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Posted by ブクログ
(2026/01/25 2h)
自分が不登校とか引きこもりとかニートである原因を言語化したくて、当時の自分を救いたくて、少しずつ当事者研究などの本を探し始めているところ。
『ひきこもりを家から出す方法』というタイトルだけ見て、当事者家族のための解決策を提示するタイプの書籍かと思ったが小説。オレンジ文庫は比較的ライトなレーベル。
これ、引きこもりの解像度がすっごく高くて驚いた。著者の猫田佐文は当事者なのかな。参考文献の斎藤環の本も良い。
自分は終盤辺りの主人公の状況と近い感じ。
知り合いには10年以上引きこもってるひとも、社会に出たものの引きこもらざるを得なくなった人もいるけど、主人公とまったく同じ人も多くいると思う。
引きこもりは自分にかかっているお金について理解していない、生きる意識・欲求が希薄、メガネの度があってない、社会に出るための服や靴も時計もない。小遣い2万円とか。
コンビニの夜勤のやる気のなさから勇気をもらう場面では、わたしの仕事のできなさは迷惑をかけてばっかりだと落ち込んでいたが、仕事のできないひとも働いている…ということは誰かに勇気を与える側面もあるのかも、と変な視点から元気をもらった。
主人公が自分の思いをぶちまけたときにはこっちも涙が止まらなかった。まさにわたし自身が常に思っていることだった。
ラストの救うことでまた救われるというのも、強く共感した。シスターたちもそうなのだと思う。
教師を腐す場面があるのは苦い気持ちになるけど、社会人はみんなこう言うね。
当事者はもちろん、その周囲の人たちも、読んだら希望になる作品だと思う。
斎藤環の本もここから読んでいけるといい。
この小説は24(25)歳の主人公が28歳で社会に出ていくまでを描いた作品だけど、これが30代40代50代それ以上の場合も読んでみたいと思った。
実際、引きこもりのYoutuberなどインフルエンサーになっている例も、たびたび見かける。
それってつまり、棄てていい経験ってないってことだよな、と。必要なのは発信することなんだよな、と前向きになれるような気がする。
Posted by ブクログ
中学2年の時に、同級生のちょっとした発言から引きこもりになり、自室にこもった俊治。それから14年たち、まもなく25歳を迎えようとしている時、引きこもりを解消するという団体から、クリスという若い女性が派遣されてきた。クリスと交流しながら、少しずつ部屋から出る方法を模索する。
タイトルが何らかの暗喩みたいなものかと思ったら、タイトルのままという話。14年間引きこもりの男性、その両親、クリスのそれぞれの試行錯誤を描いた話である。
内容的にはそれなりにささやかなハッピーエンドに向かうのであるが、その際にとてつもない事件が起こったりするわけでもなく。日常の一進一退を理解できれば楽しめる作品だ。
一方で場面展開が少ないからこその、細かい矛盾を感じることも少なくない。中2から引きこもっているのに、父親が捨ててしまったフィギュアはどこで入手したのかとか、2020年に描かれているが、14年前から世間に出ていないのに、スマホやタブレットを知っていること、14年前から親に立ち入らせなかった部屋に、動画やネットゲームに対応したPCがあることなどなど。2006年なら、まだWindowsXPの時代だ。
根本的な話でいうと、クリスがありえないのだが、そこはまあ、お話である。
全体には、ネット小説というような話だが、文章の筆致も丁寧で読みやすい。難を言えば、視点が俊治以外に移ったときの章が、だれに視点を合わせるのかわからないし、その迷いがそのまま出ているということ。だったら一貫して俊治目線で描き通せなかったのか。
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