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Posted by ブクログ
これは一人の男性が、自分の人生の責任を認識するということをテーマにした小説と捉えた。
この類の男性の通過儀礼をテーマにした小説は多々あるが、本作はそれらの作品とは一線を画した、ジェンダー問題への鋭い示唆に富んだ作品だ。
ある出来事が起きて、「俺は変わったんだ」という言葉と共に、何も変わることなく生きている男性は多い。
口だけではなく実際に新たな責任を背負うためにはとても困難な認識の変化が求められるが、それは革命的な転換ではなく、牛歩的なプロセスであることを本作は示している。
主人公の行動描写と内的描写が撚り合わさり、その遅々とした歩みを描き切っている点、本作は未来を先取りしていると感じた。
Posted by ブクログ
弥勒を読んだ勢いで読む。「弥勒」の後と勝手に思い込んでいて、なるほど「弥勒」味があるなと思っていたら、直木賞を取った「女たちのジハード」よりも前の作品なのね。だから「弥勒」が「ゴサインタン」味があったのだ。本書は東京の西に住む冴えない40男のもとにネパールから嫁いできた女性がもたらす宗教味の強い出来事と、それに翻弄された主人公がついに行き着く場面まで、いくつもの物語としての転機を持ちながら描かれていく。女性が奇蹟というか秘蹟的なことを起こした時点で、あぁこういう話ね、となんとなく納得というかやめようかなと思っていたら、終盤の主人公の行動にある意味期待感が高まり読むのをやめずに良かったと思えた。こういう形での男の再生は男性作家の多くが描けないという気がする。
Posted by ブクログ
1997年第10回山本周五郎賞
同年の直木賞候補作にもなりました
ゴサイタンーヒマラヤ山脈にある山の名で
「神の座」の意味を持つ
東京近郊の豪農結木家
地元名士だった父、家と夫に尽くし地元にも尽力した母、家と農業を継いだ次男
長男は優秀で早々と家を出て結婚してアメリカで暮らしている
次男の輝和はまもなく40歳を迎える
家の為親の為にも結婚を希望しているが
嫁はなかなか見つからない
同じような環境の友人達と外国人花嫁の斡旋を受けて ネパール人の若い女性と結婚する
なかなかの長編で この農家の現状と外国人花嫁の受け入れ、それでもよしとする農家を継ぐ男達を中心とした心情はとても興味深く読んみました
豪農になる為の祖先の許しがたい行為
それを知ってか現在持つ財産を振り分けてしまうネパール人妻
両親が亡くなり残された資産も全て失い
あげくに妻は失踪する
妻を追ってネパールに入る夫
ネパールの多民族性、カースト、貧困、衛生観念等が 男の行動とともに描かれる
ネパールの状況が詳細でここも興味深く読みました
なんだけど、この現実的な社会問題を綿密に書きながら
ネパール人妻が神秘の力を持ち新興宗教の教祖的役割を果たして、あげく記憶喪失的失踪という流れがどうにもしっくりきませんでした
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