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ブルースRed
誰にも負けなかった釧路の女が、最後に守りたかったもの 釧路の街を裏社会から牛耳る影山莉菜は、ある青年を代議士にしようとしていた。人を裏切り、裏切られてきた女が最後に見た景色とは。 父の死という重い十字架を背負った女・影山莉菜は釧路の街を裏社会から牛耳っていた。亡父である博人の血をひく青年を自らの後継者とするため、代議士への道を歩ませようとする。だが、かつてのやり方では街を支配できなくなり、後継ぎとなるはずの青年も……。裏切りに直面した彼女が、人生の最後に見た景色とは。解説・宇垣美里 ※この電子書籍は2021年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ブレイクニュース
YouTubeで大人気のチャンネル『野依美鈴のブレイクニュース』。児童虐待、8050問題、冤罪事件、パパ活の実情などを独自に取材し配信。マスコミの真似事と揶揄され、誹謗中傷も多く、中には訴えられてもおかしくない過激でリスキーな動画もある。それでも野依美鈴の魅力的な風貌も相まって、番組は視聴回数が1千万回を超えることも少なくない。年齢、経歴も不詳で、自称ジャーナリストを名乗る彼女の正体を探るべく、週刊誌記者の真柄は情報を収集し始める。すると意外な過去が見えてきて……。デジタル社会の現代へ警鐘を鳴らす、SNS時代の新たな社会派小説。 -
嘘つきな彼との話
わけあって故郷に背を向け、孤独に、不器用に生きる20歳の一郎と24歳の辰巳。魂が惹かれ合うように川辺の町で運命的な出会いを果たした「ふぞろいな相棒」に、未来はあるのか? 「おすすめ文庫王国2024」エンターテインメントベストテン第3位の著者が、20歳の一郎と24歳の辰巳のわちゃわちゃした日々と不滅の絆を描いた、熱く切ない感涙の人生ドラマ。 書評家・藤田香織氏おすすめ! 厳つい名前の20代男子が、「たっちゃん」「いっくん」と呼び合う可笑しさと切なさ。 痛みを伴う「あの頃」を思い出せる年齢になった今だから沁みる。 彼らに出会えて本当によかった! ――藤田香織 -
デッドマンスイッチ ~警視庁トリタテ係~
“平成の強盗王”の遺産――その額なんと50億円! ちょっとくらいもらっても……バレないよね? エブリスタ×宝島社の『この文庫がすごい!』大賞受賞作家最新作! 平成の強盗王・熊谷洋平が獄中死したことにより、裏社会で遺産争奪戦が勃発した。どこかに隠された50億円相当の盗品を巡って、ヤクザ、半グレ、詐欺師などがしのぎを削るなか、借金まみれの刑事たちで結成された急造チーム「トリタテ係」が参戦する! 正義のため、また自らの破滅を回避するため、悪党どもより早く金を確保せよ! 人生の瀬戸際に立たされた落ちこぼれ刑事たちが一発逆転を狙う、ジェットコースタークライムノベル登場! -
ノイズ・キャンセル
高校入学を控えた春休み、鰐川草は不思議な美術館に迷い込む。「外してはいけない」という奇妙なルールとともに手渡されたヘッドホン。だが他人のヘッドホンを奪う闖入者の出現で、悪意のゲームに巻き込まれていく。 -
不遇令嬢とひきこもり魔法使い
私の居場所は、陽だまりでたたずむあなたの隣――。 由緒ある魔法使いの一族に生まれながら、魔法の才を持たないネヴィレッタ。世間から存在を隠して生きてきた彼女に転機が訪れる。先の戦勝の功労者である魔法使い・エルドを辺境から呼び戻せという王子からの命令が下ったのだ。 ≪魂喰らい≫の異名を持ち、残虐な噂の絶えないエルド。決死の覚悟で臨んだネヴィレッタが出会ったのは、高潔な美しい青年だった。彼との逢瀬の中で、ネヴィレッタは初めての愛を知り――。見捨てられた令嬢の、大逆転シンデレラファンタジー。 魔法のiらんど大賞2022小説大賞・恋愛ファンタジー部門《特別賞》受賞作 -
壺中天地シリーズ
小鳥遊涼は、オーナーの神宮司怜子にスカウトされてバー『よすが』で働き始めていた。そんな時、裏メニューの存在を知る。それはコープス・リバイバー……死体を蘇らせるという意味のカクテルは、黒諏輝良という男を仲介する合言葉であった。 小鳥遊の前に現れた黒諏は、眠たげな瞳で派手な柄シャツを着た何とも覇気のない男だった。 その風体から怪しいオッサンだと訝っていたが、小鳥遊が店で怪異な現象に遭った時に黒諏がそれを救う。彼は凄腕の魔術師だったのだ。 「小鳥遊君は、陽の気を纏った招き猫体質なんだよ。だが一歩間違えれば、とんでもないモノを引き寄せる誘蛾灯になりかねん」 その言葉通り小鳥遊は奇妙な悪夢に苛まれており、それはホストクラブ『新世界』の客の失踪事件とも繋がっていく―― オッサン魔術師と怪異を引き寄せるバーテンダーのコンビが、不可解な事件に挑む。 -
邪悪なる大蛇
『その女アレックス』の巨匠、最後のミステリー 意地悪に、ブラックに、酷薄に、 最・悪・の・事・態が加速する! 『その女アレックス』『悲しみのイレーヌ』『死のドレスを花婿に』…… ミステリーランキングを制覇し、フランス最大の文学賞ゴンクール賞も獲得。 鬼才ルメートル、最後のミステリー。 夫を亡くして独りで暮らすマティルド、63歳。殺し屋。戦争中は冷血の闘士として知られ、戦後は凄腕の殺し屋として仕事を請けてきた。だが彼女には認知症が少しずつ忍び寄りつつあった。それに気づいたのは、彼女に殺しを依頼している戦中からの同志アンリ。マティルドの殺しが必要以上に過激になっていたのだ。一方マティルドの中では、かつて抱いていたアンリへの恋心が甦り、暴走は加速してゆく! 最悪の事態が雪ダルマ式にふくれあがる! マティルドを愛していたアンリは、そして事件を追う真面目な刑事ヴァシリエフは、彼女を止められるのか? アタマからラストまで、ひたすら加速する「最悪と意地悪のスパイラル」。その果てに待つラストのサプライズは、笑ってしまいそうに衝撃的で電撃的で残酷で、まるで私たちの運命のようなのだ。 「多くの読者は気に入った登場人物がひどい目に遭うことに抵抗を感じる。だが現実の人生はどうだろうか。恋人が突然心筋梗塞で命を落としたり、友人が脳卒中で倒れたり、近親者が交通事故に遭ったりと、理不尽なことが次々起こる。なぜ小説家は現実の人生よりも手加減しなければならないのだろうか?」――ピエール・ルメートル -
百鬼園先生と私
私はその頃、百鬼園氏の家の書生であり、学生であり、執事であり、有力な家族の一員であった――自宅へ来る高利貸に応対し、漱石の軸を夫人に買い取ってもらうよう算段をし、佐藤春夫に短篇の紹介を頼む際に同行する。寝食を共にした書生が見た家庭での内田百閒。自宅と別宅の二重生活の様子が綴られる。 巻末に百閒の関連エッセイ・短篇を収録。 (目次より) Ⅰ ドイツ語の歌/代返/内田先生の時間/ゾルフ大使/青春の日/一分停車/晩飯/撫箏の図に題す/卒業論文/腕時計/学期末試験 Ⅱ 『冥途』縁起/砂利場の大将/二本のパイプ/退職金/軸 Ⅲ 大検校の軒/小びとのおじさん 内田百閒作品 予科時代/ゾルフ大使/冥途/大尉殺し/山高帽子 -
ぼくと初音の夏休み
――これは、ぼくたちの再生の物語 胸に秘めた重荷が、「青」に解き放たれる! 注目の140字小説家・長編デビュー作 いくつもの謎と伏線――泣いて笑って一気読み! 小説投稿サイト「ノベルアップ+」総合1位(2024年2月4日) 高校1年生の夏休み、逸見千尋は朝の浜辺で変わり者の同級生、北條初音と出くわす。セーラー服のスカートの下に赤いジャージを履き、ゴミを拾い集めていた。逃げようとしたがつかまって、千尋は初音に巻き込まれる。なぜ初音は奇妙な姿で「美化活動」をしているのか、千尋が上手く人と関われなくなった理由とは――。千尋と初音、そしてそれぞれを取り巻く人物たちの重い「過去」が次第に明らかとなり……。 湘南を舞台にしたひと夏の物語。 -
風に散る煙
よきワトスン役であるエイダルフに同行して海路カンタベリーに向かっていたフィデルマは、途中時化(しけ)のためダヴェド王国への上陸を余儀なくされる。先を急ぎたいふたりだったが、フィデルマの評判を聞きつけた国王から、小さな修道院の修道士や家畜がすべて消え失せるという不可解な出来事の謎を解いてほしいとの要請を受ける。じつはその修道院には王の息子がいたというのだ。捜査を引き受けたフィデルマとエイダルフは、ダヴェド王国の判事とともに問題の修道院へと向かうが……。王の妹にして弁護士、美貌の修道女が活躍するシリーズ第10弾。 -
人生は地獄よりも地獄的である。――芥川龍之介 地獄の2コマ名言集
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介】 この本では、人生を悩み抜いた天才小説家・芥川龍之介が作品の中に残した名言を、動物たちの2コマ漫画とともに紹介します。名言は読みやすいように現代かなづかいに改めています。また、漢字をひらがなにしたり、現在よく使われる感じに置き換えたりしています。 【著者紹介】 [企画・文]ペズル 編集ライター。著書に『孔子先生が教えるこども論語』、『もしも虫と話せたら』、『もしも恐竜と話せたら』(以上プレジデント社)、『366日のにゃん言葉』、『物語のある鉱物図鑑』(以上三才ブックス)などがある。 [イラスト]aqinasu 脱サラ僧侶。世を儚んで20年近く会社勤めをしたのち出家。今は土弄りに精を出しイラストを描く日々に満足を得る。あと、旅行が好き。 【紹介する名言の一部】 ◯阿呆(あほう)はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている。 『河童』 ◯我々の行為を決するものは善でもなければ悪でもない。ただ我々の好悪(こうお)である。あるいは我々の快不快である。 『侏儒の言葉』 ◯後で考えて、ばかばかしいと思うことは、たいてい酔った時にしたことばかりである。 『ひょっとこ』 ◯罰せられぬことほど苦しい罰はない。 『侏儒の言葉(遺稿)』 ◯どちらがほんとうの「正義の敵」だか、滅多に判然したためしはない。 『侏儒の言葉』 ◯互いに愛し合うものは苦しめ合う 『或阿呆の一生』 ◯人間は、時として、みたされるかみたされないか、わからない欲望のために、一生を捧げてしまう。 『芋粥』 ◯人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのはばかばかしい。重大に扱わなければ危険である。 『侏儒の言葉』 ◯もし憎み切れるとすれば、もっとしあわせになっているでしょう。 『二人小町』 ◯僕は屈辱を受けた時、なぜか急には不快にはならぬ。が、かれこれ一時間ほどすると、だんだん不快になるのを常としている。 『僕は』 ◯我々は我々自身のあてにならないことを、痛切に知っておく必要がある。実際それを知っているもののみが、幾分でもあてになるのだ。 『首が落ちた話』 ◯天才の悲劇は「小ぢんまりした、居心(いごころ)の好い名声」を与えられることである。 『侏儒の言葉』 ◯量的向上はたいてい質的低下である。 『文芸的な、あまりに文芸的な』 ◯輿論(よろん)は常に私刑であり、私刑はまた常に娯楽である。 『侏儒の言葉』 ◯天国は「しないことの後悔」に充ち満ちている。ちょうど地獄は炎の中に「したことの後悔」を広げているように。 『文芸的な、余りに文芸的な』 ◯ばかがるのが一番ばかだね。 『早春』 など -
平安助産師の鬼祓い
――少女は、その目で鬼を視て、その手で命を紡ぐ―― 彼女が関わるお産は安産になる……「産神の祝福を授ける助産師」と評判の少女・蓮花は、体の内外に蠢く微細な「鬼」が視える特異体質の持ち主だった。 その評判から異例の抜擢を受け、蓮花は帝の子を取り上げるため、気性が激しいと噂の女御に侍ることに。 鬼は視えるが祓う力は無い彼女は、とあるお産で鬼を退けてくれた安倍晴明と名乗る陰陽師の青年を思い出す。 意を決して陰陽寮を訪ねるも、彼は蓮花にある条件を出してきて…。 鬼を視る助産師の少女が、命と歴史を紡ぐ平安医療ファンタジー! ※特典として、書き下ろしショートストーリー【蓮の花と夏の約束】を収録しています。 -
暴君公爵の不敵な溺愛 「思い出すまで逃がさない」と迫られてます
見知らぬ場所で目覚めたルチェラ。 そこは美しくも尊大、暴風公爵と悪名高いカイの屋敷だった。 カイは現在皇帝殺しを疑われている。 潔白を示すには現場に倒れていたルチェラだけが頼りらしいが――ルチェラは記憶を失っていた。 記憶を取り戻すため、ルチェラは事件に関わる場所を連れ回されることに。 解放されたい一心で従うが修道院で虐げられた辛い記憶まで蘇る。 だがカイは過去も肯定し、ルチェラを必要としてくれた。 噂とは裏腹に真に国を思うカイを助けようと真相に迫るが、思いがけずルチェラの秘密も暴かれ――。 ==登場人物== ルチェラ 皇帝が死亡した現場近くに、修道服を着て倒れていた。 感情が高ぶると金色に光る特別な瞳には、皇国の根幹に関わる秘密が隠されていて――? カイ マルジョッタ皇国の皇帝を支える八公爵の一人。美青年だが傲岸不遜。 領民の生活向上のために改革を進めているが、その強引さゆえになかなか理解されない。 ※紙書籍初版&電子特典として、書き下ろしショートストーリー【暴君公爵と無敵の賭け事】を収録 詳細は紙書籍の帯、電子書籍の巻末をご確認ください -
起終点駅
終点はやがて、始まりの場所となる――。人生の終わりに向かう男女が、果ての街で出会い、分かち合ったものは。直木作家の代表作! 愛する女性を失い、己を罰するように生きてきた鷲田完治。国選弁護人として静かに暮らす彼の前に、弁護を担当した椎名敦子が現れる。ある人を捜してほしいという。個人の依頼は受けないはずだったが、寄る辺のない彼女の人生を知り、やがて完治の心は動き始める(表題作「起終点駅」)。北海道に生きる人々の孤独と光を描いた名篇集。 解説は本屋大賞作家・町田そのこ氏! 24年5月から桜木紫乃、4作連続刊行! 第一弾『凍原』、第二弾『氷の轍』に続き、本作『起終点駅 ターミナル』、8月『霧』と続きます。 -
レーテーの大河
運命の車輪は回り始める。日本を揺るがす“危険な積み荷”とともに。 江戸川乱歩賞作家が時代の闇に挑むノンストップ・サスペンス! 終戦時の満州、そして五輪開催直前の東京。二つの「昭和」を貫いて走り始めた機密列車の後ろ暗い任務とは。 楔になろうとした男たちの、捨て身の作戦とは。 終戦間際の混乱で親を失った三人の戦災孤児。関東軍の機密物資を日本に運んだ2人の陸軍中尉。 焼け野原から復興へーーオリンピックを目前に急ピッチで東京の整備が進む中、日銀の現金輸送担当者が線路に転落死を遂げた。 事故として処理されるはずだったその死を合図に、二度と交わるはずのない人生が再び交差する。 そして、運命の列車は走り始める。 俺たちは駒だ。だが、駒だって逆らう。 -
仕立屋探偵 桐ヶ谷京介
服を見ればその人のすべてがわかる──被害者の痕跡に寄り添って未解決事件の真相に迫る、乱歩賞作家の新機軸クライム・ミステリー! 東京の高円寺南商店街で小さな仕立て屋を営む桐ヶ谷京介は、美術解剖学と服飾の深い知識によって、服を見ればその人の受けた暴力や病気まで推測できる技術を持っていた。そんな京介が偶然テレビの公開捜査番組を目にする。10年前に起きた少女殺害事件で、犯人はおろか少女の身元さえわかっていないという。さらに、遺留品として映し出された奇妙な柄のワンピースが京介の心を捉える。10年前とは言え、あまりにデザインが時代遅れ過ぎるのだ。京介は翌日、同じ商店街にあるヴィンテージショップを尋ねる。1人で店を切り盛りする水森小春に公開捜査の動画を見せて、ワンピースのことを確かめるために。そして事件解明に繋がりそうな事実がわかり、京介は警察への接触を試みるが……。 -
今夜、喫茶マチカネで
「閉店って。店、やめるってことか」 私は無言のまま、ちいさくうなずいた。 昭和29年に待兼山駅の近くで、父と母が始めた書店と喫茶店。1階の書店を兄が、2階の喫茶店を弟が継いだが、時代の流れもあり、最寄駅の名称が変わるタイミングで店を閉じることに。 喫茶マチカネの店主・今澤敦己は、店を愛する客からの提案で、残された数カ月の間、心に残る不思議な経験をゲストが語る会「待兼山奇談倶楽部」を開催する。そこで語られた、人生におけるとっておきの出来事とは……。 心あたたまる連作短編集。 (第一話:待兼山ヘンジ/第二話:ロッキー・ラクーン/第三話:銭湯のピアニスト/第四話:ジェイクとあんかけうどん/第五話:恋するマチカネワニ/第六話:風をあつめて/第七話:青い橋) -
NHK「100分de名著」ブックス カフカ 変身 「弱さ」という巨大な力
「朝目を覚ますと、自分が虫けらに変わっていた」――これって、もしかして私のこと? 主人公が「虫」になる小説の何がそんなにすごいのか? 2012年のテキスト刊行時は「自分を知るための鏡」として『変身』を紹介した著者だが、ポストコロナの現状を踏まえ、この作品は「個の孤立」だけでなく「家族の孤立」として読むことも可能だと説く。そこで書き下ろしの「ブックス特別章」では、ヤングケアラー、ビジネスケアラーの問題とからめた読み解きを試みる。カフカが遺したノートに「自分にあるのは人間的弱さだけ。だが、それは見方によっては巨大な力となる」という言葉がある。カフカ没後から100年、不安と孤独を抱える人が多い今、個の弱さを知ることで人と人とのつながりの大切さを考える「介護小説」として読み直す。 【内容】 はじめに――カフカを読むことは自分を知ること 第1章 しがらみから逃れたい 第2章 前に進む勇気が出ない 第3章 居場所がなくなるとき 第4章 弱さが教えてくれること ブックス特別章 ポスト・コロナの『変身』再読 -
スウープ!
ドイツ、ロシア、中国など、九か国の軍隊がイギリスに襲来(スウープ)! 同日同時刻に諸外国から侵攻されて、足の踏み場もなくなった絶体絶命のイギリス。 祖国の命運を賭けて、ボーイスカウトの若き総長・クラレンスが反撃を挑む―― 〈ジーヴス〉シリーズのウッドハウスが戦争と世相を笑い飛ばす、幻の快作。本邦初訳! 【ストーリー】 ドイツ、ロシア、中国など、九か国の軍隊がイギリスに襲来! 偶然にも、同日同時刻に(・・・前段参照!)そうしたなか、ボーイスカウトの若き総長・クラレンスは仲間とともに祖国を救うべく奔走する。 徒党を組んでイギリス包囲網を作る各国の将官を、偽情報を用いたり、劇場で騒ぎを起こさせるなどして、彼らを仲たがいさせ、軍隊を同士討ちさせる。 そうしてまんまと侵略者たちをイギリスから追い出そうとする―― 戦争小説の一種なのに「人が死なない」という点でも本作は異色。 戦争が起きて、爆弾が落ちても街では誰も死なず(なぜならみな、夏のバカンスに出かけていたから!)、侵略軍の将軍に人気が集まる(なぜなら彼らはミュージック・ホールの舞台に立ち、拍手喝采を集める人気芸人になったから!)。 世界観も設定も、いつもの「ウッドハウス・ワールド」。ウッドハウス作品を読み慣れた読者には、安心安全桃源郷として楽しめる、今こそ読みたい戦争コメディ小説。 -
古池に飛びこんだのはなにガエル?
本書は、「短歌&俳句は生物学の視点があるともっと面白く鑑賞できる!」をテーマに、人気の生物学者・稲垣栄洋氏が名歌&名句で描かれる生き物を解説していくものです。 例えば、松尾芭蕉の有名な一句【古池や蛙飛びこむ水の音】では、「このカエルとは何ガエルなのか」をテーマとしています。俳句においてカエルの定番と言えば、“カジカガエル”なのですが、ここは裏庭にいる“ツチガエル”と著者は考えます。その理由を生物学の視点で解き明かしていくのです。 このように名歌や名句には、生き物や自然について私たちが気付いていない新しい見方や楽しみ方が隠されており、本書は、短歌&俳句が好きな方はもちろん、生き物に興味がある方にも満足してもらえる一冊です。 <本書で取り上げる俳句&短歌の一部> ①古池や蛙飛びこむ水の音(松尾芭蕉) →古池に飛び込んだのは、何ガエル? ②やれ打つな蝿が手をすり足をする(小林一茶) →ハエが手足をすり合わせるには、理由がある ③ のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり(斎藤茂吉) →ツバメはどこから亡くなった母を見ていたのか ④ むざんやな甲の下のきりぎりす(松尾芭蕉) →カブトの中では、本当にキリギリスが鳴いているのか? ⑤ 白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ(若山牧水) →ハクチョウはなぜ白いのだろうか …全部で57の句・首を掲載。 <著者プロフィール> 稲垣栄洋(いながき・ひでひろ) 1968年、静岡県生まれ。岡山大学大学院修了。農学博士。農林水産省、静岡県農林技術研究所などを経て、静岡大学農学部教授。中学校、高校の国語の教科書に著書が掲載されている他、昨今は入試の再頻出作家として知られている。 40歳を過ぎてから、中学校時代の国語の先生の勧めで短歌を始める。コスモス短歌会会員。 主著に『身近な雑草の愉快な生きかた』『弱者の戦略』『雑草はなぜそこに生えているのか』『生き物が大人になるまで』『生き物が老いるということ』『植物に死はあるのか』『はずれ者が進化をつくる』『生き物の死にざま』などがある。 -
エブリ リトル シング 夏休みのキセキ
20万部のベストセラーが大幅リニューアル。 多くの学校で道徳の副教材に使用されている『カブトムシと少年』から始まる、 優しさと涙に包まれる傑作集、待望の復刊! ベストセラー連作短編小説『エブリ リトル シング』が、新エピソードを追加して復刻。 巧みに張られた伏線、先の読めない展開、そしてすべてのピースを回収する感動のラストまで、 夏が来るたびに読み返したくなる連作短編の枠を超えた愛と奇跡の物語。 ◆読み終えたとき、あなたにも夏休みのキセキが起こる! 〈第1話 カブトムシと少年 ~小学生の夏休み~〉 不登校児を救った作品としてインターネットを中心に話題沸騰。 あえて5本足のカブトムシを買い求める少年の些細な行動が、 夢や自分の存在意義を見失った人々の人生と交錯し、物語は波紋のように広がっていく。 〈第2話 ランチボックス ~中学生の夏休み~〉 貧乏を苦にする中学生の菜々美には、誰にも話せない秘密があった。 自分を肯定できない彼女を救ったものとは。 〈第3話 アフター・ザ・プロム ~高校生の夏休み~〉 「ダンスパーティの相手は誰だったの?」 “地味子”と呼ばれる女子高生の京香に投げかけられる冷ややかな視線。 なぜ、彼女は相手をひた隠すのか? 〈第4話 彼女はいつもハーティーに ~大学生の夏休み~〉 作家を目指しながらバーでアルバイトをしている玲奈。 あきらめかけていた彼女の夢に彩りを与えたものは? 〈第5話 ビジネスカード ~OLの夏休み~〉 信頼していた上司や同僚に裏切られた星野。何も信じられなくなった彼女はある決断をする。 〈第6話 ボクはくすり指 ~夫婦の夏休み~〉 ボクは何の役にも立たない――そう思い込んでいる、みどりちゃんの薬指・クスリ。 泣いてばかりだったクスリに起きた奇跡とは? ◆各話に登場した主人公たちは、どのように夢を実現させるのか。 その後日譚となる新エピソード! 〈第7話 100万回生きた犬 ~新エピソード①~〉 一千万分の一の確率の奇病をかかえて生まれた犬、マロン。 そのことを知った葵は、神様にあることを祈るが…。 〈第8話 二つの海がトラブルだった ~新エピソード②~〉 思いきって自分の好意を伝えた悠斗。 ところが相手は「二つの海がトラブルだった」という謎の言葉を残して…。 -
いつか、あの博物館で。アンドロイドと不気味の谷
ロボット博物館への校外学習で同じ行動班になった、安藤悠真、長谷川湊、清水陽菜、市川咲希の四人の中学一年生。その博物館には、「美しすぎる」アンドロイドの気象予報士が展示されていた。その日の体験をきっかけに、それぞれがロボットと人間の違いを考える。完璧な美しさや強さを持つロボット、やさしい言葉をかけてくれるロボット、いつまでも死なないロボット……。それでも、ロボットにはない自分だけの心を確かめ、他者と触れ合い、距離感に悩みつつも、気持ちがつながる瞬間を大事に、新しい自分を作っていく――。不思議な縁でつながった、性格や家庭環境の異なる男女四人。彼らの中学一年から三年までの三年間をそれぞれの視点から描いた、現代社会に生きるさまざまな子どもたちの姿を切り取る著者による、中学生たちの日常(いま)の群像劇。 -
ヴァネッサの伝言 故郷
時は中世、ヨーロッパ内陸部。魔境ギガロッシュの果てからヴァネッサの民が開放されて3年半、プレノワールの領民として生まれ変わろうとしていた村人のもとに、少年ラフィールが帰ってきた。彼もまたプレノワールで新しい生活を始めるが、今は亡き兄シルヴィア・ガブリエルの大きすぎる存在が彼の心を悩ませる。ヴァネッサの民は、その高い技術が大きな利益を生むことから政治に利用され、領民の根深い偏見も消えることはなく、試練が次々と彼らを襲う。兄に対する憧れ、拒絶、理解を経て、ラフィールがようやく掴みかけたものとは? そして、ギガロッシュの向こうへ捨ててきた故郷をもう一度ヴァネッサの民の心に取りもどすために、鍛冶職人の親方ガストンが起こす行動とは? 誇りを持って生きるために必要なものは何かを問う、長編ノベル。 -
古道具屋蔦之庵の夫婦事情
嫌われても、居場所がなくても、人生は続いていくのだ 幼い頃から人ならざるものを視ることができた文子は奉公先から気味悪がられ、暇を言い渡されてしまう。ある日、呪いのせいでお面が外せない古道具屋の店主・蔦野清志郎との縁談が持ち上がる。いざ古道具屋に赴くと、「表向き夫婦だが、妻として扱う気はない」と宣言された。しかし、古道具屋の仕事を手伝う中で文子は己の居場所を見つけ、清志郎と少しずつ心を通わせていく――。 ■猫屋ちゃき(ねこや・ちゃき) 「第2回お仕事小説コン」にて『こんこん、いなり不動産』で特別賞受賞。 ■イラスト 桜花舞(おうか・まい) -
我々の死者と未来の他者 戦後日本人が失ったもの(インターナショナル新書)
なぜ日本人は、気候変動問題に対する関心が低いのか。そのヒントは司馬遼太郎や村上春樹らの小説、さらに『鬼滅の刃』『虹色のトロツキー』『満州アヘンスクワッド』などの漫画作品にあった。「未来を変えること」と「過去を新たに見出すこと」は別のものではない。両者は同じ対象を二つの側面から眺めたのであり、その視線は緊密に結びついている。哲学から現代思想、文学、サブカルチャーにまで精通する著者が、日本人が切り捨ててきた<我々の死者〉、そして〈未来の他者〉をキーワードに、過去・未来と現在との「分断」の正体を暴く。 -
結城真一郎最新刊『難問の多い料理店』刊行記念小冊子
『#真相をお話しします』で大ブレイクした結城真一郎が2年ぶりに仕掛ける、 笑いあり、驚きあり、そして怖さあり……の摩訶不思議な本格ミステリ、ここに爆誕!! ――どなたもどうかお読みください。決してご遠慮はありません。 こんなミステリを、私たちはずっと待っていた!! ビーバーイーツ配達員として日銭を稼ぐ大学生の「僕」は、注文を受けて向かった怪しげなレストランで、オーナーシェフと出会う。 彼は虚空のような暗い瞳で、「お願いがあるんだけど。報酬は1万円」と、嘘みたいな儲け話を提案し、あろうことか僕はそれに乗ってしまった。 そうして多額の報酬を貰っているうちに、僕はあることに気づく。 どうやらこの店は「ある手法」で探偵業も担っているらしい、と――。 本小冊子は著者インタビューのほか、収録作品の中の一遍「転んでもただでは起きないふわ玉豆苗スープ事件」をお読みいただけます。ぜひDLしてお楽しみください。 -
わたしたちの担うもの
全米100万部の若き桂冠詩人、初の詩集が待望の邦訳 2021年、アメリカ大統領就任式で世界を驚かせた若き桂冠詩人。パンデミックと分断の日々を尖りまくった表現で描き出す、驚愕の作品集が登場。 大統領就任式での『わたしたちの登る丘』の朗読で一躍、現代アメリカ最重要詩人となったアマンダ・ゴーマンの第一作品集。 彼女の詩は苦難の瞬間をとらえ、希望と癒しのリリックに変える。 歴史、言語、アイデンティティをかけめぐり、想像力豊かい、そして親密に、ことばをコラージュし、ときに消去する。 パンデミックの悲嘆をうけとめ、悲痛のときに光をあてる。 彼女はわたしたちの過去からのメッセンジャー、未来への声だ。 -
後宮食医の薬膳帖
暴虐な先帝の死後、帝国・剋の後宮は毒疫に覆われた。毒疫を唯一治療できるのは、特別な食医・慧玲。あらゆる毒を解す白澤一族最後の末裔であり、先帝の廃姫だった。 処刑を免れる代わりに、慧玲は後宮食医として、貴妃達の治療を命じられる。鱗が生える側妃、脚に梅の花が咲く妃嬪……先帝の呪いと恐れられ、典医さえも匙を投げる奇病を次々と治していき――。 だが、謎めいた美貌の風水師・鴆との出会いから、慧玲は不審な最期を遂げた父の死の真相に迫ることに。 ◆◆◆登場人物◆◆◆ 【慧玲(フェイリン)】 暴虐を尽くした先帝の廃姫であり、毒を熟知する白澤一族の叡智を受け継ぐ最後の末裔。助命と引き換えに、皇帝から毒疫の治療を命じられる。 【鴆(ヂェン)】 怪しげな翳をもつ美貌の青年。宮廷で活躍する風水師だが、その正体は毒を操る暗殺者。毒の効かない慧玲を気に入り、なにかと揺さぶりをかけてくる。 -
イノベーションのための超・直感力
イノベーションに天才はいらない。 必要なのは、ビジネスの常識、固定観念、前例にとらわれた 「直感」を研ぎ澄まし、アップデートすることである――。 アイデアを自由に募る → × 早めに権限委譲する → × 競合の多い市場は避ける → × スタートアップや大企業の新規事業においてイノベーションを成功させるプロセスには、 数々の落とし穴がある。 「リサーチしたら他社で類似アイデアが見つかったので、この案は不採用」「プロトタイプの精度は重要だから何度でも調整しよう」「マイクロマネジメントは現場の士気を下げるから早めに権限移譲を」――これらは一見、正しいように見えて実は新規事業開発にブレーキをかけることにつながる行動だ。とりわけ、重要な意思決定とは思わずに無意識で行ったことが、罠への誘導であることも少なくない。 無意識の意思決定とは直感(習慣や経験による行動)と言い換えることもできる。 本書では、アイデアからPSF、ビジネスモデル開発、PMF、出口戦略、サポート部隊まで、 実際のスタートアップ・プロセスに沿って「直感の罠」を徹底解剖、イノベーションという、 超難問への実践的な取り組み方を紹介する。 クレイトン・クリステンセンのInnosight社パートナーが放つ スタートアップ/新規事業開発の超実践的解説書。 -
小江戸・川越 神様のペットカフェ楓庵
【電子版巻末にはゆいあい先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 会社から給料カットに遭い新しい仕事を探していた美乃里は、謎の男の子・ソラを助けたことがきっかけでカフェ「楓庵」で働くことになる。 そこは、何らかの理由で上手にお別れができない飼い主とペットが訪れる場所。 飼い主とペットは言葉を交わすことができ、お別れの準備が整えば、ペットは天国に送られる。 不思議なカフェでお客様たちを見守りながら、少しずつ仕事にやりがいを見出していく美乃里。 そんな中、彼女自身の心残りにも向き合う時が訪れる――。 大正浪漫のお店が連なる小江戸・川越。 神様がいると噂のペットカフェを覗いてみませんか? -
見習医ワトソン
死因を見つけ、無念を晴らせ! 僕は「医者」なんだから――。 乱歩賞作家渾身! 医療×警察ミステリーの傑作! 探偵と医師、共通項は真理のみを追い求める知性。探偵小説と医療小説、二つのジャンルが理想的な形で融合を果たした。――杉江松恋(書評家) 僅かな変化さえ見逃さない鑑別能力によって人間に横たわる善を照らす医師の姿に救われた思いだ。医師の奢りに挑戦し続ける新ジャンル医療ミステリーだ!――岡本 卓(医師) 何者かに腹部を刺された五十嵐夏帆が大阪の三品病院に緊急搬送された。懸命な治療の甲斐もあり、損傷した脾臓を温存したまま夏帆は一命をとりとめた――かに思えたが、術後あり得ない速さで容態が急変、命を落としてしまう。 死因は刺傷によるショック死、あるいは医療ミス、それとも――? 院長から死因の究明を命じられた内科医の家入陽太郎は、夏帆の事件を担当する大阪府警の刑事・成山有佳子の協力を得て調査を開始するが……。 -
響け! ユーフォニアム 久美子1年生編
※本書は以下4タイトルを収録した電子書籍合本版です。 <収録タイトル> ・『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』 ・『響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏』 ・『響け! ユーフォニアム 3 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機』 ・『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話』 北宇治高校吹奏楽部は、過去には全国大会に出場したこともある強豪校だったが、顧問が変わってからは関西大会にも進めていない。しかし、新しく赴任した滝昇の厳しい指導のもと、生徒たちは着実に力をつけていった。実際はソロを巡っての争いや、勉強を優先し部活を辞める生徒も出てくるなど、波瀾万丈の毎日。そんななか、いよいよコンクールの日がやってくる――。少女たちの心の成長を描いた青春エンタメ小説。 ※この物語はフィクションです。もし同一の名称があった場合も、実在する人物、団体等とは一切関係ありません。 -
闇祓
転校生の白石要は、少し不思議な青年だった。背は高いが、髪はボサボサでどこを見ているかよくわからない。優等生の澪は、クラスになじめない要に気を遣ってこわごわ話しかけ徐々に距離を縮めるものの、唐突に返ってきた要のリアクションは「今日、家に行っていい?」だった――。この転校生は何かがおかしい。身の危険を感じた澪は憧れの先輩、神原一太に助けを求めるが――。学校で、会社で、団地で、身の周りにいるちょっとおかしな人。みんなの調子を狂わせるような、人の心に悪意を吹き込むような。それはひょっとしたら「闇ハラ=闇ハラスメント」かもしれない。「あの一家」が来ると、みんながおかしくなり、人が死ぬ。だから、闇は「祓わなくては」ならない――。辻村深月が満を持して解き放つ、本格長編ホラーミステリ! -
君の顔では泣けない
高校1年生の坂平陸は、ある日突然クラスメイトの水村まなみと体が入れ替わってしまう。どうやら一緒にプールに落ちたことがきっかけのようだ。突然のことに驚き、戸惑いながらも入れ替わったことはお互いだけの秘密にしようと決めた2人。しかし意外やそつなく坂平陸として立ち振る舞うまなみに対し、陸はうまく水村まなみとして振る舞えず、落ち込む日々が続く。まなみの家族との距離感、今まで話したこともなかったまなみの友達との会話、部活の顧問からのセクハラ……15年間、男子として生きてきた自分が、他人の人生を背負い女性として生きること。いつか元に戻れる日を諦めきれないまま、それでも陸は高校を卒業し上京、そして結婚、出産と、水村まなみとしての人生を歩んでいくことになる――入れ替わった後の15年を圧倒的なリアリティで描く、第12回小説野性時代新人賞受賞作!! -
にせ者が看護師になる方法
1883年、ニューヨーク。生きるためにスリを続けているウーナは、ましな暮らしを夢見ていた。そんなある夜、偶然にも殺人事件を目撃してしまう。警察はウーナを犯人と決めつけるし、普段は口うるさいスリの元締めも助けてくれない。自分を守れるのは自分だけ。そこでウーナは身を隠すため、創立されたばかりのベルビュー病院看護学校にもぐりこんだ。ここにいれば、部屋は与えられるし、食事も出る。ほとぼりがさめたらすぐに出ていくつもりだったのに、自分を騙したりしない友人や、ちょっと気になる研修医、なにより、自分の世話で元気になっていく患者たちに心惹かれていく。私は殺人容疑のかかったスリなのに……悩みながらウーナが選んだ道は!? -
もりのかいぶつ
少女は「かいぶつ」だった。 呪いが解けるその日までは。 繰り返される別離と出逢い、拒絶と絶望の果て、 やがて少女は「小さな幸福」に救われ、森を出て、大人になる。 毒親に翻弄される少女に、生きる理由と居場所を与えたのは……!? 切なく哀しく心温まる、究極の愛の物語に涙が止まらない! 「自分は他の人と違う『かいぶつ』だから愛されない」 ――幼い頃、藤村優を取り巻く世界は狭く冷たかった。 我が子に歪んだ感情を向ける母、家に寄りつかず妻子に関心のない父。 両親はやがて優を捨て、彼女は伯母・登季子のもとに身を寄せる。 偏屈な魔女めいた登季子と飼い猫・ランとの共同生活は坦々とと穏やかで、しかし愛に満ちていた……。 感涙の少女成長譚!! 胸に迫る物語に、泣かずにはいられない!! -
Destiny シナリオブック
石原さとみ主演 テレビ朝日系・火曜よる9時ドラマのシナリオを完全収録! 20年の時をかける、サスペンス×ラブストーリー。 「横浜地方検察庁」中央支部の検事・西村奏(石原さとみ)は、中学生の時、検事の父を亡くしたことをきっかけに、母の故郷・長野県に移り住み、そのまま地元大学の法学部に進学。 そこで出会った4人の仲間とともに、司法試験に向け苦楽を共にする一方、恋に、喧嘩に、友情に…と、生まれて初めての「青春」を謳歌し、その絆を深めていく。しかしある日、事件が起きる。ある人物の死――それが彼らの運命を大きく狂わせていく。 12年の月日が流れ、舞台は長野から横浜へ。35歳、念願の検事になって6年。そんな奏の前に、事件以来消息不明だった学生時代の恋人・野木真樹(亀梨和也)が現れ、再び過去と向き合うことになる。 数多くの疑惑に包まれた「大学時代の事件」、20年前の「父の死の真相」。そして仲間たちの秘密の顔と、恋人との再会…一見バラバラに見える出来事が、一本の線でつながったとき、物語は思いがけない方向へ突き進んでいく――。 上巻となる本作には、1~5話のシナリオを収録。 ※電子書籍版には口絵の掲載はありません -
緑陰深きところ
業を背負う男たち、奇蹟のロードノベル。 兄さん、今からあんたを殺しに行くよ――。 大阪ミナミでカレー屋を営む三宅紘二郎のもとに、ある日一通の絵葉書が届いた。葉書に書かれた漢詩に、紘二郎の記憶の蓋が開く。50年前、紘二郎の住む廃病院で起きた心中事件。愛した女、その娘、彼女たちを斬殺した兄……人生の終盤を迎えた紘二郎は、決意を固めた。兄を殺す、と。 思い出の旧車を手に入れ、兄の住む大分日田へ向かおうとする紘二郎の前に現れたのは、中古車店の元店長を名乗る金髪の若者・リュウだった。紘二郎の買ったコンテッサはニコイチの不良車で危険だと言う。必死に止めようとする様子にほだされ、紘二郎は大分への交代運転手としてリュウを雇うことに。孫ほど年の離れた男との不思議な旅が始まった。 かつて女と暮らした町、リュウと因縁のある男との邂逅、コンテッサの故障……道中のさまざま出来事から、明らかになってゆく二人の昏い過去。あまりにも陰惨な心中事件の真相とは。リュウの身体に隠された秘密とは――? 旅の果て、辿りついた先で二人の前に広がる光景に、心揺さぶられる感動作。2020年直木賞候補となり、いま最も注目を集める作家が贈る、渾身の一冊。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『緑陰深きところ』 の文庫版となります。
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