の日は、夏至の日なのか五月祭なのか曖昧であるが、この婚礼の日は、妖精たちに守られて、男女は結ばれ、新しい生命を生み出し、植物も大きく育つ季節である。真夏の「真」を取るべきだという訳者も現れ、『夏の夜の夢』という題になっているものもある。私の作品は折衷案として『(真)夏の夜の夢』としてある。この作品に登場するのは善良な妖精の王と女王であり、悪戯好きの妖精である。筋立ての中心になるのは、妖精の悪戯による2カップルの青年貴族の恋愛沙汰と、職人たちの劇中劇とそのリハーサル中の喜劇的な人物のロバへの変身である。場面の多くは、「魔法の森」で繰り広げられ、とても面白く作劇されていて楽しめる作品である。
  • グランド・ブルテーシュ奇譚
    3.6
    善人も、偽善者も、悪人もバルザックの描く人間がおもしろい! 妻の不貞に気づいた貴族の起こす猟奇的な事件を描いた表題作、黄金に取り憑かれた男の生涯を追う「ファチーノ・カーネ」、旅先で意気投合した男の遺品を恋人に届ける「ことづて」など、90篇あまりもの作品からなる《人間喜劇》と呼ばれる作品群から人間の心理を鋭く描いた4篇を収録。ひとつひとつの物語が光源となって人間社会を照らし出す短編集。
  • 新訳 アーサー王物語
    3.4
    舞台は6世紀頃の英国(ブリテン)。「わが名はエクスカリバー。正しき王への宝なり」。柄にそう刻まれた名刀を手にして戴冠した国王アーサーと騎士たちが繰り広げる、冒険と恋愛ロマンス。そして魔法使いたちによって引き起こされる、不思議な謎の出来事の数々……。今日人気の高いファンタジー文学の源流をなす、この夢のような伝説が今、よみがえる。壮大にして官能美あふれる中世騎士物語。
  • その後の世界最強の商人
    4.0
    ハフィッドは講演旅行でローマを訪れ、巻物を譲った青年パウロが理不尽に捕らえられていることを知る。処刑された彼の遺志を継ぎ、ハフィッドは残りの人生をかけた、ある壮大な計画を思いつく。感動の名著!
  • 平台がおまちかね
    3.6
    本が好き。でも、とある理由で編集部には行きたくなかった出版社の新人営業マン、井辻くんは個性的な面々に囲まれつつ今日も書店で奮闘中! 平台に何十冊と積み上げられた自社本と、それを彩る心のこもった手書きの看板とポップ。たくさん本を売ってくれたお礼を言いに書店を訪ねると、店長には何故か冷たくあしらわれ……。自社主催の文学賞の贈呈式では当日、受賞者が会場に現れない!? 本と書店を愛する全ての人に捧げるハートフル・ミステリを五編収録。新人営業マンの成長と活躍を描く〈井辻智紀の業務日誌〉シリーズ第一弾!

    試し読み

    フォロー
  • 鐘は歌う
    3.7
    ロンドン塔からレイヴンが消え、橋という橋は落ち、ロンドンは瓦礫の街と化した。文字による記録は失われ、新たな支配者〈オーダー〉は鐘の音で人々を支配している。両親を亡くした少年サイモンは、母が遺したひとつの名前とひとつのメロディを胸に、住み慣れた農場を離れ、混沌のロンドンに向かった。そこで彼は、河の底から呼びかける不思議な銀色の音を聞き、奇妙な白い眼を持つ少年リューシャンに出会う……。世界幻想文学大賞受賞、ブッカー賞候補にも挙がった幻想文学の名作登場!
  • 空の怪物アグイー
    3.9
    60年安保以後、その大きな影響下に書かれた“現代の恐怖”にかかわる一連の作品を収める。「個人的な体験」と同一の設定のもとにそれとは全く逆の結末を導き出し、共通のテーマをめぐる著者の文学的格闘をうかがわせる『空の怪物アグイー』ほか、「万延元年のフットボール」につながる『ブラジル風のポルトガル語』、核時代の苦いユーモア『アトミック・エイジの守護神』など7編。
  • 天上紅蓮
    4.0
    史上、これほど愛された女性がいたろうか――時の最高権力者・白河法皇と、その養女にして最愛の恋人・待賢門院璋子(たまこ)。法皇63歳、璋子15歳。およそ50歳も離れた2人の“禁断の愛”は、平安という貴族社会を炎上させるほど、激しく純なものだった。月刊「文藝春秋」連載時から話題を呼び、文藝春秋読者賞を受賞。渡辺文学の集大成、ここに誕生!
  • 個人的な体験
    4.0
    わが子が頭部に異常をそなえて生れてきたと知らされて、アフリカへの冒険旅行を夢みていた鳥(バード)は、深甚な恐怖感に囚われた。嬰児の死を願って火見子と性の逸楽に耽ける背徳と絶望の日々……。狂気の淵に瀕した現代人に、再生の希望はあるのか? 暗澹たる地獄廻りの果てに自らの運命を引き受けるに至った青年の魂の遍歴を描破して、大江文学の新展開を告知した記念碑的な書下ろし長編。
  • 新編 日本の面影【全2巻 合本版】
    -
    代表作『知られぬ日本の面影』から、詩情あふれる新訳で合計21編を新編集。ハーンの描く、失われゆく美しい日本の姿を感じる、文庫オリジナルの新訳決定版。 はじめに 東洋の第一日目 盆踊り 神々の国の首都 杵築――日本最古の神社 子どもたちの死霊の岩屋で――加賀の潜戸 日本海に沿って 日本の庭にて 英語教師の日記から 日本人の微笑 さようなら 弘法大師の書 鎌倉・江ノ島詣で 盆市 美保関にて 日御碕にて 八重垣神社 狐 二つの珍しい祭日 伯耆から隠岐へ 幽霊とお化け 思い出の記 小泉節子 ラフカディオ・ハーン略年譜 ※本書は「新編 日本の面影」「新編 日本の面影 II」の2冊を合わせた合本版です。
  • 眠れる美女
    3.7
    波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女――その傍らで一夜を過す老人の眼は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の名作「眠れる美女」のほか「片腕」「散りぬるを」。

    試し読み

    フォロー
  • A2Z
    3.8
    文芸編集者・夏美は、年下の郵便局員・成生と恋に落ちた。同業者の夫・一浩は恋人の存在を打ち明ける。恋と結婚、仕事への情熱。あるべき男女関係をぶち壊しているように思われるかもしれないが、今の私たちには、これが形――。AからZまでの二十六文字にこめられた、大人の恋のすべて。読売文学賞受賞作。
  • 湖上の空
    3.8
    私は本を諦めない──今村翔吾初エッセイ集。 第166回直木三十五賞を受賞し、作品だけでなくテレビ出演などでも注目を集める著者の初エッセイ集。地元・滋賀の情報誌に連載された「湖上の空」を始め、新聞や雑誌などで発表されたエッセイ・書評などを収録する。 織田信長や石田三成など滋賀にまつわる人物のエピソード、文学賞の仕組み、年号について、季節の果物について等々、折々の話題のほか、作家を目指したきっかけや、自著に込めた思い、忘れられないヒーロー、少年時代の思い出、家族やダンスインストラクター時代の教え子との交流など、著者の素顔が見えてくる。 「人の評価がいかなるものであっても書き続ける。いかなる声も正面から受け止め、ただ黙然と書き続ける。一人でも多くの人に『面白い』と思って頂けるために」とは、デビューシリーズ「羽州ぼろ鳶組」の読者に向けたメッセージ。また、直木賞受賞後、新聞各紙に寄稿したエッセイも網羅する。 「たとえ誰が諦めても私は本を諦めない」 「たった一冊の本が、次の本との出会いを作り、揚げ句は書かせるに至り、一人の作家を作った」 「私に夢をくれた出版界を微力ながら盛り上げたい」 こうした著者の熱い思いが胸を打つ、必読の一冊。
  • 意味の変容
    5.0
    1巻550円 (税込)
    光学工場、ダム工事現場、印刷所、およそ「哲学」とは程遠い場所で積み重ねられた人生経験。本書は、著者がその経験の中から紡ぎ出した論理を軸に展開した、特異な小説的作品である。幽冥の論理やリアリズム1.25倍論など独自の世界観・文学観から宗教論・数学論まで、著者の創作活動のエッセンスが凝縮された奇跡的な作品。
  • 晩年
    3.7
    1巻550円 (税込)
    「美しさは、人から指定されて感じるものではなくて、自分で、自分ひとりで、ふっと発見するものです」昭和8年から11年にかけて発表した作品15篇を集めたこの第一創作集を、作者は自分の生涯の唯一の遺著になる思いで「晩年」と名付けた。「私はこの本一冊を創るためにのみ生れた」。
  • ぼく東綺譚
    3.9
    取材のために訪れた向島は玉の井の私娼窟で小説家大江匡はお雪という女に出会い、やがて足繁く通うようになる。物語はこうしてぼく東陋巷を舞台につゆ明けから秋の彼岸までの季節の移り変りとともに美しくも、哀しく展開してゆく。昭和十二年、荷風(一八七九‐一九五九)五十八歳の作。木村荘八の挿絵が興趣をそえる。 (解説 竹盛天雄)

    試し読み

    フォロー
  • ラーマーヤナ(上)
    4.0
    「マハーバーラタ」と並ぶインドの誇る古典叙事詩にしてアジア人の心のふるさと、英雄ラーマの歌物語。原書の詩を散文に変え、読みやすくした童話風読み物。悪魔ラーバナを倒すため、神々が約束を交わして人間と猿の姿に降誕する。(下巻に続く)
  • 満つる月の如し 仏師・定朝
    3.9
    藤原氏一族が権勢を誇る平安時代。内供奉(ないぐぶ)に任じられた僧侶隆範(りゅうはん)は、才気溢れた年若き仏師定朝(じょうちょう)の修繕した仏に深く感動し、その後見人となる。道長をはじめとする貴族のみならず、一般庶民も定朝の仏像を心の拠り所としていた。しかし、定朝は煩悶していた。貧困、疫病に苦しむ人々の前で、己の作った仏像にどんな意味があるのか、と。やがて二人は権謀術数の渦中に飲み込まれ……。(第32回新田次郎文学賞受賞作)
  • 官能文学電子選集 北沢拓也『燃えつきるまで』
    -
    熟年離婚、病気、さらに閑職へ追いやられた仕事人間が、人生を楽しむために美女たちと乱倫の限りを尽くす。 高砂佑一郎は「スタービール」のエリートコースをひた走ってきた。仕事一筋で役員の一歩手前までいったものの、家庭を顧みなかったため、妻に愛想を尽かされて三行半を突きつけられてしまう。さらに肝臓を患い、長期入院を余儀なくされてしまう。ようやく復帰したもの、自分の席は他の人間に取って代わられて、与えられた仕事は閑職といってもいいものだった。  これまでの人生はなんだったのか・・・そう考えた高砂は、残りの会社員人生を仕事ではなく、かつて大好きだった女遊びに費やすことに決める。社長の姪で人妻である香澄、フードジャーナリストの由夏、書道家の涼子、わけありの32歳・綾美、そして部下で結婚を控えている美樹・・・・・・数多くの美女たちと夜ごとまぐあい、下半身が渇く暇もない。  背徳あり、複数プレイあり。とびきりの女たちと秘態の限りを尽くし、快楽に溺れまくるのは、すべてを犠牲にして頑張ってきた会社人生への復讐なのか。 団鬼六に師事し、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
  • 文学男子のほっこり恋レシピ【特別版】
    3.5
    オムライス、ポークカツレツ、ハヤシライス、鶏すき、ハンバーグ、マカロニグラタン、玉子粥、鍋焼きうどん、鴨南蛮、天ぷら蕎麦、ブランデーケーキ… 文豪ゆかりのメニューで育まれる、文学を愛しすぎる残念美形の恋v 商社に勤務する知恭は文学について語りだしたら止まらない残念美形。そんな彼を好意的に受け止めてくれたのは、仕事で知り合ったトランスレーターの天方。きまじめ口調でとんでもないことを言い出す知恭に深い教養で応えてくれる天方と、文豪ゆかりのレストランで過ごす時間は至福の時だったが、彼には片想いの人がいるらしい。しかも知恭は訪ねた天方の部屋でその相手と鉢合わせてしまい――!? 食と文学がクロスオーバーするほっこりラブv 紙書籍発売時、フェア用に書き下ろされたSSを収録した特別版!
  • 高熱隧道
    4.2
    1巻572円 (税込)
    黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して、極限状況における人間の姿を描破した記録文学。

    試し読み

    フォロー
  • 世界最強の商人
    4.2
    ハフィッドは師から成功の秘訣が書かれた10巻の巻物を譲られる。教えを守り成功したハフィッドは巻物を継ぐ人物を密かに待ち受ける。現れた青年とは……。人生成功の原理をわかりやすく説く大人の寓話。
  • 文豪の食彩
    4.4
    国民的作家たちが描いた食の情景と、そこに込められた苦悩や喜びに迫る!!毎朝新聞の深川支局に配属された主人公・川中は、趣味の食道楽を生かして、文豪たちと食を結びつける企画を提案する。それは、夏目漱石や芥川龍之介、太宰治らが書き残した“食”の数々を通して、彼らの生活や本質を描く文豪探訪記であった。果たして、近代文学を代表する文豪たちはどんな思いで食を描いたのか?ラズウェル細木氏も推薦!!カラー記事「6人の文豪ゆかりの食を訪ねて」&書き下ろしコラム30ページも収録!!
  • P+D BOOKS 女優万里子
    -
    1巻715円 (税込)
    実母の女優人生を愛惜を込めて描いた力作。 時は大正二年――当時まだ珍しかった聚楽館の養成所女優となるも、周囲からは色眼鏡で見られ、鳴かず飛ばずの日々が続いていた横田シナ(後の女優・三笠万里子)。 だが、作家・佐藤紅禄との運命的出会いによって、シナの運命は大きく舵を切っていく。 草創期の関西新劇界を舞台に、紅禄との恋愛や葛藤、修羅場の中を生き抜いたシナの激動の生涯を、実の娘である著者が愛情豊かに描いた感動作。
  • ねじのかいてん
    完結
    5.0
    さまざまな専門家たちがなにかの理由で集められた収容所で、男は太軸二段式十字ドライバーを片手に脱獄をはかろうとする表題作『ねじのかいてん』。水で覆い尽くされた世界で逞しく生きる人間の姿を描いた『水域』。ヒーローショーで着ていたウルトラマンのコスチュームが脱げなくなり、ウルトラマンとして生活していくことになった男の数奇な運命を描く『パンツをはいたウルトラマン』。謎が謎を呼ぶ9つの短編小説を収録。巻末には電子書籍版の追加として「対談 椎名誠×目黒考二」「電子書籍版あとがき」「椎名誠の人生年表」を掲載。

    試し読み

    フォロー
  • 華岡青洲の妻
    4.2
    世界最初の全身麻酔による乳癌手術に成功し、漢方から蘭医学への過渡期に新時代を開いた紀州の外科医華岡青洲。その不朽の業績の陰には、麻酔剤「通仙散」を完成させるために進んで自らを人体実験に捧げた妻と母とがあった――美談の裏にくりひろげられる、青洲の愛を争う二人の女の激越な葛藤を、封建社会における「家」と女とのつながりの中で浮彫りにした女流文学賞受賞の力作。
  • 悲劇文学の発生・まぼろしの豪族和邇氏
    -
    いかにして日本民族に、悲哀の文学とも称すべきものが発生したか、そしてその管理者は誰であったか、更になぜこの管理者が自分の味った悲劇として語らねばならなかったか――処女作「悲劇文学の発生」をはじめ、語りと伝承者、悲劇文学の流通を論じる四篇を収録。『古事記』のなかに頻出する豪族和邇氏の存在に着目し、その謎と伝承との関わりを解き明かす。国文学者・角川源義の原点をさぐる、珠玉の論考集。解説・三浦佑之 「悲劇文学の発生」 「和邇部の伝承」 「まぼろしの豪族和邇氏」 「日本海時代――海の古代史」
  • 呻吟語 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
    4.0
    混沌の明の時代。高名な官僚であった陽明学者の呂坤が、役人たちとぶつかって官職を辞し、田畑を耕しながら30年かけて綴った「人間とはどうあるべきか、人生をどう生きるべきか」を説く一冊。日本でも大塩平八郎など多くの先人に影響を与えた。  「修身とは、まずは、長所を伸ばしながら、短所をそのままにしないことである。人は、短所に逆らい、従わないようにするならば、長所も日ごとに伸びる。」「厚みがあって、どっしりと、深い落ち着き、是が第一等、気が大きく強い、是が第二等、聡明で弁が立つ、是は第三等の資質である。」など、人生を諭す言葉をやさしく解説する入門書。 【目次】 はじめに [内篇] 性命─人間の本性と運命について─ 存心─正しい心のあり方とは─ 倫理─人間道徳の基本─ 談道─孔子の道を規範とする─ 修身─身を修めるための方法─ 問学─切磋琢磨して学ぶ─ 応務─対人関係で大切なこと─ 養生─健康長寿のために─ [外篇] 天地─世界は何でできているのか─ 世運─世の流れへの対処法─ 聖賢─聖人賢者も修養努力する─ 品藻─人間の品格とは─ 治道─統治の理念と方法─ 人情─日々の暮らしの心がけ─ 物理─万事万物の理─ 広喩─比喩で表す真実─ 詞章─文章作成の秘訣とは─ 『呻吟語』をめぐって 一、『呻吟語』と『菜根譚』─中国二大処世訓─ 二、呂新吾と科挙─合格者名簿に名が見えないのはなぜ─ 関係略年表 参考文献 あとがき 主要語句索引
  • 漫画 こころ
    4.0
    1巻1,485円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本人なら誰でも知っている、夏目漱石の「こころ」を、気鋭のBL漫画家が圧倒的画力で漫画化。 「こころ」は、エゴイズムと心の機微、罪への葛藤などが描かれ、高校の教科書にも掲載。 発行部数700万部以上、日本で一番売れたとされる小説。 こんな時代だからこそう、美しく堪能したい日本の「こゝろ」
  • あなたはなぜ同じ失敗をするのか?
    -
    失敗の種類を3つに分類。それぞれの起こるしくみを知り、対策を解説します! (1)錯覚や勘違い《ミステイク》…「11時の約束を17時と勘違いして怒られた」 (2)動作の失敗《アクション・スリップ》…「駅の改札でクレジットカードをかざしていた」 (3)記憶の失敗《ラプス》…「2階に資料を取りに来たのに、階段を上がったら何をしにきたのか忘れてしまった」 失敗をすると、自己嫌悪に陥ったり、ミスを恐れて消極的になってしまいがちに。さらに失敗が、取り返しのつかない事故に繋がってしまうことも……。失敗が起こるわけを知り、上手に防ぐことができれば、もっとクリエイティブに生きることができるはず。もうミスに凹まない、もうミスを恐れない!【読了時間 30分】 【目次】 ・はじめに ・「失敗」には3種類ある ・ミステイクとは何か? ・ミステイクはなぜ起きる? ・ミステイクを防ぐには? ・大勢で決めるとミスが起きやすい ・間違いが正しく見えたり、指摘しづらかったり…… ・ダブルチェックでミスが起こる ・アクション・スリップはなぜ起きる? ・スキーマの誤作動でアクション・スリップが起きる ・アクション・スリップを防ぐには? ・ラプスはなぜ起きる? ・記憶のエラーを防ぐには? ・ヒューマンエラーは「だめな人」が起こすのではない ・「失敗は起きるもの」という想定で仕組みを考える ・「安全」に対する2つのアプローチ ・柔軟性を追求した方が重大なミスは減る 【著者】 芳賀 繁(はが・しげる) 立教大学現代心理学部心理学科教授、博士(文学)。専門分野は産業心理学、人間工学。研究テーマは、ヒューマンエラー、不安全行動、作業負担、安全マネジメントなど。
  • 阿片常用者の告白
    -
    著者トマス・ド・クインシー(Thomas De Quincey 1785~1859)は、イギリスの文筆家。1804年、19歳のとき、当時は合法だった阿片を、歯痛への鎮痛剤として用い始め、のち中毒となった。このときの体験を独特の文体で綴ったのが本書で、阿片の愉悦と悪夢、それからの脱却を詳細にのべて大きな反響をよんだ。ボードレールをはじめ多く文人に影響を与え、ベルリオーズはこれに霊感を受けて「幻想交響曲」を作曲した。詩人ワーズワースとの交友はよく知られている。
  • ウィンザーの陽気な女房たち
    -
    小さな田舎町ウィンザーを舞台に、やくざで道化的な好色漢フォルスタッフが二人の夫人に言い寄ることで引き起こす「てんやわんや」。笑いとペーソスとドタバタ騒ぎのシェイクスピア喜劇の傑作。

    試し読み

    フォロー
  • 気概の人 石橋湛山
    5.0
    戦前はひとり敢然と軍部を批判するなど壮絶な言論戦を展開。戦後は初のジャーナリスト出身総理となるも自らの信念に基づき僅か2ヶ月で退陣。その気骨あふれる生涯を描いた伝記文学の最高傑作。 ――通勤電車の読書などで経済を独習し「日本のケインズ」といわれるまでになった自己改造の努力。日本が軍国化への道を進むなか、「小日本主義」を唱え、満州・朝鮮の放棄を主張した勇気。金解禁論争で世論に流されず、時の政権に堂々たる言論戦を挑み、時代を予見した識見。迫害を受けながらも、軍部を批判し言論活動を継続した使命感。そして戦後、総理大臣の地位に就きながらも、自らの信念にもとづき退陣した出処進退の見事さ。 ――日本ジャーナリズム史に燦然と輝く、巨人の思想と生涯をつづった渾身の伝記長編1100枚!  ※本書は2004年9月に東洋経済新報社より刊行された『気概の人 石橋湛山』を電子書籍化したものです。

    試し読み

    フォロー
  • 教養として知っておきたい 世界の名作50選
    4.0
    『罪と罰』『ユリシーズ』『百年の孤独』――世界中の人々に愛され、日本でも著名な文学作品は数多い。しかし、ストーリーのあらましを理解し、簡潔に説明できる人はどれほどいるだろうか。本書は、古今東西から50の名著を厳選し、作品発表当時の時代背景などを織り交ぜながら、その内容を平易に解説している。“現実のアポロ計画を100年前に先取りしていたSF小説のパイオニア”(『月世界旅行』)、“「吐き気」という生理現象を通じて哲学と文学の融合を試みた実存主義の聖典”(『嘔吐』)、“戦争を通じて恋愛悲劇を描いたハードボイルド文学の原点”(『武器よさらば』)、“平凡な家庭に訪れた突然の悲劇――現代人の孤独と不安を描く不条理文学の金字塔”(『変身』)など、大長編・難解作品でも、1作3分で早わかり! 「名作文学ワールド」への格好のガイドブック。

    試し読み

    フォロー
  • ストロベリィキスキス【合冊版】
    完結
    -
    全1巻550円 (税込)
    【この作品は同タイトルの合冊版です】「お前にこの世のものとは思えない快楽をやろう」憧れていた知的クールな文学青年・天童くんの正体は…、夢魔!? そんな天童くんに突然キスを奪われた私・凛子。金の目で見つめられながら、強引に絡められた舌は甘い熱に溶かされる。そしてその指に触れられると、アソコからは蜜が溢れてくるのが止まらなくなって…。天童くん、モテるし昨日だって他の女の子とイチャイチャしてたじゃん! その娘たちで満足でしょっ!? えっ、私のカラダが、滅多にない「神々の果実」とか呼ばれる極上のエモノだからですって!? 夢魔にロックオンされちゃった私。このまま処女も奪われちゃう!?
  • 世界の名作を読む 海外文学講義
    -
    時を超え、世界中で読み継がれる文学の古典は、21世紀を生きる私たちにとってなお身近な感覚や切実な問いを突きつけている。 『ドン・キホーテ』『罪と罰』『ボヴァリー夫人』『失われた時を求めて』などの大作から、チェーホフやカフカ、メルヴィルの短篇まで、フィクションを読む技法と愉しみを知りつくした4人が徹底解説。 放送大学でロングラン9年の大人気講義に原典の名訳・新訳を交えて再構成した、海外文学案内の決定版。 ※本書には、紙版の第16章に収録されている下記3作品の抜粋は、版権上の理由により収録されておりません。   イタロ・カルヴィーノ『魔法の庭』 (和田忠彦訳)   イタロ・カルヴィーノ『楽しみはつづかない』 (和田忠彦訳)   イタロ・カルヴィーノ『ある夫婦の冒険』 (和田忠彦訳)
  • 続 明暗
    4.4
    漱石の死とともに未完に終わった『明暗』──津田が、新妻のお延をいつわり、かつての恋人清子に会おうと温泉へと旅立った所で絶筆となった。東京に残されたお延、温泉場で再会した津田と清子はいったいどうなるのか。日本近代文学の最高峰が、今ここに完結を迎える。漱石の文体そのままで綴られて話題をよび、すでに古典となった作品。芸術選奨新人賞受賞。
  • 墓に唾をかけろ
    -
    白人どもを殺せ! おれの黒い血が騒ぐ――パーティーで出会った金持ち美人姉妹を獲物に狂気の行動に走る白い肌の黒人青年リー。真夏に爆発する若者たちの暴力とセックスを描く衝撃の発禁小説!
  • パロマー
    4.0
    中年男性,職業不詳,妻と娘1人,パリとローマにアパートを所有.それがパロマー氏だ.彼は世界にじっと目を凝らす.観察に徹しようとする彼は,しかし….視覚的・文化的・思索的経験という3種の主題領域がそれぞれ記述的・物語風・瞑想的に書きあらわされ,三層に三重に積み重なって27の短篇が響き合う,不連続な連作小説.

    試し読み

    フォロー
  • 果樹園のセレナーデ
    4.0
    荒廃した果樹園の古びたベンチにすわって、ひとり静かにヴァイオリンを奏でる美少女キルメニイ。悲運の母の偏愛ゆえに世間から隔絶された口のきけない少女に、大学を出て赴任してきた若い臨時教師エリックが真実の愛をそそぎ、奇蹟を起こす、この美しい愛の物語は、『赤毛のアン』で知られ、生涯青春の情熱を失わなかったモンゴメリ女史の実質的処女作。

    試し読み

    フォロー
  • 少将滋幹の母
    4.1
    八十歳になろうとする老大納言は、若い妻を甥の左大臣に奪われるが、妻への恋情が断ちきれず、死んでしまう。残された一人息子の胸にも幼くして別れた母の面影がいつも秘められていた――。平安期の古典に材をとり、母への永遠の慕情、老人の美女への執着を描き、さらに、肉体の妄執が理性を越えて、人間を愛欲の悩みに陥れるという谷崎文学の主要なテーマを深化させた作品。

    試し読み

    フォロー
  • 緋色の研究
    3.9
    文学の知識─皆無、哲学の知識─皆無。毒物に通暁し、古今の犯罪を知悉し、ヴァイオリンを巧みに奏する特異な人物シャーロック・ホームズが初めて世に出た、探偵小説の記念碑的作品。ワトスンとホームズの出会いから、空家で発見された外傷のないアメリカ人の死体、そして第二の死体の発見……と、息つく間もなく事件が展開し、ホームズの超人的な推理力が発揮される。
  • 星月夜
    5.0
    1巻506円 (税込)
    日本語教師として東京の大学で働く台湾人の柳凝月(りゅうぎょうげつ)と、新疆ウイグル自治区出身の留学生・玉麗吐孜(ユルトゥズ)。恋人同士の彼女たちだが、柳がともに日本で暮らす未来を思い描く一方で、玉麗吐孜の心は揺れ動いていた。家族、政治、セクシュアリティー。共通の言語を持ち、幾夜も語り合ったはずなのに、柳は彼女が背負うものの重さを知らずにいたことに気がつき……。「ここでなら、自由になれると思った」――新日本語文学の旗手が描く、異国の地で出会った二人の女性の静かな祈りの物語。
  • 山田全自動の日本文学でござる
    -
    1巻1,430円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 珠玉の名作文学を独自のタッチでコミカライズ! 読んだことがある人もない人も楽しめる“山田全自動ワールド" 【内容紹介】 ◎ちょんまげに着物姿の江戸時代の町人をモチーフとしたキャラクターによる日常のあるあるネタを、シュールなコメントとともに表現するイラストがインスタほかで大人気の山田全自動。古典落語の演目を漫画で表現した『山田全自動の落語でござる』もスマッシュヒットを記録 ◎本書はそんな彼の新機軸。「日本の文学作品」をテーマに、誰もが聞いたことがあるような作品を中心に、山田全自動ならではの表現でコミカライズ。明治以降の近代文学をメインとして、様々なジャンルの作品をセレクトしつつ、日本文学の魅力を独自のタッチで描く ◎全20作品の漫画を掲載予定。さらに作品や作家に関する解説コラム、「日本文学あるある」などのネタも収録しつつ構成。日本文学への興味や知的好奇心もそそられ、また文学入門としても最適の一冊に 【著者】 山田全自動 1983年生まれ。イラストレーター。ウェブデザイナー。江戸時代の町人をモチーフとしたイラスト、およびそれらに添えられたシュールなコメントが特徴。InstagramほかのSNSが人気を呼び、広告や企業コラボ、メディア露出などの実績多数。ライブドアブログ OF THE YEAR 2020 ベストクリエイター賞受賞。
  • 秋萩の散る
    4.5
    『若冲』『落花』等で注目の歴史小説家、 澤田瞳子の原点 デビュー作にして 中山義秀文学賞受賞作 『孤鷹の天』で描かれた 奈良の世に生きる人々の姿を 活写した傑作集! 【三省堂書店有楽町店 内田 剛氏絶賛!】 本作から澤田文学に触れた読者は極めてラッキーだ。 この著者のエッセンスと最大長所を余すところなく 知ることができるからだ。 歴史ものを書かせたらいま最も信頼のおける 書き手と言っても差し支えないだろう。 (解説より)
  • 現代語訳 竹取物語
    4.7
    光る竹から生まれた美しきかぐや姫をめぐり、五人のやんごとない貴公子たちが恋の駆け引きを繰り広げる。日本最古の物語をノーベル賞作家による美しい現代語訳で。川端自身による解説も併録。
  • 脳を鍛える携帯版大人のドリル
    3.5
    通勤時間や始業前に1回5分のトレーニングで、脳を鍛える! 古典の黙読と逆ピラミッド型の暗算で、脳のトレーニングができます。脳がもっとも活発に働くのは午前中。つまり、通勤中のトレーニングは、片手間に見えて、実は1番効果的なのです。朝、仕事前に脳を活性化させておくことで、より効率的に張りをもって取り組めるのでは? また、古典文学はちょっとした知識としても役立つでしょう。
  • 或る年の冬 或る年の夏
    値引きあり
    -
    性と思想に切り裂かれる青春を、頑なまでに潔癖に生き、後年の著者の、厳しく深い文学と人生を予感させる青春像。昭和初期に青春を生きた知識人が不可避だった「思想」問題、それを自らに苛酷に課した著者の苦闘、家族への深い愛。時代と自分の良心を誠実・厳格に生きた、著者の青春自伝。
  • 異邦人の立場から 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    5.0
    「人間の存在的な渇望は現実以上に真実である」――我々の現代と西欧の現代、その背後に脈々と流れる、我々が「本能的」に持つ汎神的血液と西欧の一神的血液。生涯のテーマ「日本人でありカトリックであること」を追求する、著者の最初のエッセイ「神々と神と」をはじめ、遠藤文学を確立した昭和40年代までを新編成。文学と信仰の原点と決意を語る熱きエッセイ。
  • 教祖の文学 不良少年とキリスト
    値引きあり
    4.7
    “人間は悲しいものだ。切ないものだ。苦しいものだ。……”“それでも、とにかく、生きるほかに手はない。……”“生きる以上は、悪より、良く生きなければならぬ。”孤独を“わがふるさと”として生き、混沌を混沌のまま生き、その坩堝の中から決然と掬いとった生き続けるための精髄。21世紀を生き抜くための強力な精神賦活の弾機!
  • 持続する志 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    3.8
    「被爆者の自己救済行動」「沖縄の戦後世代」他ヒロシマ、沖縄、核基地、憲法についての諸エッセイと、「安部公房案内」「中野重治の『梨の花』の文章」等戦後文学への豊かな考察を示す作家・作品論。全55篇。30代に入った著者は、己れの存在の根元に突きささる鋭い痛みの感覚をもって状況への誠実な発言を続ける。1960年代後半、『厳粛な綱渡り』後の第2エッセイ集。
  • 常識的文学論
    値引きあり
    -
    歴史小説、推理小説は「文学」に値するのか? ――大衆文化の隆盛とともに、文学の世界においても、大衆小説や中間小説が文壇の主流へと登場しつつあった1960年代初頭。こうした流れを、純文学にとってかわるものとして擁護する批評家の言も含め、歴史小説や推理小説の実体を根底的に批判した、ポレミックな文学論。<『蒼き狼』論争>となった井上靖への批判、深沢七郎の『風流夢譚』批判、松本清張批判など、スリリングな文芸時評16篇。 「昨年中から大衆文学、中間小説の文壇主流進出を認容する論調があった。現象自体は現代の大衆文化進展の一環であり、別に不思議もないが、われわれの伝統や世界文学史に基いた文学の理念をこわしてまでこれを擁護しようとする批評家が一部にあった。(略)私はそれらに対して、文学の原理を争うのではなく、諸君の礼拝している淫祠邪教の実体はこれなのだ、と摘発する方法によった。」(「序」より)
  • 文学の運命 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    -
    「目がくらむような出会い」と交遊――小林秀雄、中原中也、三好達治、桑原武夫、そして「スタンダール」との邂逅。混沌とした青春の放浪時代を出発点に、戦争・戦場・俘虜という「経験と意味」を確認すべく、図らずも小説家として世に出た文学的生涯。常に、文学・政治などすべてに閃めく大岡昇平の鮮烈な「眼」。著者の小説・評論の原点と「志」を語る名エッセイの数々。小説家にして優れた批評家でもあった大岡昇平、珠玉のエッセイ集!
  • 違星北斗歌集 アイヌと云ふ新しくよい概念を
    -
    「アイヌと云ふ新しくよい概念を内地の人に与へたく思ふ」 「滅亡に瀕するアイヌ民族にせめては生きよ俺の此の歌」 「滅び行くアイヌの為に起つアイヌ違星北斗の瞳輝く」 先住民族アイヌが公然と「亡びゆく民族」の烙印を押され、本来は「誇り高き人間」「立派な人」という意味を持つ「アイヌ」という言葉が侮蔑の響きをもって使われていた大正時代から昭和のはじめ。アイヌ民族復興のために立ち上がりその生涯を捧げ、病のため27歳で早世した歌人がいた。文庫ではじめて違星北斗の短歌、俳句、詩、童話、散文、ノートの記録を集める決定版。 【目次】 違星青年 金田一京助 短歌 医文学/小樽新聞/新短歌時代/北海道人/志づく/私の短歌/はまなすの花/ウタリ之友 日記 大正十五年七月十一日から絶筆 俳句 句誌にひはり/医文学/俳句/北海道 樺太新季題句集/月刊郷土誌よいち 詩 冷たき北斗/大空 童話・昔話 熊の話/半分白く半分黒いおばけ/世界の創造とねずみ/死んでからの魂の生活/烏と翁/熊と熊取の話 散文・ノート ウタリ・クスの先覚者中里徳太郎氏を偲びて/ぶちのめされた民族が/アイヌの一青年から/春の若草/我が家名/淋しい元気/淋しい元気/コクワ取り/アイヌの誇り/疑うべきフゴッペの遺跡 奇怪な謎 手紙 自働道話/子供の道話 コタン創刊号 目次/巻頭言 白路 凸天生/アイヌ神謡集序文コタン 知里幸恵/偽らぬ心 凸天/生活 自覚への一路 浦川太郎吉/「アイヌの姿」 北斗星/心の日記(後藤静香)/断想録(其ノ五) 十一州浪人/コタン吟(其ノ二) 十一州浪人/はまなし凉し/編輯余録/奥付 解題・語注 違星北斗年譜 解説 違星北斗その思想の変化  山科清春
  • キャラぱふぇブックス ちいかわ なかよしうらないブック
    -
    大人気「ちいかわ」のうらないブックが登場! ちいかわたちといっしょに、気になる自分の運命や、友情運、恋の行方をうらなっちゃおう☆ あなたのはどのキャラタイプ? 誕生日でみちびき出す運命数で、あなたの「ちいかわ」でのキャラタイプと、性格が分かるよ! 夢をかなえるための〈なんとかなれー!アドバイス〉つき♪ 星座うらないでは、友情運と恋愛運をチェック☆ ほかにも、コインうらないやサイコロうらない、夢うらないなどもりだくさんだよ! 友だちといっしょにうらなえば、おたがいの新しい一面も見えるかも……!? ぜひ、みんなでためしてみてねっ!
  • コウペンちゃんのやさしくなることば
    -
    1巻990円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 大人気のコウペンちゃんといっしょに、 あったかい気分になれる言葉をたくさんおぼえちゃおう! すべての言葉に、かわいいコウペンちゃんのイラストがついているから、 コウペンちゃんと楽しみながらおぼえることができるよ。 イラストはすべて、この本のための描きおろしなので、 コウペンちゃんファンは必見! オリジナルデザインのシールが2シートついているから、 いろいろなところにはって使ってね! (電子書籍版には、シールは収録されていません)
  • 袋小路の男
    値引きあり
    3.4
    高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。それでも日向子の気持ちが、離れることはなかった。川端康成文学賞を受賞した表題作の他、「小田切孝の言い分」「アーリオ オーリオ」を収録。(講談社文庫)
  • 源氏物語~愛と罪と~【電子版限定特典付き】 1
    3.8
    1~3巻484円 (税込)
    平安文学の金字塔を完全まんが化! 世界最古の恋愛長編小説ともいわれる「源氏物語」を、美麗な筆致で知られる森猫まりりが完全まんが化。物語は光源氏の誕生から始まる。後ろ盾のない桐壺と帝の悲恋、その桐壺にそっくりな藤壺の入内・・・。やがて美少年に成長した源氏は、禁断の恋に身を投じてゆく―・・・。●収録作品/「源氏物語~愛と罪と~」桐壺編、「源氏物語~愛と罪と~」藤壺編 第1夜~第3夜 電子版限定かきおろし&電子限定美麗イラストギャラリー付き!
  • 小泉八雲 日本美と霊性の発見者
    3.0
    教師として日本各地を訪れた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、庶民生活の中にある「単純、善良、素朴さ」を愛す一方、西洋化を推し進める「新日本」に幻滅する。彼が見つめ、追い求めたものとは何か。横浜上陸から松江・熊本・神戸そして東京で亡くなるまで――八雲文学研究と邦訳の第一人者が、作品・書簡・講義録等から、十四年間の足跡と心の軌跡を辿る。いま、私たちが見直すべき日本文化を再発見するための八雲案内。 はじめに――失われゆく日本の心を見つめて 第一章 小泉八雲はなぜ日本にやって来たのか――漂泊・幽霊・ユートピア 1 激情家・小泉八雲の生涯をたどる 2 日本という永遠のヴィジョン 3 八雲の松江 松江の八雲 4 二つの日本ござ松江から熊本へ 5 なぜ熊本を去ったのか 第二章 教育者としての小泉八雲――想像力・共感・非個性 1 教育への情熱 2 教育における想像力とは何か 3 語り部のかたりなす文学講義 4 〈ゴーストリィー〉なものの響き合い――『怪談』と『講義録』の関連性 第三章 小泉八雲が私たちに語りかけてくるもの――死者と生者の共同体 1 原風景をたどるござ自伝的断篇が伝える霊的世界 2 夢の小宇宙としての再話文学 3 〈永遠に女性的なるもの〉をめぐって 4 妖精たちの棲むところ 小泉八雲略年譜 参考文献(参照した八雲関係の著作) あとがき――真・善・美へと向かう歩み
  • 人間失格 アニメカバー版
    -
    1巻308円 (税込)
    ≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!通常表紙版と内容が同じ商品です。ご注意ください。≫ 無頼の生活に明け暮れた太宰自身の苦悩を描く内的自叙伝であり、太宰文学の代表作である「人間失格」と、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描き、命日の由来にもなった「桜桃」を収録。 <シリーズ累計250万部突破!「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。 舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰 治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――!
  • 宮沢賢治 傑作選
    5.0
    1巻220円 (税込)
    『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』…… 誰もが一度は読んだことがある有名作・人気作を完全網羅!!宮沢賢治10作品!! ●銀河鉄道の夜 ●注文の多い料理店 ●グスコーブドリの伝記 ●セロ弾きのゴーシュ ●よだかの星 ●やまなし ●オツベルと象 ●なめとこ山の熊 ●どんぐりと山猫 ●風の又三郎
  • 増補 『徒然草』の歴史学
    -
    無常観の文学として読まれてきた『徒然草』を歴史学の立場から探る。兼好が見、聞き、感じたことの背景にある事実と記憶を周辺史料で跡づけ、中世人の心性や時代と社会の輪郭を描き出す。増補改訂版。
  • 臣女(おみおんな)
    3.8
    夫の浮気を知った妻は身体が巨大化していった。絶望感と罪悪感に苛(さいな)まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。しかし、大量の食料を必要とし、大量の排泄を続ける妻の存在はいつしか隠しきれなくなり、夫はひとつの決断を迫られることに──。恋愛小説に風穴を空ける作品との評を得、満票にて第22回島清恋愛文学賞を受賞した怪作! 【解説】小池真理子
  • 正徹物語 現代語訳付き
    -
    連歌師心敬の師でもある正徹の聞き書き風の歌論書。自詠の解説、歌人に関する逸話、歌語の知識、幽玄論など内容は多岐にわたる。分かりやすく章段に分け、脚注・現代語訳・解説・索引を付した決定版。
  • 江戸文学掌記 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    4.0
    狂歌師・宿屋飯盛はその族籍を四民の外の「遊民」に区分けられたという。名称に潜む軽侮、対する反骨。文学の毒を練り風雅の妙を極めた「遊民」たる江戸文人たちの人、生活、作品を論じ、江戸文学の根幹に迫って精髄を伝える石川淳の真骨頂8篇。「山東京伝」「横井也有」「其角」「長嘯子雑記」ほか。読売文学賞受賞。
  • 作家は行動する
    値引きあり
    -
    「人間の行動はすべて一種のことばである」ーー文体は書きあらわされた行動の過程、人間の行動の軌跡である。ニュー・クリティシズムやサルトルの想像力論の批判的摂取を媒介に、作家の主体的行為としての文体を論じた先駆的業績であり、著者自らの若々しい世代的立場を鮮烈に示した初期批評の代表作。石原慎太郎、大江健三郎らの同世代の文学と併走しつつ、文学の新たな可能性の地平を提示する。
  • 点滴 釣鐘の音 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    5.0
    中学時代、朽木三助のペンネームで森鴎外に手紙を出し、"一ぱいくわした"つもりが文豪の大手腕に舌を巻く『悪戯』。宿の水道栓から滴る微妙な音へのこだわりを互いに競った太宰との思い出から、その"最期"への無念さの籠る『点滴』。『鮠つり』『掘出しもの』『猫』等。詩魂を秘めた繊細と放胆、前人未到の文学世界を創造していった著者の昭和6年から30年間の珠玉のエッセイ47篇。三浦哲郎新編。
  • 内部の人間の犯罪 秋山駿評論集
    値引きあり
    -
    「犯罪」とは――。都市の空虚なビル、そのコンクリートの壁の上に、簡単な1本の線で描かれる「人間」の形である。少年による「理由なき殺人」の嚆矢、小松川女高生殺人事件。犯人の少年の獄中書簡に強く心を衝たれた著者は、動機の周りを低回する世間の言説に抗し、爆発的な自己表現を求めた内部の「私」の犯罪であるとする文学の言葉を屹立させた。他、永山則夫、金嬉老など、犯罪を論じた評論17篇を精選。
  • なまみこ物語 源氏物語私見
    値引きあり
    4.2
    贋招人(にせよりまし)姉妹によるいつわりの生霊騒動等、時の権力者・藤原道長の様々な追い落とし策謀に抗する、中宮定子の誇り高き愛を描いた女流文学賞受賞作「なまみこ物語」、『源氏物語』の現代語訳の過程で生まれた創見に満ちた随想「源氏物語私見」の二作を収録。円地文子の王朝文学への深い造詣と幼い頃からの親和に、現代作家としての卓抜な構想力が融合した二大傑作。
  • 人と人影 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    -
    《白雲なびく駿河台……》自作の明治大学校歌をきいて涙滂沱の老詩人・児玉花外の深い悲しみ。対局前、将棋を放念し無心の散策をする大山康晴名人。窓辺の風に微かな音色を奏でる、太宰治の形見の琴。人生の途上で巡り合った人々の、心に残る鮮烈な記憶と忘れ難いその風貌を、温もりある自在の筆で綴る。井伏鱒二の文学の精髄を伝える、36篇の珠玉の名随筆。
  • 未成年・桃 阿部昭短篇選
    値引きあり
    5.0
    敗戦で失職した元海軍大佐の父。時代に背を向け不器用に生きた父と家族の「戦後」を、激情を内に秘めた簡潔な表現で描いた「未成年」(「父と子の連作」の一)。幼年期の記憶のヴェールに揺曳する一情景を、繊細な筆致で甦らせる「桃」。阿部文学の通奏低音である湘南の大自然と朽ちていく人の家を対比、早過ぎた晩年の心境を刻む「水にうつる雲」。澄明な文体と深いユーモアで人生の真実を描いた、短篇の名手の名篇10篇を精選。
  • 猛犬 忠犬 ただの犬
    値引きあり
    4.0
    こよなく動物と自然を愛し続けた著者の自伝的小説。少年から青年へと成長していく過程でさまざまな犬との出会いと別れを綴った作品。……「動物文学」というカテゴリーを確立し、国民の支持を得た戸川幸夫の原点ともいうべき自伝的小説。もの心つく前から動物好きであったという著者が、さまざまな気質の犬と育った幼い頃から、運命的な犬との出会いをする旧制高校時代までを、愛情を持った動物への的確な観察眼で描き切る。それは犬への鎮魂歌であるとともに、おのれの成長の証であった。動物文学の第一人者が犬と語り続けた自伝的小説。
  • 陽気なクラウン・オフィス・ロウ
    値引きあり
    4.0
    こよなく愛したC・ラムを巡る英国への旅。香り高き紀行文学――英国の名文家として知られ、今もなお読み継がれているチャールズ・ラム(1775~1834)をこよなく愛した著者が、ロンドンを中心に、ラムゆかりの地を訪れた旅行記。時代を超えた瞑想が、ラムへの深い想いを伝え、英国の食文化や店内の鮮やかな描写、華やかなる舞台、夫人とのなにげない散歩が、我々を旅へと誘ってくれる。豊かな時間の流れは、滞在記を香り高い「紀行文学」へ。 ◎「この『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』では、作者がいわばロンドンの空気の中に丸ごと溶け込み、心ゆくまでロンドンという大都会の古びた湯船にゆったりと身を横たえ、ラムへの尽きぬ思いに浸っているということだろう。この滞在記にただよう一種沁み沁みとした哀感は、ここに由来する。」<井内雄四郎「解説」より>
  • 落花 蜃気楼 霊薬十二神丹
    値引きあり
    -
    闊達自在、卓抜典雅な文章で貫ぬかれた揺るぎない批評眼、飛翔する想像力。世相を鋭く風刺し、幻想的世界と現実とが交錯する石川文学中期作品群7篇。──かつて東北の鄙びた温泉場で、俄に腹痛におそわれた〈わたし〉が、土地に伝わる丸薬でそれを治した話に始まる「霊薬十二神丹」ほか、「落花」「近松」「今はむかし」「蜃気楼」「かくしごと」「狐の生肝」を収録。
  • わが切抜帖より 昔の東京
    値引きあり
    -
    新聞・雑誌などの記事や文章の切抜き、それらへの感想、ささやかな集積が、やがて永井龍男の美学と結びつき、精妙な確かなある空間と人生を静かに形成して行く。読売文学賞受賞の「わが切抜帖より」と、著者がかぎりなく愛する“昔の”東京にかかわる随筆群を併せて収録する、“昔の”東京の“背骨”と呼ぶべき1巻。
  • わが美的洗脳 大岡昇平芸術エッセイ集
    値引きあり
    -
    14歳、初めて聴いたベートーヴェン「第五」に一撃を喰らい、26歳、スタンダールの手引きで出合った「フィガロ」に震駭、熱烈なモーツァルティアンに。その音楽の魅力を音符にまで遡って究めんと50歳を過ぎてピアノと作曲法を学ぶ――。音楽は単なる趣味を超えて、その人生と文学に霊感を与え、更なる真摯な探求に彼を駆り立てた。音楽、映画、演劇等、芸術随想46篇に、武満徹、吉田秀和との対談を併録。
  • イチョウの自然誌と文化史
    -
    1巻2,640円 (税込)
    古来から日本人にとって親しみ深いイチョウは、ギンナン料理はもとより、街路樹として植えられ、シンボルマークや文学作品にも数多く登場してきた。明治時代、平瀬作五郎と池野成一郎によるイチョウやソテツの精子発見は、日本人が世界に先駆けて行った独創的な研究であるが、本書では、その舞台背景を当時の貴重な資料とともに紹介する。また、絶滅しかけたイチョウが、人間活動により世界中に「生きている化石」として分布を拡げてきた事実を知ることは、生物種の多様性を保全する見地からも大変重要である。イチョウの植物学的側面や、その文化史に興味のある方にぜひ一読をお勧めしたい。
  • 読書する人だけがたどり着ける場所
    3.9
    ●読書術の大家が、ネット時代に教える「だからこそ本を読む」理由 「ネットがあるのになぜ本を読むのか」。 そんな話もありますが、本当にそうでしょうか? 私たちは日々情報には触れていますが、そこで何が残っているのかというと、 ただ無為に情報を消費しているだけ、のような状況もあります。 本を読むことでしか学べないことは、確実にあります。 文学・読書の大家である齋藤先生が、今の時代だからこそ勧める「読書する理由」と、 「人生と知性に深みをつくる読書」の仕方を紹介します。
  • 20歳の自分に教えたい本物の教養
    4.5
    「教養」と聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか? 学校で学べる科目、独学で身につける知識、時代や場所を越えて受け継がれる学問……どれも間違いではありません。 ただし、私たちが生きるこの時代は不確定要素が多く、人・場の状況・お金などの環境要因に振り回されるシーンも数多く存在します。 そんな中で、「自分は何を基準にどう行動するのか?」「何を大切に生きていきたいか?」という、思考や判断のベースを築く教養こそが、今求められているのです。 本書ではそれを「本物の教養」と呼び、【お金・資本】【宗教】【哲学・思想】【歴史】【芸術】【言葉と文学】の6テーマを厳選しました。 これらはどれも、奥深き教養の世界の土台を支える柱……6つあるので、六角柱を想像してもらえればピッタリです。 昨今の世界的な戦争やパンデミックに代表される、予測不可能な生きづらい時代を、より良く、そしてより豊かに生き抜くためのエッセンスが、本書にはつまっています。まさに教養の玉手箱と言えるでしょう! 単に複数の知識を持っているだけでは見えてこない、「知」と「知」の連鎖反応によって切り拓かれた世界に到達した人こそが、本物の教養人なのです。 さあ、「知の貧困」を脱し、みなさんも味わい深い探究の旅に出かけませんか? ※カバー画像が異なる場合があります。
  • アルケミスト双書 物語のつむぎ方入門 〈プロット〉をおもしろくする25の方法
    -
    小説・映画・演劇など、物語をどのように構成すれば、読者の興味を引くかということに関して、基本的なセオリーがある。ストーリーテリングにおけるプロット(筋立て)は、その基本中の基本。本書ではプロの作家が、理論と具体的なプロットをつくる技術を紹介し、プロットをどのように操作すればドラマチックな効果が得られるかを伝える。作家を志す人がアイデアをしっかりとした作品に育てることを目的とした実践的な本。
  • 官能文学電子選集 藍川京『紅蕊日記』
    5.0
    夫の再就職問題で知人だった佐久間に相談したことで、美人妻・千亜紀の運命は急転していく・・・・・・。 夫・真人が勤めていた大手銀行が倒産。再就職に悩む真人のために29歳になる貞淑な妻・千亜紀は学生時代にバイトしていたときに知り合った大手損害保険会社の元専務だった佐久間德二郞に相談した。すると、佐久間からはかつていた会社への再就職を条件に千亜紀の体を弄ぶ。そして、要求は次第にエスカレートしていく。夫のためとはいえ、佐久間に体を許したことが千亜紀の胸に悔恨の念を宿す一方で、体は佐久間にされた破廉恥な行為を待ち望んでいくのであった。そして、佐久間の命令で入った華道教室で講師として待ち構えていたのは佐久間の後妻である美和だった。バイセクシャルである美和のテクニックに千亜紀は頭では拒むものの、体はいつしか美和を求めるようになっていく。精神的に崩壊しそうになると思いつつも、抗うことのできない快楽に千亜紀は溺れていくのであった・・・・・・。
  • 官能文学電子選集 館淳一『背徳の眩暈』
    -
    美少女アイドルとその母親の元に悪徳所属事務所社長から命を受けたヤクザたちが向かい、陵辱の限りを尽くすのだが・・・・・・。 暴力組織とも繋がりのある芸能事務所社長の勝山は、手段を選ばない男だ。移籍を画策するアイドルは手下のヤクザを使い、陵辱してその様子をカメラに収めて脅迫。移籍封じするどころか、美少女好きの政治家に抱かせるなど骨の髄までしゃぶり尽くしてきた。今度の標的は、人気アイドルの宇佐美メグだ。まだ男を知らない純情な少女だ。熟れた母親・あき子と写真集撮影のために事務所の社員寮に滞在していた。そこに勝山の息がかかった2人のヤクザが忍び込み、まずは母親に陵辱の限りを尽くす。心ならずも体が反応してしまうあき子。ヤクザに犯されながらも我を忘れ、激しく反応し、よがり超えをまき散らして悶え狂う。その様子を見せつけられるメグも一糸まとわぬ真っ裸にされる。その姿に興奮したチンピラのテツは自らの肉棒をメグの口に押し込もうとするのだが、そこでメグが反撃し、膨張したテツのイチモツを爪切り鋏で思い切り切り刻む。そしてあき子を弄んで風呂に入っていた兄貴分のサブに向かってメグが出刃包丁を突き立てて、黒幕の名前を聞き出す。大どんでん返しの結末は・・・・・・。 この「柔肉の報酬」に加え、「悪女の肉宴」「娼婦母 禁断の約束」「注文の多い人妻モデル」ほか計6編を集めた名手・館淳一の短編集。
  • 高野聖
    3.8
    1巻462円 (税込)
    飛騨から信州へと向かう僧が、危険な旧道を経てようやくたどり着いた山中の一軒家。家の婦人に一夜の宿を請うが、彼女には恐ろしい秘密があった。耽美な魅力に溢れる表題作や、滝の白糸で知られる「義血侠血」、「夜行巡査」「外科室」「眉かくしの霊」の5編を詳しい解説とともに収録。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • 桜の森の満開の下
    値引きあり
    -
    戦前から戦後にかけて活躍した坂口安吾は、近現代日本文学を代表する無頼派作家として 純文学や歴史小説、推理小説、随筆、評論など、さまざまな作品を生み出しました。 本作は、そんな坂口安吾の代表的な短編小説です。 大昔、桜の木の下は現代のように愉快な場所ではなく、人の心を狂わす恐ろしい場所とされていました。 荒々しい山賊もまた桜を恐れるあまり、満開の桜の下を通る旅人を襲い、 着物を奪ったり女をさらったりして暮らしていました。 しかし、都からやって来た美しい女をさらい、無理矢理妻にしてからというものの、 山賊の暮らしは一変、山賊は女の言うがままとなり、哀しい結末へと導かれていったのです。
  • インディヴィジュアル・プロジェクション
    -
    1巻385円 (税込)
    最後の一文字に驚愕する、知的スリルに満ちた現代文学の金字塔。渋谷で映写技師として働くオヌマは、かつてスパイ養成塾に在籍していた。オヌマの日記から伝えられる、プルトニウム爆弾を巡るヤクザとの攻防や、その撮影フィルムの存在……次第に気味悪く変調する日記は、一体何を明かすのか?
  • さらに女王様が教えるSMの作法
    3.5
    快楽への階段をのぼりつつあるSM愛好家へ  好奇心豊かなSMファンに贈る、異色の“SMエッセイ”第2弾。  SMプレイに興味を持ち、さらにどんなことができるんだろうと思ったあなたにぴったりなエピソードが満載です。  アナルは、拡張していくと手が入ってしまう? 処女でも童貞でもSMはできる? 奴隷と女王様の間に存在する「奴隷契約書」とは? 金蹴りを好むM男性? 医療プレイって? ……などなど、ハードプレイにおける注意点とあわせて紹介。  これを読んでしまったら、あとは実践と訓練あるのみ。その日からSMがしたくてたまらなくなること請け合いです。  めくるめくSMワールドの深層がここにあります。 ・アナルに手が入ってしまったわ ・尿道に異物を挿れられたいかしら? ・女王様への無粋な言葉、M男性へのタブーワード ・SMグッズに黒が多いのはどうしてかしら? ・童貞君のSM調教 ・お金持ちでなければ、SMを嗜んではいけないのかしら? ・奴隷契約書って何かしら? ・奴隷の譲渡は可能かしら? ・いっそ、人間でなくなってしまうというのはいかが? ・SMにおけるタトゥーは、どんなスパイスなのかしら? ・真性女王様と職業女王様の見分け方はご存知? ・SMスタジオってご存知かしら? ・ペニスの大きさによって、言葉責めは変わるのかしら? ・剃られることで精神的な拘束を得たいかしら? ・SMにおける三種の神器って何かしら? ・そんな太いものが入るのかしら? ・不可能だとはわかっていても、願望しちゃうわよね ・放置プレイも、またオツなものよ ・浣腸を取り入れてはいかが? ・処女でもS男性にお仕えできるのかしら? ・M男性へのお仕置きって、どんなものがあるのかしら? ・どんなご褒美がお好みかしら? ・自吊り、自縛ってご存知かしら? ・射精管理されてみてはいかが? ・SMをしていたら、日常での思わぬ福利があったようね ・水責めはお好き? ・排尿を見せてごらんなさい ・一緒だと思ったら大違いよ ・男性の潮吹きって、ご存知? ・野外プレイはお好きかしら? ・プレイ嗜好って、男女で異なるのかしら? ・金蹴りプレイはお好きかしら?  ほか ●貴崎ダリア(きさき・だりあ) 1973年生まれ、東京都出身。10代のころに読んだSMに関連する文学作品に感銘を受け、交際男性との軽いSMごっこを経験して20代でSMクラブに所属。ミストレス(女王様)として活躍した後引退。現在はプライベートでSMや緊縛などを嗜んでいる。得意なプレイは緊縛および精神的に支配すること。趣味は「人間足置き」集め。身長172センチ。スリーサイズは88、59、87。
  • 美貌の教授は一途な司書に恋を甘く教える
    4.3
    大学卒業後も母校で図書館司書として働く野々花は、類い稀な美貌で多くの女子学生を虜にする桂川教授に学生の頃から憧れ密かに恋心を抱きつづけ、いまも奥手な文学少女のまま遠くから見つめるだけ。そしてある日、桂川教授が探していた本を届けに研究室を訪れたとき、女子学生との衝撃的な光景を目にしまい、慌ててその場を立ち去るしかできないほど激しく動揺する。すぐに弁明に訪れた桂川教授に対し意地になる野々花だったが──「こんなに綺麗な目をしているだなんて知らなかった」そっと触れられ溢れ出る想い。10年貸し出されたままの本に隠された桂川教授の過去とともに──甘く切ない最初で唯一の恋、そのたどり着く先は……。

    試し読み

    フォロー
  • 私だけの所有者
    5.0
    「はじめて」は、いつも痛くて、少し優しい。 日本エンターテインメントの最前線&最高峰! 日本を代表する4人の直木賞作家と、“小説を音楽にするユニット”YOASOBIによる奇跡のプロジェクト「はじめての」。 その第一弾となるYOASOBIの楽曲「ミスター」の原作となった、島本理生氏の小説「私だけの所有者 はじめて人を好きになったときに読む物語」を電子書籍で単独配信! アンドロイドの「僕」と所有者との間に何があったのか。 とある国の施設に保護された僕は、「先生」に手紙を書き始めたーー。 ※文字をやや大きくし、漢字にはルビを多めにふっています。 作家のファンはもちろん、全ての世代の方々に楽しんで頂ける、「はじめての」読書にもお勧めしたい小説になりました。 ■YOASOBIからのメッセージ 4作品全て本当に面白くて、読み終えた時、全作品、計4回「めちゃくちゃ面白かった!」と声に出し、原稿の前で拍手をしました。「はじめての」という一つのテーマから生まれた4つの色とりどりな物語が、それぞれ違うゴールへと向かう様に心が震えました。 (YOASOBI composer Ayase) はじめて読んだ物語なのに、私の奥底に眠っている記憶が呼び起こされるような体験でした。 4つの物語、4つの世界と出会って生まれたこの感動を、まっすぐに歌に乗せられたらと思います。 (YOASOBI vocal ikura) ■著者からのメッセージ 初めての挑戦をたくさん詰め込んだら、むしろ自分の原点とも言うべき、好きな人との物語になりました。恋よりも強い絆で結ばれた「私だけの所有者」にこの短編で出会ってください。 (島本理生) ■著者プロフィール 島本理生(しまもと・りお) 一九八三年東京都生まれ。中学生時代に執筆を開始し、一九九八年「鳩よ!」掌編小説コンクールに作品「ヨル」を応募し当選、年間MVPを獲得する。二〇〇一年「シルエット」で群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。二〇〇三年『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞、二〇一五年『Red』で島清恋愛文学賞、二〇一八年『ファーストラヴ』で直木三十五賞を受賞。他の著書に『ナラタージュ』『よだかの片想い』『星のように離れて雨のように散った』など。思春期の繊細な感情を鮮やかに表現し、若い読者からの支持も高い。
  • 虚妄の正義 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    -
    文学、芸術の全域にわたる鋭い文明批評の全7章――「変化しつつあるものは何だろうか? 芸術でない。政治でない。我々の時代の家庭である。」鋭敏な感性のきらめく詩集『月に吠える』や『青猫』でその天才的な稟質を示した近代詩人・朔太郎の、もう一つの詩人の優れた業績である〈アフォリズム集〉。警句と深い考察にみちた「結婚と女性」「芸術について」「孤独と社交」「著述と天才」「思想と闘争」など全7章。
  • 自伝の世紀
    値引きあり
    -
    文学の長い歴史のなかで成長を続けた小説ジャンルといえども、20世紀になるとその地位がゆらぎ、あたかも生命体のごとくに、老化衰退の様相を呈し始める。その間、自伝ジャンルは、「私」のイメージの拡大とともに、目ざましい急成長をとげる。本書は、自伝ジャンルこそ20世紀文学の中核的位置を占めるものである、という主張を基軸に執筆された、著者畢生の自伝論である。芸術選奨受賞作。
  • 毒薬としての文学 倉橋由美子エッセイ選
    値引きあり
    3.5
    学生時代、マスメディアに劇的に登場、常に現代文学に挑戦し続ける著者の『わたしのなかのかれへ』『迷路の旅人』『磁石のない旅』『最後から二番目の毒想』『夢幻の宴』の全エッセイ集から、1.日常と文学の周辺、2.作家・詩人関係に集約編集。「性と文学」「文学的人間を排す」他、坂口安吾、澁澤龍彦、三島、埴谷等、35篇。独創的世界を展開する著者の文学観、発想の源流を示す文芸文庫版エッセイ集。
  • 日本の文学論
    値引きあり
    -
    歌論、俳論というのは、日本の古典文学論ではあるが、それは古今集や新古今集の序文に見られ、また歌合の判詞などにも納得の行く形で表現されている。歌の心と詞、日本的美意識については、西洋の論理ですべて割り切れるものではない。明晰を越えた直観、それを著者は新たな批評の言葉として提起している。従来の日本語の批評言語を読み直すことで、日本文学の豊かさを示唆する画期的文学論。
  • パルタイ・紅葉狩り 倉橋由美子短篇小説集
    値引きあり
    4.2
    前衛党入党から離反までを、不毛な性愛の日々に重ね、内的手法で描いたデビュー作「パルタイ」以降、日本の文学風土から自由な、徹底した虚構を追究。そこからは、イメージの豊饒さと方法意識に貫かれた〈反世界〉が現れる。プロメテウスの罰を再現した「囚人」、白昼夢にたゆとう「夢のなかの街」等、初期作品から怪奇掌篇、寓意譚に至る9篇を収録し、著者の孤高なる文学的歩みをたどる。
  • 風俗小説論
    値引きあり
    4.0
    花袋『蒲団』を一刀両断。明晰な論理で描く日本近代リアリズム興亡史――「『破戒』から『蒲団』にいたる道は滅びにいたる大道であったと云えましょう」。日露戦争の直後に起こった文壇の新気運のなかで、その後の日本文学の流れを決定づける2作品が誕生した。日本の近代リアリズムはいかに発生し、崩壊したのか。自然主義から誕生した私小説が、日本文学史に与えた衝撃を鋭利な分析力で解明し、後々まで影響を与えた、古典的名著。

最近チェックした本