ユーザーレビュー 新編 不穏の書、断章 フェルナン・ペソア / 澤田直 これは一生ものの一冊になりそうです。読んでいると、生活上の様々な出来事や悩みが至極つまらないことに思える。開き直ることができる。自分が自分でいられる。それでいて、時にしんみりすることもある。まるでお酒のように、飲み方によって色々な酔い方ができる作品です。 Posted by ブクログ 新編 不穏の書、断章 フェルナン・ペソア / 澤田直 「わたしと私は違う」 ペソア自身とは違う様々な人物・・・アルベルト・カエイロ、リカルド・レイス、アルヴァロ・デ・カンポス、等、様々な異名を作り上げた詩人、ペソアの散文集の様な作品です。 ペソアの独特な思想、哲学感が反映された散文で、ニヒリズムでも、ペソアらしさが添えてあって、それだけじゃない何かが感...続きを読むじられます。 取り憑かれるタイプの魅力ですが、散文なので感性が合わないと途中で飽きちゃう人も。 Posted by ブクログ 新編 不穏の書、断章 フェルナン・ペソア / 澤田直 真に書く人は本を造らない。 「造る」は「書く」に追いつけないからだ。 散らかした紙片の中に佇み途方に暮れる人こと詩人なのである。 みたいなことを考えた。 つまりはペソア病にかかっていたわけだ。 60箇所くらい付箋が残されたこの本を、何度も読み返すことになるだろう。 未来の郷愁。 Posted by ブクログ 新編 不穏の書、断章 フェルナン・ペソア / 澤田直 何だ! 彼は、どこから来たんだ! ペソアを知らなかった。 このことを口惜しく思ったと同時に会えて心底喜んだのです。形の無いアンティークを見つけたように。 この読後感はカフカに近似しています。 それもそのはずで、本書も『城』や『審判』と同様に未完。音量の縮減。フェイドアウト的。いやどこかの結末を目...続きを読む指してさえいない散文で彩られていますから、そもそも終えようとしていないのかもしれない。私たちは本というシステムでもって彼を読みます。本には最後のページがあります。書籍的には一冊を読み終えましたが、実際は彼の世界を一度撫でたに過ぎないのです。 彼は「夢を見ている」と言っていますが、それはしなやかでたくましい想像力のなせる業。 でもきっと、彼は想像なんてしていない、なんて言い出しそう。 Posted by ブクログ フェルナン・ペソアのレビューをもっと見る