フェルナン・ペソアのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何だ! 彼は、どこから来たんだ!
ペソアを知らなかった。
このことを口惜しく思ったと同時に会えて心底喜んだのです。形の無いアンティークを見つけたように。
この読後感はカフカに近似しています。
それもそのはずで、本書も『城』や『審判』と同様に未完。音量の縮減。フェイドアウト的。いやどこかの結末を目指してさえいない散文で彩られていますから、そもそも終えようとしていないのかもしれない。私たちは本というシステムでもって彼を読みます。本には最後のページがあります。書籍的には一冊を読み終えましたが、実際は彼の世界を一度撫でたに過ぎないのです。
彼は「夢を見ている」と言っていますが、それはしなやかでた