作品一覧

  • 孤高に生きた登山家 岡野金次郎評伝
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    1902(明治35)年、二人の青年が日本人登山者として初めて山頂を踏んだ。 彼らの名は岡野金次郎と小島烏水。 二人の登頂によって日本の近代登山の幕があいた。 その後、小島烏水は日本山岳会の初代会長ともなり日本の登山史にその名を刻むが、岡野金次郎はほとんど記録に残ることなく、山岳界で埋もれた存在になってしまった。 なぜ岡野は日本山岳会の設立者として歴史にその名をのこせなかったのか。 山の歴史に精通した人たちの間では、小島と岡野は不仲だったとする考えが根強くある。 岡野が日本山岳会の創設に加わらなかったことや、二人が山で喧嘩別れしたことなどがその理由だ。 著者は数々の山岳書や小島の執筆した本から、その不仲説に疑問を持つようになった。 二人は決して不仲ではなく、山で喧嘩別れしたあとも長年深い間柄だったのだと確信することができた。 岡野金次郎の生涯は謎が多い。 岡野は日記こそまめに書き続けていたが、関東大震災で全て焼失してしまった。 登山家全盛期の明治期から大正期にかけて、岡野の山の記録は非公開のものも含めてほとんど残っていない。 遺族への取材、そして膨大な資料から浮かび上がる「孤高の登山家」の真の姿とは。
  • ミドリさんとカラクリ屋敷
    3.7
    海の近くの湘南の街に、屋根から電信柱の突き出た家があった。その不思議な佇まいに惹かれて屋敷を訪れた著者は、90歳を超えたパワフルなミドリお婆さんと出会う。彼女は建築が大好きで、この家も自分で設計して建てたという。6世帯が共同で暮らす屋敷には、奇妙な仕掛けがいたるところに存在して――。カラクリ屋敷の秘密と波瀾万丈のミドリさんの生き様を軽快につづる、傑作ノンフィクション。

ユーザーレビュー

  • ミドリさんとカラクリ屋敷

    Posted by ブクログ

    ミドリさんの人間的な魅力が凄すぎてとても面白かった。面白かったし読みやすかったが図などがないとわかりにくい事柄もたくさんあり、理解しきれないまま読み進めた(でも面白いからOK)ところが多く、消化不良ではある。
    ご近所野幌の開拓の頃のことも少し知ることができ、興味とワクワクが詰まった一冊。

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    2022年07月20日
  • ミドリさんとカラクリ屋敷

    Posted by ブクログ

     ミドリさんと屋根から煙突の伸びる素敵な家。屋根も柱も建具も庭も、何もかも手を抜かず美しい。ものを作る楽しさとはこういうものなのかと思わせる。
     書かれていることは美しく、豊かなのだが、微妙に構成が悪い。情報量が少ないというかとっちらかっている印象があり、もったいない。
     実際に作者が知った通りの時系列にとらわれずに、ミドリさんの故郷、生い立ち、なぜこんな家を作ったのか、住んでいる人、など章ごとにまとめたほうが読みやすいんじゃないかなぁ。

     あと、フィクションの児童文学として読んでみたい。
     ある小学生が、帰り道に「いつもと違う道を通ってみよう」と歩き出す。すこしずつ見なれぬ場所が出てきてわ

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    2016年09月18日
  • ミドリさんとカラクリ屋敷

    Posted by ブクログ

    平塚にあった、屋根から電信柱が突き出ている風変りな家の持ち主、木村ミドリさんの一代記? ミドリさんや身内の人たちの言動や生き方など痛快なんだけど、主題が何なのかよくわかんなかった。ユニークだったり進取の気性に富むのって、わりと血筋によるのかなと思ったり、同類は結びつき会うんだなと思ったり。

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    2016年07月03日

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