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ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父ローレントに、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たちが顔を揃える中、殺人劇の幕が上がる。いま最も注目を集める俊英が渾身の力で放ち絶賛を浴びた、魔術と剣と謎解きの巨編。第64回日本推理作家協会賞受賞ほか、各種年末ミステリ・ランキングで上位を総なめにした、俊英渾身の本格推理巨編。
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Posted by ブクログ
うわわわ、面白い……!この世界観、たまりません。
このところ『黒牢城』映画化で露出が多いからか、〈米澤穂信欠乏症〉のワタクシ。米澤先生の書いたものならなんでも読みたすぎて、つい既読の『米澤屋書店』の文庫版もぽちってしまいましたし、なんなら先生のTwitterでもいいから出版してくれないかと考える始末。
本書『折れた竜骨』は、以前手に取ろうとしたものの二段組みの単行本にびびってしまい、さらに「魔術と剣と謎解き」の構成にもどうにも食指が伸びなかったんですけども、いやはや、やはり本には”読むべき時”があるのです。ゲーム『TES V:Skyrim』を通った私には、この中世ヨーロッパの物語がわかる、わかるぞお!(なんとウルフリックも登場!)
一見ファンタジーに見えますが、主人公たちが話す言語はイングランド語やフランス語ですし、実際の地名も登場する、”中世ヨーロッパの時代の架空の島”がその舞台となっています。
刊行時の東京創元社のインタビューを読んでみると、「特殊設定ものへの憧れをこめて」書かれたとのこと。
本書の土台となったファンタジー的世界観を作り上げるのに、どんな書籍やゲームが下敷きとなったのか……うーん、わたし、気になります!
登場人物一覧の怒涛のカタカナ名には面食らってしまいますが、それぞれのキャラクターが立っているのはさすがの手腕ですね。
なんといっても、探偵役のファルク・フィッツジョンとニコラ・バゴのコンビがとっても魅力的。
自身の使命を果たすため東方からやってきた、誠実で聡明でちょっとどこか抜けたところのあるファルクと、少年ながらしっかり者で背負うもののあるニコラ。脳内イメージでは、ファルクは『指輪物語』のアラゴルン、ニコラは『ハウルの動く城』のマルクルです(^^)
そして語り手を務める領主の娘・アミーナも好印象!
海の向こうへの好奇心がありながら、この時代ならではの自分の行く末も見据えている、勇気と冷静さを兼ね備えた少女ですね。とても16歳には見えない……。
礼拝堂でのニコラとのシーンが上巻ではお気に入りです。
さて、どこで読んだか、「高度に発達した科学は魔法と区別がつかない」といわれます。
その点、本書は「魔法だからなんでもアリ」なのではなく、バランスの取り方が非常にうまいなと感じています。ファルクとニコラの「魔法」も言ってしまえば科学捜査ですからね。
はてさて、この枠組みの中でどんな解決に至るのか。聞き取りもまだ途中なのに、「密室からの消失」まで起きてしまいました。いざ下巻!
Posted by ブクログ
折れた竜骨
米澤穂信の長編。
再読だが殆ど忘れている事に感謝。面白かった記憶のみ。
剣と魔法と真理のミステリ。まるでロールプレイングゲームをしているようだが、塩梅が絶妙。上巻はどちらかといえばミステリによりながら下巻に向けての種蒔きぐされている。
ロンドンから船に乗り三日程進んだ場所にあるソロモン諸島が舞台となり、1190年という時代設定が中世ヨーロッパのイメージとシンクロし、とても抒情的な気持ちになる。
語り手は領主の娘であるアミーナ。
敷地内で起きた老兵の死をきっかけに不穏な空気具漂エイルウィン家。
領主であるローレントは来る日に備えて傭兵や騎士を雇っている。
同じ頃、ソロモン諸島を訪れる謎の騎士フィッツジョンとニコラ。彼らはとある目的の為、旅をしている。
一つの死がきっかけとなり、冒頭から物語が凄いスピードで進行していく。語り手はアミーナだが、彼女の目線を依代に丁寧に舞台設定が説明されていく。
この世界には魔法を使う人々がいる事。
この世界には頭を落とさなければ死なない不死身のデーン人がいる事。
こういった設定を殺人事件の捜査を土台に読者に伝えていく事で、まるで僕らもこの世界を旅している様な感覚になる。
ミステリ要素としては自然的な要塞である小ソロモンが舞台でクローズドサークルが根本にあり、とある条件により動機は薄くなるがフーダニットについては圧倒的に謎が深く、単純に犯人に行き着く事は出来ない。
上巻ではほとんど謎解きは無く舞台装置の説明とこの世界はどういう世界なのかにフォーカスされている(上巻は最後の最後まで問題提起をしてくる)
主要な登場人物の魅力は上巻で見事に伝わるが、他のキャラクター達が下巻まで本格始動しないのは残念だが、それでもアミーナを取り囲む環境や生き様と、少し影を残しながらも終盤に打ち解けてくるニコラ、ニコラ目線からのフィッツジョン等飽きる事は一切なかった。
上巻では舞台設定の解説と伏線を散りばめた結果になる。下巻でどの様に伏線が回収されていくのか楽しみだ。
読み終えた後の満足感
上下巻ありますが面白く先が気になりすらすら読めます。
どうなるかハラハラしながら、意外な結末に驚き、読み終えたあとの満足感もあります。
Posted by ブクログ
2011年第64回 日本推理作家協会賞
土瓶さんからお勧めされていた一作。
ようやく読むことができました。ありがとうございます。
魔法が存在する十二世紀末のヨーロッパを舞台にしたミステリ。
ファンタジーであり、ミステリーであり、海洋民族のかほりもあり。
15年以上前の作品ですが、当時の紹介文にあった「いま最も注目を集める俊英が渾身の力で放ち」という言葉と共に たしかに、これから大成される作家なのだろうと思わせる風格があります。
魔法という現実にはないものを取り入れながら、ミステリとして成立させる。その仕掛けについて、作者自身が「読者とのあいだに交す約束事」という言葉で語っているのも興味深い。
とりあえず 下巻へ
Posted by ブクログ
普段ファンタジー読まないし、中世ヨーロッパ?の話も読まないのでそんなに興味無かったのですが、米澤穂信の黒牢城がとても良かったので(普段戦国小説とか歴史小説全然読まないけど、丁寧にわかり易く、かと言って自然な感じで凄く良かった)、折れた竜骨も読んでみようと思いました。
予想通り、普段読まない私でもとても読みやすかったです。中世ヨーロッパのファンタジーでミステリが成立するのか…!?って感じですけど、今のところすーっと違和感なく読めてます!!
タイトルの意味がまだ?????って感じなのですが、これから回収されるんでしょうか?ワクワク!
とても良いところで終わったので早く下巻も読みたいです!
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