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1944年4月4日、アウシュヴィッツ・ビルケナウ絶滅収容所に到着したイタリア系ユダヤ人の6歳の姉タチアナと4歳の妹アンドラは、最初の選別をくぐり抜け、子ども用バラック「キンダーブロック」に収容される。その後、ナチスによる人体実験のモルモットになる運命から奇跡的に生き延び、1945年1月27日に解放を迎える。だが、姉妹のアウシュヴィッツはまだ終わらない。アウシュヴィッツを生き延びた6歳と4歳の小さな姉妹が見たアウシュヴィッツと戦争が家族にもたらす悲劇の物語。
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Posted by ブクログ
アウシュヴィッツに収容された子供は21万6000人、そのうち生存者は451人、、そんな中で生き延びた姉妹とその一族の物語。 本の中には子どもたちの収容前の笑顔の写真があり、逮捕されたと書かれている。 こんな幼い子どもたちに何の罪があるのか、涙なくしては見れません。。 あとがきにもあるように、いま一番...続きを読む読んでもらいたい物語です。
アウシュヴィッツ=ビルケナウといえば ホロコースト、負の世界遺産で有名である。 4才と6歳の幼い姉妹がホロコーストの舞台となった絶滅収容所での狂気、非日常の体験、家族に起きた出来事、ホロコーストが姉妹に与えた影響が描かれています。 広島の原爆、沖縄戦とはまた違った戦争の狂気、悲惨さを感じた。 4才...続きを読む、6才の時の記憶って曖昧で殆ど憶えていない。 だけど当時4才と6才の子供の目線で語られる数々の恐怖の出来事は非現実的で衝撃的な事ばかりだ。 まず最初に行われる「選別」、働けない老人、病人、子供はガス室へ送られ「働けない者」は殆どが生き残れない。 死は至るところにありピラミッドと呼んでいた死体の山の回りで遊んでいたという記憶。 非日常が日常であり、それが当たり前だった。死がいつも隣り合わせで感覚が麻痺してしまって、そしてそれが自分の心を守る術だったのだろう。 まだ両親に甘えたい年頃なのに普通だったら耐え難い光景だ。 一番衝撃的だったのが従兄のセルジオの死だ。 ナチの軍医が「お母さんに会いたいものはいるかね?」と子供達の心の弱味につけこんだ無慈悲な罠。こんな状況で母親に会いたくない子供なんかいる筈がない。 20人の子供達は人体実験のために連れていかれその後、絵画のように吊るされて殺害されてしまった。 こんな残酷無比な事が本当にあったなんて信じられない。子供達に何の罪があるというのか。 ユダヤ人の家に生まれただけで命を奪われてしまった子供達に胸がえぐられる思いです。 解放後の人生も描かれていて、前向きに生きる姿と多くの優しい人達との出会いに心救われます。 解放から50年目にしてようやく姉妹はアウシュヴィッツでの体験を語り始めるが、いかに心の傷が深かったがうかがえる。 ホロコーストは終わったが、ホロコーストの生還者、遺族の苦しみはまだ終わっていない。 戦争体験者、ホロコーストの生存者は残り少なくなってきている。悲劇の歴史、同じ過ちを繰り返さないように歴史から差別や偏見、憎しみの恐ろしさを学ばなければならない。 著者の言うように理性を眠らせてはいけない、偏見という怪物を呼び起こすから。
2024年8月14日 ビルケナウに姉妹で収容された。6歳と4歳。 そこに収容された21万6000人の子どものうち生き残ったのはタチアナとアンドラ姉妹を含め451人。 ユダヤ人の当然の運命と受け入れてしまうのは幼なすぎるから。つらくてもほかの場所など思いもつかない、その現実に生きなくてはならない。それ...続きを読むは大人の囚人もそうだったらしい。鉄条網の向こうは現実の世界ではないと、夜と霧のフランクル氏も言っていた。 幼ない子どもはユダヤ人はそうなんだと理解した。自己評価が低いなんていう次元ではない。 それでも前を向いて生きていく強さ。寛容の気持ち。母や家族、親戚、ゆ友人との繋がり。ニュートラルな尺度で語る姉妹が素晴らしい。 このできごとを人類の教本にして、平和で平等な社会にしていこうと思う。全人類に広めていかないといけない。
本人たちの幼少時代の体験が克明に語られており、母親の執念や数々の偶然も重なり生き延びることができたという貴重な体験記。 ゾンダーコマンドやカポーなど監視員との関係性など運良く切り抜けることができたということもあったようです。 従兄弟の?男の子が人体実験の被験者に選ばれてしまい、その後殺されてしまっ...続きを読むたくだりはかなり残酷といいますか...
読み易く、巻末に述べられている様に「多くの人に読んでほしい」書物だと思った。 そして近い将来、「絶滅収容所を知る人々がいなくなる時間」が訪れる・・だからこそ、若い世代を通じて語り繋げていく架け橋がいかに大切かと痛感させられた。 語り部となっている2人の姉妹、収容された当時は6歳と4歳。双子とまちぐ...続きを読むぁれた可能性もあっての「生き延びた奇跡の証言者」 数多くの書物を務めて読んでいるつもりだが、「絶滅収容所6か所」は全てポーランドに在ったことすら知らなかった。 そしてドイツ、ナチスのユダヤ人撲滅計画は当然ながら学んできたつもりだったが、イタリアの動きと実態は初めて知った。 姉妹が生まれ育った現クロアチア領リエカ。姉妹の祖先が迫害を逃れるべく、ソ連からハンガリーを経て移住したこの土地でも人種法が有ったものの、一応の姓名保証はあった・・がムッソリーニ失脚後ドイツと結託したイタリアのユダヤ狩りが始まった。 個人的見解ながら~イタリアと言えば、サッカー、ワイン。そして古代遺跡の宝庫、有名な観光地、明るい国民性気質。こういった大きな影を持っていたとは。 欧州の随所でイタリア人お断りの場もあるとか。 そう言えば映画「ひまわり」で登場するイタリア兵と参戦したソ連の戦場。 御持っち条に欧州の持つ深い傷跡、それを拭っての今日の姿等学ぶことが多かった。 NHKの「旅するイタリア語」に登場した地 トリエステ。イタリアと東欧のはざまで揺れ続け、現在生きている高齢者たちに記憶にどう残っているのか、感じさせない明るい光の中に浮かんでいた。 当作品で感銘を受けたのは収容所当時の姉妹の言動を子供の目線、行動で綴られている事。 国際紛争が絶える事のない今、そして将来に「魂を曇らせることなく生きて生き続ける姿」をイメージさせる力になってくれる素晴らしいメッセージとなっていた。
イタリア領に住んでいた幼いユダヤ人姉妹がアウシュヴィッツで経験したこと。 解放後の人生も詳しく書かれて、興味深く読んだ。 自分たちの経験について話し出すことの難しさも。
6歳と4歳でアウシュヴィッツに入れられた姉妹から見たホロコーストの話。幼かったせいか、淡々と語られる話はそれほど悲壮感はない。しかし、大好きな母親と引き離され、飢えと寒さに苦しみ、親に会えるとだまして人体実験をした後に子どもを殺したという話は身の毛がよだつ。またその時々で話す言語を変えなければならな...続きを読むかった苦しみも相当だろう。とても読みやすい本でした。
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アウシュヴィッツの小さな姉妹
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タチアナ&アンドラ・ブッチ(Tatiana & Andra Bucci)
丹羽秀文
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