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魔の山
ハンブルク生まれのハンス・カストルプはアルプスの山中にあるサナトリウム「ベルクホーフ」で7年間の療養生活を強いられる。その間、ロシア婦人ショーシャに愛を寄せ、理性による文明の進歩を信ずる民主主義者のイタリア人セッテンブリーニと、独裁によって神の国を実現しようとするユダヤ人ナフタとの、決闘にまで立ち至る壮大な論争に巻き込まれる。また、精神の世界に対して感覚的な生の世界を代表するオランダ人ぺーペルコルンからもハンスは深い感銘を受けるが、ペーペルコルンは自殺し、ショーシャも山を去る。雪のなかの彷徨で感じた至福感を胸中に抱きながらも、ハンスは突如として襲ってきた大戦に勇躍参加する選択をする。トーマス・マンの代表作。 -
レ・ミゼラブル
日雇い労働者ジャン・ヴァルジャンは、貧しさのどん底で、ある日一片のパンを盗もうとして捕えられ、重刑を科せられる。彼は不当な刑に怒りをおぼえ2回も脱獄を企てたため19年も刑に服すことになった。ようやく釈放された彼は片田舎の町ディーニュに現われたが、宿屋は前科者と知ると泊めてもくれない。あてどなくさまよった彼は、アルプスのふもとにあるミリエル老司教の家にたどりつく。司教は、暖い部屋に招き入れ銀の食器でもてなしてくれた。だが、恩を仇で返すように、彼は司教館の銀の食器を盗んで逃げる。すぐにつかまり、彼は司教館に連れもどされたが、「それはわたしがこの人にあげたのです」と司教は言う。ジャン・ヴァルジャンは奇跡を目にしたような衝撃をうけ、寒風の吹きすさぶ野を泣きながら駆け去る……ジャン・ヴァルジャンの改心と苦闘の人生がはじまる。この主人公をめぐって、売春婦ファンテーヌ、その子コゼット、その恋人マリユスらの人生がからみあい、おりからの激動する時代とともに数多くの人々が嵐のように渦巻き過ぎる。ユゴーの世界観を集大成した代表作。 -
だれも知らないムーミン谷 孤児たちの避難所
「ムーミンたちが本当はどのような生き物で、彼らの住む谷はどのような場所なのか、その答えはアニメは言うまでもなく、原作、絵本、いずれにおいても一切語られていません。もしかすると、私たちは今まで肝腎な問題を見落としたまま、アニメを見ていたのではないでしょうか。」(第一章より) 「原作をめぐっては、これまでも冨原眞弓さんをはじめ、多くの研究書や関連本が出版されてきました。しかし、ムーミンの世界は、読者それぞれが受け取ってくれればよいので、あえて趣旨を語らないという著者トーベ・ヤンソンの意向があり、その意向を尊重する研究者の配慮がなされてきました。そのため、あらすじをたどる表面的な指摘に止まるものが多く、原作の内容に踏み込んだ読解は、いまだに充分とは言えません。それでは、アニメの平穏な世界だけが記憶され、原作のユートピアは理解されず、あまりに勿体ないのではないか、と私は思うのです。〔…〕今回、私はみなさんに原作(児童文学)を読み解くことで「(原作の)再生後のユートピア」をお伝えし、さらに「(アニメの)省略されたユートピア」に隠された本当の魅力を知ってもらいたいと思い、文章にまとめてみました。」(まえがきより) -
円環
北欧ミステリ界トップランナーの新境地! スウェーデン・ウプサラ市郊外の高速道路を走行中のBMWが、突然暴走し菜の花畑で炎上した。死亡したのは、運転中の大手製鉄会社幹部。一週間後、石油業界のキャンペーンを手がけていた広告会社幹部が第2の爆破事件で命を落とす。被害者はどちらも気温変動や環境破壊に関係していた。 容疑者に挙げられたのは、15年前に先端技術の活用を拒否したがためにある誘拐事件の解決に失敗して辞職し、森で隠遁生活を送る元警部ルーカス・フリセル。当時の彼の部下で今は国家作戦局(NOD)の主任警部エヴァ・ニーマン宛てに、彼からと思われる犯行予告の手紙が届いていたのだ。 エヴァは、立ち上げられた特捜班Novaの曲者たちを率いて事件の捜査にあたり、第3の事件を警戒しながらフリセルを追うが――。 『時計仕掛けの歪んだ罠』で翻訳ミステリファンの度肝を抜いた、北欧ミステリ界のトップランナーが贈る驚愕の新シリーズ、ここに誕生! -
マインクラフト おかしなコード [石の剣のものがたりシリーズ1]
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※PDF版をご希望の方は Gihyo Digital Publishing (https://gihyo.jp/dp/ebook/2022/978-4-297-13211-8)も合わせてご覧ください。 子どもたちがMinecraftのゲームの中と外で謎に迫りながら繰り広げる冒険ものがたりシリーズ,イラスト満載のMinecraft公式小説,待望の新シリーズ! 新たに仲間に加わったテオは,いったいどんな活躍を見せるのか……!? 小学生以上のマインクラフトファンに向けて,総ルビでお届けします。 -
ランナウェイ
瞠目の伏線回収。極上のサスペンス。 《一読して、「これは最先端の物語だ」と感じさせる。それが本作の、そしてまたハーラン・コーベン作品の素晴らしい強みだ》 《あらゆる問題が更新され続けるこの世界(中略)。そうした世界に注がれるハーラン・コーベンの眼差しは、ひとことで言うなら、限りなく「公正(フェア)」だ。あらゆる価値観が錯綜する現代において、最も挑戦的な態度の一つといっていい。》(作家・冲方丁氏の解説より) 薬物に溺れ失踪した娘を探す父。次々と標的を襲う殺し屋と同行する女。姿を消した資産家の息子を探す私立探偵。娘に薬物を与えた男。バラバラなピースがつながったとき、驚くべき忌まわしい事実が姿を現す。 フェアな目線と巧みな構成に唸り、怒濤の伏線回収に目を瞠る。そして衝撃過ぎる結末。米国屈指のヒットメーカーが放つ、極上のドメスティック・サスペンス。 -
ナイトホークス【合本版】
このコンテンツは扶桑社刊【ハリー・ボッシュ・シリーズ(1)】「ナイトホークス(上)」「ナイトホークス(下)」の合本版になります。 -
工場日記
新進のうら若き女性哲学教師が教職をなげうち、未熟練の女工として工場に飛び込んだのは、市井の人びとの疎外状況を身をもって知るため、というだけではなかった。「人間のありのままの姿を知り、ありのままを愛し、そのなかで生きたい」という純粋かつ本質的な欲求による、やむにやまれぬ選択であった。だが、現実には激しい労働と限りない疲労に苛まれ、心身は限界に達する。過酷な日々を克明に綴った日記は問いかける、人間性を壊敗させる必然性の機構のなかで、はたして人間本来の生は可能なのか――。これは極限の状況下でひとりの哲学者が自己犠牲と献身について考え抜いた、魂の記録である。 -
新訳 冬物語/シンベリン
「エンタメの原点、シェイクスピア。 大先輩の偉大さに打ちのめされています。」三谷幸喜(脚本家) 嫉妬に狂い家族を破壊した男を、女は許せるのか? ロマンス劇の金字塔! シチリア王は妃ハーマイオニと親友ボヘミア王の密通を疑う。親友の暗殺を臣下に命じ、妊娠中の妻を投獄し、生まれた赤子を捨てるが……(『冬物語』)。ブリテン王女と身分ちがいの結婚をして宮廷を追放されたポステュマス。伊達(だて)男に王女の操(みさお)が奪えるかという賭けをもちかけられ……(『シンベリン』)。嫉妬に狂い家族を破壊した男を、女は許せるのか? 著者の人生に重なるロマンス劇の金字塔! 徹底解説&注釈で物語の真意がわかる! 【本作を楽しむ5つのポイント】 ・晩年のシェイクスピアの代表的ロマンス劇。上演多数の名作! ・日本初! ライムを全訳した決定版。リズムにもこだわっているから音読すると気持ちいい! ・嫉妬に狂った心が、家族と人生を破壊する。再生のセカンドチャンスはあるのか? ・家族を捨て、20年の時を経て、家族のもとへ戻ったシェイクスピアの人生との共通点 ・最新研究に基づく徹底解説&詳細な注釈付き! The Winter's Tale & The Tragedie of Cymbeline by William Shakespeare From The first Folio, 1623 -
世界でいちばん弱い妖怪
ヤバイやつらが続々襲来! どうする人類? 「驚かないで! ぼく、ほんとに弱いの。殺したりしないでね」。命乞いする落ちこぼれ妖怪に、「プルスマ、プルスマナス」と呪文をつぶやく謎のエイリアン。さらには人間からダシをとりたい妖怪世界の料理人から、あがり症の新米悪魔まで。ヤバイやつらがゾクゾク襲来! どうする人類? ◆表題作「世界でいちばん弱い妖怪」 人間界に落ちてきた妖怪は、警官に取り囲まれるなり、開口一番、救いを求めた。「ねぇ待って! 撃たないで! 一発で、ぼく死んじゃう」。妖怪には足がない。歩けない。震えながら取引をもちかける。「君たちがぼくを生かしてくれるなら、ぼくも自分の妖術で人間を助けることができるよ」。妖怪に食べられると肛門から出るころには若返るという。実際に妖術が成功すると、若返りを求めて人びとが列をなした。人類と妖怪の共存だ。しかし約1万人が青春を取り戻したころ、のみこまれた人が死んでしまう事故が起こり…… くすっと笑えて、時々ドッキリ、最後に沁みるショートショート18編。 人気イラストレーターのクイックオバケの挿画もたくさん入って、ページをめくるだけで楽しめる。朝読やすきま読書にもオススメです。 -
湖の中のレイチェル
不気味な湖の底には〈秘密〉が沈んでいる。 ありえない、ありえない、ありえない。 湖でおぼれ死んだはずのレイチェルが、どうして学校にきているの――? 親友だったレイチェルを湖につき落としてしまったサマンサ。おぼれたレイチェルは、そのまま浮かんでこなかった。 ところが、翌日サマンサが学校へいくと、そこには死んだと思っていたレイチェルの姿が。おびえるサマンサへ、レイチェルは優しく語りかける。そんな彼女の足元には、なぜか不自然な水たまりができていて……。 その日から、サマンサは恐怖の日々を送ることになる。 アメリカホラー界の名手K. R. アレグザンダーによる、不気味な湖をめぐる物語です。 -
春のウサギ
繊細な少女の気持ちによりそう優しい物語。 かわいそうなアミ―リア。 みんながそう言う。 本当にわたしはかわいそう? 大好きな陶芸工房に出かけよう。 そうしたら元気が出るかもしれない・・・・・・。 陶芸工房に通うアミーリアは、ウサギの置物作りに熱中していた。春休みになり、いろんなポーズのウサギを毎日作って並べて楽しんでいた。そこで出会ったケイシーと意気投合。誰にも話したことのない悩みを話すようになる。 アミ―リアは、小さいころに死に別れたお母さんと会いたいとケイシーに打ち明けた。 すると、ケイシーはある提案をする。 「あそこにいる女性がお母さんだと仮定してみようよ」と。 物語は、思わぬ方向に展開していくのだが…。 -
ザ・インボイス――人生の請求書
レンタルビデオ店でアルバイトをしている39歳・独身のしがない「ぼく」のもとに、 ある日、<W.R.D.>という団体から一枚の請求書が届く。 そこに記されていたのは、信じられないほど高額の請求。 それは、ぼくが「これまでの人生で経験してきた幸せの対価」だという。 金も地位も名誉もない。 友達も少なく、ついでに長年恋人もいない。 たいした人生を送っていないぼくが高額の請求を受けたのはなぜなのか? ぼくは本当にそんなに幸せな人間なのだろうか……? 本当の幸福の意味を教えてくれるスウェーデン発の小説、待望の邦訳! 【主な登場人物】 ・ぼく:主人公。この物語の語り手。レンタルビデオ店でアルバイトする、しがない39歳の男性。 ・モウド:<W.R.D.>の電話担当者。 ・スニータ:「ぼく」の元恋人。インド人留学生。 ・ローゲル:「ぼく」の友人。 ・ギオリィ:<W.R.D.>の職員。 -
ナプキン・ノート Napkin Notes
もしも突然、わずか数年の余命宣告を受けたら、 残された時間、あなたは家族のために何をしますか ――? 妻リッサと愛娘エマと暮らすガースは、毎朝娘のお弁当を作るイクメンパパ。 お弁当の袋に、「その日のひと言」を書いた紙ナプキンを忍ばせてエマを送り出すのが日課だ。 だが、エマが12歳になった年、ガースに腎臓がんが見つかる。翌年には前立腺がん。さらに腎臓がんも再発……。そしてついに医師より余命宣告を受ける。 彼がエマの高校の卒業式を見届けられる確立は、わずか8%。 この命が尽きるまでに、彼女に伝えたいことをすべて伝えることができないかもしれない……。 ガースは決意する。たとえ自分に何があったとしても、エマが高校を卒業するまで「1日1枚」、 彼からのメッセージを受け取れるようにしておこう、と。 余命宣告を受けた父が紡ぐ、愛する娘へのメッセージ -
〈ファストアイス〉計画の災厄を食い止めろ
南極に眠る破滅の種 南氷洋で何者かに急襲された調査船には、全地球を揺るがす恐るべき秘密が隠されていた! 南氷洋を航行中の極地探査船に、突然、氷山が衝突する。 氷山のほうが船へぶつかってきたのだ。 さらに、迷彩服を着た武装兵士たちが氷山から降下。 アサルトライフルとナイフを所持した彼らにくわえ、非情な狙撃手によって、船内は修羅場と化す。 卑劣な攻撃をしかける敵はいったい何者か? ほどなく国立海洋海中機関(NUMA)のカート・オースチンのもとに事件の一報がもたらされた。 探査船には元同僚の科学者が乗船していたのだ。 オースチンは相棒ザバーラとともに地球の南の果てへ飛んだ。 -
真夜中の抱擁
真夜中(ミッドナイト)シリーズ 二年半ぶりの長編第11弾! 美しきサンフランシスコの街を 愛する女を守るため元SEALsが奔る! エマはパシフィック投資社で働く市場の定量分析家(クォンツ)だ。ある日、同僚のトビーが挨拶も残さずに姿を消し、不審に思ったエマは民間警備会社ASIに勤める友人たちに相談する。そこで派遣されてきたのが危機管理の専門家ラウールだった。セクシーな彼の姿に強く惹かれるエマ。二人はトビーから届いていた警告メールを手掛かりに、サンフランシスコの街で彼の痕跡を追い求めるが……。巨額の株の空売りと市場テロ計画の背後に潜む巨悪の存在とは? 大人気シリーズ待望の新作が二年半ぶりに登場! -
ラスト・バリア スーフィーの教え
ロンドンの骨董品店での偶然の出会いをきっかけに、トルコへ渡り自分自身を発見する旅に出る。自分の生活も仕事もすべてを整理して旅に集中し、内なる自分、出会いの必然性を知り、ついに真実に触れられると思った矢先――。 キリスト教もイスラム教も宗教に関係なく、超越的なものとつながる境地に達するまでを描く自伝的小説。 パウロ・コエーリョ『アルケミスト』やロンダ・バーン『ザ・シークレット』など、数々の名作を訳してきた山川亜希子氏が「文学的に美しく特に好きな本」と絶賛! 文庫化に際して新たに「四十年後」の章(訳しおろし)を追加しました。 原題:The Last Barrier 著者:Reshad Feild -
トランク・ミュージック【合本版】
このコンテンツは「トランク・ミュージック(上)」「トランク・ミュージック(下)」の合本版になります。 -
クラーク・アンド・ディヴィジョン
日系米国人作家による話題の歴史ミステリー! 1944年、シカゴ。父母とともにカリフォルニア州の強制収容所を出てシカゴに着いた日系二世のアキ・イトウは、一足先に収容所を出てシカゴで新生活を始めていた姉ローズが前日にクラーク・アンド・ディヴィジョン駅で列車に轢かれて死んだと知らされる。警察の自殺説に疑問を感じたアキは、真相を求めて自ら調査を始めるが…。 2021年NYTベストミステリー選出、2022年メアリー・ヒギンズ・クラーク賞受賞、同年マキャヴィティ賞最優秀歴史ミステリー小説賞受賞。 戦時中の日系人たちの境遇にスポットを当て知られざる歴史を掘り起こした、日系米国人の著者渾身の歴史ミステリー、待望の新シリーズ第1弾。 (底本 2024年6月発売作品) -
国民衛兵の一夜
【日本語:歌え、笑え!19世紀のポップカルチャー】 「流行歌(ヴォードヴィル)で、お固い軍隊を笑い飛ばせ!」 1815年、パリ。街中のヒット曲に替え歌を乗せて、最新の時事ネタを爆笑に変える。 それが当時の最先端エンタメ「ヴォードヴィル」! 若きスクリーブは、市民のリアルな「国民衛兵の一夜」を、歌と機知で最高にポップなコメディに仕立て上げた。 現代のミュージカルにも通じる、疾走感あふれる「言葉と音楽の化学反応」を今、体感してください! 【English: Vaudeville! The 19th Century Pop Revolution】 "Mix the latest hits with a sharp wit, and watch the elite crumble!" In 1815 Paris, the ultimate entertainment was "Vaudeville"—where catchy pop tunes met biting satire. Young Scribe didn't care for the stiff military glory of the old guard. He took the streets' energy and turned "A Night of the National Guard" into a musical comedy masterpiece. Fast, funny, and full of songs, discover the 19th-century roots of the modern musical in this vibrant new edition! 【Français : Vaudeville ! La pop-culture qui décoiffe】 « Des refrains populaires, de l'esprit, et une bonne dose d'impertinence ! » Paris, 1815. Le Vaudeville est roi : on chante les derniers succès, on rit des puissants, on s'amuse de tout. Le jeune Scribe bouscule l'ordre établi avec sa comédie rythmée et ses couplets malicieux. Oubliez la rigueur militaire, place à la fête et à l'ironie ! Redécouvrez l'énergie pure de ce genre qui a inventé le divertissement moderne, entre théâtre, chanson et satire sociale. -
弓使いオトン
アレクサンドル・デュマの短編小説『弓使いオトン』は、フランスの日刊紙『ル・シエクル』(Le Siècle)に連載され、一八三八年十二月二十五日の創刊号から翌年一月二十四日まで掲載されました。その後、一八四〇年に単行本として出版されたこの作品は、神聖ローマ帝国時代のドイツを舞台に、第一回十字軍の逸話を巧みに絡めた幻想小説の体裁をとっています。しかし、その本質は、デュマの最初の歴史小説の大著『ソールズベリー伯爵夫人とエドワード三世 上下二巻』(拙訳による二〇二五年、デジタルエステイト社刊)の拾遺物語とも言うべき、深い歴史的背景と豊かな想像力に満ちた短編小説です。物語はイングランド国王エドワード三世に従軍し、カンブレーの戦いから帰還したホンブルク伯爵カールが、友人のルートヴィヒ・フォン・ゴーデスベルクと再会する。ルートヴィヒはカールに、もはや息子も妻もいないと告げる。子は逃走し、妻は修道院に閉じこめられる。これはすべて誤解によるものだった。さて、物語は予想外の展開となる。 -
83歳、もふもふのネズミを拾う。そして人生が変わる。
死を待つだけだったおばあちゃんの快進撃がもふもふの命を救う!? インディーズ出版社発の世界的ベストセラー! 8ヵ国が版権取得 米Amazonで★4.5/3000件超の大好評(※2025年11月現在) 老女とネズミのハートフルな…と思いきや、ジェットコースター展開の奇跡の物語 【あらすじ】 夫と息子を亡くし、長い海外生活から故郷の英国に戻ってきた孤独なヘレン。望みはさっさとこの世を去ることだけ。しかし、ある冬の朝、1匹のもふもふのネズミと出会い、人生が変わる。それもたった2週間で。老女とネズミのハートフルな物語……と思いきや、83歳のおひとり様ヒロインが小さな命を救おうと奮闘する、胸スカ&ジェットコースター展開の奇跡の物語! 勇気をあなたにも。 【絶賛の声】 「小さな文学的奇跡。痛々しく美しい……」――ワシントン・ポスト 「魅惑的……。新鮮で面白い。」――パブリッシャーズ・ウィークリー Sipsworth by Simon Van Booy 《担当編集の感想》 原書の紹介文に「ハートフルストーリー」とあったので、刺激的な作品が好みな私にはものたりなさそう、と思っていたのですが、実際に読んでみると、ゆるやかだと感じられたのは前半部分のみで、後半からすごい展開で、想像していたのと全く違う物語でした。ともかくおばあちゃんが大活躍するので、読んでいてスカっとします。高齢女性が人生をやり直すストーリーなのです。読後感がすばらしいので、米Amazonで高評価なのにも納得。これはぜひともお年寄りにもお若い人にも読んでいただき、年を重ねることに勇気や希望を持っていただきたい、と願い企画しました。誰かが誰かを大切にしたいと思う気持ちは貴いです。それを思い出させてくれる作品でした。 -
新訳 ウィニー・ザ・プー&ハウス・アト・プー・コーナー
本書は、英国の作家、A.A.ミルンが書いた児童文学の名作、『Winnie-the-Pooh』と『The House at Pooh Corner』の2作を現代風に翻訳したものである。 本書は三つのパーツから成り立っている。一つ目は2作品の訳文である。本文の翻訳に当たっては、訳として正確であることを期するのは当然であるが、多くの方々に親近感をもってもらえるよう口語表現を多用することを心がけた。冒頭の「現代風に翻訳した」とはそのような意味である。 二つ目は各章末の注である。ここでは、原文のなかの難解な単語や表現を著者なりに解説している。また、内容理解を深めるために参考となるような事柄も注のなかに記してある。 三つ目は本書の最終章「主なキャラクターについての寸評」である。ここでは、各キャラクターたちの特徴を簡単に述べるとともに、併せて、ミルンが描きたかった世界観・人間観について触れている。この20世紀初頭の英国に生まれた児童文学が、21世紀の我が国の現状を予言し、さらにそれに対する厳しい批判となっていることについて、例を挙げながら説明している。 最後に、本書は絵本の形を取っていないことを述べておく。プー・シリーズ2作品の魅力の一つにE.H.シェパードのイラストがあるが、本書では著作権の関係でイラストは一切使用していない。 -
コルシカの幻影を打ち破れ
ダーク・ピット2年ぶりに登場! 恐怖の陰謀と歴史の謎を追え NUMAチームが発見したダイヤモンド原石 隠された真実と巨大な謎の存在が浮かびあがる 【内容】 1940年、ドイツ軍の侵攻が迫るパリ。 軍事博物館の学芸員に、ひとつの貨物が託された。 逃げまどう群衆で大混乱のなかを、なんとかノルマンディーの港町まで運びこんだものの、積載するはずの船はすでに沈没。 急降下爆撃機が襲いかかる決死の状況下、命にかえても国外への移送計画を成功させなければならない――「フランスの魂」と称される宝を、ナチスから守るために! 時は変わって、2025年。国立海中海洋機関(NUMA)長官ダーク・ピット率いる調査チームは、英仏海峡の海底で、意外なものを発見する。 -
ホメーロス イーリアス
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ホメーロスの『イーリアス』は、トロイの木馬でよく知られているトロイア戦争における人間の英雄の物語であり、世界最古の、また、世界最高の西洋古典文学である。イーリオス(トロイア)を舞台にして、ギリシア軍とトロイア軍の英雄たちの実にすさまじい戦い、そして、英雄どうしの熱い友情の交換が繰り広げられる。そして、また神話上の神々が登場して、物語の展開を左右する。 訳者の小川政恭は、『ギリシア文化の流れ』(本書下巻に掲載)において、以下のように述べている。 「神話や英雄の物語は、王や貴族が支配した英雄時代にできた。それらを王の広間で吟誦詩人が竪琴の伴奏で物語るのを、人々は夢中になって聞いて楽しんだ。神々の祭のとき神々の事蹟をほめて歌う詩歌もあり、最初神々をほめた後で吟誦する英雄の物語もあった。神々の讃歌を集めたものは『ホメロスの讃歌』として残っているし、人間の英雄の物語はホメロスの『イリアス』『オデッセイ』である。」 『ホメロスの讃歌』には、小川政恭訳『ホメロスの讃歌集』生活社(1948年)がある。 こうして伝承されたホメーロスによる詩歌は、『イーリアス』として、紀元前6世紀のアテナイにおいて文字化され、紀元前2世紀にアレクサンドリアにおいて、ほぼ今日のかたちにまとめられたとされている。その昔、『イーリアス』は神話であるとされていた。だが、『イーリアス』の物語を手掛かりとして、ドイツの実業家で、考古学者のハインリッヒ・シュリーマンは、1871 年のトロイ遺跡、1876年のミケネ遺跡、および1884年のティリンス遺跡の発掘によって、『イーリアス』は神話と叙事詩の融合であることを実証したのである。 書評を執筆いただいた伊坂青司先生は、本書について「ギリシア最古の叙事詩にふさわしい格調高い訳と簡潔にして丁寧な頭注によって、読者をトロイア戦争の現場へと導きいれてくれる」と述べている。『イーリアス』のストーリーについては、伊坂先生の書評に、実に簡潔にまとめられている。 -
存在の耐えられない軽さ
舞台は東西冷戦下のチェコスロバキア。「プラハの春」と呼ばれる1968年に実現した束の間自由主義体制とその後のソビエト連邦の侵攻、「正常化」という名の大弾圧という歴史的な政治状況下で、苦悩する恋人たち。不思議な三角関係など、四人の男女のかぎりない愛と転落を、美しく描きだす哲学的恋愛小説。チェコ出身の作家ミラン・クンデラの代表作にして世界的ベストセラー。原著は1985年に刊行され、1988年にフィリップ・カウフマン監督、主人公トマシュにダニエル・デイ=ルイス、テレーザにジュリエット・ビノシュを起用して映画化されたことでも広く知られている。 -
蜘蛛の巣の罠
サーガに届く謎の小包。 醒めぬ悪夢が始まる。 ユレック・ヴァルテルという凶悪な殺人鬼との闘いは、ヨーナ・リンナとサーガ・バウエルの捜査によって終止符が打たれた──はずだった。心に深い傷を負って療養するサーガのもとに、連続殺人をほのめかす絵葉書が届くまでは。「ヨーナを救えるのはきみしかいない」。署名は「ユレック・ヴァルテル」のアナグラム。その葉書をサーガが受け取ってから三年が過ぎたある日、国家警察長官マルゴット・シルヴェルマンが突如失踪、後日遺体で発見される。現場には葉書の記述どおり残された純白の薬莢。それは新たな殺人鬼が練りあげた計画の始まりを告げる声だった…… -
老神介護
●突如現れた宇宙船から、次々地球に降り立った神は、みすぼらしい姿でこう言った。「わしらは神じゃ。この世界を創造した労に報いると思って、食べものを少し分けてくれんかの」。神文明は老年期に入り、宇宙船の生態環境は著しく悪化。神は地球で暮らすことを望んでいた。国連事務総長はこの老神たちを扶養するのは人類の責任だと認め、二十億柱の神は、十五億の家庭に受け入れられることに。しかし、ほどなく両者の蜜月は終わりを告げた――。「老神介護」 ●神文明が去って3年。地球で、もっとも裕福な13人がプロの殺し屋を雇ってまで殺したいのは、もっとも貧しい3人だった。社会的資産液化委員会から人類文明救済を依頼された殺し屋は、兄文明からやってきた男から、別の地球で起こった驚愕の事態を訊かされる。「扶養人類」 ●蟻と恐竜、二つの世界の共存関係は2000年以上続いてきた。恐竜世界の複雑なシステムは、蟻連邦によって支えられていたが、蟻世界は恐竜世界に核兵器廃棄を要求、拒絶されるとすべての蟻はストライキに突入した。「白亜紀往事」 ●僕が休暇を取る条件は、眼を連れていくことだと主任は言った。デイスプレイに映る眼の主は、若い女の子。ステーションにいる彼女の眼を連れて、僕は草原に旅行に出かけた。宇宙で働く人は、もうひと組の眼を地球に残し、地球で本物の休暇を過ごす人を通して仮想体験ができるのだ。「彼女の眼を連れて」 ●74年の人工冬眠から目覚めた時、地球環境は一変していた。資源の枯渇がもたらす経済的衰退を逃れようと、「南極裏庭化構想」が立案され実行された結果、深刻な事態が起こっていたのだ。「地球大砲」 -
流浪地球
●ぼくが生まれた時、地球の自転はストップしていた。人類は太陽系で生き続けることはできない。唯一の道は、べつの星系に移住すること。連合政府は地球エンジンを構築し、地球を太陽系から脱出させる計画を立案、実行に移す。こうして、悠久の旅が始まった。それがどんな結末を迎えるのか、ぼくには知る由もなかった。「流浪地球」 ●惑星探査に旅立った宇宙飛行士は先駆者と呼ばれた。帰還した先駆者が目にしたのは、死に絶えた地球と文明の消滅だった。「ミクロ紀元」 ●世代宇宙船「呑食者」が、太陽系に迫っている。国連に現れた宇宙船の使者は、人類にこう告げた。「偉大なる呑食帝国は、地球を捕食する。この未来は不可避だ」。「呑食者」 ●歴史上もっとも成功したコンピュータ・ウイルス「呪い」はバージョンを変え、進化を遂げた。酔っ払った作家がパラメータを書き換えた「呪い」は、またたく間に市民の運命を変えてしまう――。「呪い5・0」 ●高層ビルの窓ガラス清掃員と、固体物理学の博士号を持ち、ナノミラーフィルムを独自開発した男。二人はともに「中国太陽プロジェクト」に従事するが。「中国太陽」 ●異星船の接近で突如隆起した海面、その高さ9100メートル。かつての登山家は、単身水の山に挑むことを決意。頂上で、異星船とコミュニケーションを始めるが。「山」 -
バルザック
『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』ほか全九一篇、登場人物二〇〇〇人による壮大な「人間喜劇」を構想したバルザック(一七九九―一八五〇)。富と名声を求めて旺盛な創作活動に邁進し、天才と俗物の間を生きた人間の魅力をあますところなく描き切った本格評伝。 【目次】 第一篇 青春と初舞台 第一章 少年期の悲劇 第二章 運命への早まった問いかけ 第三章 オラース・ド・サン・トーバン小説工場 第四章 ベルニー夫人 第五章 商業的幕間狂言 第六章 バルザックとナポレオン 第二篇 仕事部屋のバルザック 第七章 三十男 第八章 書斎のうちとそと 第九章 カストリー侯爵夫人 第十章 バルザック自己の秘密を発見す 第三篇 小説を地で行く 第十一章 未知の女 -
地球沈没を阻止せよ
謎の海面急上昇が地球を襲う。手がかりを求め NUMAの面々が異端の日本人科学者の元へ飛ぶ。 クライブ・カッスラーのNUMAシリーズ第15弾! 世界はかつてない海面の急上昇に見舞われていた。国立海中海洋機関(NUMA)のオースチンは北極海での調査でこの異変が地球温暖化では説明できないと確信した。では原因はいったい――。ここで海底の地質活動に異常はないとする大方の見方に反して地震の頻発を指摘している人物が見つかる。日本の地質学者にして反科学技術運動のリーダー、ケンゾウ・フジハラ。オースチンたちは日本へ飛んだ。フジハラの隠れ処で真相の一端をつかみかけたそのとき、新たな脅威がオースチンたちを襲った―― -
弁護士サマンサ・ブリンクマン 宿命の法廷
悪徳渦巻くロサンゼルスで 彼女は犯罪者のために戦う! 女性弁護士の激闘を描くリーガル・サスペンス 「マーシャ・クラークが法廷や殺人ミステリーに精通しているのは当然だ――そのうえで、彼女はすばらしい作家であり、ストーリーテラーだ」ジェイムズ・パタースン 「LAの元検事による、トップクラスの謎解きミステリー……驚愕の展開と衝撃のシーンを散りばめる稀有な作家である」パブリッシャーズ・ウィークリイ誌(特選) サマンサ・ブリンクマンは、苦難の道を切りひらき、ハリウッドの近くに法律事務所をかまえる少壮の弁護士だ。 だが、その内実は火の車。依頼人は犯罪多発地区の懲りない面々ばかりで、報酬は安定せず、車の修理費にも事欠くありさま。今夜も、まともな法律家ならことわりそうなケーブルテレビの番組に出演したのはいいが、帰りの街角で強盗に遭遇、生命の危機に直面する。そんな場所が彼女のフィールドなのだ。 さて、メディアはいま、女優とルームメイトが殺害された事件で持ちきりだったが…… -
【電子復刻版】愛の探求――シドニーからシェイクスピアへ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 英国ルネッサンス期における「愛」の問題の深化(=肉欲による堕落)と発展(=堕落からの救済)を、当時の代表的詩人の詩作品の中に跡づける好論。 待望の電子復刻版。 -
【電子復刻版】『楽園喪失』――思想としての空間
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【電子復刻版】アメリカ文学と祝祭
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【電子復刻版】ミルトンの生涯
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 動揺を続ける社会の動きに、時には積極的にコミットし、時には身をひそめながら、『失楽園』を完成させた大詩人の一生を活き活きと描き出す好評伝。 待望の電子復刻版。 -
【電子復刻版】T・S・エリオット――詩と人生
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【電子復刻版】実存の西部――ノーマン・メイラー
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【電子復刻版】フィロロジーへの道
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【電子復刻版】イギリス革命と現代
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【電子復刻版】今日のアメリカ作家群像
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