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おとなは子どもにテロをどう伝えればよいのか
2015年1月7日、フランスの新聞社をテロリストが襲撃し、編集長や風刺画家ら12名が殺害されるという一連のテロ事件がおきました。このシャルリー・エブド事件のインパクトは、世界中の人々に表現の自由とは何かを改めて考えさせることとなりました。 本書はこの出来事を受け止めたフランスの著名作家が、娘との対話の形をとりながら、テロリズムとは何か、テロリストとは誰か、テロの恐怖とそれを乗り越えるにはどうしたらよいのかをめぐって、真剣に思索を深めていきます。 本書では、ライシテ(政教分離)などとの関連でテロの問題が論じられますが、話はフランス国内に限らず、世界中で拡大するイスラム原理主義にもとづくテロ全般に及びます。 国際社会においてテロが終息する気配は一向に見えておりませんが、ウクライナ情勢でむき出しになった国家の暴力や、日本における安倍元首相襲撃事件とその後の政教分離の政治問題化など、いまの社会の動向を考えるうえでも有益な知見を提供してくれます。 テロリズムはなぜ起きるのか? と疑問に思ったらまず読んでいただきたい一冊です。 -
秘密にしていたこと
時代を超えて読みたい家族の物語 少女の死をきっかけに家族がそれぞれ抱えていた秘密が語られ、一家の深い闇が暴かれる。 死の真相を追うというミステリーの枠組みこそあれ、そこで語られているのは差別によって 心を蝕まれた家族の崩壊と再生の物語である。 舞台は1977年、オハイオ州の架空の田舎町。16歳の少女が行方不明になり、数日後に湖で遺体で発見される。 物語はリー一家を中心に進んでいく。父親ジェームズ・リーは中国系アメリカ人の大学教授。ハーバード大学を 卒業したものの、教職に就いてからも周囲になじめずにいる。そんなコンプレックスから、ジェームズはリディアに「友達と同じように」「周囲にとけこむように」という夢を託し、プレッシャーをかけ続ける。 妻のマリリンは南部出身のブロンドヘアーの白人。医師を志していたが、ジェームズと出会って恋に落ち、 妊娠・結婚。夢をあきらめることになる。マリリンもまた、あきらめきれなかった夢を、自分と同じ青い目を もつリディアに託し、知らず知らずのうちにリディアを追い詰めていた。 長女のリディアは母親によく似た容姿で両親に溺愛される。青い目であっても、黒髪であること、父親が アジア系であることから、周囲にはなじめずにいる。 一方、長男のネイスと次女のハンナは父親ゆずりのアジア人顔だ。ネイスは、父から疎まれ、母から 無視をされ、鬱屈した生活を送っていた。ただ大学入学を機に、ついに家を出ることが決まっていた。しかし、 このことで、お互いを支えとしていたネイスとリディアの関係が変化し、リディアに決定的な暗い影を落とす。 妹のハンナは、家族から相手にされず、常に部屋の隅、机の下に隠れている。だが、誰よりも客観的に家族を 観察し、事件の真相に迫っているキーパーソンでもある。 本書では、章ごとに1950年代の両親のなれそめ、1970年代の現代を行き来し、家族が徐々に崩壊していく 様子が語られる。その語り手も、リー一家が章によって入れ替わり、それぞれの秘密を静かに暴露していく。 終盤ではリディアの語りによって、死の真相が明らかになる。 -
マーロー殺人クラブ
ジュディス・ポッツは77歳。ロンドン郊外マーローの古びた邸宅に独り住まいで幸せな日々を送っている。まわりには、仕事やウィスキーの量に口をさしはさむ人などおらず、退屈しのぎに「タイムズ」紙向けのクロスワード・パズルを考案している。ある夜、テムズ川で泳いでいると、ジュディスは残忍な殺人を目撃してしまう。地元警察は彼女の話を信じず、ジュディスは自ら事件の調査に乗り出すと決め、ドッグ・ウォーカーのスージーと、司祭の妻であるベックスを仲間に加え、「マーロー殺人クラブ」が誕生する。別の死体が現れたとき、3人は自分たちの行動範囲に連続殺人犯がいることに気づく。3人が解こうとしたパズルは、逃れることができない罠となる――。 -
春の心臓(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第25弾は、若き日の芥川龍之介が翻訳したアイルランドの文豪・イェイツ×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 少年は薔薇と百合とを両腕に抱えきれぬほど集めた。 アイルランドの湖のほとりで、老人と少年は今まさに秘密の儀式を執り行おうとしていた。 若き日の芥川龍之介が翻訳したイェイツの『春の心臓』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは江戸川乱歩『人間椅子』、夢野久作『死後の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
編集者とタブレット
編集者ロベール・デュボワが週末に原稿の束を抱えて帰ることはもうない。持ち帰るのは何本もの原稿の入ったタブレットのみだ。紙の本は消えてしまうのか? 読者は何を求めているのか? なじみのレストランでの、ワインと料理に舌鼓を打ちながらの著者との打合せも、もうなくなるのだ。今や、ワインよりビール、コーラとハンバーガーの若者たちが中心となり……彼らの提案の新鮮さに驚かされもする。おまけに行きつけの昔ながらのビストロはスシ・レストランに身売り! 紙に埋もれて生きてきた昔ながらの編集者デュボワが直面する時代の変化の嵐。当惑そして諦め……しかし軽やかに飄々とそれらを超越する彼。変わりつつある出版界と読書人たちに捧げる、小品でありながらも風格ある一冊。 -
青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集
〈 じつに、ウルフ的、もっとも、実験的。〉 イマジズムの詩のような「青と緑」、姪のために書かれたファンタジー「乳母ラグトンのカーテン」、園を行き交う人たちの意識の流れを描いた「キュー植物園」、レズビアニズムを感じさせる「外から見たある女子学寮」など。 短篇は一つ一つが小さな絵のよう。 言葉によって、時間や意識や目の前に現れる事象を点描していく。 21世紀になってますます評価が高まるウルフ短篇小説の珠玉のコレクション。 ――ウルフは自在に表現世界を遊んでいる。 ウルフの短篇小説が読者に伝えるものは緊密さや美や難解さだけではない。おそらくこれまでウルフになかったとされているものもここにはある。 たぶんユーモアが、そして浄福感が、そして生への力強い意志でさえもここにはあるかもしれない。(「解説 ヴァージニア・ウルフについて 」より) 【目次】 ■ラピンとラピノヴァ……Lappin and Lapinova ■青と緑……Blue & Green ■堅固な対象……Solid Objects ■乳母ラグトンのカーテン……Nurse Lugton's Curtain ■サーチライト……The Searchlight ■外から見たある女子学寮……A Woman's College from Outside ■同情……Sympathy ■ボンド通りのダロウェイ夫人……Mrs Dalloway in Bond Street ■幸福……Happiness ■憑かれた家……A Haunted House ■弦楽四重奏団……The String Quartet ■月曜日あるいは火曜日……Monday or Tuesday ■キュー植物園……Kew Gardens ■池の魅力……The Fascination of the Pool ■徴……The Symbol ■壁の染み……The Mark on the Wall ■水辺……The Watering Place ■ミス・Vの不思議な一件……The Mysterious Case of Miss V. ■書かれなかった長篇小説……An Unwritten Novel ■スケッチ ・電話……The Telephone ・ホルボーン陸橋……Holborn Viaduct ・イングランドの発育期……English Youth ■解説 ヴァージニア・ウルフについて——西崎憲 ■年表 ___________________ 《ブックスならんですわる》 20世紀の初頭、繊細にしてオリジナルな小品をコツコツと書きためた作家たちがいます。前の時代に生まれた人たちですが、ふっと気づくと、私たちの隣に腰掛け、いっしょに前を見ています。 やさしくて気高い横顔を眺めていると、自分も先にいくことができる、そんな気がします。いつも傍に置いて、1篇1篇を味わってみてください。 ___________________ -
シソンから、
《私たちの心には、“彼女”のかけらがあるから》 女性への暴力や不条理が激しかったころ、美術家として作家として、時代に先駆けて生きたシム・シソン。 ユーモアを忘れずにたくさんの仕事をし、二度結婚して四人の子供を育て、世の評判をものともしなかった人。 そんな〈家長〉にならい、自由に成長してきた子供と孫たちは、彼女の死後十年にあたり、ハワイでたった一度きりのちょっと風変わりな祭祀を行うことにするが…… 『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』のチョン・セランが贈る家族三代の物語。韓国で16万部を突破した待望の最新長編小説。 ――20世紀を生き抜いた女性たちに捧げる、21世紀を生きる女性たちからの温かな視線。 -
弓を引く人
【『アルケミスト』の著者、パウロ・コエーリョが贈る「人生を実り豊かにする」教え】 この国で最高の弓の達人である哲也は、現在、小さな村の普通の大工として生きていたが、 ある日、遠い国から来た別の弓の達人から挑戦を受けた。 哲也はこの挑戦を受けることによって、その弓の達人だけでなく、村の少年にも弓の真髄を 教えるのであった――。 「矢は一本一本、異なる飛び方で飛翔する。 あなたは何千本という矢を射ることができるが、 その一本一本が異なる軌跡を描いて飛んでゆく。 それが弓の道なのだ。」 プロローグ 仲間たち 弓 矢 的 姿勢 矢の持ち方 弓の握り方 弓の引き方 的を見る 矢を放つ瞬間 繰り返し 的に向かって飛翔する矢を見る 弓も矢も的も持たない射手 エピローグ -
ぼくだけのぶちまけ日記
兄のジェシーがいじめられていることは知っていた.でも,まさか父親の銃を持ち出して事件を起こすなんて…….13歳のヘンリーは心の傷を抱え,引っ越した町でひっそりと暮らしはじめた.なのに,プロレス好きの友だちや,世話好きな隣人が放っておいてくれない! 残された家族の叫びと希望を描く,カナダ総督文学賞受賞作. -
アリブランディを探して
ジョセフィン・アリブランディは,恋に,大学受験に大忙しの,オーストラリアの女子高生.お母さんは未婚でジョセフィンを産んでおり,おまけにアリブランディ家はイタリア系移民.ジョセフィンは,他人から貼られるレッテル全てから解放されたいと,切に願っています.そこへ,一度も会ったことのなかった父親が現れ……. -
鏡の中を数える
タイの人気作家プラープダー・ユンの、日本オリジナル編集による短編集。2002年、29歳にしてタイの最も権威ある文学賞である「東南アジア文学賞」を受賞した『存在のあり得た可能性』を含め、タイで発表された初期の人気短編集などの中から12編を厳選し、宇戸清治氏が構成・翻訳した2007年の同名書籍の電子版です。どの作品にも実験的アイディアとタイ語の言葉遊びが散りばめられ、日本の日常にそのままあてはまるほどリアルでクールな視点もみずみずしく、読む者に不思議な読後感をもたらします。著名な父を持つがゆえに「親の七光り」と向き合わざるを得ない複雑な自我を描いた「バーラミー」や、手から紙片が滑り落ちてから、屈んでそれを拾うまでの間の長大な追憶「存在のあり得た可能性」など、その新鮮な構想力と、散弾銃のように続く濃密でピュアな言葉の連射は「文芸アート」とも言えるもの。2000年代東南アジアの文学の季節に萌芽した傑作短編集として長く愛されることでしょう。 -
続けてみます
まだ時間はあるのです。世界が終わる瞬間にはゆっくりとたどり着くはずだから。 幼い頃に父を工場の事故で亡くしたソラとナナは、生活の意欲を失っていく母と行き着いた暗い半地下の住居で少年ナギと出会う。「無理してがんばったって、人生はある日突然断ち切られて、それでおしまい」。そう繰り返す母の言葉から抜け出せないまま大人になる姉妹と、行き場のない思いを抱え、暴力に飲み込まれていくナギ。世界の片隅でひっそりと寄り添う3人に訪れる未来のかたちとは――。 誰かを思う気持ち、拒む気持ち、責任、放棄、やすらぎ、恐れ……。現代韓国文学の旗手が、みずみずしくも濃密に生の息遣いを描く。第23回大山文学賞受賞作。 -
メアリ・ポピンズ
空から風にのってやってきた、メアリ・ポピンズと不思議な世界へ。 安野光雅が描く、美しい絵の中へ遊びにゆきます。 ある日、ロンドンの美しい桜通りに住むバンクス家に、こうもり傘を差した乳母、メアリ・ポピンズが東風にのって現れます。彼女がやってきてから、子どもたちは大喜び。指をぱちんと鳴らすと、魔法がかかったように散らかった部屋が片づき、不思議な鞄からは何で<bも出てきます。大道芸人の描く絵の中に入って遊んだり、空中に浮いたままお茶会を楽しんだり……。 日常の風景から、いつの間にか不思議な世界に入り、ひとしきり楽しむと、また当たり前の世界に戻る、空想物語の名作。 詩人・岸田衿子による軽やかな日本語訳と純粋な語感は、時を経ても色褪せず、安野光雅のあたたかく、ユーモアに彩られる空想あふれる絵は、心躍る世界を、そっと閉じ込めて思い出させてくれます。 著者について 作:トラバース(P.L. Travers) イギリスの児童文学作家。本名はヘレン・リンドン・ゴフ(Helen Lyndon Goff)。1899年、オーストラリアに生まれる。1924年、25歳の時にイギリスへ移住し詩人としてデビュー。その後、児童向けの小説や詩を多数発表。1977年、大英帝国勲章受勲。 訳:岸田衿子(きしだ えりこ) 1929年、東京に生まれる。詩人・童話作家。岸田國士を父に持ち、妹は女優の岸田今日子。東京芸術大学油絵科を卒業。詩集に『忘れた秋』『あかるい日の歌』『いそがなくてもいいんだよ』。絵本、童話に『かばくん』『帰ってきたきつね』『プッポコとペッポコ』シリーズ。童詩集に『木いちごつみ』『かぞえうたの本』『へんなかくれんぼ』『森のはるなつあきふゆ』。エッセイ集に『風にいろつけたひとだれ』『草色の切符を買って』。翻訳にアーノルド・ローベル『どろんここぶた』などがある。 絵:安野光雅(あんの みつまさ) 1926年、島根県津和野町に生まれる。BIB金のリンゴ賞(チェコスロバキア)、国際アンデルセン賞などを受賞。1988年紫綬褒章、2008年菊池寛賞、他を受賞。2012年、文化功労者に選ばれる。主な著作に『ふしぎなえ』「『旅の絵本』シリーズ(全9巻)」(福音館書店)、『本を読む』(山川出版社)、『小さな家のローラ』『赤毛のアン』『あしながおじさん』(小社刊)などがある。2001年、津和野町に「安野光雅美術館」、 2017年、京丹後市の和久傳の森に「森の中の家 安野光雅館」が開館。 -
あしながおじさん
「すてきなことがおこりました。あててみる?でもあたりっこない!」 100年以上にわたって世界中で読みつがれてきた名作が、詩人・谷川俊太郎氏の訳と 安野光雅氏の絵によって新たな感動とともに誕生しました。 孤児院でけなげに暮らすジュディは、ある日顔の知らない裕福な紳士の目に止まり、奨学金をもらって大学進学を果たします。 ジュディに課された条件は、かならず毎月おじさまへの手紙を書くこと――。 孤独だった少女が持ち前の明るさと想像力をもって、たくましく才能を開花させていく様子は、 時代をとわず読む人のこころを掴んで離しません。 読んだことのある方も、読んだ気になっていた!という方も。 ふてくされたり、調子に乗ったり、落ち込んだり、大喜びしたりと表情豊かなジュディの手紙を、 ぜひ受け取ってみてください。 ◎総ルビになっていますので、小学1年生から読むことができます。 ◎本シリーズの見どころであるカラーイラストを多数収録。 著者について 作:ジーン・ウェブスター (Jane Webster) 1876年、ニューヨーク州フリードニア生まれ。大学では英文学と経済学を学ぶ。在学中に社会事業に関心を持ち、孤児院などを訪問、文筆活動に入る。 父は出版社経営。母はマーク・トウェインの姪。 結婚して、翌年に女児を出産するがその直後、産褥熱により39歳の若さで他界する。 代表作は、『あしながおじさん』『続あしながおじさん』。 訳:谷川俊太郎(たにかわ しゅんたろう) 1931年東京生まれ。詩人。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。 1962年「月火水木金土日の歌」で第4回日本レコード大賞作詞賞、1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』で第34回読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で第1回萩原朔太郎賞、 2010年『トロムソコラージュ』で第1回鮎川信夫賞など、受賞・著書多数。詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、 作詞など幅広く作品を発表、世界各国で翻訳されている。 最新刊は、ディック・ブルーナ装画による詩集『バウムクーヘン』。 絵:安野光雅(あんの みつまさ) 1926年、島根県津和野町に生まれる。BIB金のリンゴ賞(チェコスロバキア)、国際アンデルセン賞などを受賞。 1988年紫綬褒章、2008年菊池寛賞、他を受賞。2012年、文化功労者に選ばれる。 主な著作に『ふしぎなえ』「『旅の絵本』シリーズ(全8巻)」(福音館書店)、『本を読む』(山川出版社)、『小さな家のローラ』(小社刊)などがある。 2001年、津和野町に「安野光雅美術館」、2017年、京丹後市の和久傳の森に「森の中の家 安野光雅館」が開館。 -
マビノギオン ――中世ウェールズ幻想物語集
英雄たちの闘い アーサー王が活躍する物語など計11編を収録。 詳細な注を付したウェールズ語原典からの完訳 アーサー王(アルスル)が活躍する物語など、古来カムリ人たちが語り紡いできた数々の伝承を収録。詳細な訳注を付したウェールズ語原典からの完訳。 === カムリ人と呼ばれるケルト系の人々がウェールズの地で古来語り紡いできたさまざまな伝承や神話。それらを11世紀以降に修道士たちが収集しまとめあげたとされるのが、散文物語集『マビノギオン』である。その内容は、神話の影響を色濃く受けた不思議話から宮廷文学風のロマンスまで多岐にわたり、『マビノギオン』という書名の由来となった「マビノーギの四つの物語」のほか、アーサー王(アルスル)が活躍する話や、聖杯探索で知られるパーシヴァル卿の原型となった人物であるペレドゥルの冒険譚などが収録されている。詳細な訳注と解説を付した、ウェールズ語原典からの完訳。 【目次】 日本語版の刊行によせて/『マビノギオン』への長い旅 マビノーギの四つの物語 ダヴェドの大公プイス スィールの娘ブランウェン スィールの息子マナウィダン マソヌウイの息子マース カムリに伝わる四つの物語 マクセン・ウレディクの夢 スィッズとスェヴェリスの物語 キルッフとオルウェン ロナブイの夢 アルスルの宮廷の三つのロマンス ウリエンの息子オウァインの物語、あるいは泉の貴婦人 エヴラウクの息子ペレドゥルの物語 エルビンの息子ゲライントの物語 訳注/解説/『マビノギオン』の物語を追って/参考文献/地名一覧/人名一覧 -
もっと、わたしらしく(アリシア・キーズ自伝)
★グラミー賞15冠、CDセールス6500万枚、楽曲再生65億回ーー世界的歌姫が自らの半生を赤裸々に語り尽くした著者史上最高傑作! ★米国Amazon2,600件以上で「星4.8」の超人気ベストセラー、初の邦訳! ★「自分の本当の価値を見つけ出す」ためのパワフルなメッセージに勇気づけられる人が続出! 世界で最も称賛されるミュージシャンの一人であるアリシア・キーズは、 その魂のこもった歌詞、驚異的な音域、そして心揺さぶられるピアノによって世界を魅了してきた。 しかし、華やかな人生を歩む一方で、人知れず個人的な苦しみを抱えていた―― 厄介で複雑な父親との関係、人を喜ばせたいという性格が高じて自らを追い詰めてしまった葛藤、恋愛におけるプライバシーのなさ、そして「完璧な女性であるべきだ」という期待からの重圧。 有名になるにつれ、アリシアの「表向きの個性」が奥深くにある「本当の個性」を覆い隠してしまい、彼女は何年ものあいだ、自分の本当の価値に気づくことすらできなかった。 こうして長いあいだ自らを抑え込む日々を送った末に、 彼女はついに、ある「問い」への答えを求めはじめるーー 「わたしは、本当は誰なの?」 本書を通じて、アリシアは真実を求めようとする自分自身の姿を初めてさらけ出してみせた。 自分自身について、自分の過去について、 そして、自分の気持ちを犠牲にすることをやめ、自らを大切にしようとする確固たる思いについて。 彼女が内側から変化していく姿を通して、 ぜひ、読む人一人ひとりが「本当の自分らしさ」を見つけ出すヒントにしてほしい。 -
武漢病毒襲来
妻子の待つ武漢へ、新型肺炎が蔓延し封鎖された中国をゆく男の決死行。 中国からの亡命を余儀なくされた作家が放つ渾身のコロナ文学。 本書は2通りの読み方ができます。まず、新型コロナ発生源となった中国で何が起きていたかを描くものとして―― 反骨の亡命文学者が、コロナ禍下の民衆の悲劇と、それを隠蔽する国家の罪を暴く告発の書として。そしてまた、 いち早くコロナ禍に正面から挑んだ現代小説として――封鎖された大地を旅する艾丁を通じて、現在の「中国」が、 スリリングに、ときに大らかに描かれてゆきます。病毒の街・武漢で、艾丁を待ちうける運命とは……。 -
チェリー
主演・トム・ホランド(『スパイダーマン』)&監督・ルッソ兄弟(『アベンジャーズ』)で映画化決定! ニューヨーク・タイムズが2018年の必読書に選出。ワシントンポストなど各紙絶賛! 「ニコ・ウォーカーは服役中の銀行強盗だ。そして必読の作家でもあることを本書で証明した」――ワシントン・ポスト 「会話は音楽的でリアルで、すぐそばから聞こえてくるようだ」――ニューヨーク・タイムズ 戦争から帰った青年はなぜ連続強盗犯になったのか。痛々しい青春小説と荒々しい犯罪小説を交錯させて獄中作家が綴ったベストセラー。 この小説では、人生の転落の軌跡が生々しい言葉で語られる。大学時代の恋人との日々、兵役についてイラクの戦地で目にした凄惨な体験。 PTSDを癒やすためのドラッグ――それが彼を追い詰めてゆく。この世界の底の底へ。 スタッカートする荒い文体と会話――戦争とドラッグと犯罪。破滅するしかなかった青年を痛ましく描き出す。 デニス・ジョンソン『ジーザス・サン』とクエンティン・タランティーノの融合と評され、 アメリカ文学界をワイルドに揺るがしたデビュー作。 著者紹介 ニコ・ウォーカー アメリカ・クリーヴランド生まれ。2005年から2006年にかけて衛生兵としてイラクに派遣され、7つの勲章を受ける。 しかし復員後にPTSDに苦しみ、やがて2011年に銀行強盗で逮捕され、複数の強盗罪で懲役刑に。デビュー作である本書は獄中で書かれた。2020年11月に出所する予定である。 -
「その他の外国文学」の翻訳者
「その他」の側から世界を見る 翻訳大国日本。多くの外国文学が翻訳され、読まれている。その中には日本では学習者が少なく、「その他」とくくられる言語によるものも含まれる。 しかし、「その他」だといって存在感が小さいわけではない。インディペンデントな文学賞として知られる「日本翻訳大賞」の第1回大賞の2作品は、韓国語とチェコ語による作品だった。いずれも「その他」に分類される作品が、読者からも、翻訳者からも多くの評価を得たこと自体が、このカテゴリーの奥深さのあらわれではないだろうか。 では、「その他」を生み出しているのはどのような翻訳者たちなのか? 日本では馴染みの薄い言語による文学を、熱意をもって紹介してきた九人の翻訳者が、その言語との出会いや学習方法、翻訳の工夫、そして文学観を語るインタビュー集。 序文・斎藤真理子 鴨志田聡子(ヘブライ語) 星泉(チベット語) 丹羽京子(ベンガル語) 吉田栄人(マヤ語) 青木順子(ノルウェー語) 金子奈美(バスク語) 福冨渉(タイ語) 木下眞穂(ポルトガル語) 阿部賢一(チェコ語) -
仏日対訳 白衣の婦人
19世紀フランス・オペラの頂点、ついに新訳で登場。 ウジェーヌ・スクリーブとボワエルデューによる傑作オペラ・コミック『白衣の婦人』の仏日対訳。本作は、ウォルター・スコットの歴史小説『修道院』と『ガイ・マナリング』を見事に融合させ、霧深いスコットランドの古城を舞台にしたミステリアスな物語です。 正体不明の幽霊「白衣の婦人」の伝説、没落した名家の世継ぎを巡る陰謀、そしてオペラ史上稀に見る「城の競売」シーンの緊迫感。ジャン=クロード・ヨン氏が「劇作術の革命」と評したスクリーブの卓越した構成を、詳細な解題とともに再現します。 【English】 A Masterpiece of 19th-Century French Opera Comique, Now in a New Bilingual Edition. This French-Japanese bilingual edition presents "La Dame Blanche," the crowning achievement of librettist Eugène Scribe and composer François-Adrien Boieldieu. Based on Sir Walter Scott's "The Monastery" and "Guy Mannering," this work weaves a ghostly tale set in a mist-shrouded Scottish castle. Experience the legend of the "White Lady," the mystery of a lost heir, and the thrilling auction scene—a rarity in operatic history. Featuring extensive commentary on the literary connections and Scribe's dramatic genius as praised by scholar Jean-Claude Yon, this volume is an essential addition to any opera lover's library. 【Français】 Le chef-d'œuvre de l'Opéra-Comique du XIXe siècle, enfin disponible en édition bilingue. Découvrez « La Dame Blanche », fruit de la collaboration entre le célèbre librettiste Eugène Scribe et le compositeur François-Adrien Boieldieu. S'inspirant des romans de Walter Scott, « Le Monastère » et « Guy Mannering », cette œuvre transporte le lecteur dans l'atmosphère mystérieuse de l'Écosse. Entre la légende de la Dame blanche, les secrets de la famille d'Avenel et la scène spectaculaire de l'enchère, ce livret incarne la « révolution dramaturgique » saluée par Jean-Claude Yon. Cette édition bilingue franco-japonaise, enrichie de commentaires approfondis, rend hommage au génie de Scribe. -
BTS 世界のスター伝記絵本
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 すべてのARMYへ――。 活動休止から4年。 ついに再始動 7人はどのように選ばれたのか。 新たなステージへ歩みだすBTS結成の秘話がすてきな絵本に! パク・ヘソン氏の感性とピクサーのアートディレクターとしての世界最高峰の技術を融合させた美しいイラストで描かれた絵本です。 RM、ジン、シュガ、J-HOPE、ジミン、V、ジョングクの7人が、どのようにして世界的スターとなったのか、その道のりを丁寧に描いています。 一部屋で共同生活していたデビュー初期から、世界中のスタジアムを満員にするアーティストになるまでの成功と成長としていく姿を収めた、夢を追うすべての人におすすめの一冊。 世界中の数百万人ものファンに愛される韓国のK-POPグループBTSを、この「世界の伝記スター絵本」で知ろう! ジャン・アン:文 ニュージャージー州在住の児童書作家。BTSを聴きながら馬に乗るのが好きで、しばしば両方を同時に楽しむ。 パク・ヘソン:絵 ピクサーのアートディレクター、パク・ヘソン氏は、世界最高峰の技術と韓国人としての感性を融合させるクリエイターです。自身の父をモデルにした映画監督作や、教育プラットフォーム『Coloso』での後進育成を通じ、常に韓国の表現力を世界へ発信し続けてきました。今回、BTSの伝記絵本のイラストを担うことは、韓国が生んだ二つのトップ才能による象徴的な共演と言えます。彼はこの作品を通じ、自身のルーツである韓国の物語を、温かな色彩で世界の子供たちへと繋いでいきます。 やまぐちまいか:訳 ヨーク大学政治学部卒。翻訳作品に『書くことのメディア史』(古屋美登里共訳・亜紀書房)、『Scream! 絶叫コレクション 不気味な叫び』所収トーニャ・ハーリー「ショーウィンドウの女の子」、『Scream! 絶叫コレクション 消えない叫び』所収リサ・モートン「サメがいた夏」(共に三辺律子監訳・理論社)。 二見書房 翻訳書刊行85周年記念出版 -
もう一度世界を信じるための365の言葉 子どもの本が大人に教えてくれること
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世界を嫌いになりかけた大人たちへ… 自分を取り戻す1日1語。 誰もが知っているあの絵本から、 知られざる名作まで。 児童書から名言、名ゼリフを厳選! ベストセラー『ワンダー』著者 R.J.パラシオ序文! やさしさ、勇気、悲しみ、家族、選択… テーマ別に心揺さぶる言葉がいっぱい。 “ほんとうに信じる者すべてに鐘は鳴る。 今もわたしに鐘は鳴っている” (『急行「北極号」』より) “あなたはわたしを助けてくれた あたえたものは、必ず返ってくるものだ。 わたしたちは、おたがいに助けあうために生きている” (『ピノキオの冒険』より) “おうちがいちばん” (『オズの魔法使い』より) “声をあげるべきときに黙っているのなら、 何のために声があるの?” (『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ』より) クリスマス、年末年始に読みたい! プレゼントにも最適な本です。 【目次】 第1章 この世界で優しくいられる方法 優しさ/受け入れる/勇気/自信/許す 第2章 この世界で楽しくすごす方法 喜び/本と物語/食べて、飲んで、愉快にすごす/気ままに/冒険と想像力/意味のあること、意味のないこと/歌とダンス 第3章 この世界で強くいられる方法 悲しみ/恐れ/反抗/人は複雑なもの/個性 第4章 この世界でくつろぐ方法 家族/友情/つながり/動物/自然 第5章 この世界を信じる方法 楽天主義/愛/忍耐/本当の自分になる/選択/変化/ -
ヘルプ・ミー・シスター
わたしたち、「サイバープロレタリア」なの!? 韓国で反響を巻き起こした「ハイパーリアリズム小説」、待望の邦訳 スギョンは30代、わけあって失業中。同居の家族は「個人投資家」の夫と、スギョンの父と母、さらに甥っ子が2人(高校生と小学生)。6人家族で、金を稼いでくる大人が1人もいないなんて。 プラットフォーム労働、ギグワーク……。仕事用のアプリをインストールした携帯電話が一日中手放せない。ソウルの古くて狭い2DKのマンションに六人で暮らす家族の「お仕事」をテーマにした群像劇。思わず出てしまうため息と「サイバープロレタリア」としての問題提起を、リアルに、ユーモラスに描ききった話題作。韓国では「ハイパーリアリズム小説の傑作!」と賞賛されました。お隣の国で起きていることは、世界中で起きていること。共感必至の一冊です。 -
〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学
物語の中の〈弱さ〉が、読む人の心に火を灯す どの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているから――。著者が数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、「なぜ韓国現代文学に魅せられるのか」を自らに問い、深く考えてたどり着いたのが、この答えでした。〈弱さ〉とは、自らの意志とは関係なく選択肢を奪われた状態のこと。その視点で、『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとする多彩な13の作品を読み解きながら、そのメッセージを探り、魅力を掘り下げます。一つひとつの物語を丁寧にたどっていくと、この暴力的な現代社会を生きるための道が照らし出されるはずです。 2023年1月~3月にNHKラジオ第1「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送された同名の講座の待望の書籍化! -
私の彼女と女友達
どこにいても、必ず自分を守って。 それが私たちを守ることになるから。 クィア・労働・女性問題など、今を生きる女性たちをときにリアルに、ときにさわやかな余韻で描き出すチョ・ウリ初の短編集。 表題作「私の彼女と女友達」など八編を収録。初邦訳。 <あらすじ> 「私の彼女と女友達」 五年間同棲している私の彼女、ジョンユンには四人の大親友がいる。ミンジ、ジヘ、ジヨン、スジン。「ジョンユンの彼女なら、私たちの友達も同然でしょ」彼女たちはみんな私に会いたがるけど、私はその誰にも会ったことがない。ジョンユンに誘われても、誰の結婚式にも行かない。 ついにジョンユンの親友たちに会ってみることを決めた日、かつて私が憧れを抱くも苦い決別を迎えたひとりの女性から手紙が届く。 「非婚式にご招待します」 【目次】 【もくじ】 私たちがハンドルをつかむとき 11番出口 ミッション 私の彼女と女友達 ねじ 物々交換 ブラック・ゼロ 犬五匹の夜 著者あとがき 訳者あとがき 【著者】 チョ・ウリ 2011年、短編小説「犬五匹の夜」で大山大学文学賞を受賞し作家デビュー。 女性、クィア、労働に関心を寄せて執筆している。 著書に短編集『リレー』『チームプレイ』、 長編『ラスト・ラブ』などがある。 カン・バンファ 岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、漢陽女子大学日本語通翻訳科、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー日本語科、同院アトリエ日本語科などで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。訳書にペク・スリン『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』、ピョン・ヘヨン『ホール』、ハ・ジウン『氷の木の森』など。韓訳書に柳美里『JR上野駅公園口』、児童書多数。著書に『일본어 번역 스킬(日本語翻訳スキル)』がある。 -
小さな町
過去をすべて消しても生きていけるだろうか? 私だけが知らなかった、私のもう一つの物語 幼い頃の記憶。火事に見舞われた小さな町で、亡くなった悲しみに犬を飼う人々。死んだ兄。森の中に隠れて暮らす女性。いなくなった父。母の秘密。夫のスクラップブックと、消えた女優。現在と過去が交錯し、思わぬ真実が立ち上がってくる。 <あらすじ> 病床の母から繰り返し聞かされた、幼少期をすごしたあの小さな町の記憶。そこでは火事で多くの人が亡くなり、私の兄もそのとき死んだのだという。ある日、家出してたどり着いた森の中の家には、女性が隠れ住んでいた。それを機に母と親しくしはじめた彼女が起こした騒動をきっかけに、私の家族は壊れてしまう。 最期まで語られなかった母の秘密。記憶をたどる中、父との再会で告げられた思いもよらない真実とは……。 【目次】 一 反作用 二 至上命令 三 無神論者 四 交換 五 また別の女 六 ステキなしきもの 七 僕たちは失敗したんだ 八 死人に口なし 訳者あとがき 【著者】 ソン・ボミ 1980年生まれ。2009年に21世紀文学新人賞を受賞、2011年に東亜日報の新春文藝に短編小説「毛布」が当選する。短編集に『彼らにリンディ・ホップを』『優雅な夜と猫たち』『愛の夢』、長編小説に『ディア・ラルフ・ローレン』『小さな町』『消えた森の子どもたち』などがある。若い作家賞、大山文学賞、李箱文学賞などを受賞。 橋本智保 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、鄭智我(チョンジア)『歳月』(新幹社)、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(同)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(同)、ハン・ジョンウォン『詩と散策』(同)など多数。 -
TUBE(チューブ)
2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位『アーモンド』の著者が贈る、 すべての人の人生を応援する、心温まる物語。 失敗しても、また始めればいい。 つかんだ藁が浮き輪(チューブ)になって水面に浮かぶまで。 仕事なし、家族なし、運もなし、ないない尽くしの中年男の、人生改造プロジェクト! 一人の力じゃ難しいなら、他の人に応援してもらったらどう? どこにでもいる平凡な中年男、キム・ソンゴン。 仕事にも家族にも運にも見放され、彼はついにこの世に別れを告げる決意をする……が、 それさえもあえなく失敗してしまう。 この世に舞い戻ったソンゴンが見つけたのは、とある一枚の写真―― そこには若かりし頃の彼が家族とともに写っていた。 何もかも今の自分とは違いすぎることに愕然とした彼は、写真の中の自分を真似てみようと、 まずは姿勢矯正から始めることに。そんな取るに足りない小さなチャレンジが、 やがてソンゴンの人生を大きく変えていく――。 -
ロシア文学の怪物たち
『青い脂』(ソローキン)や『穴持たずども』(マムレーエフ)など“怪作”を翻訳してきた著者による「悪」のロシア文学入門。 虚無的な現実を覆う皮膜の下で蠢く怪物たちの饗宴。間違いない、本書は毒にも劇薬にもなりうる。━━━━━木澤佐登志 ロシア文学は現実の不確かさを読者に突きつけ、世界の裂け目に開いた深淵を露わにする。 『青い脂』(ソローキン)や『穴持たずども』(マムレーエフ)など“怪作”を翻訳してきた著者による「悪」のロシア文学入門。 誤解を恐れずに書くが、ロシア文学は危険だ。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって現実に世界秩序が大きく揺れ動いている今日、それは劇薬ですらあるかもしれない。(「はじめに」より) 【目次】 はじめに プロローグ 悪との遭遇 第1章 ペテルブルグの幽霊 ゴーゴリ『外套』 第2章 怠惰と実存 ゴンチャロフ『オブローモフ』 第3章 病める地下室男の独白 ドストエフスキー『地下室の手記』 第4章 もはや死はない トルストイ『イワン・イリイチの死』 第5章 世界がひずむ音 チェーホフ『六号室』 第6章 「われら」と「彼ら」のはざまで ザミャーチン『われら』 第7章 不可能性の怪物 マムレーエフ『穴持たずども』 第8章 空虚への解脱 ソローキン『マリーナの三十番目の恋』 第9章 もう一つの九〇年代 ペレーヴィン『ジェネレーション〈P〉』 第10章 回帰する亡霊 エリザーロフ『図書館大戦争』 第11章 可能性としての女性文学 ナールビコワ『ざわめきのささやき』/トルスタヤ『クィシ』/スタロビネツ『むずかしい年ごろ』 おわりに あとがき ブックガイド 【著者】 松下隆志 1984年、大阪府生まれ。専門は現代ロシア文学・文化。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、岩手大学准教授。著書に『ナショナルな欲望のゆくえ ソ連後のロシア文学を読み解く』(日本ロシア文学会賞受賞)、訳書にソローキン『吹雪』『親衛隊士の日』、『青い脂』(共訳)、ザミャーチン『われら』、マムレーエフ『穴持たずども』など。 -
29歳、今日から私が家長です。
【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 韓国読者が選ぶ2023年 若い作家1位! 2024年 韓国でドラマ化 決定! 凛々しい娘、美しいおじさん、珍妙なおばさん。韓国で注目の気鋭作家が、家父長制の先の家族を描いた”これから”のホームコメディ! この小説は家父長でも家母長でもない娘が家長(家女長)で主人公。厳しい祖父が統治する家で生まれた女の子・スラがすくすく育って家庭を統治する。作文を家業に家を興した娘が、一家の経済権と主権を握る。?家父長の家では決してありえないような美しくて痛快な革命が続くかと思ったら、家父長が犯したミスを家女長も踏襲したりする。家女長が家の勢力を握ってから、家族メンバー1に転落した元家父長は、自ら権威を手放すことで可愛くて面白い中年男性として存在感を表す。スラはどの家父長よりも合理的で立派な家長になりたいと思っているが、スラの家女長革命は果たして皆を幸せにすることができるだろうか。 著・文・その他:イ・スラ 1992 年、ソウル生まれ。有料メールマガジン「日刊イ・スラ」の発行人。ヘオム出版社代表。大学在学中からヌードモデル、文章教室の講師として働き、雑誌ライターなどを経て2013 年に短編小説「商人たち」で作家としてデビュー。著書にエッセイ集『日刊イ・スラ』(原田里美、宮里綾羽訳、朝日出版社)、『私は泣くたびにママの顔になる』、『心身鍛錬』、『まめまめしい愛』、『とにかく、歌』、『すばらしき人生』、インタビュー集『まじりけのない尊敬』、『新しい心で』、『創作と冗談』、書評集『君は生まれ変わろうと待っている』、共著に書簡集『私たちの間には誤解がある』(以上すべて未邦訳)などがある。インスタグラム: @sullalee 翻訳:清水知佐子 和歌山生まれ。大阪外国語大学朝鮮語学科卒業。読売新聞記者などを経て、翻訳に携わる。訳書に、キム・ハナ、ファン・ソヌ『女ふたり、暮らしています。』、キム・ハナ『話すことを話す』『アイデアがあふれ出す不思議な12の対話』(以上、CCCメディアハウス)、朴景利『完全版 土地』、イ・ギホ『原州通信』(以上、クオン)、タブロ『BLONOTE』(世界文化社)などがある。 -
クリスティーヌ
【フランス2021年 メディシス賞受賞、ゴングール賞ノミネート作品】 実父による近親姦に苦しみ続けた少女は、どのように1人の女性として自己確立していったのか、その人生を描いた物語。 本書は、フランスの作家、劇作家で脚本家でもあるクリスティーヌ・アンゴの二十四作目の小説『Le Voyage dans l'Est』2021年刊の全訳である。 物語は十三歳になったクリスティーヌが初めて実の父親に会う日から始まる。憧れの父親にようやく娘として認知され、これからは普通の親子としての生活が始まると有頂天になるが、現実は想像とは全く別のものだった。自分の身に何が起きているのかを伝え、救い出してほしい気持ちとは裏腹に、母親にすら話すことができない。そして誰にも打ち明けられないまま、少女時代は過ぎていった……。 著者が綴るのは、クリスティーヌが苦しみ、トラウマを抱えて人生に絶望しながらも、どのように一人の女性として自己確立をしていったのか、その命がけの人生そのものである。 著者のアンゴも実父による近親姦からのサバイバーであり、デビュー作から一貫して女性に対する性的虐待をテーマに書き続けてきた。ただ、作中の「クリスティーヌ・アンゴ」は作者自身ではなく、本書はアンゴの自伝ではない。しかし、彼女の作風はあまりにも実体験と近接しており、作者と語り手を分離しにくいかもしれない。一つだけ強調しておきたいのは、アンゴにとって「近親姦の被害者」という「立場」と「実体験」は文学作品を生み出すための出発点に過ぎないということだ。 サバイバーのアンゴは「文学作品を書くこと」という手段で戦う。戦う相手は家族関係を破壊し、隷属の関係を強要する性的虐待者だけではない。それを見ないふりをし、セカンドレイプをする「社会」全体である。 -
アウシュヴィッツを泳いだ男
アウシュヴィッツ強制収容所を生き抜いたアルジェリア系フランス人の水泳選手、アルフレッド・ナカッシュの伝記物語。 主人公のアルフレッドは、トップアスリートとして素晴らしい成績を残し、さらにはアウシュヴィッツに収容される壮絶な経験をしたあとにも世界新記録を出すという偉業を成し遂げているが、フランスにおいても現在の人々の記憶にしっかりと残っているわけではなかった。本作はそんなアル フレッドに光を当てた作品となっている。 極限状態にあっても、他者を思いやり分かち合おうとするアルフレッドの姿は、打ちのめされた人たちの気持ちを救い勇気を与え、自身も、そうすることによって癒され慰められていく。 「泳ぐこと」を生きる希望として収容所を生き抜いたアルフレッド・ナカッシュ。 この物語が描いているのは、ナチズムの闇に埋もれた知られざる英雄の真の姿である。 -
変身物語
古代ローマの詩人オウィディウス(前43-後17/18年)が残した唯一の叙事詩、待望されて久しい文庫版での新訳! 内乱が続いた紀元前1世紀の古代ローマは、その一方で「黄金時代」と呼ばれる詩や文学の最盛期でもあった。その初期を代表する詩人がウェルギリウス(前70-前19年)なら、後期を代表するのがオウィディウスであり、そのオウィディウスの代表作が本書『変身物語』にほかならない。 愛する男女の往復書簡という体裁をとる『名高き女たちの手紙』、恋愛詩人としての本領を発揮した『恋の歌』といった初期作品で知られるオウィディウスは、愛を成就させるための技法を性的なものまで含めて赤裸々に指南する『愛の技術』を書いたことが一因となって、のちに流刑の憂き目に遭った。このあと後期の円熟を遂げるオウィディウスが、ローマの祝日や祭礼の縁起を説く『祭暦』(未完)とともに着手したのが、本書『変身物語』である。 ウェルギリウスの『アエネイス』と並んでローマ文学における最高峰をなす本書は、オウィディウスが手がけた唯一の叙事詩であり、全15巻から成る大作となっている。その背景にあるのは「万物は流転する。すべての形あるものは生成しつつ、移ろう」(本書第15巻178行)と表現される世界観、宇宙観であり、事実、本書は原初の混沌から秩序としての世界の創造を歌う「序詞」から始まり、「金・銀・銅・鉄」の四時代、イアソンやテセウス、ヘラクレス、オルペウスといった英雄たちの時代、そしてトロイア戦争を経て初期の王の時代に至る壮大な世界史を描き出す。 その質においても量においても他を圧倒する本書が後世に与えた影響ははかりしれない。その代表が、シェイクスピアやミルトン、モンテーニュであり、ルーベンスやブリューゲル、ダリである。にもかかわらず、文庫版で手にできる現代にふさわしい日本語訳は長らく存在していなかった。数々の名訳で知られる訳者が自身のライフワークとして手がけたこの新訳は、今後のスタンダードとして長く読み継がれていくことを確信するものである。 「上」には第1巻から第8巻を収録。上下巻それぞれに「人名・神名索引」と「地名・民族名索引」を掲載した。 -
ルネ・ヴィヴィアン詩集 菫の花の片隅で
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 同性愛者として知られ、フランス象徴派詩人のマドンナともいうべきルネ・ヴィヴィアン(1877-1909)の遺稿詩集本邦初訳!「ボードレールの娘」の異名を持ち、32歳の若さで夭折した、「菫の詩女神」の死と孤独を見つめた格調高く、耽美的な世界。 【目次】 緒言 はじめに 菫の加護のもとに 恋 霊感 マリアの七つの百合 わが楽園 追憶 月への祈り 妖精たちの約束 存在 よみがえり 夜の中の鳥 私たちの時間 陽の光に驚いて 慰めの月 不在 愛すべき敵に 本質的なこと 嘘の恐ろしさ アジアの神殿 折れた翼 病める額におかれた手 わが心のために かの百合のために 驚嘆 とるに足らぬ恋 恋よ、お前は盗人 幸せな宵のまどい 菫への祈り 訳者あとがき ルネ・ヴィヴィアン年譜 -
15の夏を抱きしめて
15歳で死んだトーマス.元恋人のオルフェー,母親,衰弱した祖父には,まだ彼の姿が見える.一方,トーマスも,思い出にしばられるオルフェーや,崩壊しそうな家族のようすを,静かに見守っている.人は大切な人を失ったとき,どのように立ち直ってゆくのか,「生」の喜びとは何かを描く. -
永遠の家
推理小説?シリアス?ユーモア? 虚構に潜む陰の真実。独特の語り口が読むものを霧の彼方へと誘いこむ。 芸術の破壊と再創造をめざすスペイン文学の奇才が綴る〈虚空への新たな跳躍〉を試みる腹話術師の悲しくも可笑しい幻想的連作短編集。 【目次】 ぼくには敵がいた 別の怪物 お払い箱 底流 古い連れ合い ぼくが願っている死に方 カルメン 展望台の塔 お話の効果 師のもとを訪れる 下着のままの逃走 永遠の家 解説 【著者】 エンリーケ・ビラ=マタス 1948年バルセロナ生まれ。1985年『ポータブル文学小史』がヨーロッパ諸国で翻訳され、2000年『バートルビーと仲間たち』、次いで2003年『パリに終わりはこない』で世界的に評価される。 木村榮一 1943 年、大阪市生まれ。神戸市外国語大学名誉教授。著書に『ラテンアメリカ十大小説』ほか、訳書にバルガス= リョサ『緑の家』、コルタサル『遊戯の終わり』、リャマサーレス『黄色い雨』ほか。 野村竜仁 1967 年、群馬県生まれ。現在、神戸市外国語大学イスパニア学科教授。おもな訳書に、ビオイ=カサーレス『 パウリーナの思い出に』(共訳)、セルバンテス『戯曲集』(共訳)がある。 -
ファットガールをめぐる13の物語
人が自分の体を生きることの居心地のわるさを描き出した、注目の作家モナ・アワドのデビュー作。 宇宙はわたしたちに冷たい。理由はわかっている。 インディーズ音楽とファッションをこよなく愛す主人公のエリザベス。特別な人生は望んでおらず、ただ普通にしあわせになりたいだけ。けれど高校でも大学でも、バイトをしても派遣社員となっても、結婚しても離婚しても、太っていても痩せていても、体のサイズへの意識が途絶えることはない。自分と同じ失敗をさせまいとする母親、友だちのメル、音楽を介してつながったトム、職場の女性たち……。彼らとの関係のなかで、傷つけ、傷つけられ、他者と自分を愛する方法を探してもがく。 【目次】 宇宙にさからう時 最大のファン 全身写真 そんなことなら わたしの嫌いなあの子 それって欲張り 母にとってのセクシーな人 Fit4U あの子はなんでもしてくれる フォン・ファステンバーグとわたし カリビアン・セラピー アディション・エル 海のむこう 謝辞 訳者解説 【著者】 モナ・アワド 1978年カナダのモントリオール生まれ、ボストン在住。ブラウン大学、エディンバラ大学、デンヴァー大学で創作と英文学を学ぶ。現在はシラキューズ大学で創作を教えている。デビュー作品集『ファットガールをめぐる13の物語』に続くポップでキュートな怪作Bunny(2019年、未邦訳)は、The Ladies of Horror Fictionベスト作品賞受賞。2021年8月に第3作All's Well が刊行予定。 加藤有佳織 慶應義塾大学文学部准教授。アメリカやカナダの文学、世界各地のカッパ(的な存在)に関心がある。共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(書肆侃侃房、2020年)、翻訳にトミー・オレンジ『ゼアゼア』(五月書房新社、2020年)。 日野原慶 大東文化大学にてアメリカ文学を教えている。「身体」「自然」「環境」「廃棄」「排泄」などに関心があり、それらにつながる現代のアメリカ小説や、ノンフィクション作品(とくに自然や環境をテーマにしたネイチャーライティングや、病や体をテーマにしたエッセイなど)を研究している。共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(書肆侃侃房、2020年)。 -
キングコング・セオリー
「私はケイト・モスというより、キングコングみたいな女だ。誰も妻にしたり、一緒に子どもをつくったりしないタイプの女。常に自分自身でありすぎる女。そういう立場から私は話している」 ■概要 #MeToo運動をきっかけに再注目され、フランスで20万部のベストセラーとなったフェミニズムの名著がついに邦訳! 人気女性作家が17歳の時に経験したレイプ被害と、その後の個人売春の経験をもとに、性暴力、セックスワーク、ポルノグラフィについての独自の理論を展開するフェミニズム・エッセイ。自分自身を、男性でも女性でもないカオスな存在としての「キングコング」にかさね、ジェンダー規範にとらわれない女性の在り方を、力強く、小気味いい文体で模索していく。 -
誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ
必死で 情けなくて まぬけな 愛すべき「私たち」 ネット古書店でエゴサをしていたら、サイン入り自作が売りに出されていることに気づいた作家「イ・ギホ」。しかも他の作家の本より格安、酷評のコメン付きだった。悶々として眠れぬ作家は、出品者に直接会おうとはるばるでかけるのだが……。(「チェ・ミジンはどこへ」) 夫殺害の嫌疑をかけられながら逮捕されなかった女が、十数年後、時効を3か月後に控えて自首した。一体なぜなのか。(「ずっと前に、キム・スッキは」) 「あるべき正しい姿」と「現実の自分」のはざまで揺れながら生きる「ふつうの人々」を、ユーモアと限りない愛情とともに描き出す。——韓国文学の旗手による傑作短編集 【もくじ】 チェ・ミジンはどこへ ナ・ジョンマン氏のちょっぴり下に曲がったブーム クォン・スンチャンと善良な人々 私を嫌悪することになるパク・チャンスへ ずっと前にキム・スッキは 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ ハン・ジョンヒと僕 あとがき 訳者解説 -
史書編【3冊 合本版】 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典『春秋左氏伝』『史記』『十八史略』
『春秋左氏伝』 『三国志』の名将関羽が愛読、西郷隆盛、福沢諭吉も絶賛した漢学の基本書! 古代魯国史『春秋』の注釈書ながら、巧みな文章で人々を魅了し続けてきた『左氏伝』。「力のみで人を治めることはできない」「一端発した言葉に責任を持つ」など、生き方の指南本としても読める! 『史記』 司馬遷が書いた全一三〇巻におよぶ中国最初の正史が一冊でわかる入門書。「鴻門の会」「四面楚歌」で有名な項羽と劉邦の戦いや、悲劇的な英雄の生涯など、強烈な個性をもった人物たちの名場面を精選して収録 『十八史略』 中国の太古から南宋末までを簡潔に記した歴史書から、注目の人間ドラマをピックアップ。伝説あり、暴君あり、国を揺るがす美女の登場あり。日本人が好んで読んできた中国史の大筋が、わかった気になる入門書! ※本電子書籍はビギナーズ・クラシックス 中国の古典「春秋左氏伝」「史記」「十八史略」1冊にまとめた合本版です。 -
アリスはどこへ行った?
ブロードウェイミュージカル原作『ウィキッド』の著者が贈る、もうひとつの『不思議の国のアリス』。私たちがよく知るあの物語の裏では、いったい何が起きていたのか?生きることとは。大切な人を失うこととは。想像力とは。著者が物語に込めたのは、とても奇妙で、でも大切なメッセージ。 ある夏の日、アリスが消えた。どこへ行ったのかと、後を追いかける友人。妹がいなくなっても、無関心な姉。妻を亡くした悲しみから立ち直れず、娘がいなくなったことさえ知らない父親。1860年代オックスフォードを舞台に、それぞれにとっての長い長い一日が、いま幕を開ける――。 -
資治通鑑
『資治通鑑』は11世紀なかば、北宋の皇帝英宗の詔により編纂された編年体の歴史書である。中国の戦国時代から北宋建国前年に至るまで1362年間にわたる歴代君臣の事績をまとめた本書は、「治を資(たす)く」という書名の示す通り統治者が参照すべき書として、『貞観政要』と並び政治家や学者の読むべきものとされた。294巻にのぼるこの膨大な『通鑑』のなかから、本文庫では後漢の「党錮の禁」、南北朝時代に勃発した「侯景の乱」、そして大唐帝国を揺るがした「安史(安禄山)の乱」を綴った巻を収録。権力者たちのたくらみが交錯するドラマが流麗な訳文で蘇る。 -
インフェルノ(角川文庫 上中下合本版)
「地獄」。そこは“影”――生と死の狭間にとらわれた肉体なき魂――が集まる世界。目覚めたラングドン教授は、自分がフィレンツェの病院の一室にいることを知り、愕然とした。ここ数日の記憶がない。動揺するラングドン、そこに何者かによる銃撃が。誰かが自分を殺そうとしている? 医師シエナ・ブルックスの手を借り、病院から逃げ出したラングドンは、ダンテの『神曲』の〈地獄篇〉に事件の手がかりがあると気付く。 一方、大富豪のゾブリストは、「人類は滅亡の危機に瀕している」と主張し、人口問題の過激な解決案を繰り広げ、WHO〈世界保健機関〉と対立していた。ダンテのデスマスクに仕込まれた暗号に隠された恐ろしい野望。ラングドンは世界を破滅から救うことができるのか? ※本電子書籍は角川文庫「インフェルノ(上)」「インフェルノ(中)」「インフェルノ(下)」を1冊にまとめた合本です。 -
殺したい子
“あの日”何があったの? 死んだあの子と“私”に…… 校舎裏で殺された女子生徒、容疑者は“親友”とされる一人の少女。 食い違う18の証言、やがて浮かび上がる戦慄の真実。 主人公は高校一年生の女の子、ジュヨン。ある日校舎の裏で親友のソウン が死体となって発見され、警察から容疑者として取り調べを受けることに なる。昨日の放課後、ソウンと大げんかをしたのは確かだが、記憶は途中 からすっぽりと抜け落ち、殺人の記憶はない。 裕福な家庭で何不自由なく育ち、誰からも羨まれるジュヨン。一方、貧し い家庭で育ち、学校ではあまり目立たなかったソウン。性格も周囲の評価 も正反対だが、他の誰も間に入り込めないような親友だった。物語は、勾 留されたジュヨンの心の声と、周囲の人たちの証言を交互に綴っていく。 当初バラバラに見えた「真実」をめぐる証言は、ある方向に集約していく のだが……。 -
Lの運動靴
1987年6月、韓国の民主抗争の最中、警察の発砲した催涙弾によって命を失った20歳の青年、大学生の「L」。28年後、彼のものだとされるボロボロの片方だけの運動靴が、修復家の元へ持ち込まれる。 「L」とは誰なのか? 運動靴の「欠けら」を修復する行為にどのような意味があるのか? 個人の「消せない記憶」とは? 人が生き、死して残す「物体」に、そしてその「修復」に、果たしてどのような意味があるのか? 主人公の美術修復家の視点を通して、静謐な時間の中で語られる「物質」と「記憶」をめぐる物語。現代アート作品の修復に関するエピソードが挿入され、修復室を訪れる寡黙な人々の人生が断片的に語られ、読者は静謐な美術修復室で繊細な思考を主人公とともに体験する。【モチーフ】 モチーフとなっているのは、以下のような事実。「L」こと李韓烈の運動靴の復元を知った作者が緻密な取材をへて創作した物語である。《李韓烈(イ・ハンニョル)は、1987年6月9日、延世大学で開かれた「6.10大会のための決意大会」のデモの最中、警官が発射した催涙弾に頭を打たれ、1カ月間死境をさまよい、7月5日、20歳で亡くなった。 彼の犠牲は、大統領直接選挙制の実現を目指す6月民主抗争の導火線となり、民主化運動の犠牲の象徴として広く国民の関心を集め、国民葬で行われた葬式には150万人が集まった。当時、彼が履いていた27.0センチの白い「タイガー運動靴」は、右側の片方だけが残されており、2015年、彼の28周忌を前に、美術品復元専門家のキム・ギョム博士の元に復元作業の依頼が寄せられた。キム博士はさまざまな葛藤を抱えながら、最新の美術品復元の技術をもってその運動靴を3カ月かけて復元した。現在、運動靴はイ・ハンヨル記念館に展示されている。彼が登場する映画作品にカン・ドンウォン監督「1987、ある闘いの真実」(2017)がある》 -
カフカふかふか:とっておきの名場面集
わからない魅力に引き込まれる 今年はドイツ語作家フランツ・カフカ100年にあたります。生前はほとんど知られていない作家ですが、一世紀後の現在では著名な小説家のひとりとして、その作品は多くの言語に翻訳され、読まれています。 そんなカフカ作品に魅了された著者たちが、その面白さを本書で縦横無尽に語りかけます。 朝目覚めると虫に変わっていた主人公は有名ですが、糸巻状の「何か」という不思議な存在が出てきたり、そうかと思えばまったく姿を現さなかったり、よくわからない登場人物たちにわたしたちは翻弄されます。 繰り返される断食のシーンからはヴェジタリアンで風変わりな健康体操を人に勧める作家の別の素顔が垣間見られます。 そのほか、出だしや結びの一文に驚愕したり、絶句したりすることしきり。カフカの作品はうかうかできません。いつまで経っても辿り着かないぐるぐるまわる物語にめまいすら覚えます。 カフカフカフカ この終わりのない魅力をあれでもか、これでもか、この一冊に収めました。全54の選りすぐりの場面を通して、カフカの世界を全身で体感できます。巻末には40年間の作家の年譜と、読書案内を完備。 [目次] はじめに i こんなはじまり、あんなはじまり 冒頭の一文に引き込まれる ii こんなキャラ、あんなキャラ 作品の登場人物たちに翻弄される iii こんな世界、あんな世界 物語の設定に目がまわる iv こんなカフカ、あんなカフカ 作家の素顔に驚愕する v こんな終わり、あんな終わり 結びの一文に絶句する 年譜/読書案内/あとがき -
サミュエル・ジョンソンが怒っている
「小さな黒いノート」に記録された実生活の断片 『分解する』『ほとんど記憶のない女』につづく、「アメリカ文学の静かな巨人」の3作目の短編集。内容もジャンルも形式も長さも何もかもが多様なまま自在に紡がれることばたちは、軽やかに、鋭敏に「小説」の結構を越えていく。作家が触れた本から生まれたミニマルな表題作「サミュエル・ジョンソンが怒っている」をはじめ、肌身離さず作家が持ち歩くという「小さな黒いノート」から立ち現れたとおぼしき作品など、鋭くも愛おしい56篇を収録。 「それらはいわば、彼女という人の「自分観察日誌」だ。[…]結晶となった言葉は硬く乾いてひんやりとして、元の感情からは慎重に隔てられているように見えて、目を凝らしてみると、行間から血のしたたるような感情が、生の痕跡が、透けて見える」(「訳者あとがき」より)。強靭な知性に支えられた作家の本領を味わえる1冊。 -
話の終わり
書くことをめぐる無二の長編 「翻訳の仕事をしていると、たまに「自分が今までに訳したものの中で一冊だけ自分が書いたことにできるなら何か」と質問されることがある。そんなとき、私はいつだって「『話の終わり』!」と即答してきた。それくらい私にとっては愛着の深い作品だ」(本書「訳者あとがき」より) 語り手の〈私〉は12歳年下の恋人と別れて何年も経ってから、交際していた数か月間の出来事を記憶の中から掘り起こし、かつての恋愛の一部始終を再現しようと試みる。だが記憶はそこここでぼやけ、歪み、欠落し、捏造される。正確に記そうとすればするほど事実は指先からこぼれ落ち、物語に嵌めこまれるのを拒む――「アメリカ文学の静かな巨人」デイヴィスの、代表作との呼び声高い長編。 -
グッバイ、コロンバス
デビュー作で全米図書賞受賞! アメリカを代表する作家、フィリップ・ロスの伝説の青春小説が待望の新訳で瑞々しく甦る。 真夏のプールで運命的な出会いを果たしたニールとブレンダ。二人はたちまち引かれ合い、結婚を意識し始める。若い男女の恋には危うさがつきまとい、季節の移ろいとともに、輝かしい日々は過ぎ去っていく。はかなくほろ苦い青春期の恋を瑞々しい文体で描いた永遠の名作。 「今から60年以上も前、1958年にフィリップ・ロスが発表し、1965年に佐伯彰一さんの名訳で日本に紹介された「さようなら コロンバス」をぼくが読んだのは、1969年、はたちになったばかりの時だった。その時に激しく心を揺さぶられ、この小説は一生忘れることのできない、ぼくにとって最もお気に入りのアメリカ文学の一つとなった。 その作品を新たに翻訳するという素晴らしい機会を与えられ、作業を進めながら、改めて強く思ったのは、本作がまったく過去のものにはなっていないということだった。主人公二人の不安や苦悩、葛藤、そして失敗は、具体的な状況やかたちこそ違え、今の若者たちにリアルに伝わるはずだ。「グッバイ、コロンバス」は1950年代後半のアメリカ社会のノスタルジックな青春小説、恋愛小説にとどまることなく、完璧に描かれた若者たちのみずみずしさとおろかさ、純粋と放縦、優しさとわがままゆえ、2020年代の今をも照らす永遠の輝きを放っている。」――訳者より -
世界が生まれた朝に
マンクンク、おまえは破壊者だ! 訳者・高野秀行が学生時代に出会い、誰に頼まれたわけでもなく訳してしまった、魅惑の書 これぞまさに世界文学が待望していた小説――野崎歓(解説より) 「《力》と、《力》に敬意を捧げる夕ムタムをひっくり返す者」と運命づけられ、大河に、氏族の王に、植民地支配の異人に、そして、自分の社会そのものに挑んでいった永遠の革命児マングラ・マンクンク。 コンゴのとあるバナナ畑で孤独な生を受け、《知》と《力》を追及し、長じては偉大な「ンガンガ」(呪術師)となった男が、半世紀に及ぶ試練の旅を乗り越えて、最後に見たものとは……。 神話的世界から、急激な近代化による矛盾まで、一人の人間の一生を通してアフリカ共通の歴史を描き出す、アフリカ版「百年の孤独」
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