小説・文芸 - 集英社作品一覧

  • ミドリさんとカラクリ屋敷
    3.7
    海の近くの湘南の街に、屋根から電信柱の突き出た家があった。その不思議な佇まいに惹かれて屋敷を訪れた著者は、90歳を超えたパワフルなミドリお婆さんと出会う。彼女は建築が大好きで、この家も自分で設計して建てたという。6世帯が共同で暮らす屋敷には、奇妙な仕掛けがいたるところに存在して――。カラクリ屋敷の秘密と波瀾万丈のミドリさんの生き様を軽快につづる、傑作ノンフィクション。
  • 巨大地震の日 ――命を守るための本当のこと
    3.0
    日本には地震予知のための組織が大きく分けても6つある。毎年、膨大な予算がつかわれる。しかし、マグニチュード7.3という巨大地震が予知された例は、いまだ世界にひとつしかない。1975年、中国遼寧省の地震ただひとつである。事前の警報はないと思ったほうがよい。そして、予知組織の発表する楽観的被害予測に惑わされることなく、自分の命は守らなくてはならない。本書にはそのための「よすが」となる貴重な情報と教訓が込められている。【目次】はじめに/(1)東京を襲う巨大地震/(2)巨大地震のあとに―湧き起こる多くの問題―/(3)海溝型巨大地震/(4)津波/(5)防災と減災/(6)政府が行なっていること/終わりに
  • 勇者の証明
    -
    昭和20年、戦時下断末魔の日本。凄まじいいじめ、自由を奪われた4人の少年は、お化け屋敷と称ばれる洋館を探検中、ドイツ人の瀕死の母親から娘を長崎まで送り届けてほしいと遺言される。およそ不可能な遺託に応えて4人は理不尽な時代への勇気を証明するため、少女を送り届けることに。広島を通過、長崎を躱し、千キロ以上の難旅を越え……。輝く壮大な青春ロード・ノベル。
  • 地震は必ず予測できる!
    4.5
    地震学者は、目に見えない「地下」の動きを研究するのに対して、測量学の権威である著者は、人工衛星で測定した「地表の動きを記録した数値データ」を根拠とする、独自の地震予測法を開発した。そして、メルマガ発行を開始した2013年以来、伊予灘地震、伊豆大島沖地震、飛騨地方群発地震など震度5以上の地震を確実に“予測”し、警告を発してきた。画期的な地震予測のメカニズムが、本書で余すところなく明かされる!
  • 韃靼の馬 上
    5.0
    【第15回司馬遼太郎賞受賞作】正徳元年(1711)、徳川幕府は29年ぶりに朝鮮通信使を迎える運びとなった。対馬藩士、阿比留克人(あびるかつんど)は通信使の警固を務める傍ら、ある極秘任務を請け負う。監察御史の柳成一(ユソンイル)、旅芸人のリョンハンらを含む通信使一行は、対馬上陸から大坂、名古屋を経て江戸へ。道中、柳は克人の行動を不審に思い監視を始めるが……。世界を股にかけて活躍した男たちを描く歴史巨編。
  • 臨機応答・変問自在 ―森助教授vs理系大学生―
    3.7
    ミステリィ作家であり、某国立大学工学部助教授である著者は、学生に質問をさせることで出席をとり、その質問に自身が答えたプリントを配布するという授業を、何年間も続けている。理解度を評価するとともに、自主性や創造性などを高めるためである。授業内容に関連するもの以外に、たわいのないものから、科学、雑学、人生相談など、学生の質問内容はヴァラエティ豊かだ。本書は、数万にのぼるそのQ&Aから、ユニークなもの・印象深いものを独断的に選び、その面白さの一端を紹介していく。【目次】まえがき/I いろいろな質問/II 建築に関する質問/III 人生相談?/IV 大学についての質問/V 科学一般についての質問/VI コンクリートに関する質問/VII 森自身に対する質問
  • 銀行 儲かってます!
    3.0
    この20年の間、日本経済は絶頂と絶望を経験した。その過程で銀行の不倒神話も崩れ、「大蔵省消滅」という未曾有の事態にもさらされた。一方国民の間では、リストラ・過労死・ワーキングプアという言葉も、いつの間にか定着した。これらの負の経験をもとに、銀行を中心とした我々の経済生活に、新しいビジョンが生まれるはずだった。しかし、血税注入により生き返った銀行は、なり振り構わぬ再編を繰り返し、メガバンクとしてひとり再生を果たす。結局は近年最高益を出し、相変わらず「儲けて」いる。こんな現状に苛立つ読者にとって、本書は彼らメガバンクの本音と建前がよくわかるコンパクトな一冊となる。【目次】プロローグ/第一章 銀行のここが許せない13のポイント/第二章 ゼロ金利政策の罪/第三章 銀行はこうやって儲けてます!/第四章 内部改革が進まぬ本当の事情/第五章 銀行の本音に打ち勝つ八つのポイント/エピローグ
  • 電力と国家
    3.7
    軍部と革新官僚が手を結び、電力の国家統制が進んだ戦前、「官吏は人間のクズである」と言い放って徹底抗戦した“電力の鬼”松永安左エ門、「原爆の先例を受けている日本人が、あんな悪魔のような代物を受け入れてはならない」と原発に反対した木川田一隆など、かつて電力会社には独立自尊の精神を尊び、命を賭して企業の社会的責任を果たそうとする経営者がいた。フクシマの惨劇を目の当たりにした今こそ、我々は明治以来、「民vs.官」の対立軸で繰り返されてきた電力をめぐる暗闘の歴史を徹底検証し、電力を「私益」から解き放たねばならない。この国に「パブリックの精神」を取り戻すところから、電力の明日を考える。【目次】はじめに 電力を「私益」から解き放つために/第一章 国家管理という悪夢――国策に取り込まれた電力事業/第二章 誰が電力を制するのか――「鬼の棲み家」で始まった民の逆襲/第三章 九電力体制、その驕りと失敗――失われた「企業の社会的責任」/おわりに 試される新たな対立軸
  • 新型インフルエンザ 本当の姿
    3.0
    2009年春に世界中を震撼させるパンデミック(世界的流行)をひき起こした豚由来の新型インフルエンザウイルスは、実は四つの異なるウイルスの遺伝子が混じり合って誕生したものだった。インフルエンザウイルスは有史以来人類の脅威となってきたが、その複雑な誕生システムについては意外に知られていない。強毒化も懸念されるインフルエンザウイルスはどのようにして生まれどのようなメカニズムで変異していくのか。ウイルス研究の世界的権威が、対策も含めて新型インフルエンザウイルスのすべてを明らかにする。【目次】序章 パンデミックの兆し/第1章 ウイルス予備知識/第2章 新型インフルエンザ誕生のメカニズム/第3章 新型インフルエンザウイルスの不気味な姿/第4章 「危ない」インフルエンザウイルスは他にもある/第5章 夏の北半球から去らなかった新型ウイルス/第6章 来るべき冬の大流行に備えて/付録 インフルエンザ以外の危険なウイルス
  • 京都岡崎、月白さんとこ 人嫌いの絵師とふたりぼっちの姉妹
    4.0
    1~7巻682~715円 (税込)
    父が死んで、身よりを失った女子高生の茜と妹のすみれは、親戚筋の久我家に住まわせてもらうこととなった。久我家は京都東山の麓、岡崎の広い敷地に「月白邸」と呼ばれる大きな日本家屋を構えており、二人はそこで、家主で若き日本画家の精鋭・青藍と、彼の友人で陽だまりのように明るい絵具商の青年・陽時に出会う。月白邸に集う人々の、じんわり優しい心の再生物語。
  • 後宮染華伝 黒の罪妃と紫の寵妃
    4.3
    栄華を極める凱帝国に、新たな皇貴妃が誕生した。名は李紫蓮。そのつとめは、偽りの寵妃として後宮を統治すること。職務上の夫でしかない皇帝・高隆青にはかつて深く愛した妃がいた。かの女は大罪を犯して冷宮送りになったが、いまだに天子の心をとらえて離さない。絢爛たる皇宮の奥深くで妃たちの野心と嫉妬が交錯し、寵愛は流転する。すべては後宮が見せる泡沫の夢…。
  • 神招きの庭
    4.0
    兜坂国の斎庭(後宮)は、神を招き、もてなす場。実体を持つ神々は豊穣と繁栄を招く半面、ひとたび荒ぶれば恐ろしい災厄を国にもたらす。地方の郡領の娘・綾芽は、親友の死の真相を探るため上京した。そこで偶然、荒ぶる女神を鎮めてみせた綾芽は、王弟の二藍に斎庭の女官として取り立てられる。だが、それは国の存亡を揺るがす事件の幕開けに過ぎなかった……。
  • 相棒は犬 転生探偵マカロンの事件簿
    5.0
    親友の殉職を機に警察を辞め、探偵事務所で働く甲斐貴己。そんなある日、一匹のトイプードルが事務所を訪れた。かわいらしいトイプードルは突如人間の言葉を喋ったかと思うと、「俺の前世はお前の親友の三上だ」と語りだした。自分を殺した真犯人を一緒に探して欲しいという三上(犬)。そこへ、彼を「マカロンちゃん」と呼ぶヤクザの若頭・若林が乗り込んで来て…!? 探偵と犬、時々ヤクザのふわもこバディミステリー!
  • もののけ寺の白菊丸
    4.0
    数えで12歳となった白菊丸は、母と離れて勿径(もっけい)寺へと入った。さる貴き方の落胤である白菊丸は寺で修業し、ゆくゆくは僧侶となるのだ。始まった寺での日々。同じように預けられた稚児たちと一緒に学び、幅広い教養を身に着けていく白菊丸は、ある日、先輩稚児たちに声をかけられた。曰く、勿径寺の宝蔵には力ある物の怪たちの骸が封印されている。新しく寺に入った者は、胆力を鍛えるため、夜中にひとりでその宝蔵に行かなければならない、と。新人いびりとも知らず、その夜、白菊丸が宝蔵を訪れるとそこには白い毛皮をまとった物の怪がいて…。稚児たちがつぎつぎと騒動に巻き込まれるなか、和尚には何やら隠し事があるようで?
  • あやかし華族の妖狐令嬢、陰陽師と政略結婚する
    4.4
    かつて陰陽師たちの活躍によって表の世界から追いやられたあやかしたちは、人々の中に隠れ暮らしている。老舗料亭“花むしろ”を営む蓮水家も、変化が得意な妖狐の一族だ。そんな蓮水家に縁談が持ち込まれた。しかも妻にと望まれたのは、正妻の子である妹ではなく、妾腹の長女・瀬那。相手は帝都でも御上の信任が厚い名家の当主・祁答院伊月。父親は名家との繋がりが出来ると喜んだが、この婚姻には大きな問題があった。祁答院家は、あやかしたちの天敵・陰陽師の家系なのだ! 正体がバレたら退治される!? 緊張の新婚生活が始まった!
  • ベアトリス、お前は廃墟の鍵を持つ王女
    4.5
    王族による共同統治が行われる国イルバス。王女ベアトリスは王宮を離れ、北方の辺境リルベクで趣味の工業生産に明け暮れていた。尊大な兄アルバートと狡猾な弟サミュエルが常に対立し、間に挟まれたベアトリスは分裂を回避するためにあえて引きこもっていたのだ。だが周辺国の情勢が悪化し、ベアトリスはついに政治的決断を迫られる……。国の命運を握るのは王女。激動のヒストリカルロマン!
  • 花は愛しき死者たちのために
    4.0
    「エリス、ほらご覧。また君のために人が死んだ」――硝子の棺に横たわる死せる美少女エリス。彼女は決して腐敗せず、いつの頃から存在するのかもわからない。棺は、黒装束の男に運ばれ、エリスは時代も国も超えてその姿を見せる。ある時は親を知らない墓守の青年の前に。またある時は友人の美貌に複雑な思いを抱く少女の前に。彼らはなぜ、エリスに惹かれてしまうのか? さらにある成金貴族の息子は、エリスのための“秘密の集い”にのめり込んでしまう。その先に、破滅が待ち受けているとも知らずに……。2021年集英社ノベル大賞準大賞受賞作!
  • 怪談男爵 籠手川晴行
    3.9
    男爵家の当主ながら定職に就かず、裕福な姉の嫁ぎ先からの援助で悠々自適の生活をおくる、美貌の青年・籠手川晴行。怪異に愛される彼はひとたび奇妙な話を聞けば、首を突っ込み東奔西走。二枚目歌舞伎役者・市川翔燕の婚約者を悩ませる不気味な音、老舗商店の息子を虜にする妖しい娼妓、夜な夜な現れる十二単の女……。花咲く帝都を舞台に、大正モダン怪奇譚開幕!
  • 異人館画廊 星灯る夜をきみに捧ぐ
    3.8
    千景が帰国後はじめてのクリスマスが訪れようとしている。昔はクリスマスが苦手だったが、いまは千景を笑顔で迎えてくれる異人館画廊に集う人たちがいるおかげでまったく違う風景に感じられる。だが一方で千景は恩師から再渡英を意味する博士論文の執筆を勧められており…。そんななか不可解な強盗事件に、呪われた絵画が関わっているらしいと京一から相談を受けた千景と透磨は、カラヴァッジョに憑りつかれるように魅せられた男と、父との軋轢に苦しみ続けた女の奇妙な接点に気づいた。見る者の心揺さぶるアウトサイダー・アートの謎を追う中、千景が見つけた自身の過去と未来を照らす「答え」とは? 『異人館画廊』第一部・完結!
  • 藤丸物産のごはん話 恋する天丼
    3.6
    藤丸物産の社員食堂で働く杏子は、二か月前に会った社員を探している。エレベーターホールでぶつかった時に優しくされ、ときめいてしまったのだ。ただ、コンタクトが外れていたせいで、顔をちゃんと見られなかった。手がかりは、「藤」の一文字。至近距離で視界に飛び込んできた社員証で、唯一認識できたのがそれだった。しかし、社員食堂は高い喫食率を誇るにもかかわらず、彼らしき社員はなかなか見つからなくて……。
  • それは春に散りゆく恋だった
    4.0
    幼馴染の悠(はるか)の葬式に参列したのは十三回目、その死に顔を見るのは今日が初めてではなかった。デジタル時計が、三月三十一日を指し示す。本来であれば、明日からは四月となり、待ち望んだ春が来る。けれども、深月(みずき)は知っている。自分は春を迎えることができない、と。『約束。ずっと、俺のこと見ていて』――。三月の終わりになると、必ずこの男は死んでしまうのだ。そうして、時間は一か月ほど巻き戻り、あなたを喪う三月がまたやってくる……。たったひとつの、恋の奇跡に涙! 儚く切ないラブストーリー。
  • 竜の国の魔導書
    4.0
    結婚式直前、婚約者が駆け落ち。裏切られた上に、それが社交界新聞に載ってしまう屈辱を味わった名門の娘エリカは、ひと目を忍んでひっそりと王立図書館で働いていた。そこへある日、垢抜けない眼鏡男子が「伝説の魔導書」を探しにやって来た。その手助けをしている最中、目当ての本に触れたとたんにエリカは気を失い、気がつくと眼鏡男子の家に! 彼は伝説の美しすぎる魔法使いミルチャ・アントネスクだった。ところが魔導書がらみの「竜化の呪い」にかかってしまったエリカの頭には小さな角が生えてきて……。呪われ令嬢と伝説の魔法使いによる恋と呪いのドラコニック・ファンタジア!
  • 六花城の嘘つきな客人
    4.3
    15歳の秋につらい失恋をして以来、貴婦人とかりそめの愛をはぐくんだり、賭けで借金を作って勘当されたりという生活を送っていたシリルは子爵家の三男で23歳。「王都一の色男」と噂されているが、そろそろ将来の身の振り方を考えねばならない年頃。そんな時、割り切った遊び相手である伯爵夫人から、北の大領主ネージュ家が、一人娘ブランシュの結婚相手を選ぶため、名だたる貴公子たちを領地の六花城に招待していることを知らされ、同行しないかと誘われる。雪舞う六花城で、大人の恋と一途な片想いが交錯する。
  • 水の剣と砂漠の海 アルテニア戦記
    3.4
    遙か遠く……。未曾有の戦争により、世界は壊滅的な打撃を受けた。国家は分断され、文明は滅び去り、軍事用の使役動物として生み出した異形の生物たちが野生化し、地に満ちた。衰退した人類は、残された大地の片隅に追いやられ、砂漠化と目から感染する病(虹染病)のはびこる環境に暮らすことを余儀なくされていた。しかし、数百年の時を経て、失われた文明の力を借りた北方の小国が「ゲルミリア帝国」を名乗り、世界の覇権を狙い始めていた。ゲルミリア帝国の辺境都市で神殿の下働きをしている少女シリンは、かつて滅ぼされたジャンスー族の生き残り。特異な見た目のジャンスー族であるがゆえに虐げられながら暮らしている。そんなある日、神殿に奉納されている「水の剣」に触れられることに気づく。「水の剣」は、あらゆる生命を凍らせるという呪いの剣。それなのに、なぜ触れることが出来るのか……。また、時を同じくして、異国の青年エニシテと出会う。魔獣師で機械化された義手を持つエニシテは、ある野望を胸に抱いていた。「水の剣」を扱うことのできるシリンに、「帝国」を脱出しようと誘うのだが……。剣と魔獣と砂の世界で、少女の戦いと冒険が始まる…!
  • つばめ館ポットラック ~謎か料理をご持参ください~
    3.3
    文京区小日向にある学生専用アパート「つばめ館」では、大家の福子が入居者たちにご馳走をふるまうべく、手料理持ち寄りの「ポットラックパーティー」が開催されていた。ある日、同級生から「幽霊の出る坂」の話を聞いた沙央は、この謎を解くべく、次のポットラックに「謎枠」で参加することに。つばめ館ポットラックのルールは、手料理か、魅力的な「謎」を提供すること。果たして幽霊騒動の真相は……!?
  • 太陽の子 GIFT OF FIRE
    4.2
    1945年の夏。軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室で、原子核爆弾の研究が進んでいた。若き研究者・石村修が実験に没頭する日々のなか、建物疎開で家を失った幼馴染の朝倉世津が修の家に居候することに。時を同じくして、修の弟・裕之が戦地から一時帰郷し、久しぶりの再会を喜ぶ3人。ひとときの幸せな時間のなかで、戦地で裕之が負った深い心の傷を垣間見る修と世津だが、一方で物理学に魅了されていた修も、その裏にある破壊の恐ろしさに葛藤を抱えていた。そんな二人を力強く包み込む世津はただ一人、戦争が終わった後の世界を見据えていた。死への恐怖や未来への希望、それぞれの想いを受け止め、自分たちの未来のためと開発を急ぐ修と研究チームだが、ついに運命の8月6日が訪れてしまう。戦争に翻弄されながら、未来へ向かう若者たちの青春グラフィティ。柳楽優弥×有村架純×三浦春馬×監督:黒崎博 映画ノベライズ!
  • 瀬戸際のハケンと窓際の正社員
    3.0
    「本を作りたい」という長年の夢を叶えたくて、出版社にばかりエントリーしていた岩城澪。だけど就活の結果は玉砕続き。誰もがやりたい仕事に就けるわけじゃない。やりたくなくはない仕事の中から、自分にできそうなものを選ぶ。そう自分に言い聞かせ、派遣の事務として働いてきた。なのに派遣切り――。社会の難易度どうなってんの!? 生活のためまた別の派遣で働くことにしたものの、なぜか不動産営業として新築タワーマンションを売る羽目に。さらに唯一の社員は窓際族でまったく頼りにならないことが発覚…! あてにならない窓際社員と力を合わせず、澪はなんとか自力で契約を勝ち取ろうとするが……!? 就職できなくても、人生は終わってくれない。崖っぷちハケン社員の営業奮闘記。
  • 探偵はときどきハードボイルド
    4.0
    昔のドラマに出てくる型破りでアウトローな探偵に憧れ、雑司ヶ谷で探偵業を営むアラサー天満桃芳(あんみつももよし)。しかし現代はコンプライアンスと法令遵守の時代。ハードボイルドなんて流行らない。主な仕事は迷子のペット探しやご老人のお使い。そんな桃芳が、金はあるけど夢も希望もない青年・端城紅(はしじろこう)と出会ったことから、なぜか特殊詐欺グループのアジトに潜り込むことに…?
  • 死神のノルマ
    4.0
    「死神の下請け」と名乗る少年ケイと出会った女子大生の響希。ケイは、未練を抱えこの世に残る「死者」をあの世へと送る存在で、ノルマがあるらしい。響希は早世した初恋の人の霊を探すため、ケイを手伝うことにしたのだが……。成仏できずにいる死者の本当の「願い」、そしてケイが死神となった理由とは。不器用な人々が織りなす、温かくて切ないさよならの物語。
  • 九天に鹿を殺す セイ王朝八皇子奇計
    3.8
    皇位を継承するために繰り広げられる、死の遊戯。圧倒的中華謀略譚! 皇帝の崩御とともに、次代の玉座を巡り八人の皇子が争う「九天逐鹿」が幕を開ける。さまざまな制約をかいくぐり、兄弟を陥れて、至尊の位にたどり着くのはただ一人。敗者には死あるのみ。卑劣な奸計が蠢き、情を断ち切れぬ者から滅びていく。凄惨な戦いを潜り抜け、最後に笑うのは果たして誰なのか…!?
  • 海月館水葬夜話
    3.7
    遠田湊には「秘密」がある――。美しい海月の姿をした海神信仰の根付く穏やかな港町で、湊は司書として働いている。と同時に、幼なじみの凪と暮らす海月館で、家業を手伝ってもいる。死者たちの後悔を紐解き、海に還すのだ。今宵もまた、さまよえる魂がひとり――。それはやがて、静かな町で起きた凄惨な通り魔事件の暗部に繋がり!? 哀しくも優しい葬送のミステリー!
  • 怪談のテープ起こし
    3.8
    自殺する間際にメッセージを録音して残す人がいる。それを集めて記事にしないか? 編集者時代の三津田に企画を提案したライターが突然失踪。後日、三津田の元に届いた1本のテープには何が。カセットやMDに録音された体験談に材を取った6つの怪異譚と、それらを連載し本になるまでの、担当編集者との裏話的なエピソードから成る作品集。この物語を読むあなたは恐怖を「体感」することになる。
  • 小説 金魚妻
    5.0
    「――金魚、飼っていい?」ある日、専業主婦・24歳のさくらは、出勤前の夫に勇気を出してそう尋ねてみた。夫は冷たく「好きにすれば?」と気のない返事。熱烈に恋われて結婚したのに、最近の夫からは愛が感じられない…。心がふさいでいきそうな時、さくらの足は自然と商店街の「金魚のとよだ」に向かう。キャリコ琉金、オランダ獅子頭、水泡眼……鱗をきらめかせ尾びれを翻しながら泳ぐ金魚たちの様子を夢中になって眺めていると、心がいつしか満たされていく。店をひとりで切り盛りする店長は、金魚を見に日々通ってくるさくらをいつも笑顔で温かく迎えてくれて。【目次】金魚妻 平賀さくら・24歳 専業主婦 あの日、私は金魚が欲しかった――。/出前妻 岡崎杏奈・29歳 蕎麦屋手伝い あの時、電話がかかってこなければ――。/弁当妻 保ヶ辺朔子・27歳 タワマン暮らし 夫以外に男を知らない――。/見舞妻 河北真冬・23歳 ヤンママ 息子を授かったのは15の冬でした――。  グランドジャンプで連載され、コミックスが爆発的にヒットした、大人の恋の叙情詩を小説化。1巻に収録された「金魚妻」「出前妻」「弁当妻」「見舞妻」に切々と綴られた人妻たちの禁断愛。妻たちはなぜ、一線を越えたのか……?
  • 七瀬くん家の3兄弟 恋愛禁止!? ヒミツの同居はじめました!!
    5.0
    中1の仁奈は、わけあって七瀬家に居候することに。七瀬家の3兄弟は、おだやかな春馬くん(高1)、フレンドリーな飛鳥くん(中2)、同学年のクールな伊織くん(中1)。でも、伊織くんとの出会いは最悪。「俺のこと、絶対好きになるなよ」と言われてしまい…!?
  • 相方なんかになりません! 転校生はなにわのお笑い男子!?
    5.0
    第12回集英社みらい文庫大賞・大賞受賞作! 「酒井さんは、おれの運命の…相方や!」ある日、小5の心晴(こはる)のクラスに大阪からの転校生、西橋くんがやってきた。お笑い大好きな西橋くんに、「ツッコミセンス」を惚れられてしまう心晴。朝の会での“自己紹介リベンジ”につきあうはめに?? さらに、“漫才コンテスト”の相方になってほしいと頼まれてしまい…!?
  • 十津川警部 あの日、東海道で(十津川警部シリーズ)
    -
    日下刑事は大学時代に「青春18きっぷ」を使い、東海道本線を西へ向かう旅に出た。その出発当日に2件の鉄道人身事故が起こり足止めされた。それから5年後、日下がかつて旅の途中に寄った静岡県吉原駅の喫茶店店主が轢き逃げで死亡し、東京で音楽事務所社長が刺殺される。事件を結ぶ糸を感じた日下は、十津川警部に相談。あることを伝えるが……。東海道本線、岳南鉄道、大井川鐡道の三路線を舞台にした奇跡のアリバイトリックに、十津川警部の名推理が冴えわたる長編旅情ミステリー!
  • 国盗り合戦 〈一〉
    4.0
    時は慶安二年、将軍家光の治世。逼迫する財政に業を煮やした奥平藩藩主・宇佐美安綱は、なんと他藩の領地を奪い取ろうと画策、狙われたのは肥沃な領土を持つ隣の椿山藩だった。そんな事態に陥っているとは露も知らぬ椿山藩藩主の本郷宗政は、大事なことは重臣任せで「うつけ」と見られている男。だが、侵略による被害が徐々に宗政の性根を変えてゆき……。野心に燃える譜代大名vs.民に慕われる外様大名――泰平の世に起きた謀略戦、その行方は!?
  • 消えたい私は、きみと出会えて はじめてできた居場所
    -
    中1の菜々子はいつも笑顔だけど、どこにも居場所がなくて、本当は「消えてしまいたい」と思っていた。ある日、クラスメイトのいじめの現場を目撃するも、何もできず…。そんな折、とあるカフェのオーナー・コウさんと知り合う。カフェに行くと、クールで近寄りがたい、クラスのイケメン・桐生くんがあらわれて!? 桐生くんとのキョリがちぢまり、自分のことを話せるようになった菜々子は――。12才、自分を好きになる物語。
  • 十番様の縁結び 神在花嫁綺譚
    4.0
    幽閉され、一途に機織をして生きてきた少女がある時、縁を結び縁を切る、縁の糸を司る神=十番様を所有する神在(かみあり)の一族、十織家(とおりけ)の若き当主・終也(しゅうや)に見初められ、真緒と名づけられる。「迎えに来ました。僕と結婚してくださいますか?」――運命は動き出す。虐げられ続けた日々から救い出された真緒は、十織家でも機織りの才を生かし過ごすうちに、終也の背負ったある秘密を知ることになり……。
  • 家族じまい
    3.9
    「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」妹からの電話で実家の状況を知った智代。かつて横暴だった父が、母の面倒をみているという。関わり薄くいられたのも、お互いの健康あればこそだった。長男長女、墓守、責任という言葉に距離を置いてきた日々。妹は二世帯同居を考えているようだ。親孝行に名を借りた無意識の打算はないか。──「認知症になった母が私の名前を忘れたのが書くきっかけとなりました」(著者)。家族という単位と役割を、北海道を舞台に五人の女性の視点から問いかける連作長編。第15回中央公論文芸賞受賞作。
  • 土に贖う
    4.0
    明治時代の札幌で蚕が桑を食べる音を子守唄に育った少女が見つめる父の姿。「未来なんて全て鉈で刻んでしまえればいいのに」(「蛹の家」)。昭和26年、最年少の頭目である吉正が担当している組員のひとり、渡が急死した。「人の旦那、殺してといてこれか」(「土に贖う」)。ミンク養殖、ハッカ栽培、羽毛採取、蹄鉄屋など、可能性だけに賭けて消えていった男たち。道内に興り衰退した産業を悼みながら、生きる意味を冷徹に問う全7編。圧巻の第39回新田次郎文学賞受賞作。
  • 大江戸あにまる
    4.1
    石樽藩の江戸留守居役の下で働く小暮幸之進は、お人好しで失敗ばかり。おまけに剣術も苦手だ。ある日、草花や獣に目がない乾福助という変わり者が国許からやってくる。同じ頃、異国の「あにまる」――駱駝に豆鹿に羊、山鮫(ワニ)、猩々(オランウータン)が江戸を賑わす事件が勃発! 侍らしからぬ凸凹コンビが舶来の動物たちと出会い奔走する。さらに男勝りの藩主の妻・小桜まで登場してますます大騒ぎに! 笑って泣いてやっぱり笑っちゃう。涙と笑いと動物がいっぱい。著者初挑戦の傑作時代小説!!
  • 殺し屋ダディ
    4.0
    殺し屋組織のボスが急逝し、遺された「死者のリスト」争奪戦が勃発。このリストは今まで誰が誰の暗殺を依頼したのかが記され、世界情勢を一変させる可能性がある顧客名簿で、そのありかを知るのはボスの息子・三也(4歳)だけ。ボスの忠実な部下だった朝比と哮は三也と疑似家族として暮らしながら懐柔し、ありかを聞き出す作戦に出た。が、実はこの二人、大変仲が悪かった。おまけに若くして殺し屋業界に身を置いたため普通の生活がわかるはずもなく…。三也のお着換え拒否に偏食といった子育てあるある、さらにご近所とのトラブルなどこのミッションは暗殺よりも難しい――! 殺し屋二人組は無事コンプリートできるのか!?
  • 悪い姉
    3.9
    「平穏な生活のために、姉を殺すことにしました」――。三月生まれの倉石麻友と、四月生まれの姉・凜。ふたりは生まれの近い年子のため、同学年として同じ高校に入学した。高校二年生になった春、麻友は姉を殺す計画を立てる。姉は誰もが振り返るような美少女だが、実は意地悪で残酷。幼いころからいじめなどの問題行動を繰り返していた。ずっと「毒姉」との決別を夢想しては敗れてきた妹の、試行錯誤の行方は? そして、妹自身が抱え続ける罪とは――。思い込みから解き放たれ、自由へと向かうサスペンス青春エンターテインメントの傑作!!
  • ミッドナイト・モクテル 飲まないあなたのためのバー
    4.2
    なかなか厳しい就活を経て、食品卸会社に入社した酒匂(さこう)ミチル。取引先にウケがよさそうな名前だという安直な理由で、“酒類”販売二課に配属されてしまったが、実はお酒はほとんど飲めない。取引先の信頼を得るためと、勧められたお酒を必死に飲んではいる。初めはこれが、大人になる通過儀礼なのだと思っていたが、どうしても美味しいと思えない。学生時代の友達との集まりも、いつしか夜のお酒の店ばかり。孤独と疲れを感じていたある日、引き継いだ取引先のひとつに、極端に注文が少ない「バー」があることに気づく。『SOBER CURIOUS』――この店は、ノンアルコールをたしなむバーであるらしく……?
  • 霜雪記 眠り姫の客人
    3.6
    西の果ての国・銀盞(ギンセン)には、術師の呪いによって二百年眠り続ける姫君がいる――そんなおとぎ話と共に、術師が人々から恐れられる世界。旅の商人ヤコウは、ひょんなことから謎多き術師・ソウシと樫の木の精霊・緑禅の供として、道中の世話をすることになる。「僕は眠りの物語を集めて旅をしているのです。長い間、ずっと」ソウシは自分が「言葉を持たぬものや文字を持たない文明が、世界に残した記憶を読み解く」力を持つ、いわば想術師だと語り、ソウシとヤコウの旅は、やがて遥かなる「祈り」を呼び起こすことになる。「眠りの物語」を巡る、翠色のフェアリーテール!
  • さもしい浪人が行く 元禄八犬伝 一
    5.0
    1~5巻693~858円 (税込)
    網乾左母二郎は金のためなら手段はいとわぬ小悪党。流れついた大坂で、悪党仲間の怪盗・鴎尻の並四郎、妖婦・船虫の二人としがない日々を送っている。そんな折、犬公方・綱吉に集められた「八犬士」が、失踪した綱吉の娘・伏姫探索のため大坂に。なぜか協力することになった左母二郎たちだが、矢数俳諧と通し矢を巡る大陰謀に巻き込まれ──悪党が巨悪に立ち向かう痛快伝奇時代小説、ここに開幕!
  • 今夜はコの字で 完全版
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 広告代理店「集英企画」に勤める吉岡としのりは、今日もダメな後輩の尻ぬぐい。ある日、大学時代の先輩・田中恵子のススメでコの字酒場の扉をおそるおそる開く。コの字型カウンターならではの人と人のふれあい、店主自慢の酒と肴、恵子との恋……。吉岡はコの字の魅力にハマっていく。実在のコの字酒場を舞台に繰り広げられるグルメ&恋愛漫画。コの字酒場で呑みたくなる加藤ジャンプのエッセイも収録。
  • ポンチョに夜明けの風はらませて
    3.0
    都立高校卒業式まであと39時間。受験先の岡山で足止めされた親友ジンを迎えに行くため、又八とジャンボは、黙って親から借りた車を勝手に“サンダーボルト号”と命名し、発進! 友情という大義の旗の下、欲望と好奇心全開の一行は、予期せぬ同行者を増やしながら一路、西へ。行き当たりばったりの珍道中は彼らをどこへ誘うのか、そして卒業式には無事間に合うのか!? 感動と爆笑の青春ロードノベル。
  • 源平姫 ―飛花の章― 平時子/巴御前ほか
    -
    平安時代末期。覇権を争い、戦いに身を投じる平氏と源氏の男たちの裏で、妻や恋人、娘たちは懸命に生きていた。平清盛の妻・時子、源義経の母・常盤御前、後白河法皇の妻・滋子、華麗に戦った女武者・巴御前、源頼朝の長女で悲恋に泣いた大姫、五人の姫君の生涯。
  • 絶声
    3.6
    親父が死んでくれるまであと一時間半――。状況は何も変わらないのに生が死に変わり、巨額の遺産が手に入るその瞬間を大崎正好は待ち望んでいた。ところが突如、驚愕の知らせが。父のブログが更新されたのだ。「私はまだ生きている」……。それぞれに問題を抱えながら、遺産のために表向きは結束する兄妹たち。その思惑をよそに立て続けに本人にしか知り得ない真実が次々と明かされ、主人公を取り巻く状況は加速しながらめまぐるしく姿を変える。その声が導くのは真実か、破滅か――。驚愕のラスト&圧倒的リーダビリティの極上ミステリー!
  • 隠れの子 東京バンドワゴン零
    3.8
    江戸北町奉行所定廻り同心の堀田州次郎と、植木屋を営む神楽屋で子守をしながら暮らしている少女・るうは、ともに「隠れ」と呼ばれる力を持つ者だった。州次郎はたぐいまれな嗅覚を、るうは隠れの能力を消す力を……。州次郎の養父を殺した者を探すべく、ふたりは江戸中を駆け巡る。それはまた隠れが平穏に暮らすための闘いだった。「東京バンドワゴン」シリーズのルーツとなる傑作時代長編小説。
  • ヒーローはイエスマン
    -
    「なぜ頷くのかと言われれば、偏に楽だからである」。木暮慧の唯一の取り柄は、理不尽な要求も「はい」と返答し、忠実にこなすこと。そんな彼は、イエスマンぶりが高じて他人のどんな願いも実現できる特殊能力を手に入れる。ある日、石畳と名乗る男が現れてその力を使い、謎の調査に協力しろと言われ!? ブラック企業に喘ぐ、気弱なサラリーマンが大活躍。第2回エブリスタ×ナツイチ小説大賞受賞作。
  • 七月七日のペトリコール
    3.3
    親友・柊の13回忌が終わった夜、29歳の和泉は不思議な電話を受ける。それは、高校生の和泉自身からのものだった。いたずらかと思って眠りについた和泉だが、目覚めると前日と同じ7月7日の朝だった。高校生の自分と通話するたび、時間がリセットされる。不思議なループを繰り返しながら、和泉は過去の自分と協力して柊の死を食い止めようとするが……。過去と現在から謎を追う、青春ループミステリー。
  • 桜色の魂 チャスラフスカはなぜ日本人を50年も愛したのか
    -
    1964年の東京五輪で「体操の名花」として日本中を魅了したチェコスロバキアのベラ・チャスラフスカ。金メダリストとしての華やかさとは裏腹にその生涯は苦難の連続だった。母国からの迫害による長い隠遁生活から復活するも、直後に私生活での悲劇が襲う。極限においてもアスリートとして、人間として、不屈の精神で自由への信念を貫いたベラを支えた日本人との「魂」の交流を追うノンフィクション。
  • 邂逅(鶴見京介弁護士シリーズ)
    3.5
    鶴見弁護士は、函館で親友・志賀川真二の離婚式に参加した。元妻に未練のある様子が心配で、同じホテルに宿泊。翌朝、ひとと会うと言って出かけた志賀川が、立待岬で墜落死する。現場で揉み合う姿を目撃された吉池仁一郎が逮捕されたが、犯行を頑なに否認。不審を抱いた鶴見は、志賀川と吉池の関係を探り始める──。親友の死に秘められた驚愕の企みとは!? 真実と償いの意味を問う、慟哭のミステリー。
  • 和三郎江戸修行 脱藩
    -
    1~4巻693~759円 (税込)
    時は幕末。越前野山土屋家中はお家騒動の気配をはらんでいた。小身の家臣の三男坊・岡和三郎は、無駄飯食いの立場だが、剣の腕には覚えがあった。ある日、藩重役から江戸での剣術修行を命じられる。しかも脱藩して密行せよ、と。大枚の路銀をせしめ、刺客に襲われるも旅立つのだった。修行人宿に泊まりつつ江戸を目指す東海道中、若き剣客を待ち受ける運命やいかに……。傑作時代小説シリーズ幕開き。
  • あかね紫
    3.8
    平安京に遷都して、二百年ばかり。紫式部の娘・藤原賢子が仕える中宮彰子の息子が後一条天皇となった。そんなある日、賢子、小式部、中将の君のライバル三人娘に、憧れの藤原頼宗から妙な依頼が。訳も分からず快諾をしてしまうが、なんと男女入れ替わって振る舞う妹と弟を元に戻してほしいというのだ。しかも、時の権力者・藤原道長からの至上命令だと……。ドタバタ三人娘が活躍する時代小説。
  • 十津川警部 坂本龍馬と十津川郷士中井庄五郎(十津川警部シリーズ)
    -
    東京の会社員梶本が、自宅で刺殺された。歴史研究会会員の彼の日記には、京都で十津川郷士中井庄五郎を知り、奈良十津川村へ行ったと書かれていた。捜査にあたる十津川警部は、庄五郎に惹かれた被害者の思いを探ろうと京都へ。庄五郎の墓が、坂本龍馬の墓に寄り添うように建つのを見て……。明治維新直前に死んだ幕末の志士たちを巡る歴史の闇が、驚愕の殺人を呼ぶ!? 長編歴史&旅情ミステリー。
  • 東京藝大 仏さま研究室
    4.2
    2浪、3浪は当たり前、時には10浪以上の学生も……。パンダと桜で賑わう上野公園に隣接する東京藝術大学。通っている学生も教授も少し変わった人ばかり。そんな東京藝大で、仏像の保存について研究する通称「仏さま研究室」の修了課題は、なかなか過酷で学生泣かせだ。様々な思いを抱え、真心を込めながらも、「模刻」に悪戦苦闘する学生たちを描く、クスっと笑えてグっとくる青春ストーリー。
  • みんなで一人旅
    3.5
    30歳にして初めての海外、しかも傷心旅行。不安な佳乃子は“お一人様限定ツアー”に参加し、憧れのイタリアの地へ降り立つが……。(「みんなで一人旅」)憂鬱な社員旅行。トラブル続出の一人旅。悪夢のような出張。悩ましい親孝行旅。幸せという目的地に着くための方法は、きっと一つではない──。ままならない旅路の果てに待ち受ける、予想外の結末とは。ほろ苦くも温かい、大人の旅物語7編。
  • 桜小町 宮中の花
    3.7
    仁明天皇の更衣として、宮中でもひときわ華やかで美しい女官、小野小町。その容貌から、多くの男性に言い寄られていた。小町を寵愛していると噂がたっていた仁明天皇は我が子を皇太子とした際、小町と在原業平に「皇太子を守ってほしい」と告げる。小町は業平と共に、権力を狙う藤原良房の野望に向かい立つ。謎多き「宮中の花」として振舞い、激動の時代を誇り高く生き抜いた女性を描く時代小説。
  • 本日はどうされました?
    3.7
    E病院で入院患者の連続不審死が発生。噂を聞きつけた週刊誌のフリー記者は、独自に調査を始める。同僚への聞き込みの結果、疑いは一人の女性看護師に。コミュニケーションが苦手で不器用。院内では問題児だった彼女。だが、証言者たちの供述に記者は違和感を覚える……。誰もが表と裏の顔を持っている。何が真実で何が嘘なのか。集団社会に潜む人間の悪意を描く長編ミステリー。
  • 葬儀屋 プロレス刺客伝
    3.0
    「葬儀屋」に狙われた対戦相手は表舞台から姿を消す──。プロレス団体の練習生、梶本は素性不明のサーモン多摩川の付き人となる。ふざけたファイトで不評を買う多摩川の異様な特訓に翻弄される梶本。彼こそ「葬儀屋」だという噂は気になるが……。やがて多摩川と対戦相手の周囲で起こる様々な事件。梶本が向き合うことになる恐るべき真相とは。プロレスの魅力を凝縮したような、強く激しく逞しい物語。
  • バンチョ高校クイズ研
    3.5
    さあ人類よ、早押しボタンに手を置くべし。杜の都仙台。東二番丁高校に赴任した熱血教師・慎太郎は、クイズ研の再興を決意。知識だけでなく様々な能力が試されるクイズの魅力を信じ、部員の勧誘を開始する。集まったのはクールな優等生、おっとりした巨漢、運動神経抜群のお調子者。秘密兵器は保健室登校の女子!? 謎の特訓と合宿を経て、一つのボタンにメンバーの思いが集結! 可笑しさの向こうに感動が見えてくる、書き下ろし青春小説の電子版。
  • 絆 走れ奇跡の子馬
    4.0
    拓馬の家は福島県南相馬の競走馬生産牧場だ。2011年3月11日、東日本大震災の津波で牧場は壊滅。愛馬シロは子馬を産み落とし事切れた。恋人も失った拓馬に唯一残された希望である子馬は「リヤンドノール(北の絆)」と名付けられる。競走馬として成長して迎えた日本ダービー。拓馬の、福島の思いを背負うリヤンは奇跡を起こすのか。伝統の祭、相馬野馬追の地を舞台に描く、人と馬の祈りの物語。
  • 愛を綴る
    4.0
    孤独と貧困に負けることなく、けなげに生きてきた少女フェイス。17歳になり侯爵家のメイドとして働き始めるが、森で迷い途方に暮れていたところを不思議な青年ルークに助けられる。字を読むことも書くこともできなかったフェイスは、ルークに文字の手ほどきを受けながら、知らず知らずに愛に目覚めていく……身分違いゆえ禁じられた、ひたむきな純愛の行方は…!?
  • 流転の貴妃 或いは塞外の女王
    3.8
    後宮の貴妃だった紅玉は、北方の遊牧民族の盟主へと嫁がされることとなった。「狄」と呼ばれ蔑まれる異民族の新王への贈りものとして。しかし紅玉を待ち受けていたのは、嫁ぎ先の氏族と敵対する者たちによる襲撃だった。戦利品として囚われた紅玉は、年下のアマルという少年の妻となるように言われ? 不遇のなかから、才覚と勇気ですべてを掴み取る中華風浪漫譚!
  • ひきこもりを家から出す方法
    4.0
    僕がひきこもりになって十年が過ぎた。影山俊治は、中学時代のあるつまずきが原因で自室から一歩も出られなくなり、ゆるやかな絶望の日々を送っていた。「おはようございます。影山俊治さん」そんなある日「ひきこもりを家から出す」プロ集団から、敏腕メイドが俊治の元に派遣されてきて……!? 切なくも優しい家族「再生」の物語。2019年ノベル大賞・大賞受賞作!
  • 幕末姫 ―葵の章―
    3.0
    徳川家康が江戸に幕府を開いてから約250年。外国の脅威が迫るに従い、時代は「倒幕」へと傾いていた。第十三代将軍・家定に嫁ぎ、夫亡き後も徳川家の存続に力を尽くした「篤姫」。婚約者と別れ、公武合体の象徴として第十四代将軍・家茂に嫁いだ皇女・「和宮」。徳川幕府最後の将軍・慶喜の妻となり、「最後の御台所」として大政奉還を迎えた「美賀子」。激動の幕末を「徳川」と共に生きた3人の姫君の物語。 【目次】篤姫――徳川を最後まで守った第十三代将軍・家定の正室――/和宮――第十四代将軍・徳川家茂の正室となった皇女――/徳川美賀子――第十五代将軍・徳川慶喜の正室となった公家の姫――
  • 沖縄コンフィデンシャル 交錯捜査
    3.3
    1~4巻693~781円 (税込)
    那覇市内の高級ホテルで男女の遺体が発見された。沖縄県警捜査一課の若手刑事・反町は、叩き上げのベテラン・具志堅とともに事件捜査に当たる。当初、ただの無理心中と思われたが、準キャリアで同期の赤堀が追う米軍用地をめぐる土地取引事件との関連性が急浮上。二つの事件の背後には、日本の表と裏の“権力”による壮大な陰謀の影が……。著者会心にして渾身の長編警察小説。
  • 彰義隊遺聞
    -
    150年前の5月15日、江戸の町は戦場と化した。西郷率いる新政府軍に彰義隊らが立ち向かった上野戦争。いまも銃痕や刀傷が建物に残る。戦争の様子はどのようであったのか。たった一日で制圧されたが故に「烏合の衆」と蔑まれてきた彰義隊の真の姿とは。当時を知る人々の貴重な証言と、膨大な資料をもとに検証する迫力のドキュメンタリー。教科書では学べない、生きた歴史の手触りが感じられる本。
  • 恋するソマリア
    4.2
    内戦が続き無政府状態のソマリア。だがそこには、現代のテクノロジーと伝統的な氏族社会が融合した摩訶不思議な世界が広がっていた。ベテランジャーナリスト・ワイヤッブや22歳にして南部ソマリアの首都で支局長を務める剛腕美女ハムディらに導かれて、著者はソマリ世界に深く足を踏み入れていく――。世界で最も危険なエリアの真実見たり! “片想い”炸裂の過激ノンフィクション。
  • 僕のつくった怪物 Arknoah1
    3.5
    いじめられっ子の兄弟アールとグレイは、事故で亡くなった父親の書斎で妙な絵本を見つけ、異世界「アークノア」に迷い込んでしまった。そこは、戦争も飢饉もない、天井や壁に囲まれた箱庭のような絵本の中の世界。そして、アークノアを破壊すべく現れたおそろしい怪物を倒さなくては、二人はもとの世界に帰れないことを知る……。鬼才・乙一が描くファンタジー長編第一弾!
  • はとの神様
    3.7
    転入したての5年生、みなと。父の仕事の都合で各地を転々、病的に潔癖な継母との毎日に、何かを待ち続けていた。同級生・悟は物知り博士。父が鳩レースにのめり込み、母と離婚していた。そんな二人が鳩を拾う。持ち主のオランダ人に届けにいき、同い年の娘ユリカと出会った。居場所のない者同士、響き合った三人は、自分たちだけで鳩を飛ばしに遠く稚内を目指す。少年たちの冒険と成長を描く傑作長編。
  • 無名時代
    3.0
    1959年4月、M大を卒業したばかりの芥洋介は、株式会社宣友へ入社する。彼を待っていたのは広告代理店草創期のアナーキーな日常と、苛烈な自意識をぶつけ合う同僚たちだった。皇太子ご成婚、東京オリンピック、そしてザ・ビートルズの来日。時代の奔流の中、今は何者でもないけれど何者かであるはずだ、と信じてもがき、走った青春の日々。日本の歌謡曲を牽引した作詞家・阿久悠による自伝的小説。
  • 手のひらの幻獣
    2.7
    心の中に作り出した動物のイメージをあやつる異能力を持つ「表出者」の日野原柚月。十万人に一人といわれる彼らが集まる企業に勤めて早くも十年。孤独を感じながらも安定した日々を送っていた。そんなある日、できたばかりの新研究所を警備する業務を任される。しかしそこには表出者のパワーを増幅する禁断の存在が隠されていて……。日常化した非日常を緻密に描く“三崎ワールド”全開!
  • 「在日」を生きる ある詩人の闘争史
    4.0
    日本の植民地時代の朝鮮釜山に生まれ、熱烈な皇国少年として育った詩人・金時鐘。1945年8月15日、日本の敗戦を境に、強制された日本語でしか言葉の彩を感じ取れない自身の分裂したアイデンティティに気づく。そして朝鮮戦争前夜の米軍の政庁下で勃発した済州島での凄惨な弾圧から脱出し、日本に暮らすことになった金。古里との分断、在日社会における南北の断層、差別、数多くの歴史の修羅場を詩人として、教師として越えてきたその抵抗と創作の闘争史を、反骨の言論人・佐高信が聞く。ヘイト事件が後を絶たない現代日本において「在日」を生きることの意味を投げかける、在日一世の闘う表現者の戦後史。 【目次】はじめに 金時鐘/第一章 戦前回帰の起点/第二章 歌との闘い/第三章 社会主義と祈り/第四章 差別を越える/第五章 文学の戦争責任/第六章 国を超える国へ/おわりに 佐高 信/資料 水平社宣言
  • 男と女の理不尽な愉しみ
    3.7
    「ゲス不倫」叩きから、「熟年離婚」まで……。世の中は、かくも男女の問題に満ち溢れている。甘美で魅力的なはずの関係はなぜ、今や絶望的なまでに我々を追い詰めているのか? 男女の機微を知り尽くした作家とタレントが、出会いから恋愛の作法、不倫の在り方、看取りの瞬間まで、男と女を巡るあらゆる問題を徹底討論。しなやかでありながら、したたかでもある男女の「愉しみ方」を提言する。古典的男女観ともフェミニズムとも異なる視点の2人が、とかく男女に世知辛い日本社会を喝破する!【目次】まえがき/第一章 結婚したい女たち/第二章 男と女の利害関係/第三章 女は「損」なのか?/第四章 人はなぜ不倫を許さないのか/第五章 女はどう育つのか/第六章 死ぬことと、生きること/あとがき
  • 信長 暁の魔王
    4.0
    「その赤子を殺せ」生まれ落ちたその瞬間から実母・久子に呪詛されて育った信長。癇癪もちで傾いた姿で闊歩する“大うつけ者”は、元服直後の初陣で勝利する。十九のとき父・信秀が病に倒れ、死去。織田の家督を譲られた信長だったが、久子と弟・信行から壮絶な跡目争いを仕掛けられる――。親子の情を知らずに育ち、強くなりたいと切望し続けた、傑出の戦国武将の生き様を描いた歴史長編!
  • 緋の天空
    3.5
    時は奈良時代。藤原家の一族として生を享け、美しく光り輝くように成長した姿から、父・藤原不比等に光明子と名付けられた一人の少女がいた。成長とともに激しさを増す朝廷の権力争い、貧窮者の救済、仏教の広布、相次ぐ災害や疫病……数々の混迷を乗り越え、夫・聖武天皇を支え、国と民を照らす大仏の建立を目指す。時代を大きく動かし、国の礎を築いた光明皇后。その生涯が鮮やかに蘇る歴史長編。
  • 沖縄を変えた男 栽弘義――高校野球に捧げた生涯
    4.0
    1990、91年と沖縄水産高校を甲子園準優勝へと導いた名将・栽弘義監督。常識を覆す独自の練習法と、暴力さえ厭わない苛烈な指導で、沖縄野球を全国レベルに押し上げた。大酒飲みで女好き、公私ともに豪放磊落な栽には敵も多かった。それでも、沖縄人の誇りとアイデンティティーを失わないために、生涯を野球に捧げた。成功の裏に隠された命を削るほどの重圧と孤独に迫る傑作ノンフィクション。
  • シリーズ<本と日本史>(4) 宣教師と『太平記』
    -
    <本と日本史>は各時代を代表する「本」のあり方から当時の文化や社会の姿を考え、その時代における世界観・価値観の成立を考察する歴史シリーズである。本書が扱うのは、宣教師と『太平記』の意外な関係だ。南北朝~室町期の武士の生きざまを描いた『太平記』は、戦国時代最大のベストセラーであり、数々の武将たちに愛好されていた。だからこそ、宣教師もこの作品を「日本を知るための最高の教科書」とみなして、必死に読み解こうとしたのであった。『太平記』と宣教師との接点に注目することで戦国時代に生きた人々の心性に迫ろうとする画期的論考。【目次】まえがき――宣教師の注目した『太平記』/第一章 中世びとの『太平記』/第二章 『太平記』と日本人の心性/第三章 『太平記』と歴史/第四章 記憶の場「日本」/終章 国家と未来/あとがき/参考文献
  • フェイバリット・ワン
    3.8
    23歳の夏帆は、弱小ブランドで働くファッションデザイナー。幼い頃から夢見てきた仕事だったが、どこか中途半端でもどかしい。気になる若手芸人との関係も思うようには進まない。そんな時、先輩に誘われ、新しい会社に移る。そこでパリコレの刺激を受け、一流のものを知ることで、いつしか自分の中の野心に気付く。仕事の成功も本物の愛も、自分で掴みとる! 共感を呼んだ話題の長編小説。
  • 「わからない」という方法
    4.0
    「わからない」イコール「恥」だった20世紀は過ぎ去った! 小説から編み物の本、古典の現代語訳から劇作・演出まで、ありとあらゆるジャンルで活躍する著者が、「なぜあなたはそんなにもいろんなことに手をだすのか?」という問いに対し、ついに答えた、「だってわからないから」。――かくして志向のダイナモは超高速で回転を始める。「自分は、どう、わからないか」「わかる、とは、どういうことなのか」……。そしてここに、「わからない」をあえて方法にする、目のくらむような知的冒険クルーズの本が成立したのである! 【目次】まえがき/第一章 「わからない」は根性である/第二章 「わからない」という方法/第三章 なんにも知らないバカはこんなことをする/第四章 知性する身体
  • シリーズ<本と日本史>(3) 中世の声と文字 親鸞の手紙と『平家物語』
    4.0
    <本と日本史>は「本」のあり方から各時代の文化や社会の姿を考え、当時の世界観・価値観を究明する歴史シリーズである。本書が扱うのは、親鸞聖人の手紙や『平家物語』などの「声の記録」だ。その当時、文字を知らない大多数の民衆には「声」によって文化や思想が伝えられていた。親鸞聖人が遠隔地の弟子に向けて語りかけるように書いた情感溢れる手紙を読み解き、当時の知識人と民衆の関係性を鮮やかに描き出す。また、同時期に成立した『平家物語』にも触れ、「声」が「文字」として書き留められることで成立した中世文化の誕生の背景を解き明かす。日本中世史学の泰斗による研究の集大成となる一冊。【目次】まえがき――中世を体現する本/第一章 親鸞の著述/第二章 中世の手紙/第三章 世の移り行きを書く/第四章 平家の物語/あとがき――中世の声と文学/参考文献
  • 淡々と生きる 100歳プロゴルファーの人生哲学
    -
    日本のゴルフ文化の礎をつくったと言われる白州次郎、小寺酉二に薫陶を受け、名門・軽井沢ゴルフ倶楽部に勤務した著者は、日本最高齢100歳のプロゴルファー。10歳でキャディーのアルバイトを始め、独学で身につけたゴルフ技術が評判となり、田中角栄、佐藤栄作など各界の著名人にゴルフレッスンしてきた。55歳でプロテストに一発合格した、遅咲きのプロゴルファーは今でも毎日150球のパター練習を欠かさない。「仕事ができる人間はゴルフでムダ口をたたかない」「基本こそすべて」など、人生とゴルフの真髄をあますことなく語る。【目次】はじめに/第1章 生きるために始めたのがゴルフだった/第2章 遅咲きのプロゴルファー/第3章 私のゴルフ哲学/第4章 仕事ができる人間はゴルフでムダ口をたたかない/第5章 人生の「谷」を歩く時/第6章 100歳から見える景色/おわりに
  • 「野球」の真髄 なぜこのゲームに魅せられるのか
    -
    野球はかつてスポーツ・娯楽の中心だった。男の子がプレーに熱中し、試合中継に胸躍らせた時代があった。しかし今、野球は昔のような熱も輝きも持っていない。社会は野球を歓迎しない方向にすら傾き始めている。その原因を探るため、著者は野球の歴史、ゲームの本質・魅力を見直し、日本の野球がどのように変質してしまったのかを分析する。さらに野球を通して現代の日本人が失ってしまった大切なものを指摘すると同時に、野球が昔のように復権する道筋を考える。長年、野球に携わってきた著者の集大成!【目次】はじめに/第一章 野球の本質/第二章 古き佳き野球の時代/第三章 野球の「信用」の失墜/第四章 野球の喜びと深み/第五章 野球再生に必要なもの/おわりに
  • 10秒の壁――「人類最速」をめぐる百年の物語
    4.0
    陸上競技100m。かつて、この種目で「10秒」を突破することは世界中の夢であり目標だった。では、10秒の壁は、いかにして破られたのか。そこには、天才アスリートの出現、テクノロジーの進歩、競技環境の変化など、様々な要素が存在した。そして、時代背景に翻弄され、「記録」に残らなかった意外な事実も隠されている。本書は、一瞬の勝負の裏に潜む幾多のドラマを発掘するとともに、「人類最速」はどのレベルまで進化するのかを考察する。【目次】はじめに/第一章 壁に挑んだ男たち/第二章 壁を破った男たち/第三章 記録はどこまで伸びるのか/第四章 日本人にとっての「10秒の壁」/おわりに/表・100m世界記録の変遷/主要参考文献
  • 田中角栄回想録
    4.6
    スローガンは「決断と実行」。戦後の一時代を築き、いまも人々の記憶に残る田中角栄。日中国交回復と日本列島改造論を掲げて政界の頂点に立ち、ロッキード事件を経てからもその影響力を失わなかった。28歳での代議士初当選から法廷闘争の最中、病に倒れるまでに語られた思いや本音を、腹心の秘書であった著者が肉声を交えて紹介。不世出の天才政治家の素顔を浮き彫りにする超一級ノンフィクション。
  • ルバイヤートの謎 ペルシア詩が誘う考古の世界
    5.0
    『ルバイヤート』とは、11世紀のペルシアに生まれた天才オマル・ハイヤームが作った四行詩の総称であり、その詩集の名称である。ペルシア文化の精髄の一つと言われるこの詩集は19世紀、英国詩人フィッツジェラルド訳で注目を集め、今や世界中で翻訳されている。著者は、深い諦観と享楽主義が同居するこの詩の世界に触れることで、西域探検史、特に探検家ヘディン研究の第一人者として、中央アジア史と東南アジア史の調査研究を続ける道を拓いた。謎に満ち、今も人々を魅了する『ルバイヤート』。長年の研究調査で知り得たエピソードをまじえ解説し、その魅力と謎に迫る、誘いの一冊。【目次】はじめに/第一章 『ルバイヤート』とは何か/第二章 万能の厭世家、オマル・ハイヤーム/第三章 『ルバイヤート』と私の奇妙な旅/第四章 『ルバイヤート』をめぐるエピソード/おわりに
  • クローズアップ(スクープシリーズ)
    4.3
    週刊誌の記者が何者かに殺された。偶然その場に居合わせた報道番組「ニュースイレブン」記者の布施は事件直後の現場撮影に成功、翌日のニュースで映像が流される。一方、継続捜査を受け持つ捜査一課の黒田はある暴力団の組員が殺害された事件を追う中で、記者殺害との奇妙な符合に気付く。しかし、二つの事件を繋ぐカギは踏み込んではならない聖域だった――。大人気“スクープ”シリーズ第3弾。
  • 復讐の花期 君に白い羽根を返せ
    -
    新婚旅行先で、妻が暴力団員にレイプされた。夫は、縛り上げられて妻を救う一指もあげられず、妻は夫に卑怯者のレッテルを貼る。歳月と共に深まる夫婦の間の溝を埋め立てようとしてきた夫は、重い病で余命いくばくもなしと知る。わずかな余生を、捨て身の覚悟をもって最強の暴力団に挑む。不可能を可能にする、ただ一人の息つまる凄絶な復讐戦。妻よ、俺を見ていろ! サスペンスフル、リベンジ。
  • フィンランド 豊かさのメソッド
    3.9
    経済協力開発機構(OECD)による生徒の学力調査(PISA)で、フィンランドの子どもたちがトップの成績を挙げて以来、その教育のあり方に注目が集まっている。またフィンランドは、世界経済フォーラム(WEF)の国際競争力ランキングでも、何度も1位に輝くなど、経済的にも発展している。充実した福祉、女性の社会進出、透明性の高い税金の使途……日本とは対極的とも言える、その成長の秘密は、どこにあるのだろうか。現地の大学院留学など、フィンランドで過ごした貴重な体験をもとに語る、“不思議で豊かな国”の素顔。【目次】はじめに へえー、フィンランド? 日本人には馴染みの薄い国だが……/第1章 不思議でとても豊かな国~失業率二〇%から国際競争力一位へ/第2章 学力一位のフィンランド方式~できない子は作らない/第3章 税金で支えられた手厚い社会~独立心が旺盛でたくましい女性/第4章 日本と似ている? フィンランド文化~異文化コミュニケーション/おわりに
  • 医療再生 日本とアメリカの現場から
    3.5
    医師不足や医療不信が同時多発的に拡大し、社会問題化した「医療崩壊」は、その後どのような道を辿ったのか。本書では、繰り返される医療事故をはじめ、「医療崩壊」後の日本医療が今なお抱える問題を、独自の職業観や医局運営術も交えながら検討し、米国での無給研究員時代より続く著者自身の実践から捉え直す。新医療事故調査制度や新専門医制度などの相次ぐ制度改革や、アメリカ型医療の流入といった目まぐるしい変化について、日米両国の現場で外科医療に携わった体験を交えて考察した一冊。【目次】はじめに/第一章 米国医療の光と影/第二章 日本の医療はなぜ崩壊したのか/第三章 外科医療はトキメキの宝庫/第四章 意識改革で外科医局再生――トキメキと安らぎのある村社会/第五章 日本医療の未来像/参考資料 「読売新聞」連載コラム
  • 【電子特別版】ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い
    4.4
    飼い主に見捨てられ、行き場をなくした犬や猫が、保健所で悲惨な死をむかえる―。ペットブームにひそむ現状を「しかたがない」で終わらせず、「殺処分ゼロ」を目標に立ち上がった熊本市動物愛護センター。無責任な飼い主に対する職員たちの奮闘が始まった。決して夢物語ではないことを十年がかりで証明した、彼ら独自の取り組みとは? “闘う公務員”たちを追う、リアルストーリー。電子版には「熊本市動物愛護センター日々の風景」として写真を追加収録。
  • 終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ
    3.9
    1999年のNATO軍の空爆により、コソボ紛争は公式には「終結」したことになっている。しかし現地では、セルビア系の民間人が3000人規模で行方不明になるなど、空爆前とは違った形で「民族浄化」が続き、住民たちは想像を絶する人権侵害の危機にさらされている。また、空爆による劣化ウラン弾の被害は甚大で、すべての回収には100年を要するという。本書は、空爆終了後6年間にわたって現地に通い続けた唯一のジャーナリストが、九・一一やイラク戦争の開始以降ほとんど報道が途絶えてしまったセルビア・モンテネグロの現状を告発した、渾身のルポルタージュである。【目次】まえがき/旧ユーゴスラビア全図/第一章 大コソボ主義(2001年~2002年)/一 消えた1300人――セルビア人拉致被害者たち/二 真っ先に見た事務局長/三 コソボへ/四 マケドニア潜入行/第二章 混迷の中で(2002年)/一 劣化ウランとユーゴスラビアの核/二 10月革命の裏側/第三章 セルビア・モンテネグロの誕生(2003年)/一 新憲章発布とモンテネグロ/二 新憲章発布とコソボ/三 誰がジンジッチを殺したのか/四 ボスニア・ヘルツェゴビナ/五 少年が殺された/終章 語り部(2004年10月)/柴宜弘教授との対話――あとがきに代えて/ユーゴスラビアとセルビア・モンテネグロに関する年表
  • 14歳〈フォーティーン〉満州開拓村からの帰還
    3.6
    「昭和」を見つめ、一貫して戦争や国家を問うてきた著者の原点となったのは、1945年、14歳での敗戦体験だった。家族と渡った満州・吉林。敗戦後の難民生活は一年に及ぶ。「棄民」ともいうべき壮絶な日々、そして一家での日本への引き揚げ……。14歳という多感な少女が軍国少女となり、日に日に戦争に巻き込まれていく様を、自身の記憶と膨大な資料から丁寧に回顧し綴る。【目次】少女の行程/澤地家家系図/吉林市の街中の地図/はじめに/第一章 十四歳の少女/第二章 秘密/第三章 王道楽土/第四章 戸籍謄本/第五章 学徒動員・無炊飯/第六章 水曲柳開拓団/第七章 八月十五日・敗戦/第八章 いやな記憶/第九章 蟄居の日々/第十章 内戦下/第十一章 旧陸軍兵舎/第十二章 日本へ/おわりに
  • フランス反骨変人列伝
    4.0
    フランスの歴史を注意深くひもとくと、正史にはめったに登場しない魅力的な奇人・変人に出会うことが出来る。国王、国家、法制度等への反逆であったり、その逆に忠誠であったりと、その逸脱した人生は様々だが、彼らに共通しているのは、自分自身の生き方に徹した反骨の精神である。そして、世間に逆らって自分を貫いた人間たちには、どこかしら時代を超えた普遍性が感じられる。本書は、その中でも極めつきの、それでていて日本ではほとんど紹介されていない四人の人物、モンテスパン侯爵、ネー元帥、犯罪者詩人ラスネール、死刑執行人・六代目サンソンを取り上げる。【目次】まえがき/第一章 モンテスパン侯爵/第二章 ネー元帥の悲劇/第三章 犯罪者詩人、ラスネール/第四章 六代目サンソン/あとがき
  • 死刑執行人サンソン――国王ルイ十六世の首を刎ねた男
    4.4
    【荒木飛呂彦帯カラーイラスト付】敬虔なカトリック教徒であり、国王を崇敬し、王妃を敬愛していたシャルル-アンリ・サンソン。彼は、代々にわたってパリの死刑執行人を務めたサンソン家四代目の当主であった。そして、サンソンが歴史に名を残すことになったのは、他ならぬその国王と王妃を処刑したことによってだった。本書は、差別と闘いながらも、処刑において人道的配慮を心がけ、死刑の是非を自問しつつ、フランス革命という世界史的激動の時代を生きた男の数奇な生涯を描くものであり、当時の処刑の実際からギロチンの発明まで、驚くべきエピソードの連続は、まさにフランス革命の裏面史といえる。【目次】序章 呪われた一族/第一章 国王陛下ルイ十六世に拝謁/第二章 ギロチン誕生の物語/第三章 神々は渇く/第四章 前国王ルイ・カペーの処刑/終章 その日は来たらず/あとがき

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