黒牢城

黒牢城

小説・文芸
1,056円 (税込)

5pt

本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。このままでは城が落ちる。兵や民草の心に巣食う疑念を晴らすため、村重は土牢に捕らえた知将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めるが――。
事件の裏には何が潜むのか。乱世を生きる果てに救いはあるか。城という巨大な密室で起きた四つの事件に対峙する、村重と官兵衛、二人の探偵の壮絶な推理戦が歴史を動かす。

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黒牢城 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    映画でやっていたので、興味をもって読んでみました。
    歴史もの?は苦手なイメージがあったのですが、これは全然すらすらと読めました。
    黒幕は完全に騙された思いです。あなただったか・・・!

    0
    2026年09月26日

    Posted by ブクログ

    米澤穂信の中で一二を争う傑作だと思う!!
    史実から最終的に城が落ちるのは分かっているので、終わりに向かって進んでいく感じが、『黒牢城』という仄暗さ溢れるタイトルとも相まって独特の雰囲気でとても良かった。
    語彙がやや難で読むのに時間はかかるが、重厚な語りの中で味わうミステリーが至高の時間だった。

    0
    2026年09月16日

    Posted by ブクログ

    日本史ちゃんと勉強しなかった民なので楽しめるか不安な思いで読み始めたけど、、、そんな心配は杞憂に終わりました、はい、とっても面白かったです。一気に飲み進める事ができました。
    たまたま大河ドラマ『軍師官兵衛』を当時リアタイで観てたので、主要な登場人物(と言っても村重や官兵衛、おだしさんくらいだけど)を頭の中に思い浮かべながら読めたのも良かった。
    これ以上に面白い歴史小説ってあるのかな?
    他にも歴史小説読んでみよう!その前にまずは日本史を学び直そう!と思い立ち、大人の学び直し用の参考書を買いました。
    そんなきっかけを与えてくれたこの本に感謝です。

    0
    2026年09月12日

    Posted by ブクログ

    おもしろい。
    歴史に明るくない私がこの本を手に取ったのは米澤穂信先生の本だから。
    黒田官兵衛の智慧の凄まじさが伝わる。最後の最後で出てきた子息、松寿丸がのちの黒田長政で福岡を栄えさせた人。

    織田信長に反旗を翻して有岡城に立て籠もる将、摂津守荒木村重が毛利の助けが来ない局面で起こる様々な難事件に翻弄される話。もうだめだ、開城するしかない、という絶体絶命のタイミングで、土牢の囚人である知将、黒田官兵衛に謎を解くように請う。
    “武士の中の武士“ばかりの登場人物たちが交わすヒリヒリするやり取りのなかに、殿への忠誠や家臣への慮りが交錯し、深い尊敬の念も芽生えた。

    0
    2026年08月29日

    Posted by ブクログ

    最後の50ページが私には面白かった。そこまで読んで良かったなぁと思わせてくれる内容でした。
    単なるミステリーでなく、人としての生き方を問われる本だと思う。

    0
    2026年08月25日

    Posted by ブクログ

    歴史を知らない人でもミステリーとして楽しめる作品。黒田官兵衛による謎解き。読みながら、人物に関して歴史的な視点で調べるとさらに面白くなる。

    0
    2026年08月15日

    Posted by ブクログ

    読み終えて、強く残ったのは、主人公・荒木村重の「孤独」だった。

    村重は有岡城の城主である。殿様であり、多くの家臣を率いるリーダーである。当然、周囲にはたくさんの人間がいる。命を懸けて戦ってくれる家臣もいる。

    それなのに、村重は孤独である。

    読みながら考えていたのは、「一人で決める」ということの重さだった。

    第一章「雪夜灯籠」では、人質である安部自念をめぐる事件が起きる。

    村重は自念を殺さないと決めた。しかし、その下知に背き、自念を殺した者がいる。

    命令違反ならば処罰すればよい。だが、それほど単純ではない。

    敵を殺した味方を処罰すれば、家臣たちはどう思うのか。処罰される者をかばう人間が現れれば、家中に亀裂が生まれるかもしれない。

    正しいと思うことを命令すれば、それで終わりではない。

    その決断によって、人がどう感じ、どう動き、組織がどう変わっていくのか。そこまで考えなければならない。


    第二章「花影手柄」は、高槻衆と雑賀衆の話だった。

    城にいるのに、武士として働く機会がない。

    すると高槻衆は、自分たちは「無駄飯食い」ではないかと思い始める。周囲にも、彼らをなんとなく疎む空気が生まれてくる。

    村重はそれを放置できない。
    彼らに手柄を立てさせなければならないと考える。
    私は、仕事はやっぱり必要なんだ、と思った。

    もちろん、ただ忙しくしていればよいということではない。

    人には「自分はここで役に立っている」「自分にはここにいる意味がある」と感じられる何かが必要なのだろう。

    ところが『黒牢城』は、そこで話を終わらせない。

    仕事を与え、実際に手柄が生まれると、今度は「その手柄は誰のものなのか」が問題になる。

    仕事がなければ不満が生まれる。
    仕事をすれば評価をめぐって妬みが生まれる。

    村重は仕事を与えるだけでなく、人の誇りや嫉妬、評価まで考えなければならない。

    組織を率いるとは、ずいぶん難しいことなのだと思わされた。

    第三章「遠雷念仏」では、
    黒田官兵衛が村重に、村重の命令に命を懸ける勇者も、忠義を尽くす者もいるだろうと言う。
    しかし、天下の軍について村重と存分に語れる者は、ほとんどいないとも。

    そして官兵衛は、この有岡城で村重の言葉を本当に理解できるのは、自分以外には誰もいないのだと言う。

    ここで、村重の孤独がわかった気がした。

    孤独とは、周囲に人がいないことではない。
    自分のために命を懸けてくれる人がいても、孤独になることがある。

    自分が見ているものを、同じ高さから一緒に見てくれる人がいない。
    それもまた孤独なのだ。

    忠実な部下であることと、よい相談相手であることは同じではない。

    むしろ忠実であればあるほど、「殿の御意向は」と考えてしまうかもしれない。

    だからこそ、村重は敵である黒田官兵衛のもとへ行く。

    なぜ、敵である官兵衛なのか
    なぜ村重は、地下牢に幽閉している敵の官兵衛に助言を求めるのだろう。

    村重は官兵衛に「答え」を求めていたのではない、
    官兵衛に決めてもらいたいわけでもない。

    官兵衛は村重に忖度しない。
    村重の考えを疑い、ときには嘲弄し、村重自身が気づいていなかった矛盾まで突いてくる。

    だから村重は、腹が立つ。
    殺してしまおうとさえ思う。
    それでも村重は、また官兵衛のところへ行く。

    おそらく村重には、自分の考えを自分の外に出して、本気でぶつけられる相手が必要だったのではないか。

    「殿のお考えのとおりです」と言ってくれる人ではない。
    「本当にそうなのか」と返してくれる人。

    官兵衛は、村重にとって、考えるために必要な他者だったのだろう。

    若い者が異見を突きつければ、どうなるかわからない。「出すぎた杭は斬られる」という感覚がある。

    村重は、
    「なぜ誰も本当のことを言ってくれないのか」
    と孤独になる。

    しかし
    「本当のことを言ったら、自分がどうなるかわからない」
    と思っている。

    上は孤独になり、下は沈黙する。
    こうして組織の中から言葉が失われていく。

    戦国時代の籠城戦を描いた小説から、現代の組織にも通じるところがある。

    第四章「落日孤影」に入ると、村重の立場はさらに苦しくなっていく。

    村重が家臣を叱責しても、その意図が伝わらない。
    命令する権限はある。
    しかし、「殿がそう言うなら」と人を納得させる力が失われつつある。

    兵も民も苦しみに投げ込み、当てになるかわからない毛利を待ちながら戦を長引かせている。

    最も罰を受けるにふさわしいのは、自分ではないか。

    それまで村重は、誰が殺したのか、誰が命令に背いたのか、誰の手柄なのか、誰を罰するべきなのかを考え続けてきた。

    つまり、判断する側にいた。

    しかし最後には、
    「そもそも、この状況を作った責任は誰にあるのか」
    という問いが、自分自身に返ってくる。

    決める権限を持つということは、結果についても引き受けなければならないということなのだろう。

    そして終章で、もう一つ心に残ったものがある。

    この物語の人々は、ずっと「進め」と言われ続けているように見える。

    武士なら戦え。
    手柄を立てろ。
    役に立て。
    城主なら決めろ。
    迷うな。
    城を守れ。
    前へ進め。

    しかし最後に、「進まなくても極楽はある」という考えが現れる。

    これを読んで、第二章で感じた「仕事はやっぱり必要なんだ」という思いと、どこかでつながった。

    人には、自分が役に立っているという実感が必要なのだと思う。

    けれど、
    「役に立たなければ、自分には価値がない」
    となってしまってはいけない。

    仕事があることによって居場所を感じることと、仕事をしていなくても自分の存在を認められること。

    その両方が必要なのかもしれない。

    決断は、最後には一人でする
    一人で決めるというのは、大変なことなんだろう。

    村重には家臣がいる。
    意見を言う人間もいる。
    そして官兵衛という、自分の考えを本気でぶつけられる相手もできた。

    それでも最後の決断を官兵衛に委ねることはできない。
    自分がどうするのかは、自分で決めなければならない。
    相談することはできる。
    違う見方を教えてもらうこともできる。
    自分の間違いを指摘してもらうこともできる。

    しかし、最後の決断と、その結果だけは、誰かに代わってもらうことができない。

    それが「決める者の孤独」なのだと思う。

    官兵衛は地下牢に閉じ込められている。
    考えてみれば、村重も、「城主」「殿」「決める者」という牢に閉じ込められていたのではないだろうか。


    なぜ荒木村重は黒田官兵衛の牢へ何度も通ったのか。
    ミステリーとしての面白さとは別に、その問いを考え続けさせてくれる読書だった。

    0
    2026年08月15日

    購入済み

    直木賞には歴史物が有利

    知勇兼備の名将荒木村重が織田信長に叛逆し、有岡城で籠城。籠城中に様々な事件が起きるものの、牢に囚われた名軍師黒田官兵衛が安楽椅子探偵風に謎解きをしていく。歴史&ミステリの直木賞作品で、悪くはない。🏯しかし、米澤穂信の青春ミステリファンとしては、米澤が落選続きの直木賞受賞を狙って、受賞に「有利な」歴史物を、あえて執筆したような気がした。本作は軽妙洒脱な「いつもの」米澤成分が足りないのだ。果たして、受賞第一作は青春ミステリ。ライト文芸ファンの想いが垣間見れる。🏯

    #タメになる

    0
    2025年11月01日

    Posted by ブクログ

    ミステリー要素も盛り込んだ戦国時代小説で、読み応えがありました。戦国武将の考え方、心理描写など丁寧に描かれていて、印象に残った作品でした。

    0
    2026年10月02日

    Posted by ブクログ

    黒田官兵衛恐るべし。
    読み終わった時には、そう誰もが感じるでしょう。

    少し読むのに苦労しましたが、おもしろいです。
    特に最後は怒涛の展開。

    0
    2026年10月01日

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