作品一覧

ユーザーレビュー

  • 母娘短編小説集

    Posted by ブクログ

    <翻訳文学試食会>で取り上げられたので。

    母と娘の物語だったら、子供を理解せず押さえつける母!毒親!頭の硬い親世代!虐待!みたいな短篇が多いかな、さすがにそんなのが続いたらきついよなあと思ったんだけど、そんな偏りもなかったです。

    【『自然にもとる母親』シャーロット・パーキンズ・ギルマン】
    町で女性たちが集まり、最近子供を残して死んだエスターという女性を悪様に言い合っている。
    女性たちは、エスターの母が早く死んで父に育てられたことから気に入らない。女の子らしくなく、髪を短くして、娘らしく過ごすより外を駆け回り、近所の子供たちの面倒をみることが好きだったエスター。
    …いい子じゃん。
    だが女性た

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    2025年09月15日
  • クィア短編小説集

    Posted by ブクログ

    queer の語は、いわゆるLGBT全体を指すと共に、
    その中のどれでもない、名付け得ぬ欲望を表してもいて、
    QはLGBTを補完すべき要素――と、監訳者は述べる。
    この本は根底に名付け得ぬ欲望を抱えた、
    不思議で奇妙な味わい(=queer の原義)の作品を集めた
    アンソロジーである。
    表紙に採用されたのは印象派の画家
    ギュスターヴ・カイユボット(1848-1894)「床削り」。
    カイユボット作品の題材や雰囲気に
    クィア性を認める評が多いと解説にあり、
    その意味を考えながら読んでみた。

    以下、全8編についてネタバレしない範囲(?)で。

    ■ハーマン・メルヴィル
     「わしとわが煙突」 I and

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    2020年10月08日
  • クィア短編小説集

    Posted by ブクログ

    クィア小説コレクション、とはいっても一般に「LGBTQ」というカテゴリーで想像されるような内容には到底とどまっていない。収録作品の中には、ゲイ・セックスをあからさまかつ幻想的に描写するオスカー・ワイルドの「ティルニー」や、男性としてパスしてきたうぶなホテルの給仕係が若い女との結婚生活を夢見るジョージ・ムアの「アルバート・ノップスの人生」(映画の原作)もある一方、シャーロック・ホームズもの(パロディではない)あり、規範に縛られた田舎町で生と芸術への熱望に浮かされる若者の小説あり。
    「名づけ得ぬ欲望の物語」という副題が示唆する通り、行間から浮かび上がる欲望を読み取ろうとするクィア・リーディングの教

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    2025年05月31日

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