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掬えば手には
平均的な身長体重。勉強も運動もすべてが普通。 何の取り柄もないぼくはある日、人の心を読める力に気がついた。 おかげで口の悪い店長の下でも難なくアルバイトを続けているけれど、 新人の常盤さんだけは心を開いてくれなくて……。 他者の心に寄り添うひたむきな姿をだれもが応援したくなる、究極に優しい物語。 ***書店員さんから絶賛の声があふれた傑作*** ロングセラー『幸福な食卓』、 本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』、 映画化『夜明けのすべて』、 日本中の読者から愛される感動作の数々を紡ぐ著者による、優しいエールの物語。 【オムライス店NONNAのメンバー】 梨木匠(19)平凡なことが悩みの大学生。珍しくこの店で長続きしているバイト。 常盤冬香(21)看護学校2年生。なかなか心を開いてくれない。 大竹さん(39)口も態度も悪い困った店長。実は世話好き……? オムライス店NONNAのその後を描いたアフターデイズ2編を収録! -
映画ノベライズ カラダ探し
2022年NO.1ホラー映画『カラダ探し』公式ノベライズ! 「私のカラダ、探して」――幼い少女からの不穏なひと言とともに、明日香の高校生活は一変した。午前0時、明日香は気づくと、高広たちクラスメイトとともに学校にいて、バラバラにされた少女のカラダを探すことに。しかし全身が血で染まった“赤い人”に惨殺されてしまう。カラダをすべて見つけないと、その日は繰り返され、何度も殺される。はたして明日香たちは死のループから抜け出すことができるのか――。死んでも死んでも殺される、超刺激的ループ型ホラー!! -
映画ノベライズ カラダ探し THE LAST NIGHT
2025年9月5日公開の映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』公式ノベライズ! 午前0時に学校に集められ、バラバラになったカラダを見つけ出すまで同じ日を繰り返す「カラダ探し」。 “赤い人”に何度も殺されながらも、明日香たち6人の高校生はカラダ探しを終わらせたが、その直後、明日香の存在がこの世から消えてしまった……。「カラダ探しを終わらせれば明日が訪れる。だが、最後の一人になるな」――今作では真夜中の遊園地を舞台に、呪いの連鎖が引き起こされる! 22年NO.1ホラー映画『カラダ探し』に続く、待望の最新作!! -
きみが死んだ八月のこと
大学生の春木初は、失踪した恋人・有森夏希の訃報を知る。突然のことに整理がつかないまま、初は東京を飛び出し彼女の遺影と対面。しかし、そこに写っていたのは恋人とは全くの別人だった――。 自分は彼女のことを何も知らなかった……。打ちひしがれる初に、夏希の親友を名乗る忽那冬佳は冷酷に告げる。 「あなたの恋人は今も生きています。本物の夏希から全てを奪って」 彼女の正体は? あの愛は本物だった? 二人は真相を探す旅に出る――。 -
P+D BOOKS 苦の世界
「苦」を諧謔的に描く“小説の鬼”の出世作。 「なぜ、あなたは、私がはじめにあなたと一しょになろうといった時に、いけない、おれは甲斐性なしのいくじなしなんだから、と白状してきっぱりとことわらなかったんです。……いくじなし」 日々、妻のヒステリー発作に悩まされている売れない画家の住友。要領が悪く、お金もない住友を、住友の親がいようが、近所の目があろうが、おかまいなしに大声で騒ぎ立てる妻の存在が、彼にとっては「苦」そのもの。 さらに、芸者の恋人を父親に奪われてしまった住友の友人、妻の親によって妻を芸者に売られてしまった周旋屋、じつは家族につまはじきにされていた住友の妻など、苦しい思いをしている人々を、ユーモラスに描いた作品。 大正から昭和にかけてさまざまな作品を発表し、芥川龍之介や直木三十五、水上勉らに多大な影響を与えた“小説の鬼”の出世作。 -
P+D BOOKS 馬よ花野に眠るべし
輜重兵にスポットを当てた異色の戦争文学。 「どうせ、向うが闇の世を生きるのやったら、今日まで仲よかった馬と一しょに、あしたから暮したかて……かめへんやないか。わしは、この馬が好きなんや」 終戦直前に軍馬の世話をする輜重特務兵として徴集された肥田善六。馬を忌避する習慣のある地に生まれた善六だが、担当する馬・敷島と暮らすうちに絆が生まれ、復員時には全財産をなげうって買い取ることに。敷島は大荷物の運搬や農耕などに活躍し、善六はそれなりに蓄えもできたが、映画の撮影に協力したとき、敷島が大事な蹄に致命的なけがを負ってしまって……。戦争の爪痕と時代の変遷、差別したがる日本人の特質、他者への愛情など、多くの要素が盛り込まれた名篇。 併録の『兵卒のたてがみ』は、『馬よ花野に眠るべし』の1年前に書かれたもので、輜重隊時代のみにスポットを当てた吉川英治文学賞受賞作。 いずれも輜重特務兵であった著者の実体験をもとに描かれており、思い入れの強い作品である。 -
笑う四姉妹 ひとつの庭と四つのおうち
読後、きっとこの笑顔に涙する。 「ゆずのお母さんたちってドラマチックじゃん。この世知辛い東京で、一つの土地に、四人姉妹がそれぞれ家を建てて住んでたんだよ?」。幼馴染みの稲葉亜子に問われ、そんな大げさなと返す信濃ゆず。 漫画家の亜子は最近仕事に行き詰まっており、ゆずの母と三人の伯母たちの話を聞きたいらしい。すると、二人のそばにいた老女がにっこり笑い、ゆっくりと四姉妹の過去を語りだし――。 父の失踪、巨額の借金、仕事と結婚、そして老い。人生はままならないが、四姉妹はいつも笑っていた。七十年以上の時をこえ描かれる家族の物語に涙が止まらない、著者渾身の感動作。 -
香港警察東京分室
アクション&頭脳戦の警察群像エンタメ! 香港国家安全維持法成立以降、日本に流入する犯罪者は増加傾向にある。国際犯罪に対応すべく日本と中国の警察が協力する――インターポールを仲介役として締結された「継続的捜査協力に関する覚書」のもと警視庁に新設されたのが「特殊共助係」である。だが警察内部では各署の厄介者を集め香港側の接待役をさせる窓際的部署と噂され、「香港警察東京分室」と揶揄されていた。メンバーは日本側の水越真希枝警視ら5名、香港側のグレアム・ウォン警司ら5名である。 初の共助事案は香港でデモを扇動、多数の死者を出した上、助手を殺害し日本に逃亡したキャサリン・ユー元教授を捜索し確保すること。彼女の足跡を追い密輸業者のアジトに潜入すると、そこへ香港系の犯罪グループ・黒指安が襲撃してきた。対立組織との抗争に巻き込まれつつもユー元教授の捜索を進める分室メンバー。やがて新たな謎が湧き上がる。なぜ穏健派のユー教授はデモを起こしたのか、彼女の周囲で目撃された謎の男とは。疑問は分室設立に隠された真実を手繰り寄せる。そこには思いもよらぬ国家の謀略があった――。 リアルな社会情勢を背景に、警察官の矜持と信念を描きだす。第169回直木賞ノミネート作。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『香港警察東京分室』 の文庫版となります。 -
夏空と永遠の先で、君と恋の続きを
伯父の旅館を手伝う僕は、今日も藤壺ひまり御一行様をお迎えに行く。――今日も? ひまりの髪飾りだけが「昨日」と違ったから気づけた。僕とひまりが、同じ一日を繰り返していることに。 永遠に続く離島の夏。僕をからかっては困らせるひまりに、いつしか僕は恋をした。僕らが想いを確かめ合った時、ひまりは悲しそうに告げた。 「君はやがてループを抜けて、その記憶を失うの」 いつか終わる二人の恋。その結末に、抑えきれない感動の涙があふれだす――。 -
古典確率では説明できない双子の相関やそれに関わる現象
斉藤勇魚と斉藤真魚。男女の双生児でともに二十歳の大学生。二人の人生は、年の離れた弟の誕生で一変した。 広島の大学に通う勇魚は親友に恋人を奪われ荒んだ日々を送り、北九州の実家で暮らす真魚も最愛の人に突然捨てられ世界に絶望する毎日。 そして二人は、奇しくもそれぞれの隣人との奇妙な交流に救いを求めていく……。 やがて気付いてしまった家族の真実。親子、恋人、親友――すべての日常が絶望と綯い交ぜとなった双子の青春の行き着く先とは? 大人になることの「痛み」をリアルに描き、第31回電撃小説大賞で《メディアワークス文庫賞》《川原礫賞》をW受賞した、ままならない愛と青春の物語。 -
十津川警部 西武新宿線の死角 新装版
高田馬場、所沢、そして金沢へ―― 女性刺殺事件と特急脱線事故の交点は!? 高田馬場、所沢から金沢へ―― 北陸の特急転覆事故との交点は!? 朝の通勤ラッシュアワー、西武新宿線高田馬場駅のホームで、若い女性が刺殺された。 周囲の状況からストーカーが犯人と目され、警視庁捜査一課の西本刑事の友人・小川裕介が逮捕される。 被害者は交通事故調査会の職員で、前年の北陸本線の特急サンダーバード脱線転覆事故を調べていた。 十津川警部の捜査と並行して西本は独自調査を始めるが……!? 2025年あ西武新宿線のルーツ・川越鉄道開業130周年! -
P+D BOOKS 秘密
人には言えない秘めたる思いを集めた短篇集。 「実はお前にだけ話すが、内地へ引揚げるとき、どさくさにまぎれて船着場ではぐらかして置いてくるつもりにしていたんだよ。自分の名前もいえない子供だったから」 知的障害のある子を抱え、途方に暮れていた〈兄〉。妹・花子の支援もむなしく、兄の子・正夫は家族に面倒ばかりかけていた。しかしある日、正夫が行方不明になってしまい、四ヵ月も帰ってこない。〈兄〉はあまり心配していないようだが、花子は何か引っかかりを感じて――。 心に秘密を抱える兄妹を描く表題作のほか、五十歳になった女性が、夫への不信感から夫の同僚の若い男に秘密の思いを抱く「黒い年齢」、パリで暮らす日本人の男が、フランス人妻の不貞を知りながら表面的には穏やかに暮らす「パリ祭」など、人には言えない思いで綴られた14篇の短篇集。 -
杜ノ国
壮大な物語が、はじまる。 文庫オリジナル書下ろし 古代和風ファンタジー 真っ赤な炎が目に入る。 ここは、どこ――。 大学生の真織は、どこか神社のような暗がりのなかで、“その少年”に出逢う。 生き神としてまつられる神王・玉響に。 「これぞファンタジー。とにかく面白かった」(書店員) 「情景描写が優れていて、非現実的な世界が想像しやすい」(図書館員) 父母を亡くした二十歳の大学生・真織は、ふしぎな光に誘われ、春夏秋冬の豊かな森にのびた真っ白な道を通りぬける。 真っ赤な炎と袴姿の少年。 神社の境内のような場所で“何か”が行われている。 「誰かいるのか?」と呼ぶ声が――。 いま、壮大な物語の幕が上がる。 古代和風ファンタジー、登場! 〈文庫書下ろし〉 -
うたかたモザイク
甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、人生の味わいを詰めこんだ17の物語。どんな人にも、どんな日々にも、凸凹や濃淡、裏表はかならずあるから、そんな欠片を集めたこの本のなかに、自分に寄り添う物語がきっとある。文庫化に際し「魔法少女ミラクルミルキー」「大阪の叔父さん」「前夜」「ムーンライダー」を収録。 sweet / spicy / bitter / salty / tasty 第171回直木賞受賞作『ツミデミック』で話題の著者、 一穂ミチの色とりどりの欠片をちりばめた、味わい豊かな作品集 あなたの思いや生きかたが きらめき、翳(かげ)り、 揺らいで、にじむ。 -
百年厨房
第3回「日本おいしい小説大賞」受賞作! 石庭大輔は、宇都宮市大谷町にある元石材商の旧家に独りで暮らす公務員。ある日、家の庭に見知らぬ若い女性が現れた。アヤと名乗るその女性は明治時代の生まれで、亡くなった大輔の祖父のもとで働いていたと言う。友人の紫は「タイムスリップだ!」と騒ぐが、大輔は信じない。だが、アヤが作った冷やしコーヒーを口にして驚く。祖父が生前「もう一度飲みたい」と語っていた通りの味わいだったのだ。さらに大輔は妹の忘れ形見・ルナを引き取ることになり、アヤ、そしてなぜか紫をも巻き込んで奇妙な同居生活が始まった。 天涯孤独の身で食にも生活にも興味なく生きてきた大輔だったが、アヤの作る百年前の料理に次第に食卓を楽しむ気持ちが湧き上がる。しかし、あるきっかけから新たなタイムスリップが起きてしまい……。 壺飯、じんごろう焼き、源氏飯、チタケうどん、自家製れもんミルク、甘露梅、ベーキャップル、ミルクセーキ、クリームコロッケ、柚煎りなど、おなじみのメニューから現代では失われたレシピも登場。 さまざまな食が時間をこえて絆を紡ぎだす、郷土愛たっぷりの“おいしい”家族ファンタジー! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『百年厨房』 の文庫版となります。 -
裏声で歌へ君が代
さまざまな背景を持つ人物が「国家」を語る。 陸軍幼年学校をドロップアウトした経験を持つ画商の梨田と、その友人でスーパーマーケットの経営者でありながら台湾民主共和国(台湾独立を目指す団体)の大統領・洪、洪の部下ながらアナーキストを自認する林ら、置かれた立場や政治的信条が異なる男女が、国旗や国歌、民主主義について、ときには酒を酌み交わしながら、ときには寝物語として縦横無尽に語り合う。 ――日本の陸軍は非合理主義にどつぷり漬かつてゐる団体で、この団体の信条とするところはナポレオンのものの考へ方とまつたく対立するものではないか。あの小さなコルシカ人ならば、歩兵操典に書いてあらうが、軍人勅諭にあらうが、そんなものは旧套にすぎず死んだ文字にすぎないとして、平気で投げ捨て、すばやく現実の必要に対応するだらう。―― 独特の歴史的仮名遣いでつづられた、渾身の長編の前編。 -
ミニシアターの六人
上映最終日前日、午後四時五十分の回の奇跡。 銀座のミニシアターで、二年前に亡くなった末永静男監督の追悼上映が行われている。二十一年前に公開された『夜、街の隙間』、上映は一週間だけ。最終日前日、午後四時五十分の回。天気は雨、観客は六人だった。 この映画館で働いていた三輪善乃は、公開当時にチケット売場の窓口にいた。山下春子にとっては、大学の同級生と成り行きで観に行った作品だ。自主映画を撮っていた安尾昇治は、末永のデビュー作でその才能を目の当たりにし、道を諦めた過去がある。沢田英和は、この作品に元恋人との苦い思い出があった。誕生日デートのはずだった川越小夏は、一人でスクリーンを眺めている。映画監督を目指す本木洋央は、生物学上の父親が撮った作品を観に来ていた……。 観客たちの人生と、『夜、街の隙間』のストーリーを行き来しながら、出会いとすれ違い、別れを繰り返す日々の中にある奇跡を鮮やかに描く。 『ひと』『まち』『いえ』の著者が、銀座という街とミニシアター、そこに集う人々、そして映画への愛を描き切った渾身の人生讃歌。 限られた人生の中で「映画」と出会えた幸福を、この小説はあらためて教えてくれた。 ──脚本家・向井康介さん(解説より) ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ミニシアターの六人』 の文庫版となります。 -
シンデレラ城の殺人
死刑か逆転無罪か。童話×リーガルミステリ! 怪しい魔法使いにガラスの靴を渡され、言葉巧みに王城で開かれる舞踏会へと誘われたシンデレラ。 お城に到着するやいなや、シンデレラはさっそく王子様の目にとまりダンスを踊る。しかしその後、王子様の死体が発見されたことで華やかな舞踏会の空気は一変。 シンデレラは王城の兵士によって殺人の現行犯として捕まってしまい、臨時法廷で裁かれることに。何もしなければ死刑になる大ピンチを前に、シンデレラは自身の手で無実を証明しようと決意する――。 王子様の死は事故か他殺か、それとも……。西洋童話とリーガルミステリが融合した大傑作、ここに開廷! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『シンデレラ城の殺人』 の文庫版となります。 -
誰も幸せにできない僕らは夢を見る
市役所本庁舎の隅にある、健康福祉課夢調査係。そこで僕は他人の夢の中に入り、深層心理を調査する仕事をしている。その目的は「個人の精神の不調を減少させ、ひいては社会的不和を根本から減少せしめること」――要は、夢の中でお悩み解決だ。 でもこの仕事は僕に向いていない。……だってあなたが死んだあの日から、僕は誰かに寄り添うことも、夢を見ることも、全て諦めたから。 『ひきこもりの弟だった』で鮮烈デビューした葦舟ナツが描く、心震わす珠玉の物語。 -
何かの家
その家には約束事がある。それは“決して一人で入ってはいけない”ということ――。 大学生の冬馬が夏休みに実家に帰省すると、父親から民俗学を学ぶ学生・雪穂のフィールドワークのためにある場所への案内役を頼まれる。そこは例の約束事がある家だった。目的地に向かう道中、雪穂は不思議な話をする。曰く、例の家には必ず誰か一人が囚われて、次の人が来ない限り永遠に出られなくなってしまう、というもので……。 ――これは、家にまつわるひと夏の物語。 -
古池に飛びこんだのはなにガエル?
本書は、「短歌&俳句は生物学の視点があるともっと面白く鑑賞できる!」をテーマに、人気の生物学者・稲垣栄洋氏が名歌&名句で描かれる生き物を解説していくものです。 例えば、松尾芭蕉の有名な一句【古池や蛙飛びこむ水の音】では、「このカエルとは何ガエルなのか」をテーマとしています。俳句においてカエルの定番と言えば、“カジカガエル”なのですが、ここは裏庭にいる“ツチガエル”と著者は考えます。その理由を生物学の視点で解き明かしていくのです。 このように名歌や名句には、生き物や自然について私たちが気付いていない新しい見方や楽しみ方が隠されており、本書は、短歌&俳句が好きな方はもちろん、生き物に興味がある方にも満足してもらえる一冊です。 <本書で取り上げる俳句&短歌の一部> ①古池や蛙飛びこむ水の音(松尾芭蕉) →古池に飛び込んだのは、何ガエル? ②やれ打つな蝿が手をすり足をする(小林一茶) →ハエが手足をすり合わせるには、理由がある ③ のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり(斎藤茂吉) →ツバメはどこから亡くなった母を見ていたのか ④ むざんやな甲の下のきりぎりす(松尾芭蕉) →カブトの中では、本当にキリギリスが鳴いているのか? ⑤ 白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ(若山牧水) →ハクチョウはなぜ白いのだろうか …全部で57の句・首を掲載。 <著者プロフィール> 稲垣栄洋(いながき・ひでひろ) 1968年、静岡県生まれ。岡山大学大学院修了。農学博士。農林水産省、静岡県農林技術研究所などを経て、静岡大学農学部教授。中学校、高校の国語の教科書に著書が掲載されている他、昨今は入試の再頻出作家として知られている。 40歳を過ぎてから、中学校時代の国語の先生の勧めで短歌を始める。コスモス短歌会会員。 主著に『身近な雑草の愉快な生きかた』『弱者の戦略』『雑草はなぜそこに生えているのか』『生き物が大人になるまで』『生き物が老いるということ』『植物に死はあるのか』『はずれ者が進化をつくる』『生き物の死にざま』などがある。 -
P+D BOOKS 断作戦
玉砕を強いられた「騰越守備隊」の真実。 ――遺族に戦場の実態を伝えるのは、生き残った者の義務だ……肉親が戦死した戦場の様子を知りたい気持がなくなってしまうことなどはあり得ないのだ、その気持に応えるために、とにかく精一杯戦場を語り続けなければならないのだ、と一政は自分に言い聞かせた。―― 日中戦争末期、旧ビルマに近い雲南の地で、約6万対2800という圧倒的不利な戦いを強いられた騰越守備隊。上官も仲間も次々と斃れるなか、落合一政と白石芳太郎は奇跡的に生き残った。 仲間たちがどのように戦い、どのように死んでいったのかを遺族たちに伝えるため、一政は長い年月をかけて『雲南戦記』を出版し、芳太郎も手記をまとめている。そこへ、収容所で亡くなった戦友の妹の消息がわかったとの報を受け、二人は東京まで訪ねていくが――。 仲間の命を奪い、郷里を焼け野原にしてしまった戦争は、何を残したのか。南方戦線を経験した著者ならではの、魂の一冊。 -
カミガカリ 不自然言語処理殺人事件
その神は、犯人だけを言い当てる。 「犯人の名前は羽柴理沙。年齢は二十三歳。職業は――」 全国の殺人事件・行方不明者などのビッグデータを“喰らい”、未解決殺人事件の犯人の名前を告げる神・シラツカサナギ。 一見便利に見えるサナギだが、大きな欠点があった。犯行の“過程”がわからないのだ。そのため神が告げた穴だらけのヒントをもとに、欠けてしまった真実のピースを補い容疑者の有罪を立証する「カミガカリ」と呼ばれる者たちが秘密裏に組織され――。 デジタルデータで繋がれた、神と人との二人三脚での探偵行為。第1回「AIのべりすと文学賞」小学館賞受賞作。神がフーダニットを、人間がハウダニットを担当する新感覚ミステリー! -
貸し込み(下)
人間とは、これほど救いがたいのか?奇妙な外国送金と香港の匿名口座――不正融資金はどこに消えた!? 本書に盛り込まれた感情のキーワードは「ひりひり」感ではないか。……金融のようなある意味、信用や裏切りが取引の要になっている世界では、ひりひりするような人間関係、状況ってたくさんあると思う。黒木さんの作品には、そんなわたしたちが知らないビジネスパーソンたちの感情が宿っている。……「経済」小説ではなく、経済「小説」と力説したい気持ちの由来、お分かりだろう。(松坂健 本書「解説」より) 【目次】 第7章 証人尋問、第8章 国会議員、第9章 外国送金伝票、第10章 爆弾炸裂、第11章 ジョーカー登場、第12章 パンドラの匣、第13章 判決、第14章 ポツダム宣言、第15章 プライベート・バンク、エピローグ 【著者】 黒木亮 1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資をめぐる攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。主な作品に『巨大投資銀行』『メイク・バンカブル!』『地球行商人』など。早稲田大学時代は箱根駅伝に2度出場し、『冬の喝采』で自身の競技生活を描いた。1988年から英国ロンドン在住。 -
貸し込み(上)
牙を剝く“手負い”の大銀行、徹底抗戦を挑む元行員。ー著者渾身の実録小説! 脳梗塞患者への過剰融資で訴えられた大手都銀・大淀銀行は、米国在住の元行員・右近祐介に濡れ衣を着せようとする。裁判での偽証、広報部による恫喝、開き直りなど、なりふり構わぬ銀行に対し、右近は東京地裁の証言台に立つことを決意。週刊誌の女突撃記者も参戦し、法廷内外で一大バトルが勃発する。――著者自らの体験をもとに描く、大銀行の歪んだ内幕と、司法の“救いようのなさ”。 【目次】 プロローグ、第1章 怒りの陳述書、第2章 元頭取への直訴、第3章 気の弱い後任者、第4章 女突撃記者、第5章 場外乱闘、第6章 裏書き 【著者】 黒木亮 1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資をめぐる攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。主な作品に『巨大投資銀行』『メイク・バンカブル!』『地球行商人』など。早稲田大学時代は箱根駅伝に2度出場し、『冬の喝采』で自身の競技生活を描いた。1988年から英国ロンドン在住。 -
P+D BOOKS 微笑
癌の妻を救うために奮闘する作家の体験記。 ――寿美は眠りながら、微笑をうかべていた。顔は少しやせているが、一向にとげとげしいところがなく、優しく美しい微笑の表情であった―― いつも元気で病気とは無縁だった妻・寿美が、お腹の違和感を訴えた。いくつかの病院にかかるものの、いずれも胃カタルとの診断。だが、実際には卵巣癌で、余命いくばくもないことが判明する。 お世辞にも愛妻家ではなかった「私」は、その日からなりふり構わず治療法を探しはじめる。臍の緒、梅の木に生えた猿の腰掛、研究中の新薬……。効果があったのか、手の施しようのなかった状態から、手術できるまでに病巣は小さくなり、1年以上持ちこたえたが――。 芥川賞作家が万感の思いを込めて綴る体験記。 -
傷だらけの光源氏
紫式部が本当に描きたかったのは、 “誰か”のではなく、“自ら”の人生を生きる女性だった 人気の古典エッセイストによるカラダ目線の『源氏物語』論 【内容】 2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』の主人公・紫式部が生み出した、日本古典文学の傑作「源氏物語」。 本書は、「源氏物語」の全訳本も刊行し、『本当はエロかった昔の日本』『女系図でみる驚きの日本史』『くそじじいとくそばばあの日本史』といったヒット作品も多く執筆している古典エッセイスト・大塚ひかり氏による“源氏物語”論になります。 登場人物の「カラダ」と「ココロ」に着目し、あふれるストレス死、モノのように扱われるカラダ、拒食に走る女性、モラハラ男とホモソーシャル社会…といった現代社会にも通じるリアルな世界として「源氏物語」を捉え直していきます。 『光る君へ』がより楽しくなるのはもちろん、新しい視点で「源氏物語」を楽しむことができる一冊です。 ※本書は、2002年に刊行されたちくま文庫『カラダで感じる源氏物語』を改題のうえ、大幅加筆修正したものになります。 【構成】 ●第1章 感じるエロス 病気する体/抑圧のエロス/リアルな身体描写/ブスな女の現実感 ●第2章『源氏物語』のリアリティ ブスでもない美女でもない女の魅力/等身大の男たち/“光る源氏”のコンプレックス/リアリティへのこだわり ●第3章 五感で感じる『源氏物語』 感じる視覚/感じる触覚/感じる聴覚/感じる嗅覚/感じない味覚 ●第4章 自分の心と体を生きる 感じる経済/感じる不幸/紫式部の「感じる能力」 「源氏物語」がよくわかる ◎系図とあらすじ(第1部~第3部) ◎カラダとココロの『源氏物語』年表 も収録! 【著者プロフィール】 大塚ひかり(おおつか・ひかり) 1961年横浜市生まれ。古典エッセイスト。早稲田大学第一文学部日本史学専攻。 『ブス論』、個人全訳『源氏物語』全六巻、『本当はエロかった昔の日本』『女系図でみる驚きの日本史』『くそじじいとくそばばあの日本史』『ジェンダーレスの日本史』『ヤバいBL日本史』『嫉妬と階級の『源氏物語』』『やばい源氏物語』など著書多数。 -
仮面後宮
平安末期。謎の疫病が猛威をふるう京の都。多数の庶民が命を落とす中、宮廷でもまた、東宮三人が立て続けに死亡するという前代未聞の事態が起こり、貴族たちは恐怖と混乱に陥っていた。そこへ、強力な予言力をもつ賀茂の老巫女から「一時的に東宮に皇女をたてよ」という神託が届けられる。帝の兄であり、実質的にこの国を支配している上皇はこの神託を受け入れる、ただちに女東宮の候補となる数人の皇女たちが選び出された。その中には、人々から忘れ去られた寂しい暮らしをしていた16歳の火の宮も入っていた。女東宮候補となった火の宮を待つ試練とは……。 -
P+D BOOKS 虚構のクレーン
戦争が生み出したさまざまな矛盾に切り込む。 東京で学生をしていた仲代庫男は空襲で焼け出され、列車で佐世保の実家へ向かう途上、同年輩の芹沢治子と出会う。長崎の浦上に住むという治子と庫男は文通を始めるが、“新型爆弾”により治子の消息は不明に――。 一瞬にして未来を断たれた原爆被害者、日本人であることを強いながら差別される朝鮮人炭鉱労働者、敗戦前から英語の辞書を買い漁っていた抜け目ない同級生……戦争によって生まれたさまざまな矛盾や理不尽を、富国強兵の象徴であった旧佐世保海軍工廠250トン起重機(クレーン)になぞらえてあぶり出した名作。 -
初恋食堂
泣きたいあなたへ。心ほぐれる“恋味”小説。 自分の容貌に強烈なコンプレックスを抱く28歳の日向桐子は、人目に触れぬよう外では常にマスクと眼鏡を身につけて暮らしている。「優しい料理」のサービスに力を入れる単身高齢者向けマンション『みぎわ荘』でも、桐子は職場の人間関係をうまく築くことができない。もう辞めよう、そう思っていた桐子の前に現れたのは、72歳の不良老人・匙田譲治だった。小粋な江戸弁で話す匙田に連れてこられた「居酒屋やぶへび」で、大雑把ながら手際よくつくられた温かい料理と、悩み多き人生を懸命に生きる心優しい人々との対話を通じ、桐子の心は少しずつほぐされていく。 第1回「日本おいしい小説大賞」受賞作、待望の文庫化! 主人公の意外な素顔に、きっとあなたも騙される。 無骨だけど温かい、年上男性がつくるおいしそうな料理たちの描写が、傷つき疲れた心に心地よく沁みること間違いなし。泣きたいあなたへ、この冬イチの温かさをお届けします。 ※この作品は単行本版『七度笑えば、恋の味』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
スモールワールズ
※本作品は、2021年発売の単行本版『スモールワールズ』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 2022年本屋大賞第3位 第43回吉川英治文学新人賞受賞! 共感と絶賛の声をあつめた宝物のような1冊。 夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人ーー書下ろし掌編を加えた、七つの「小さな世界」。生きてゆくなかで抱える小さな喜び、もどかしさ、苛立ち、諦めや希望を丹念に掬い集めて紡がれた物語が、読む者の心の揺らぎにも静かに寄り添ってゆく。吉川英治文学新人賞受賞、珠玉の短編集。 ままならない、けれど愛おしい 「小さな世界」たち。 -
P+D BOOKS 桜島・狂い凧
戦争を冷徹な目で見つめた梅崎春生の出世作。 「ねえ、死ぬのね。どうやって死ぬの。よう。教えてよ。どんな死に方をするの」 米軍上陸が迫るなか、桜島の海軍通信基地に異動になった村上兵曹は、一夜をともにした女性に、そう詰められる。しかし、どういう死に方をすればいいのか、そのときになってみなければわからない。ただ、死が目前に迫っていることをひしひしと感じるだけだった。 生きることへの執着と諦観、どうせなら美しく死にたいという願望と、それはかなわないだろうという無力感……。背反する思いを抱えたまま散歩に出た村上に、グラマンの銃弾が降り注ぐ――。 出世作「桜島」に、戦地で自死同然に亡くなった弟の足跡を、双子の兄たちがたどっていく芸術選奨作「狂い凧」を併録。 -
有栖川有栖選 必読! Selection
あなたはまだ“新本格作家”笹沢左保の恐るべき実力を知らない! 有栖川有栖がセレクトした、笹沢左保のベストミステリ。 多重トリックで翻弄する記念すべき長篇第一作。 【有栖川有栖さん、大推薦!】 密室×アリバイ×暗号×? いくつものトリックと罠を埋め込んだ1960年代の華麗な〈新本格推理〉。 この面白さは決して古びない! 裏切り者を消せ!――組合を崩壊に追い込んだスパイとさらにその恋人に誤認された女性が相次いで殺され、事件は容疑者の事故死で幕を閉じる。 納得の行かない結末に、倉田警部補は単独捜査に乗り出すが……。 アリバイ崩し、密室、暗号とミステリの醍醐味をぎっしり詰め込んだ、著者渾身のデビュー作。 虚無と生きる悲しさに満ちたラストに魂が震える。 〈トクマの特選!〉第一回配本。 〈目次〉 Introduction 有栖川有栖 招かれざる客 Closing 有栖川有栖 -
地方に行っても気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
「気軽で便利で、安定の美味しさ」を味わえる外食チェーン店の魅力を愛情とユーモアをまじえて綴った 人気エッセイシリーズ 第1弾『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』 第2弾『それでも気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』 第3弾の最新作は、『地方に行っても気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』! 全国津々浦々の各地では、それぞれの土地で独自の進化をしてきた 「地方チェーン」があり、生活する人たちに密着している。 何を食べて育ってきたかを知れば、その土地に住む人のことが分かるなどというように 日本人に馴染み深い、寿司やカレー、餃子などの人気メニューが、それぞれの地方によって、 どんな道筋を経てきたのかを知ると「地方チェーン」は、もはや身近な異国と思えるほどに奧が深い。 たとえば、「551」という数字の並びを見聞きした時に、 関東と関西にそれぞれに住む人が「ある時とない時」の顔ほどに分かれてしまうほどだったり 回転寿司と言えば、北海道のあのチェーン店でしょ! いや北陸だろう、 それならば石川県か富山県、どのお店?などなど・・・。 日本列島47都道府県の各地で愛され続けている「地方チェーン」の醍醐味をご堪能あれ。 -
P+D BOOKS ベトナム報道
一特派員がたどり着いたベトナム戦争の真実。 すでにAPの記者たちが打った電報のカスを、まるで残飯を恵んでもらうような調子で拝読させてもらう自分の姿が、私には全然気に入らなかった。(中略)心の中で固く決心した――彼らの世話になんかなるものか、おれはおれの情報源と判断で対等に仕事をしてみせる。(本文より) 新聞記者として戦地に赴任した著者は、特約を結んでいるアメリカの通信社からの情報や、ベトナム政府の公式発表、米軍のブリーフィングなどを鵜呑みにするのではなく、自分の足で開拓したニュースソースや自身の臭覚などを頼りに、ベトナム戦争の“真実”に迫ろうとする。 のちに芥川賞を受賞する作者の、原点ともいえる作品。 -
P+D BOOKS 但馬太郎治伝
獅子文六が描くバロン薩摩の伝記風小説。 一代で巨万の富を築いた“木綿王”薩摩治兵衛の孫・治郎八。イギリス・オックスフォード大学に留学後、フランスへ渡った治郎八は、実家の資産を背景にパリの社交界で勇名を轟かせ、「バロン薩摩」の異名をとる。 そんなことはつゆも知らない著者・獅子文六は、フランス外遊の際、知り合いのツテでパリの日本学生会館に投宿するが、そこは治郎八が出資した施設だった。さらに帰国後に転居した先も、2軒続けて治郎八ゆかりの住居。著者はただならぬ因縁を感じるが、ふたりがようやく邂逅したのは、治郎八の最晩年だった――。 そんなバロン薩摩をモデルに、獅子文六が見事に仕上げたユーモアとロマンあふれる秀作。 -
初情
わたしはね、特別にいやらしいの―― 発情してて何が悪いの? 名門大学の極悪サークルで 罠にはまった女、復讐と復活 わたし、イベサーの姫でした。 堕ちる女たちの物語―― 東京の女子大に入学した地方出身の伊万里と小春。 ふたりは一流私大のサークル〈グッド・ドリームス〉の イベントに参加するが、罠にはめられてしまう。 ブラックサークルによって破壊された学生生活。 中退後、伊万里は博多のソープランドへ、 心を壊した小春は療養生活を送る。 伊万里の心の中では復讐心が燃え上がり……。 官能エンターテインメントの傑作! 【目次】 第一章 グッド・ドリームス 第二章 断末魔 第三章 一枚の写真 第四章 他人の顔 第五章 闇にうごめく 第六章 冬の旅 第七章 ああ無常 第八章 身も心も 第九章 初情 -
春告げ桜 眠り医者ぐっすり庵
春爛漫 桜の名所・飛鳥山で お江戸と京のお茶対決!? 人情満開! 〈眠り〉と心に効く しみじみ時代小説! 桜の宴の目玉イベントは 京とお江戸のお茶対決!? 今年も飛鳥山に花見の季節がやってきた。滝野川の高級料亭・桜屋で奉公修業を始めることになった茶問屋の娘・藍(あい)。慣れない女中仕事に四苦八苦するかたわら、店を盛り上げる桜の宴の催しを考えるよう、やり手商売人の万屋(よろずや)一心(いっしん)から命じられる。そんななか、朝寝坊する御用聞きや占い師など、眠れない悩みを抱える人々が次々と店に現れて……。 目次 第一章 宵っ張りの友 第二章 朝寝坊の御用聞き 第三章 ふくよかな占い師 第四章 花見の茶 眠りのうんちくも!――「ぐっすり覚え帖」 その壱 眠りに効く食事とは その弐 朝型と夜型、あなたはどっち? その参 夢の中で未来が視える? その肆 一味違う、宇治茶の魅力! -
月の光のために 大奥同心・村雨広の純心 新装版
徳川吉宗が仕掛けた 黒い陰謀を秘剣が斬る! 大奥を守り抜く同心たちの奮闘! 傑作時代エンターテインメント!! 大奥に渦巻く陰謀を 剣豪同心が秘剣で斬る! 幕府の政治刷新に大ナタをふるう新井白石の家臣・村雨広は、剣の腕を見込まれて、現将軍・徳川家継の実母である月光院の警護を命じられた。月光院はかつて浅草の裏長屋で村雨の隣に住み、思いを寄せた娘・お輝だった。運命を感じ、大奥同心の仲間と共に彼女を守り抜く覚悟を固めるが、紀州藩主・徳川吉宗らの黒い陰謀が容赦なく襲い掛かり…! 【主な登場人物】 村雨広…大奥同心。新井白石の家来。新当流剣術の達人。 桑山喜三太…大奥同心。間部家中。弓矢の名手。 志田小一郎…大奥同心。広敷伊賀者で絵島の配下。忍びの術の遣い手。 徳川吉宗…紀州藩主。 川村幸右衛門…紀州の忍者集団・川村一族の長。 川村白兵衛…夢想剣を遣う忍者。幸右衛門の甥。 村垣の鮫吉…水の中に潜む忍者。 釈迦ケ岳の不動坊…山伏姿の忍者。からくりを遣う。 蝶丸(お蝶)…忍者。美男でもあり美女でもある。 川村左京…幸右衛門の末の子。 新井白石…六代将軍家宣時代から幕政刷新に大ナタをふるう政治家・学者。 西野十郎兵衛…新井家の用人。 綾乃…十郎兵衛の娘。 月光院(お喜世の方)…家宣の側室、七代将軍家継の母。かつて村雨幼なじみのお輝。 徳川家継…七代将軍。 天英院…家宣の正室。 絵島…大奥の女中をつかさどる年寄。 間部詮房…側用人。 井上河内守正岑…老中。 -
相続人はいっしょに暮らしてください
遺産を受け取る“ささいな”条件とは? 突然ふってわいた祖母の遺産相続に戸惑う佳恵。 バラバラだった家族に遺されたのは、簡単には受け取れないものだった―― 『殺した夫が帰ってきました』の著者が描く、期限付き家族の物語。 高三の夏、一人暮らしの佳恵に、突然、祖母・雅子の相続話が舞い込んだ。 既に他界した母に代わって相続することになったのは、現金と猫。しかも受け取るには、他の相続人と暮らすことが条件だという。 そこには借金まみれの義理の伯母・利沙子、女装姿の叔父・幸太郎、そして遺言執行人で雅子のハトコ・環がいた。 訳アリの四人と猫一匹が厄介な相続に奮闘する疑似家族ドラマ。 -
南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山
南アルプス山岳救助隊の星野夏実と神崎静奈は、かつて北岳で事件に遭遇したアイドル安西友梨香のライブ帰り、若者にからまれていた初老の男性を助ける。男は作家の鷹森と名乗り、次回作は山を舞台にした作品を構想中だという。半年後、友梨香と鷹森が偶然同じ日に北岳を訪れた。二人は一緒に頂上を目指すことに……(「リタイア」)。息子が山で亡くなったのは山岳救助隊の責任と、両親が訴訟を起こした。困惑する隊員たち。なかでも現場に最初に駆けつけた隊員の関は責任を感じ、事件を再検証する。だが、なぜか突然相手は訴訟を取り下げ、一同は安堵する。それからしばらくして、母親が北岳御池の警備派出所を訪ねてきた。関に現場を案内してほしいという……(「孤高の果て」)。南アルプス・北岳を舞台に、山岳救助隊員と相棒の救助犬の活躍を描く2篇を収録。【文庫書き下ろし】 -
ONE PIECE FILM RED 映画ノベライズ みらい文庫版
「ワンピース」最新劇場版をノベライズ! 世界中の人々を歌声で魅了する歌姫・ウタ。素性をかくしてきた彼女が、初めて公の場で姿を見せるライブを開くことに! そして、ライブ当日。色めきたつ海賊たちと、目を光らせる海軍。ルフィ率いる麦わらの一味は、何も知らずに、ただウタの歌声を楽しみに会場へとやってきた。しかし、世界中から集まったファンが会場をうめつくすなか、ウタが四皇の一人である赤髪海賊団・シャンクスの娘だという事実があきらかになり……!? 世界をゆるがす“歌声”にルフィたちが挑む!! カラー口絵4ページ他、挿絵多数! -
誘拐作戦
その女は、小雨に洗われた京葉道路に横たわっていた── ひき逃げ現場に出くわしたチンピラ四人と医者ひとり。世を拗ねた五人の悪党たちは、死んだ女そっくりの身代わりを用意し偽誘拐を演出。 一方、身代金を惜しむ金満家族に、駆け出しの知性派探偵が加勢。 アドリブ任せに見えた事件は、次第に黒い罠を露呈させ始める。 鬼才都筑道夫がミステリの枠の極限に挑んだ超トリッキーな逸品。 史上初の〈文庫連載小説〉、都筑道夫の幻の雑誌連載長篇「ジェイムズ・ボンドはアメリカ人」併録。 トクマの特選! イラスト 光嶋フーパイ 〈目次〉 誘拐作戦第一歩は盗難車で 第二歩は外科医の腕で 第三歩は被害者の家で 第四歩は前哨基地で 第五歩はハンドバッグで 第六歩はボーリング・ボールで 第七歩は東京駅で 第八歩はポラロイド写真で 第九歩は長曾禰虎徹で 最後の一歩は意外なほうへ アダムと七人のイヴ 第3話 ジェイムズ・ボンドはアメリカ人 解説 法月綸太郎 -
ひとりぼっちの殺人鬼
【きっと見つかる、大切なもの。 ――実業之日本社文庫GROWからあなたへ。】 少女は親友を殺した。 そして、少女だけが大人になった――。 センセーショナルな事件に潜む「なぜ?」 人の心の闇と謎に迫る《泣ける》衝撃作!! 2004年、未成年による殺人事件が起きた。 ひとりの少女が親友の少女を殺したのだ。 「人を殺してみたかった」 ――ショッキングな供述は世間を震撼させるが、 その動機は果たして真実なのか? 全てを失った後、名前を変え普通の女性として社会復帰した「恵」を、 被害者の兄と女性ジャーナリストが追いつめてゆく。 心の闇とその再生をえがく渾身作! -
千粒怪談 雑穢
「路上に座り込んでいる少女がいた。 全身が真っ黒で、肌は爛れている。 女性が前を通る度に顔を上げて、「お母さん?」と訊ねている。 「見ちゃ駄目だからね」との友人の忠告にも拘らず、横を通るときに横目で少女の方を見た。 そこには誰もおらず、小さな靴だけが落ちていた」 10秒で読める怪奇譚が1000話。 1日1怪、2年8ヶ月分の恐怖詰め! 3行に凝縮された恐怖。 体験者から語られた本当にあった怖い話を1,000話記録した膨大なる実話怪談集。 失踪した友人が最後に残した奇怪な言葉。 死者の魂が飛び交う不思議な壷。 霧の遊歩道を引きずられていく縄で縛られた女。 硯箱の二重底に隠されていた謎の写真。 ベランダに落ちていた青い卵の恐ろしい中身。 海岸で拾った呪いの石。死んだネット友達の母と名乗る女からかかってくる怪電話。 母が亡くなる直前、自宅の廊下に現れた異形。 飼い猫がテレビの裏で一心不乱に齧るモノ…。 1日1話読むとして、2年8か月分のゾクッがこの1冊に封印されている。 お休み前に一服の闇をどうぞ――。
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