夫の浮気を知った妻は身体が巨大化していった。絶望感と罪悪感に苛(さいな)まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。しかし、大量の食料を必要とし、大量の排泄を続ける妻の存在はいつしか隠しきれなくなり、夫はひとつの決断を迫られることに──。恋愛小説に風穴を空ける作品との評を得、満票にて第22回島清恋愛文学賞を受賞した怪作! 【解説】小池真理子
Posted by ブクログ 2020年10月26日
これぞ夫婦愛!になるのかな?
夫が浮気をした。
妻にバレて妻の体が段々と大きくなる。
3m、4m、5m……。
妻は体の大きさに比例して口からは得体の知らない液体を出し大量の糞尿をする。夫は毎日それの片付けに手こずる。異臭が近所に漏れ騒ぎ出す。これ以上この家で妻を匿う事は難しい。5mにもなった妻をダ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月06日
夫の浮気を知り、絶望となった妻にもたらされた変化は巨大化だった。
妻の身長は4メートルを超え、服も着れない、外出もできない。ただ、大量の食料を食べ、大量の排泄をするだけ。そんな妻を眼の前にした夫は苦悩と嫌悪、愛情を投げかけながら、妻に尽くし続ける。
カフカの「変身」のように理由もなく異形になって...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月22日
切実なる恋愛小説。
浮気がバレた日を境に巨大化、異形化が止まらない妻。途中目を覆いたくなるような凄まじい描写があるのだけど、それでも夫の心情と同じように、妻のことが愛おしくなってくる。
妻との生活はどう考えても負担が大きく逃げ出したくなるのだけど、なぜだか決して離れたくはない感覚。たぶんこれは...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年11月18日
究極の不条理小説。
大量に食べては排泄を繰り返す巨大化した妻ナオミ。
彼女への贖罪と愛とで介護を続ける夫、石井。
なにしろ退廃的でグロテスク。
あり得ない設定のくせにリアルすぎる描写。臭いの記憶をすりこむようにリアルすぎる描写。
隣人、同僚教師、母。
干渉と絶望に揺れ、愛と憎悪に揺れる。
こ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月18日
エグい内容だけど夫婦の愛情を感じる話だった。
旦那は間違いをおかしてしまったけど、妻のことを愛し続ける。
どんどん人間ではなくなってゆく妻の醜く汚い部分を受け止めながらも昔の妻を思いだし自分の限界を奮い立たせてる旦那も、全てを受け止めてもらってる妻の心情もなんだか切なくなった。グロくて汚い話盛りだく...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年07月18日
夫の浮気を知った妻は身体が巨大化していった。絶望感と罪悪感に苛まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。しかし、大量の食料を必要とし、大量の排泄を続ける妻の存在はいつしか隠しきれなくなり、夫はひとつの決断を迫られることに。
すごい内容。衝撃的。
しかも便とか吐瀉物...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年05月03日
「グロ」と「夫婦愛」の融合。
家畜人ヤプー以来の奇作です。
内容は、夫の不倫を知った妻が突如、5mになるまで巨大化。
日常生活もままならなくなる中、懺悔と愛情の入り混じった心境で介護し続ける夫の戦いの物語です。
戦いといっても、大半が妻の食事や排泄処理。
排泄の描写は、スカトロファンにはたまらな...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月22日
本屋で読書芸人で紹介されてた本。 ストーリーも興味深くなかなか面白かった。 只、あまりにも糞尿の話が多く描写が細かいのでそれだけでお腹が一杯になってしまい、途中から話の本筋がすーっと入ってき難い。 そこまで糞尿のことを書く意味があるのか、あるとすればそれが愛する人を生涯守り抜くという覚悟を我々読者に...続きを読む