これはすごく評価が分かれそうな大人のファンタジーですね。
著者さんが元々詩人だけあって、文章がとても詩的です。
言葉をもたないことが、思考をやめたらどうなるのか、警鐘ともとれる物語。
この先のサイモンとリューシャンを想うと、労いたくもありほんとうにこれでよかった?と問いたくもなり。
でもきっと
...続きを読む二人はこれからも共に生きていくのだろうな。失った多くのものの記憶を携えてちゃんと生きていってほしいね。
しかし、この音で地図を描くとか、会話をするとか、すごい発想だなぁ。
万人に受け入れられることをたぶん求めていないようなそんな潔さを感じます。
君にこれを理解できるか?と問われているような。
一度読んで終わりではなく、きっと何年か経ってまた読むとまた違う理解が生まれるのかもしれない。
わかりやすい物語ばかりが持て囃される昨今で、こういう毛色の物語があるってことに救われた気もする。
果たして、自分は、この物語に受け入れられたのかしら。