台所のラジオ

台所のラジオ

小説・文芸
814円 (税込)

4pt

それなりの時間を過ごしてくると、人生には妙なことが起きるものだ――。昔なじみのミルク・コーヒー、江戸の宵闇でいただくきつねうどん、思い出のビフテキ、静かな夜のお茶漬け。いつの間にか消えてしまったものと、変わらずそこにあるものとをつなぐ、美味しい記憶。台所のラジオから聴こえてくる声に耳を傾ける。十二人の物語。滋味深くやさしい温もりを灯す短篇集。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    台所のラジオ
    流れてくる流行歌
    落ち着いたアナウンサーの
    楽しげなおしゃべり
    ラジオを思うと
    母を思い出す
    ラジオを聴きながらひとときも
    手を休ませず働いていた
    干渉することを好まず
    ただただ見守っていてくれた母
    母も今は、記憶という機能を失い
    ラジオをつけ手を動かすことはせず
    ひたすらテレビに話しかけて過ごしている
    ラジオが消えた日
    母の記憶も消えたのかもしれない

    0
    2024年12月29日

    Posted by ブクログ

    台所に置かれたラジオが紡ぎ出す、かわいらしい物語。

    久しぶりに吉田篤弘さんの短編を読みました。
    彼の持ち味である一見繋がっていなさそうでどこか繋がりを感じずにはいられない短編たち。

    フィクションなのに我々の現実世界でも起きていたりして、とか想像が膨らんで楽しいです。
    だって素敵じゃないですか。
    自分のほんの一言や振る舞いが転じて、誰かの人生の数行を動かしていたら。

    とにかく心落ち着いて、また戻ってきたくなるこたつみたいな本。どれだけ間が空いてもまた読み返したいです。
    篤弘さん素敵な本をありがとう!

    0
    2024年11月01日

    Posted by ブクログ

    たまに読みたくなる吉田篤弘。
    実は特別なんだよ。と伝えたくなる日常がきゅきゅっと。
    紙カツ、よいっぱりべーかりー
    モノローグ病は最近のわたし。

    みんな演じながら生きてるよ 

    0
    2023年04月25日

    Posted by ブクログ

    吉田さんのつむぐ物語は、やはり好きだなぁと思う。
    それぞれのおはなしに共通するあることに気づいて、あっとする。
    あとがきを読んでまたあっと思う。
    その、あっとするのは大きな衝撃ではなく、ささやかな、ほっとするような、あっ。

    0
    2023年01月19日

    Posted by ブクログ

    『油揚げと架空旅行』がとくに好きだった。とにかく出てくるもの全てが美味しそうでお腹が空く。静かで小さく温かい世界観。考えすぎて疲れてしまったときに読むと癒されると思う。のんびり生きててもいい、自分のペースを大事にしよう、と思える。

    0
    2022年06月22日

    Posted by ブクログ

    吉田篤弘さんの世界観が好き。
    寓話みたいな物語たち。
    なんでもない日常、普段気にもとめない片隅に置いてある物達が愛おしくなる。
    もしわたしが物語を描くとしたら・・・
    物に語らせる。
    台所のラジオ

    0
    2020年03月13日

    Posted by ブクログ

    面白かったです。
    テレビを見るよりラジオを聴く方が好きなので、なんだかお話を身近に感じました。
    でも、不思議なことがたくさん起こって面白そうです。
    きつねうどんは美味しそうですし、「十時軒」へ行ってみたいです。アリスに会いたい。
    吉田さんのお話では月舟町が大好きで住みたいくらいなのですが、この本の世界も穏やかでいいなぁ。
    登場人物たちが聴いているラジオ番組ってもしかしたら、「小さな男*静かな声」の静かな声のラジオ番組かも…それだったら素敵です。

    0
    2019年04月16日

    Posted by ブクログ

    p.78 油揚げと架空旅行
    私は感電した。きわめてやさしい電流であったが、雷に打たれる衝撃より、はるかにじわじわと効いてきた。

    わかる。雷に打たれるような衝撃より、感電って言葉がしっくり来る時あるなあ〜〜

    0
    2025年10月10日

    Posted by ブクログ

    「明日、世界が終わるとしたら」
    美々と直人の微妙な関係。伯母いわく臆病すぎる性格の美々と、猪突猛進な直人のほんの少しの生きづらさ。わかるなぁ。何もかもが上手く行ってないわけじゃないんだけど、思い描いていた未来とズレていって息がしづらい感じ。
    学生時代によく行った中華料理店に大人になってからは年に一回行くか行かないか…くらいになって
    コロナ禍で閉店してしまったあの時を思い出しました。
    もっと行っておけば良かったな、なんて。
    他に思い入れのあるお店がなかったから、まだ若い皆さんは学生時代にもっと思い出を作っておこうね。もう大人な皆さんは行きつけだったお店大事にしてね。
    前向きになれる作品でした。

    0
    2025年08月01日

    Posted by ブクログ

    六年前に逝ってしまった恋人。
    正式に婚姻はしていなかった。
    自分(多江)の他にもうひとり女が居ると思っていたからだった。
    だけど彼亡き後も続けてきたお店をたたむことになり、友人やラジオからの言葉もきっかけになり、その女に会いに行くことにした。
    「さくらと海苔巻き」より

    ラジオからの声は不思議だ。
    こちら側は見えていないし、そもそも万人に向けて話しているというのに、ひょいと自分に寄り添ってくれることがある。
    ハッとさせられたり、共感したり、背中を押してくれたり、思わず笑みがこぼれたり。
    そんな小さなお話が、美味しい食べ物と共に12話収められている。
    紙カツ、海苔巻き、きつねうどん、ビフテキ、お茶漬け…。
    いつもながら吉田さんの作品に登場する食べ物は美味しそうだ。
    それぞれのお話の登場人物が少しずつ重なっているのも、いつも通り。
    (チラチラ登場する黒いソースは、みんなカジワラ印の黒ソースなのかな…)

    好きだったお話は、
    「紙カツと黒ソース」
    「さくらと海苔巻き」
    「明日、世界が終わるとしたら」

    好きだったフレーズは、
    「紙カツとマカロニサラダと赤だしと御飯とおひたし」
    「光かがやくようにつるりとしたうどん」
    「〈ハシモト〉の四文字を夜の中に守っていた」
    「銀色の宇宙船が部屋の一角に置かれた感じ」
    「百年に一度の流星群より、三十年の時間を消してみせたアリスの生姜焼き定食に神秘を感じた」
    「そんなものより、女は黙ってハンバーグだ」
    「役割を終えたものには自然と美しさと物語が宿る」
    「夜おそくの静かな台所に、冷えた白飯にお茶を注ぐ音が湯気と一緒にひろがった」

    でも欲を言えば、もっともーっとラジオからの声と深く関わって欲しかったかな~。(特に後半)



    0
    2025年03月30日

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