感情タグBEST3
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たまに読みたくなる吉田篤弘。
実は特別なんだよ。と伝えたくなる日常がきゅきゅっと。
紙カツ、よいっぱりべーかりー
モノローグ病は最近のわたし。
みんな演じながら生きてるよ
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吉田さんのつむぐ物語は、やはり好きだなぁと思う。
それぞれのおはなしに共通するあることに気づいて、あっとする。
あとがきを読んでまたあっと思う。
その、あっとするのは大きな衝撃ではなく、ささやかな、ほっとするような、あっ。
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『油揚げと架空旅行』がとくに好きだった。とにかく出てくるもの全てが美味しそうでお腹が空く。静かで小さく温かい世界観。考えすぎて疲れてしまったときに読むと癒される。のんびり生きてていいんだよなあ、自分の気持ちを大事にしよう、と思える。
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吉田篤弘さんの世界観が好き。
寓話みたいな物語たち。
なんでもない日常、普段気にもとめない片隅に置いてある物達が愛おしくなる。
もしわたしが物語を描くとしたら・・・
物に語らせる。
台所のラジオ
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面白かったです。
テレビを見るよりラジオを聴く方が好きなので、なんだかお話を身近に感じました。
でも、不思議なことがたくさん起こって面白そうです。
きつねうどんは美味しそうですし、「十時軒」へ行ってみたいです。アリスに会いたい。
吉田さんのお話では月舟町が大好きで住みたいくらいなのですが、この本の世界も穏やかでいいなぁ。
登場人物たちが聴いているラジオ番組ってもしかしたら、「小さな男*静かな声」の静かな声のラジオ番組かも…それだったら素敵です。
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12のお話がおさめられた短編集です。
ぜんぶ読み終わって、あとがきを読んで初めてラジオに気付きました。読み返してそう言われてみればそうだな…と。
まったく関係ない短編の寄せ集めも好きですが、この話とこの話、繋がってる!という短編が好きです。
特に好きな2つの話について感想を書きます。
「マリオ・コーヒー年代記」
この話は本の中で2番目に好きです。
マリオが何か不幸な目に合うのではと警戒していたのですが、何も起こらなくて良かった。
ホットドッグとミルクコーヒーはとても良い組み合わせだと思います。カシャカシャする紙に包まれてくるホットドッグはなぜかとてもおいしそうに見えますね。たぶんマリオの店のホットドッグも同じ紙に包まれていると思います。
「夜間押ボタン式信号機」
この話は本の中で一番好きです。
現実の世界の中に架空のものが入り込んでだんだんと浸食していく感じ、けれどお互いの輪郭は曖昧で境界線はぼやけ、絶妙なバランスでヘンテコで奇妙な世界が出来上がっている。これは吉田篤弘が書く小説の特徴の一つだと思いますが、こんなにきれいなグラデーションになっている話は初めて読んだ気がして美しさに眩暈がしました。「押しボタン式の信号機」、「誰もいない二十四時間営業のスーパー」、「カラフルなパッケージの冷凍食品」、「未来を舞台にした推理小説」、「子羊のロースト」、「<抜き打ち検査官>につづく謎の職業<ひとしらべ>」そして「A~Nまでの十四種類の分類」。
靄の中から見れば世界はぼやけていてそこが現実なのか、架空なのかよくわからない。
こういう世界が(知識として?体験として?)自分の中にあると、現実に打ちのめされても倒れないでいられる気がします。
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大きなことはなにも起きない。ここから物語が動いていく…というところで結びがくる吉田篤弘さんのこの感じが、とても心地いい。
よく「滋味深い作家」と紹介されることが多いように感じますが、本当にそのとおりだなぁと思います。
休日、起きてひととおり家の中のことを済ませた10時過ぎごろに吉田さんの本を読んで二度寝したい。
夕暮れどき、コーヒーなどで一息つきながら吉田さんの本を読んで夜ごはんの支度をしたい。
なにも起きないから、なんでもない日常に本当によく馴染む。
ちょうどよく寄り添い癒してくれる、そんな作家さんと作品です。
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決して主役ではない。台所のラジオは静かに語りかける。
女性と男性が交互に主役になり、そしてその人たちがどうもとてもユニークなのです。
それがまたとてもいい味を出していて、出てくる料理もおいしそうで、最後まで楽しく読みました。
この空気、とても良かったです。
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吉田さんの本を読んだ時にしか感じられないなぞの懐かしさ、切なさが今回もあった。胸がぎゅっとなるんだけど心地よい、これはなんだろう。語彙力がなさすぎてもどかしい。
あとがき最後の一文から「うかんむりのこども」を少しずつ読み進めようかなと思い立つ。
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台所にラジオというのが昭和の雰囲気が溢れていて吉田さんらしいですね。紙カツと黒ソース、昔なじみのミルク・コーヒーが美味しそう。あとがきを読むと吉田さんの小説てこうやって生まれてくるのね…とよくわかります。台所に座って考えてる吉田さんの姿を想像してしまいました。
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12篇からなる短編集。
共通するのは、流れるラジオと美味しそうな食事。
物語が終わらせているようで終わらせない。終わりの余韻に浸る。
そして食べ物の描写が良い。ビフテキ、紙カツにそそられる。
日常にさらりとラジオを流す暮らし。憧れる。。。
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あとがきがなにより素敵だった。
本編である12の短編も好きだけれど。
起承転結の起承あるいは起承転を描いた話です。
余談だけど、短編集の感想を書くときが一番難しい。どの話について書けばいいかわからないので。
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美味しいものと美味しいお店が連なった短編集。
そして、どのお話にもラジオがさりげなく出てきて、ほっこりさせてくれる。
趣はそれぞれ違うけれど、どれも人を笑顔にしてくれるようなお話ばかりだった。
吉田さんの遊び心が満載で、ちょっと聞き慣れない職業が出てきたり、いろんな仕掛けがあって楽しい。
さくっと気軽に読めるものばかりです。
特に「マリオ・コーヒー年代記」がよかった。
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台所にラジオ、、、本を読みはじめてふと、わが家も台所にラジオを置いていたことに気付く。
朝のコーヒーを入れる時、ご飯の支度の時、ラジオから流れるニュースや音楽を聞いている。
台所とラジオに関連した様々なストーリーがあり、心地よく読み進めることができた。
妻が好きな本を読んでみようと思ってなんとなく手に取ったが、普段読まない分野の本を読めて新鮮であった。
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不思議な世界観だったー
前半は普通に受け入れられる話が多かったけど、後半は現実味のない感覚。
でもこの空気感、好きなんですよね。
『マリオ・コーヒー年代記』が好きです
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あとがきで作者が発言していた、物語の「始まりのところ」が私も好きなんだろう。
終わりを覚えていないから(面白くなかったという意味ではなく)何度だって読み返したくなるのだ。
読んでいると灯油の匂いを嗅いだときのような懐かしいようなほっとするような切なさに包まれるのも良い。
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短編集。どの話が一番面白いか?を考えながら読んでいた。同じラジオ番組を聞いてる人でも境遇はまちまち。いろんな人たちが登場する小説を読み、たまたま駅のホームに立ってる人、同じ定食屋にいる人が、どんな人生を抱えてるのか?を自身の日常生活でふと考えるようになった。異なる視点を持たせてくれる変な小説でした。
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はじめは「つかみどころのない本だな」と思いながら一編、二編、と読んでいたが、だんだんとゆるい繋がりが見えてきたり、通底する基調音のようなものが聞こえてきたりして、読み終わる頃には「不思議と印象深い本だったな」に感想が変わっていた。
短編の中のある人物が、ひところ映画館のレイトショーに通う日々を過ごすのだが、「夜の時間くらいは現実の時間よりも自分の腹時計に従って行動したい」という思いから、映画の上映時間に関係なく見たい時に入って出たい時に出るという通い方をしていた。そのためか、その時代に何年も毎晩欠かさず見た映画はまるで夢の断片のように、ストーリーをなさない他人の人生として自分の中に刻まれている、というような語りがあった。
この本を読んだ体験がまさに、私にとっては「夢の断片のように刻まれている」だ。あとがきには吉田篤弘さんが「始まりの天使」という言葉を使って、「この短編集では起承転結の起承くらいまでしか書いていない」というようなことを書いている。結末をはっきりさせないという小説手法自体は別に珍しいものでもないし、ひとつひとつのお話を切り離して「特にこれが私の人生を変えるほどの衝撃が」ということはなかったが、全体を通して、なんとも忘れ難い夢の旅だったと感じる。すごいな。
以下、備忘メモ。
・紙カツと黒ソース→食べたい第一位。
・目薬と棒パン→「すべてのひとを笑顔にできるのは旨いものだけだ」。
・さくらと海苔巻き→食べたい第三位。「誰かより速く走りたいとおもわない」。
・油揚げと架空旅行→読書は旅。毎日同じものを食べる。
・明日、世界が終わるとしたら→そんなに美味しいビフテキなら背中に手を当てられて誘われたい。
・マリオ・コーヒー年代記→司書で自転車乗りでオーケストラ。
・毛玉姫→黒光りするソース焼きそばは食べたい第二位。
・夜間押ボタン式信号機→子羊のロースト、食べてみたい。
・〈十時軒〉のアリス→「三十年を消した」。
・いつか、宙返りするまで→亀は時間の重さ。モモ?
・シュロの休息→名探偵って現実にいないもんね。
・最終回の彼女→〈女優洗浄機〉の発明。
・あとがき 天使の声が聴こえてくるラジオ→天使は「おや?」と思うと舞い降りて見守り、変化の兆しを見ると去っていく。
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ゆるゆる短編集。読書時間が取れない時にちょうどいい長さかもしれません。
個人的には短編より長編の物語が好きなので、一気読みというよりは隙間時間にちょっとずつ読みました。ドラマ性はほぼなし。でもこのファンタジーっぽい独特の雰囲気こそが吉田作品の魅力だと思います。
食べたいなと思ったのはダントツで紙カツでした。紙カツなるものを本作で初めて知ったのですが、調べたら普通にメジャーな料理だったんですね。トンカツほど重たくなさそうで良いなと思いました。
あと気になったのはビフテキとミルクコーヒー。
美味しそうって思う基準も、美味しいって思う基準も人それぞれだけど、吉田作品で描かれる食べものは私の美味しそうって感覚にかなりヒットしてくれます。
ただ自分がラジオを聞く習慣が全くないため、どの作品にも出没する“台所のラジオ”に関してはあまり存在意義を見出だせませんでした。ひたすら食べ物ばかりを追ってた12編です。
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『 勝手に「ラジオ」特集 #4 』
ー吉田篤弘さん『台所のラジオ』ー
吉田篤弘さんの物語の雰囲気に、ラジオはドンピシャ合います。面白可笑しい話や賑やかな音楽ではなく、ゆったりと流れる時間の中で、静かな音楽と優しく包み込むような語り‥。もうこれだけで吉田篤弘ワールドが成立しちゃう気がします。
本作は12編の短編集で、特徴として男女の主人公が交互に登場し、共通点は、個性的で風変わりな人物、美味しそうな食べ物、そして台所のラジオ‥、でしょうか。
ラジオが主役ではなく、あくまでも脇役で、女性の静かな声・世の中の小さなことについて話すという、12編がゆる〜く重なって一冊が出来上がっている印象です。
1編1編が、新たな物語として始まったかと思えば、いつの間にかすーっと静かに終わってしまうような、不思議な読後感。私の吉田篤弘さん像はいつも変わりません。本作も、静かな夜にラジオを流しながら味わいたい一冊でした。
ここからはレビューと関係なし(ただの独り言)
吉田篤弘さんの小説、そして勝手に始めたラジオ特集を進めるほど、甦る記憶が80年代のNHK-FMのラジオ番組。江守徹さんがナレーターを務めた「夜の停車駅」です。
列車がホームに入って来て停車する音に続き、
ラフマニノフの「ヴォカリーズ」
に乗せたオープニング‥
お忘れですか?
あなたがここに立ち寄ったときのことを
白い蒸気を残して列車が去ってしまうと
そのあとには誰もいないプラットホーム
古風な時計がいつもと違う時を刻んでいます
そう、確かにここに降り立った記憶があるはずです
しっとりとした闇にくるまれた、夜の停車駅に‥
あぁ、泣けます‥。 人間の記憶は不思議です‥。
年配者の単なる骨董趣味でした。
古美術品じゃないけれど‥(w)
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このフワッとした雰囲気がたまらなく心地良い。
流れるラジオと美味しいもの。
この本を読んでいる間は、心なしか時間がゆっくり過ぎていくような気がする。
穏やかでちょっと不思議な物語が12篇。
各話の余韻に浸りながら、そのまま眠りにつきたいと思った。
シュロの休息が一番好きだな。