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Posted by ブクログ
春の奈良旅以来続く、光明子ブームの一環。
長屋王の長男・膳夫(かしわで)との、ほのかな想いがポイントとなっている。
二人に加え、聖武天皇、あの道鏡まで同年だった・・・
それを知ったときの作者の小躍りする姿が見えるよう。
一番、読んでいて印象深かったのは、
彼らの少年時代の冒険の一コマ・
たぶん、作者は、ここから物語の発想が膨らませたのではないかと
勝手に思っているほど、心惹かれている。
大河ドラマ「女城主直虎」で主人公らが井戸を囲んだ幼い日々と重ねてしまった。
どちらもとても好きな場面。
後に道を違えることになったとしても、幼い日、共に過ごした記憶は
きっと心に残っているはずだから。
小説のこのあとは、正直ね、普通の光明子の物語。
膳夫は、里中満智子版の長屋王のよう。
とにかく魅力的な爽やかな男。
対して、本作の長屋王は・・・ちょっと残念なお父さん。
でも、私利私欲に走るわけではなく、皇族として臣下・藤原氏の台頭を
案じ、心砕いた末のこと。
長屋王事件のあとは、小説もあっけない。
なんだかな、物足りないな・・・
けれど、あの少年の日の冒険があるから、私には満足。
あまりに心惹かれ、
膳夫と姫の出会いとなった、平城京をちょこっと歩いてしまったほどw
Posted by ブクログ
女性を主人公にした歴史物って、力強くも繊細で勇気づけてくれる。大河の篤姫しかり、綾瀬はるか演じる八重しかり。
・・・とそんな気持ちで読み始めたら、、早速の挫折。
あの、奈良時代の人間関係の複雑さ。血筋だけでも混乱するのに名前が難しい。登場人物の関係性がちんぷんかんぷんになり、話の展開がよくわからない。
そんなんで、とうとう、読みながら家系図を作成。
・・・それが功を奏したのか、その後展開もわかりやすく、話が読める!(このやる気が学生時代にあれば・・・)
藤原家と蘇我家の対立から、国を安定させたいと願う光明子の父、藤原不比等の政。
光明子が生きた60年の間に天皇が4人も存在し、うち二人は夫と娘。そして、この時代の女帝の多さにびっくり。
光明子は天皇ではなく皇后、、、その生涯が、まさに大河を見ているようでドラマチックだった。
Posted by ブクログ
天皇の娘以外、臣下の娘でありながら、初めて皇后となった光明子の話。
元明、聖武の時代を光明子の視点から描いたもの。
永井路子さんの美貌の女帝が元明天皇(氷高皇女)視点なので、そのちょうど反対側といったところ。
この本の長屋王は野心が強すぎる印象だけど、それぞれの歴史の点と点の間が小説として繋がって面白く読めた。
この時代は、蘇我の血を受け継ぐ娘達、持統天皇からの元正、元明と藤原一族との皇位をめぐる駆け引きの執念を描いた永井路子さんの本の方がしっくりくる。
弓削清人、光明子が子供の頃からお互い知っていたという設定も面白い。
聖武天皇と光明皇后はある意味では、長屋王の祟りに苦しめられてその半生を送り、仏教に傾倒し、慈善事業に務めていた。
光明皇后が亡くなってからの話は無くてもいいかな。
最後がバタバタと駆け足な印象が残ったのは残念。
この時代は姻戚関係とか複雑なので、永井路子さんの小説のように、重要な人達の系図があると良かったと思う。
追記
改めて永井路子さんの美貌の女帝を読み直す。
やはり、この本での光明子が元正を尊敬し、元正が光明子を気遣うという設定は違和感があり、尊貴の血にこだわる持統天皇から元正までの流れ、心の動き、長屋王の変のくだりなども永井路子さんの考察がしっくりくる。
Posted by ブクログ
これはついていけなかった(笑)
奈良時代、聖武天皇の皇后として生きた光明子の物語。
この時代の歴史ものって読んだことが無いと思う...
登場人物の名前は記憶の片隅でなんとなく覚えがあるぐらいで、この時代背景やその人物たちのなしたこと、事件など、すっかり忘却の彼方で、再び奈良時代の日本史をこの物語を通じて学び直している感じ(笑)
なので、どこまでが史実なのかもよくわからず、日本史の教科書を読んでいるような感じになってしまいました(笑)
本書を通じて「長屋王の変」というもものを理解しました。
そういうことがあったのね。
そして、それが光明子に与えた影響。
天皇を支え、国の為に尽くす!
葉室さんの描く女性像はいつも芯が強い
しかし、この時代の天皇位継承も現代とは逆の意味で大変だったんですね。
Posted by ブクログ
光明皇后がメインの話。
幼少期の安宿媛(あすかべひめ)から没年まで。
光明皇后の名の通り、光を照らしたような人物だった。
そして、長屋王の息子の膳夫(かしわで)との
恋とは言いがたい、ほのかな気持ち。
聖武天皇(首皇子)との国を思う気持ち。
光明皇后もいろんな思いを背負って、
政をしてたんだなぁー、って思ったよ。
個人的には、頭の中が「天上の虹」での設定に
なってるので、
「長屋王は、こんなに悪いやつじゃない!!」ってなったー笑
天武天皇や持統天皇、穂積皇子、但馬皇女、大津皇子など
もぅ、たくさん名前が出てきて、
私にとっては幸せ過ぎましたー!!
が、きっと、知らない人が読めば「?」だと思うー笑
終わり方が少し怖かった。
孝謙天皇と道鏡の今後に繋がるように思えたよ。
Posted by ブクログ
作者には珍しく奈良時代の歴史小説。主役は光明子。非常に期待していたが、思っていた満足感は得られなかった。
一つ感じたことは、歴史物、特に古代の小説を読むときに、先入観や現在の価値観はできるだけ抑えて読むべきだということ。光明子は福祉事業に献身し、聖武天皇を補佐した辣腕の女性。作中でも彼女の功績や覚悟が描かれているが、例えば不安定な世情を鎮めるために大仏造立を進言するシーン。物語の最後に光明子がたどり着いた答えであり、ハイライトシーンではあるが、大仏造立に大量の人民が動員され、苦しんだ歴史を知っているために、どうしてもその行為・決意を全面的に肯定できず、モヤモヤしてしまう自分がいた。その後の仏教の人民への広がり、それにより救われた人も沢山いることや文化面での聖武・光明子の実績を考えると正しい決断だったわけなのだが、どうしても「あくまで貴族の遊びの世界」と考えてしまう。
また、作中の唐鬼の存在についても、この時代に不可思議な現象を持ち込むことについては特に異論はないが、少し荒唐無稽すぎな部分があり、それが上手く生かされていないような気がした。単純に「長屋王の呪いで藤原四子は死んだ、と光明子が信じる」という表現で良かったのではないか(玄昉や吉備真備を使って退治させるシーンは必要だった?)。少しついていけなかった理由の一つ。
ただ、光明子に影響を与えた元正天皇の描かれ方はとても好きだ。歴史の影に埋もれているが、飾りの女帝ではなく、強い指導力を持っていたからこそ2代の女帝時代が続いたのだろうし、その後の阿倍仲麻呂→道鏡と時の権力者が政変で次々と変わっていく中、元正治世に大きな政変が起きなかったのはそれ自体評価に値することなのかなと思う。
Posted by ブクログ
奈良時代の光明皇后を主人公に、長屋王の変をメインに据えた時の政争とひとびとの生きざまを描く。
葉室作品らしいまっすぐさを、殆どの人物が備えて描かれています。貫きたいものがそれぞれにあり、その為に手を汚すこともある……というような。
その中で光明皇后がつねに光たらんと生きる姿は、まさに葉室作品の女性像という感じです。
妖術使いがいたり、ややエンタメに寄っている印象を受けましたが、それは中世以降の時代物には出てくる殺陣のシーン等が描けない時代で、どう盛り上げるかのバランスだったのでしょうか。
それぞれの人物像の解釈の違い等で、もしかしたら好みは分かれるかもと思われますが、この作品において個人的には元正天皇(氷高皇女)の描かれ方が好きです。
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