あらすじ
僕がひきこもりになって十年が過ぎた。影山俊治は、中学時代のあるつまずきが原因で自室から一歩も出られなくなり、ゆるやかな絶望の日々を送っていた。「おはようございます。影山俊治さん」そんなある日「ひきこもりを家から出す」プロ集団から、敏腕メイドが俊治の元に派遣されてきて……!? 切なくも優しい家族「再生」の物語。2019年ノベル大賞・大賞受賞作!
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Posted by ブクログ
ひきこもりからの再生の物語。身につまさせるように刺さりました。こんなプロ集団がいるのならうちにも来て欲しいです(部屋からは出ていますが外には出ない)
Posted by ブクログ
引きこもっていた 空白の時間への葛藤
外の世界から敵意を感じてしまうこと
経験値不足からの恐怖など
読む前には 想像つかなかったことを
リアルに考えられたと思います
Posted by ブクログ
物語の展開の仕方がわかりやすく、スラスラ読み進めることができました。
引きこもり本人だけでなく、サポートする周囲の人達についても丁寧に書かれていて共感できる範囲が広く面白い作品でした。
Posted by ブクログ
中学2年の時に、同級生のちょっとした発言から引きこもりになり、自室にこもった俊治。それから14年たち、まもなく25歳を迎えようとしている時、引きこもりを解消するという団体から、クリスという若い女性が派遣されてきた。クリスと交流しながら、少しずつ部屋から出る方法を模索する。
タイトルが何らかの暗喩みたいなものかと思ったら、タイトルのままという話。14年間引きこもりの男性、その両親、クリスのそれぞれの試行錯誤を描いた話である。
内容的にはそれなりにささやかなハッピーエンドに向かうのであるが、その際にとてつもない事件が起こったりするわけでもなく。日常の一進一退を理解できれば楽しめる作品だ。
一方で場面展開が少ないからこその、細かい矛盾を感じることも少なくない。中2から引きこもっているのに、父親が捨ててしまったフィギュアはどこで入手したのかとか、2020年に描かれているが、14年前から世間に出ていないのに、スマホやタブレットを知っていること、14年前から親に立ち入らせなかった部屋に、動画やネットゲームに対応したPCがあることなどなど。2006年なら、まだWindowsXPの時代だ。
根本的な話でいうと、クリスがありえないのだが、そこはまあ、お話である。
全体には、ネット小説というような話だが、文章の筆致も丁寧で読みやすい。難を言えば、視点が俊治以外に移ったときの章が、だれに視点を合わせるのかわからないし、その迷いがそのまま出ているということ。だったら一貫して俊治目線で描き通せなかったのか。
Posted by ブクログ
前半は心変わりを丁寧に描写。後半の他人との関わりが良かったです。悪口言ってきた人と関わる機会が羨ましい。綾との関わりの描写がもっと欲しかったです。
Posted by ブクログ
中学校時代に学校で自分の悪口を聞いてひきこもりになった25歳のひきこもりの主人公が、ひきこもりを卒業するまでの物語。
引きこもりを卒業させるためのエージェントが美少女のシスターという設定以外は普通の内容で、小説として読んだ場合には物足りなさがありました。それでも最後まで読ましてくれたのは、引きこもりの心情のリアルな描写であったり、少しずつ光の見えてくる流れだったりするからでしょうか。