海外文学作品一覧

  • 長靴をはいた猫
    3.7
    「赤頭巾ちゃん」にしても「眠れる森の美女」にしても、本来は血なまぐさくセクシャルで残酷な民話だった。ペローの童話はその味わいを充分に残しながら、一方では皮肉な人間観察や教訓をおりこみ、童話文学の先駆的作品となった。この残酷で異様なメルヘンの世界を、澁澤龍彦は流麗な訳文で、いきいきと甦らせた。大人も子供もともに楽しめる決定版童話集!

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  • なぜ英国は児童文学王国なのか
    -
    1巻3,762円 (税込)
    なぜ英国は児童文学王国なのか? アリス、ナルニア国、パディントン、そしてハリー・ポッターまで、名作誕生の背景に迫る。
  • なぜ古典を読むのか
    3.7
    卓越した文学案内人カルヴィーノによる最高の世界文学ガイド。ホメロス、スタンダール、ディケンズ、トルストイ、ヘミングウェイ、ボルヘス等の古典的名作を斬新な切り口で紹介。須賀敦子の名訳で。
  • なぜ孫悟空のあたまには輪っかがあるのか?
    3.3
    花果山のてっぺんの石から生まれたサルの孫悟空.彼のあたま,そして彼の武器である如意金箍棒には,なぜ「輪っか」がはまっているのか? 唐代の,玄奘三蔵のインドへの旅から約九百年.中国の人びとの想像力が育て,明の時代に完成した小説『西遊記』.その深く魅力的な世界を,若い人たちに向けて分かりやすく解説します.

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  • 謎解き「アリス物語」 不思議の国と鏡の国へ
    3.0
    『不思議の国のアリス』は、アリスの冒険の一部に過ぎない。ディズニー映画を思い浮かべる人も多いだろうが、実はアリスは、もっと不思議で奇妙なノンセンスの世界に入り込んでしまっていたのだ。幼いころからことば遊びにたけた数学と論理学の研究者、文理融合型マルチ人間である作者ルイス・キャロルは、その並外れた遊び心とこだわりで、次から次へとアリスにカラクリを仕掛ける。ニヤニヤ笑いを残して消えるチェシャ猫や、延々とお茶会を続ける帽子屋と三月ウサギなどなど、馬鹿馬鹿しいことを言ってアリスを困らせる登場人物たち。しかし、そこには「理をはらむ馬鹿馬鹿しさ」があり、「理がはらむ馬鹿馬鹿しさ」がある。当たり前が当たり前でない『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を楽しむガイド。「俺もおかしいし、君もおかしい。そうでなきゃ、こんなところにこなかったはずだ」(チェシャ猫)

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  • 謎とき『失われた時を求めて』
    4.5
    1巻1,232円 (税込)
    『源氏物語』にも比せられ、『ユリシーズ』と並ぶ二十世紀最大・最強の長篇小説。しかし一万枚を超す長さと、文章の複雑さゆえに読み通すのが容易でない本。その真の魅力と、作家が隠蔽しつつも書き残した謎を、ヌーヴェル・クリティックの第一人者が初めて説き明かす。プルーストの姿を追って旅したヴェネツィアで見たものとは?
  • 謎解き 少年少女世界の名作
    3.8
    十九世紀から二十世紀初頭、資本主義の浸透と身分制度の解体が進み、現在の社会秩序の基礎が確立される過程の欧米諸国で書かれた「少年少女世界の名作」を単なる子供だましと侮るなかれ。『十五少年漂流記』に隠された英米仏の領土問題、『宝島』に貫かれているビジネスの過酷さ――。そこには、近代史の真相、民衆心理、社会の根底にあるさまざまな仕組みやカラクリが隠されている。世界の見方が変わる一冊。

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  • 夏

    3.0
    「チャリティ(慈悲)」と名付けられた、複雑な出自をもつ若い娘のひと夏の恋── ニューヨークの上流社会を描いた『歓楽の家』(1905)、『無垢の時代』(1920)で 知られ、女性初のピューリッツァー賞を受賞したイーディス・ウォートン(1862–1937)。 同じくニューイングランド地方の寂れた村を舞台に、閉塞的な社会に生きる人々を描いた『イーサン・フローム』(1911)と並ぶウォートン中期の名作、待望の翻訳出版。本邦初訳!
  • 夏のヴィラ
    -
    過去と現在が交差し、一瞬煌めいて消える—— 韓国で五つの賞に輝いた珠玉の短編集 いまやペク・スリンの小説は、母語と母国、母性の世界の不均質にまで手を伸ばす。普段は見られない母親の美しさに怯えて泣き出す子どものように、私もまたその過程にすっかり魅了された者のひとりだ。 ——キム・グミ(小説家)『あまりにも真昼の恋愛』著者 「黒糖キャンディー」(『私のおばあちゃんへ』)『惨憺たる光』に続くペク・スリン、待望の最新作 【目次】 時間の軌跡 夏のヴィラ ひそやかな事件 大雪 まだ家には帰らない ブラウンシュガー・キャンディ ほんのわずかな合間に アカシアの林、初めてのキス 著者あとがき 訳者あとがき 【著者】 ペク・スリン 1982年仁川生まれ。短編小説「噓の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。2015年、2017年、2019年文学村若き作家賞、2018年文知文学賞、李海朝文学賞、2020年現代文学賞、韓国日報文学賞。著書に短編集『フォーリング・イン・ポール』『惨憺たる光』(書肆侃侃房刊)『今夜は消えないで』、中編小説『親愛なる、親愛なる』、エッセー『やさしい毎日毎日』などがある。 カン・バンファ 岡山県倉敷市生まれ。高麗大学文芸創作科博士課程修了。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。訳書にチョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』、ピョン・ヘヨン『ホール』がある。
  • 夏のサンタクロース フィンランドのお話集
    4.0
    フィンランドの「童話の女王」アンニ・スヴァンの作品集.民話的なファンタジーと,現実の風景や暮らしを融合させた童話は,およそ百年前から人びとに親しまれてきました.春をむかえにいくお話,妖精や魔物の登場するお話,ドラマチックな愛のお語など,色とりどりの13編をえりすぐり,美しい挿絵とともに紹介します.

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  • 夏の日の声
    -
    1964年のある日の午後、第二次世界大戦退役軍人のユダヤ人フェデロフは、息子の野球試合を見ながら過去50年を回想する。移民の息子に生まれ、よき妻に恵まれ、元気のいい二人の息子をさずかった。いまも健康だし、ビジネスもまあまあ成功した。……俺が死んだら、とフェデロフは思った。火葬にしてもらおう。お祈りなしで。俺の灰なんかどこかに捨てればいい。俺が幸福だったところに。ヴァーモントの野球場の芝生に。ニューヨークの街で童貞と処女がはじめて愛をかわしたベッドに。戦時中の夕方、休暇中の軍曹がアメリカの赤毛の美女と並んで佇んだ、パリの家並を見おろすバルコニーに。息子のゆりかごに。晴れわたった夏に泳いだ大西洋の大きな波間に。そして、愛する妻の優しい手のなかに……夏の日の声はいつの時代も同じだった。
  • 夏服を着た女たち
    -
    1930年代から50年代にかけてのアメリカの時代を、職人芸といってもよい精緻な筆致で描きあげた短編集。ニューヨークがパリが、ブルックリンが生きた人間の町として浮かび上がる。表題作のほか「八〇ヤード独走」「ニューヨークヘようこそ」「カンザス・シティに帰る」「愁いを含んで、ほのかに甘く」 など10編を収録。

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  • 七破風の屋敷
    -
    「秘密にみちた恐ろしい過去の呪い」にしばられたピンチョン家の館……そこを舞台に繰りひろげられる、罪と報いと救いの物語。ピューリタン的伝統の色濃い1840年代アメリカ・ニューイングランドの歴史と雰囲気が背景をなす重厚な作品だが、登場人物たちは非常に個性的で、巧みな脇役とともに、その日常の描写はユーモラスでもある。

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  • ナプキン・ノート Napkin Notes
    -
    もしも突然、わずか数年の余命宣告を受けたら、 残された時間、あなたは家族のために何をしますか ――? 妻リッサと愛娘エマと暮らすガースは、毎朝娘のお弁当を作るイクメンパパ。 お弁当の袋に、「その日のひと言」を書いた紙ナプキンを忍ばせてエマを送り出すのが日課だ。 だが、エマが12歳になった年、ガースに腎臓がんが見つかる。翌年には前立腺がん。さらに腎臓がんも再発……。そしてついに医師より余命宣告を受ける。 彼がエマの高校の卒業式を見届けられる確立は、わずか8%。 この命が尽きるまでに、彼女に伝えたいことをすべて伝えることができないかもしれない……。 ガースは決意する。たとえ自分に何があったとしても、エマが高校を卒業するまで「1日1枚」、 彼からのメッセージを受け取れるようにしておこう、と。 余命宣告を受けた父が紡ぐ、愛する娘へのメッセージ
  • ナボコフの文学講義 上
    4.4
    世界文学を代表する巨匠にして、小説読みの達人ナボコフによるヨーロッパ文学講義録。なにより細部にこだわり、未踏の新しい世界として小説を読み解いてゆく。上巻は、フロベール『ボヴァリー夫人』ほか、オースティン、ディケンズ作品の三講義に加え、名評論「良き読者と良き作家」を所収。
  • ナボコフのロシア文学講義 上
    4.0
    世界文学を代表する巨匠にして、小説読みの達人ナボコフによるロシア文学講義録。上巻は、ドストエフスキー「罪と罰」ほか、ゴーゴリ、ツルゲーネフ作品を取り上げる。
  • 波

    -
    たまたま子供時代を一緒にすごした男3人、女3人からなる7人の人物の、人生行路をなぞる作品。しかし全編が登場人物のモノローグから構成され、それぞれの人物は一緒にいながら、そこには普通の「会話」はない。一人ずつが舞台の前に出てきて、いわば「一人がたり」をおこなう。不思議な時間と空間ができ、不思議な交響楽がいつのまにか鳴り響いてくる。

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  • 波 対訳・翻訳比較で味わう『劇詩Playpoem』の旋律
    -
    1巻1,760円 (税込)
    意識の波間に漂いながら―― 五線譜にのせた美しい音色を奏でる 代表的訳者 3 人との翻訳比較も収録! イギリス・モダニズム文学の代表作家“ヴァージニア・ウルフ”による長編小説「波」。 男女6人の独白を通して、それぞれの記憶を巡ると共にたどり着く、不思議な感覚とは――。

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  • 波乗り介助犬リコシェ~100万人の希望の波に乗って
    5.0
    傷ついた人々に希望を与え、心の支えとなった世界でただ一匹の“波乗り介助犬 ”。 ゴールデンレトリバーのリコシェ(♀)は、生まれた時から介助犬としての才能を見込まれ、訓練プログラムでも素晴らしい成長ぶりを見せていた。 しかし、「鳥を見ると追いかけてしまう」という、犬の本能をどうしてもなおすことができず、介助犬失格となってしまう。 しかし、ドッグトレーナーである著者は、リコシェは「何ができないか」ではなく「何ができるのか」に目を向け彼女にサーフィンを教えてみることに。 すると、やがてリコシェは障害のある男性と並んで波乗りをはじめ、さらには彼のボードに一緒に乗って、そのサポートをするまでになったのだ。 一度は失格の烙印を押されてしまったリコシェが波乗り介助犬(SURFice dog)として“自分らしく”才能を発揮し、障害を持つ子どもや、心に深い傷を負った大人たち、そして、その家族や周りの人たちの心を癒していく…… 世界中のたくさんの人々の心を動かした、感動のノンフィクション。

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  • 南方郵便機
    -
    ベルニスはフランス・アフリカ間の定期郵便機のパイロット。ジュヌヴィエーヴとの愛は報いられず、彼はひたすら「飛ぶ」ことに、埋められないなにかを求めるが……著者自身の飛行体験をもとに書かれたこの処女作は、若々しい魅力にあふれている。

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  • 肉体の悪魔
    3.9
    第一次大戦下のフランス。パリの学校に通う15歳の「僕」は、ある日、19歳の美しい人妻マルトと出会う。二人は年齢の差を超えて愛し合い、マルトの新居でともに過ごすようになる。やがてマルトの妊娠が判明したことから、二人の愛は破滅に向かって進んでいく……。早熟な少年の人妻への恋を、天才作家が悪魔的な筆致で描く20世紀心理小説の白眉、研ぎ澄まされた文体で甦った決定訳!
  • 肉体の悪魔
    -
    1巻330円 (税込)
    第一次大戦中の混乱期の世相をバックに、一少年の人妻によせる恋愛心理をえぐった小説。早熟夭折の天才ラディゲ17歳のときの処女作品。その透徹した知性と感性、心理解剖とによって、いまなお多くの共感を得ている名作。

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  • ニジェール探検行
    -
    ニジェール川の水源と河口を探るべくアフリカへ旅立ったマンゴ・パーク。酷暑と猛獣の恐怖に耐え西アフリカ奥地を踏査。探検の終焉間近に、現地民の襲撃により落命した悲劇の探検家の手記。
  • 21世紀の世界文学30冊を読む〔電子版〕
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    ポール・オースター、トマス・ピンチョンからミランダ・ジュライ、ジュノ・ディアス、そしてアフリカ、中国、ラテンアメリカ、旧ユーゴスラビアの作家まで。未訳の同時代小説をいち早く読み、紹介してきた著者による、明快にして刺激的な世界文学ガイド決定版。※単行本に掲載の[訳し下ろし短編]は、電子版には収録しておりません。
  • 29歳、今日から私が家長です。
    -
    1巻1,870円 (税込)
    【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 韓国読者が選ぶ2023年 若い作家1位! 2024年 韓国でドラマ化 決定! 凛々しい娘、美しいおじさん、珍妙なおばさん。韓国で注目の気鋭作家が、家父長制の先の家族を描いた”これから”のホームコメディ! この小説は家父長でも家母長でもない娘が家長(家女長)で主人公。厳しい祖父が統治する家で生まれた女の子・スラがすくすく育って家庭を統治する。作文を家業に家を興した娘が、一家の経済権と主権を握る。?家父長の家では決してありえないような美しくて痛快な革命が続くかと思ったら、家父長が犯したミスを家女長も踏襲したりする。家女長が家の勢力を握ってから、家族メンバー1に転落した元家父長は、自ら権威を手放すことで可愛くて面白い中年男性として存在感を表す。スラはどの家父長よりも合理的で立派な家長になりたいと思っているが、スラの家女長革命は果たして皆を幸せにすることができるだろうか。 著・文・その他:イ・スラ 1992 年、ソウル生まれ。有料メールマガジン「日刊イ・スラ」の発行人。ヘオム出版社代表。大学在学中からヌードモデル、文章教室の講師として働き、雑誌ライターなどを経て2013 年に短編小説「商人たち」で作家としてデビュー。著書にエッセイ集『日刊イ・スラ』(原田里美、宮里綾羽訳、朝日出版社)、『私は泣くたびにママの顔になる』、『心身鍛錬』、『まめまめしい愛』、『とにかく、歌』、『すばらしき人生』、インタビュー集『まじりけのない尊敬』、『新しい心で』、『創作と冗談』、書評集『君は生まれ変わろうと待っている』、共著に書簡集『私たちの間には誤解がある』(以上すべて未邦訳)などがある。インスタグラム: @sullalee 翻訳:清水知佐子 和歌山生まれ。大阪外国語大学朝鮮語学科卒業。読売新聞記者などを経て、翻訳に携わる。訳書に、キム・ハナ、ファン・ソヌ『女ふたり、暮らしています。』、キム・ハナ『話すことを話す』『アイデアがあふれ出す不思議な12の対話』(以上、CCCメディアハウス)、朴景利『完全版 土地』、イ・ギホ『原州通信』(以上、クオン)、タブロ『BLONOTE』(世界文化社)などがある。
  • 日蝕
    -
    ジョージ・オーウェルが「傑出した小説」と絶賛。75年ぶりに発見されたドイツ語原本からの初翻訳。 かつて革命の英雄であった主人公ルバショウは、絶対的な権力者「ナンバー・ワン」による粛清の標的にされ、でっち上げられた容疑で逮捕・投獄される。隣の独房の囚人と壁を叩いた音によって会話を交わし、これまでの半生を追想するうちに、革命家としての自分の行動の正当性に対する確信が揺らぎ始める。取り調べを受ける中でルバショウは、でっち上げられたグロテスクな罪を自らの意志で自白していく。 アンチ・ユートピア小説であり、ザミャーチンの『われら』、ハクスレーの『うるわしき新世界』、オーウェルの『一九八四年』、そしてブラッドベリの『華氏四五一度』と比較し得る。残念なことに、これらはいずれも、今日に至るまでその現実性を少しも失っていない二十世紀からの警告の声である。(ドイツ語版序文、マイケル・スキャメル) スターリン専制下のソビエト連邦で一九三〇年代後半に行われたモスクワ裁判の犠牲者をモデルとした政治小説である。それと同時に、ドストエフスキーの『罪と罰』や『悪霊』や『カラマーゾフの兄弟』の系譜を受け継ぎ、政治と倫理の問題をめぐる議論の交わされる観念小説でもある。さらには、全体主義的な体制下の監獄で、一人で戦わねばならなかった孤独な人間の心の動きを丹念に追ったサスペンスタッチの心理小説でもある。(「訳者あとがき」より)
  • 二都物語(上)
    -
    フランス革命時代のパリとロンドンの二大都市を舞台に繰り広げられる歴史ロマン。パリの貧民窟で怪しげな酒場を営むドファルジュ夫妻、ときおりそこで取り交わされる暗号めいた名前のやりとり……革命の機運はいつともなくしだいに熟す。

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  • 二年間の休暇 上
    5.0
    休暇で6週間の航海に出ることになっていた寄宿学校の生徒たち。ところが船が流され、嵐の果てにたどりついたのは無人島だった――。少年たちは、時に反目し合いながらも、自らの知恵と勇気で運命を切り開き、島での生活を築きあげていく。〈十五少年漂流記〉として知られるヴェルヌの傑作冒険小説。完訳版。

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  • 二年間の休暇
    -
    夏休みの航海旅行を楽しむはずだった15人の少年たちは、事故のため子供たちだけで無人島に漂着。次々と押し迫る危機的状況の中「集団」として生き残るための全力を尽くす戦いが始まる。幼い知恵と勇気をふりしぼり、ときに衝突しながらも仲間と力をあわせ、無人島での2年間を見事に生き抜いた彼らの姿を、躍動感あふれる筆致で描いた傑作冒険小説。「15少年漂流記」としても知られる。

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  • 【日本語版】HAPPINESS IS... 幸せを感じる500のこと
    3.9
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 愛らしいイラストでたくさんのファンを持つイラストレーター夫妻が、世界中の人々から募った「幸せを感じる瞬間」を500個、優しいタッチで描き出しました。ピカピカのキッチン、海で見る夕日、ふわふわのタオル、分厚い本を読み終えたとき、上司が休みの日…などなど、特別なことばかりではないのに、どれにもつい共感して笑顔になれます。発売とともに世界各国で話題となっているイチオシの書籍です。
  • 【日本語版】FRIENDSHIP IS... あなたに感謝する500のこと
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は家族、友人、恋人、相棒など大切な人と過ごす500の瞬間を切り取った本です。「クセがうつっちゃう」「『それ、似合ってないよ!』ってちゃんと言う」「言葉を交わさなくても心地いい」など、思わず頷けて笑顔になれる瞬間を、可愛いイラストで綴りました。落ち込んだとき、本書を読めばきっと元気がわいてきます。また、プレゼント本としても世界中で支持されており、あなたらしい特別な贈り物としてもお勧めの一冊です。
  • 【日本語訳/英語原文 同時掲載】雪の女王/THE SNOW QUEEN ~七つのお話でできているおとぎ物語~
    -
    アンデルセン童話『雪の女王』を英語原文と日本語で楽しもう! ある所にカイという少年とゲルダという少女がいました。二人はとても仲良しでした。しかし、悪魔の作った鏡の欠片がカイに刺さり、彼の性格は一変してしまいます。 ある雪の日、どこからか雪の女王が現れて、彼をその場から連れ去ってしまってしまいます。 ゲルタは、春になるとカイを探しに出かけるのです――。 世代を超えて長く愛されるアンデルセン童話の1つ『雪の女王』。 本書では、英語原文と日本語訳を同時に掲載しています。 作品を楽しみながら英語の学習にも役立ちます。 【目次】 1.【日本語訳】第一のお話 鏡とそのかけらのこと 2.【英語原文】FIRST STORY. Which Treats of a Mirror and of the Splinters 3.【日本語訳】第二のお話 男の子と女の子 4.【英語原文】SECOND STORY. A Little Boy and a Little Girl 5.【日本語訳】第三のお話 魔法の使える女の花ぞの 6.【英語原文】THIRD STORY. Of the Flower-Garden At the Old Woman's Who Understood Witchcraft 7.【日本語訳】第四のお話 王子と王女 8.【英語原文】FOURTH STORY. The Prince and Princess 9.【日本語訳】第五のお話 おいはぎのこむすめ 10.【英語原文】FIFTH STORY. The Little Robber Maiden 11.【日本語訳】第六のお話 ラップランドの女とフィンランドの女 12.【英語原文】SIXTH STORY. The Lapland Woman and the Finland Woman 13.【日本語訳】第七のお話  14.【英語原文】SEVENTH STORY. What Took Place in the Palace of the Snow Queen, and what Happened Afterward.
  • ニュルンベルクのマイスタージンガー
    -
    神話や伝説をもとにしたワーグナーの他の楽劇と異なり、本作は「史実」をとりあげて題材としている。主人公ハンス・ザックスは16世紀に実在した「マイスタージンガー」の一人であり、靴屋の親方だ。本作で、ザックスは、部外者ヴァルターの歌の革新性を認め、芸術における伝統と革新のみごとな媒介に成功する。第三幕の「歌合戦」に向けて壮大なドラマが展開され、「伝統」を讃えるザックスとザックスを讃える人びとの明るい歌で幕となる。
  • 【電子復刻版】ニューゲイト・ノヴェル――ある犯罪小説群
    -
    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 イギリス小説の根強い伝統の一つをなす犯罪小説、その核とも言うべきニューゲイト・ノヴェルを詳細に論じる日本で初めての本格的論考。 待望の電子復刻版。
  • ニューヨークは闇につつまれて
    -
    訳者は書く……アーウィン・ショーは私が最も愛読してきたアメリカの作家である。この作家のおかげで私も翻訳の仕事をつづけることができたという感慨がある。この短篇集には都会小説もはいっていれば、戦争小説もはいっている。ショーの都会小説と戦争小説を結びつけているのは、ユダヤ人であることの意識である。そして、戦争の意識。「ベルリンは闇のなかに」や「ブレーメン号の水夫」や「未来に流す涙」は大戦前夜の物語である。それで、この短篇集の題名も「ニューヨークは闇につつまれて」となった。「夏服を着た女たち」につづくショーの短編集第2弾。
  • ニューヨークを読む 作家たちと歩く歴史と文化
    4.0
    資本主義の首都ニューヨークには、最先端の現象が露出しつづけてきた。その素顔を捉えることは容易ではないが、この都市を舞台とする文学作品は格好の導き手となってくれるだろう。メルヴィル、ホイットマン、フィッツジェラルド、サリンジャー、オースター……。こうした作家たちは、この都市の魅力と魔力を鋭い感受性で捉え、鮮やかなことばで表現した。ダイナミズムをたたえ混沌としたニューヨークの過去と現在を歩き直す。
  • 女房学校
    -
    アリスト、スガナレルの二兄弟は、それぞれみなし児の姉妹をもらい受け、いずれは妻にするつもりで育てている。アリストは、ものわかりのいい人物で、相手を信頼して、自由気ままな生活をさせているが、弟のほうは頑固者で、女性の良識を認めようとせず、きびしい態度で相手の意志を押さえつけようとする。結局、アリストは、幸福な結婚にゴール・インするが、スガナレルは振られ男となる。モリエールが女性教育はいかにすべきかという問題をとりあげた最初の作品であり、興行的にも大成功を収めた。

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  • ニルスの旅 -スウェーデン初等地理読本-
    -
    1901年、後のノーベル賞作家 セルマ・ラーゲレーヴのもとに地理の教科書執筆の依頼が舞い込む。伝統的スウェーデンと発展しつつあるスウェーデン。子供たちに祖国を知らしめることは喫緊の課題であった。ラーゲレーヴは快諾して、スウェーデン各地の地理・歴史・伝統文化を童話風に説き起こした。児童文学の形を採った大人の書。原典スウェーデン語。
  • 庭師の娘
    3.8
    メスメル博士のお屋敷に,庭師の父親と住むマリーは,修道院で勉強中です.だけど,マリーが考えているのは植物のことばかり.本当は父親のように庭の仕事をやりたいのです…….18世紀末のオーストリアで,時代や社会の制約にもめげず,自分の道をひらいていく少女を描く歴史フィクション.

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  • 人形の家
    -
    シェイクスピアに続き、世界でもっとも上演される近代劇の父、ヘンリック・イプセン。女性解放を促した不朽の名作に詳細な注釈を付す。《シリーズ刊行予定》・イプセン『ゆうれい』、『野がも』、『ヘッダ・ガブラー』・ストリンドベリ『父』、『令嬢ジュリー』、『夢の劇』・チェーホフ『かもめ』、『三人姉妹』、『桜の園』
  • 人形の家
    -
    1巻330円 (税込)
    銀行の頭取に出世した堅気な弁護士ヘルメルと妻ノーラとは、仲むつまじい夫婦であった。だがノーラには、夫が病に冒されたときに、借用証書に偽りの署名までして内緒で工面した借金があった。その借金の相手はヘルメルによって職場をくびにされると、秘密の暴露とひきかえにノーラに、復職を夫に働きかけるよう迫る。スキャンダルは危うく未然に回避されるが……ノーラは決然として子どもと家を捨てて出ていく。人間の心のうちを描く近代劇の出発点となった記念碑的作品。

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  • 人間喜劇
    5.0
    時は第二次世界大戦の時代、14歳のホーマーは、カリフォルニアのイサカの町で学校に通いながら、自転車に乗って電報を届ける仕事をしている。彼が運ぶ青年たちの戦死の知らせは、人びとを悲しみのうずにまきこむ。やがて出征している自分の兄の死を最愛の母に伝える日が訪れる……。一家をささえて働く少年の目にうつる、生と死が織りなすドラマ。作者サロイヤン(1908~81)はアルメニア系移民の子としてカリフォルニアに生まれる。新聞売りや図書館員などの仕事をしながら、作家を志した。『我が名はアラム』など、名作の数々は世代をこえて愛読されている。
  • 人間的要素
    -
    モームの短編集『一人称単数』First Person Singular, 1931 から選んだ「ジェーン」「人間的要素」「美徳」の3編を収録する。どれも男女関係、結婚を扱った作品で、「幸福」の質にもいろいろなレベルのものがあることがテーマになっている。
  • 人間とは何か
    3.9
    老人と青年の対話の形で書かれたマーク・トウェイン晩年の著作。人生に幻滅している老人は、青年に向かって、人間の自由意志を否定し、人間は完全に環境に支配されながら自己中心の欲望で動く機械にすぎないことを論証する。人間社会の理想と、現実の利己心とを対比させつつペシミスティックな人間観で読者をひきつけてゆく。

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  • 人間とは何か?
    5.0
    “ソクラテスになったマーク・トウェイン”。老人と若者との対話形式で、近代社会を支える人間存在を、自らの欲望で動く「機械」にすぎないと断言するパラドックス的人間論。作者晩年の代表作でペシミズムの影が現れた哲学的な作品。

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  • 人間にはたくさんの土地が必要か
    -
    「イワンの馬鹿」と並んで、最も広く知られている民話「人間にはたくさんの土地が必要か」は、ヘロドトスが『歴史』に書いたスキタイ人に関する話から想を得たという。過度の貪欲が人間を破滅に追いやる過程が息詰まるような描写で展開する。鬼気迫る結末は、ロマン・ロランをして、「ほかの民話には見られない芸術」と言わしめた。「人間はなにで生きているか」「火は放っておけば消せない」「愛あるところに神もいる」これら3編の民話もまた、ロシア民衆の愛と実践を通してトルストイの到達した宗教的深さをうかがわせる逸品である。

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  • 人間の絆(上)
    -
    モームの精神的自伝であり、今世紀英文学の最高傑作のひとつ。「えび足」という宿命の劣等感にさいなまれながら真摯に生き抜くフィリップの姿を、みじめな少年時代から、パリでの画家志望の暮らし、悪女ミルドレッドとの果てしない葛藤、医学への転身、サリーとの邂逅と愛の希望まで、徹底的にほりさげ描ききった大河青春文学。

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  • 人間の由来(上)
    4.0
    センセーションを巻き起こした『種の起源』から12年、ダーウィンは本書で初めて人間の「由来」と「進化」を全面的に扱った。人間は、肉体的形態、心的能力、知的能力、道徳的性質のすべてにおいて「下等動物」と連続性をもっている。そして、お互いに助け合い、守り合う「種」こそが「存続をめぐる争い(生存競争)」を生きのびる。ダーウィンが進化論に託した希望が示されるもう一つの主著、待望されてきた文庫版初の全訳!
  • 人間和声
    4.0
    「私の音色は薄緑なの」ヴァイオリンのような甘美な声で娘は言った……。〈勇気と想像力ある秘書求む。当方は隠退した聖職者。テノールの声とヘブライ語の多少の知識が必須〉。謎の求人に応募した主人公が訪ねたのは、人里離れた屋敷だった。そしてそこには美しい娘がいて……。
  • にんじん
    3.9
    にんじん――。髪の毛が赤くてそばかすだらけのルピック家の三番目の男の子はみんなからそう呼ばれている。あだなをつけたのはお母さんだ。お母さんは、にんじんに夜の暗闇のなかをにわとり小屋の扉を閉めに行かせたり、おもらししたおしっこを朝食のスープに混ぜて飲ませたりする……。だが、にんじんは母親のいじわるにも負けずに成長してゆく。生命力あふれる自伝的小説の傑作。
  • にんじん
    3.6
    「にんじん」――ルピック夫人は末の男の子をそう呼ぶ。髪の毛は赤く、顔はそばかすだらけだから。にんじんは、部屋の片隅にうずくまりながら、家族のために役立つ機会を待ちぶせしている。が、母親の口汚いののしりと邪険な態度が、そんな彼の気持ちを打ち砕く――。愛に飢え、愛を求めながら、母親のあまりの反応のなさに悩み傷つく少年の姿を生き生きと描き、読者の感涙を誘う不朽の名作!
  • にんじん
    -
    赤毛のため「にんじん」あだ名をつけられている少年は、生みの母親から愛されなかった。母から難癖をつけられ苛められるにんじんは、嘘をついたり、いんちきな手段を使ったり、またはご機嫌をとったりして自分を守ろうと四苦八苦する。特異な家庭環境におかれた「にんじん」は、やはり特異な子どもなのか? 子どもの不潔さ、残酷さ、うそつき根性などをリアルに描写しながら、なおそこにエスプリと詩情を漂わせたルナールの佳品。

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  • ニーベルンゲンの歌
    -
    1巻550円 (税込)
    「ニーベルンゲンの歌」はゲルマン民族の英雄伝説で、12世紀末から13世紀初頭に現在の形にまとめられたものといわれる。ただ、原典には矛盾も多く、著者は最も妥当と思われる二つの物語を紹介する。前編は「ジークフリートの死」、後編は「クリームヒルトの復讐」である。ジークフリートは数々の偉業を達成してクリームヒルトと結ばれるが、狡知にたけたハーゲンに屈して死を迎える。妻のクリームヒルトは復讐に燃えて敵を誅戮し、みずからも命を絶つ。ワーグナーの「ニーベルンゲンの指環」4部作はこの前編を独自に解釈したものである。
  • ラインの黄金
    -
    ライン川の川底にひそかに眠る黄金。これから指環を作れば、その持主は絶大な権力を握るといわれる。それを守る乙女たちをだまし、こびと族のアルベリッヒは黄金を奪う。一方ワルハラ城を神々のために建造した巨人族二人は、主神ヴォータンに謝礼を迫り、黄金を要求する。ヴォータンは地下の国を訪ね、アルベリッヒから黄金と指環を奪い、これを二人に与える…だが、指環には呪いが。二人の巨人ファーゾルトとファーフナーは争い、指環は後者の手に移る。「たった一つの指環をめぐってくりひろげられる数奇な物語は、非現実の陶酔にさそいこんでくれる。ページを繰って耳をすますと、壮厳にして官能的なワーグナーの楽劇がきこえてくることだろう」これは寺山修司の言葉だ。
  • 盗まれた手紙
    -
    エドガー・アラン・ポーによる作品。
  • ねじの回転
    -
    邪悪な男女の亡霊が、うぶな子どもたちを悪へと誘う。それを救おうと孤独な闘いをつづける女家庭教師。虚構と現実が渾然ととけあい、緊迫感あふれるシーンがつぎつぎと展開して、物語は一気に破局へ。心の奥にひそむ悪をテーマにした「亡霊物語」の傑作。

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  • ネルーダ詩集
    -
    ネルーダはチリ生まれの詩人であり、政治家。1971年にはノーベル文学賞を受けた。ネルーダの声ははじめ、恋に破れた若者の死ぬばかりの嘆きをうたい、孤独をうたっていたが、マドリードの鋪道に流された子供たちの血を見て、その声はヒューマニズムの叫びとなり、ひとびとの怒りと涙をうたい、ひとびとの根ぶかい生活と希望を大きなスケールで反映したものとなった。
  • ネールの塔 五幕九景ドラマ
    -
    『三銃士』(ダルタニアン物語を含む)や『モンテ・クリスト伯』を始め『王妃マルゴ』、『モンソローの奥方』、『黒いチューリップ』などの小説で世界的な文学者となったアレクサンドル・デュマは、最初、劇作家としてデビューしたという事実は意外に知られていません。今回、デュマの劇作品の中でも傑作の呼び声が高い『ネールの塔』をお届けします。フランス王妃とビュリダンとの権力と知力の戦い、尊属殺人、嬰児殺し、近親相姦、恐るべき人倫の蹂躙を舞台にのせた作者の勇気と革命と戦争を通じて権力に潜む非人間性を知ったためにそうした表現を受け入れることができた観客を感じていただければ幸いです。 ネールの塔にまつわる歴史は次のようなものでした。 中世の物語、特にネールの塔の伝説的な物語は当時流行であった。史実では、女王マルグリット・ド・ブルゴーニュ(1290-1315)と義妹のブランシュは、それぞれフィリップ・ドルネとゴーティエ・ルネという兄弟を愛人にし、モービュィッソンの修道院で逢い引きをしていた。1314年、四人は密告されてルイ強情王と呼ばれたLouis Xの命令で全員逮捕された。一人の若者は尋問によって自白(しかし、裁判の一切が秘密であったために、すべて憶測の域を出ない)し、拷問の果てに死んだ。1315年4月のことであった。1322年、女王は、伝説の語るところでは、1315年4月30日王の命令によりシャトー・ガイヤールで絞殺されて死んだ。ブランシュは1322年解き放たれ、僧籍に入り、モービュイッソンの修道院に赴いて翌年そこで死んだ。この姦通を手引きした端役たちは死刑か、または逃亡した。さらに二番目の義妹ジャンヌは一旦告発されたが、身の潔白を証明することに成功した。これがこの事件にたった2頁しか割いていない同時代人のド・ナソジの『年代記』の継承者が教えてくれるすべてである。ネールの塔がフィリップ美男王の嫁たちの放蕩三昧(ほうとうざんまい)の本山であり、一夜限りの愛人の死体を翌朝セーヌ川に投げ落とさせたという、これといった根拠もない一つの伝説が生まれたのはかなり古いことである。これらの情夫のうちビュリダンなる人物が問題である。事実、ビュリダンという人物はどこにも見当たらないうえに、さらにもっと可能性が薄いのはパリ大学の総長であった哲学者ジャン・ビュリダン(1290-1358頃)がマルグリット・ド・ブルゴーニュの愛人であったということである。様々な伝説がジャンヌ・ド・ブルゴーニュあるいはマルグリット・ド・ブルゴーニュとの関係を彼に負わせ、その二人のどちらかが(ヴィヨンが書いているように)彼を袋に入れてセーヌ川に投げ入れ、そのために死んだかどうかは様々な異本がある。ブランドームはその『艶婦列伝』のなかで有罪の女王のことには触れることなく、ネールの塔における王家の血みどろの乱痴気騒ぎの伝統について言及している。  これを題材にしてフレデリック・ガイヤルデという若者が脚本を書きました。着想はよかったが、劇場に上げるまでではなかった原案をロマン主義演劇の傑作に仕上げたのがアレクサンドル・デュマでした。熱狂をもって受け入れられた『ネールの塔』はその後、著作権を巡るガイヤルデによる執拗な訴訟が作者2人の死後まで続く因縁の作品でもあったのです。『ネールの塔』に付けた解説では、この問題を詳細に説明しています。お楽しみ下さい。
  • 鹿川(ノクチョン)は糞に塗(まみ)れて
    3.0
    映画のように書き、小説のように撮る…… のちに世界有数の映像作家となった 映画監督イ・チャンドンによる傑作小説集 待望の日本語訳刊行! 映画監督として世界中にファンを持つ韓国の作家イ・チャンドンが、かつて小説家として発表し、「映像の世界への転換点となった」と自ら振り返る小説集、『鹿川は糞に塗れて』(原題『??? ??? ???? ?? ??』)(1992)の邦訳。 収録される5作品はそれぞれ、朝鮮半島の南北分断、そこに生まれた独裁政治下の暴力、その後の経済発展がもたらした産業化や都市化に伴う諸問題などを背景にしている。すべての登場人物は、分断や社会矛盾の犠牲になって生きる「ごく普通の人びと」。膨大な量のゴミで埋め立てられた地盤と労働者たちの排泄物の上に輝く経済発展、そしてそこに生まれた中間層の生活の構造を、作家イ・チャンドンは「糞に塗れている」と看破し、そこに生きる市民たちの悲喜交々の生を問う極上の物語を紡ぎ出す。
  • 覗くモーテル 観察日誌
    4.0
    他人の性生活を、覗いてみたい――。 天井裏に自分だけの覗き部屋を作ったモーテル経営者、30年の奇妙な記録。 1980年のはじめ、著者のもとに一人の男から奇妙な手紙が届く。 男の名はジェラルド・フース。コロラド州デンヴァーでモーテルを経営しており、 複数の部屋の天井に自ら通風孔と見せかけた穴を開け、秘かに利用者たちの姿を観察して日記にまとめているという。 男を訪ねた著者が屋根裏へと案内され、光の洩れる穴から目撃したのは、全裸の魅力的なカップルがベッドでオーラルセックスにはげむ姿だった――。 ヴェトナム戦争で傷ついた兵士とその妻の行為から、不倫や同性愛、グループセックス、 さらには麻薬取り引きの絡んだ殺人事件まで、三十年に及ぶ記録からはアメリカの世相、性意識の変化が見えてくる。 解説・青山南 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 野の百合を見よ
    -
    美しく、高慢な資産家の娘エウニッセ。野の百合のような、気高さを持つ女医オリヴィア。  貧困の中で育った青年医師エウジェニオは、その野心ゆえに、自分を心から愛するオリヴィアを捨て、エウニッセと結婚する。望んだものを手に入れながら、空虚な日々を過ごす彼の前に、再びオリヴィアが姿を現わし、やがて悲劇が訪れる。  文明とは、神とは何か。真の幸福を求めるものの苦悩、そして再生への歩みを描いた、現代人のための“人生の指標”。ブラジル文学・近代主義の巨匠が描く、人類普遍の愛のドラマが今、その幕が切って落とされる。
  • ノートル=ダム・ド・パリ
    4.0
    15世紀末のパリ。ノートル=ダム大聖堂の副司教クロード・フロロは、聖堂前の広場で踊るジプシーの娘エスメラルダに心を奪われ、自分が育てた異形の鐘つき男・カジモドに誘拐させて、わがものにしようとする。しかし間一髪、王室騎手隊の隊長に救われ、エスメラルダはその若き隊長フェビュスに一目ぼれしてしまう。嫉妬に狂った副司教のクロードは、フェビュスを殺し、エスメラルダにその罪を着せ破滅させようとする。一方、エスメラルダの美しさとやさしさにふれ、いつしか愛情を抱くようになったカジモドは、彼女を絶望的な運命から救いだそうとするが――。
  • ノートル=ダム・ド・パリ 上
    3.7
    1~2巻1,177~1,320円 (税込)
    フランス・ロマン主義を代表する作家ユゴー(1802-85)が,1482年のパリを舞台に中世の社会と民衆の風俗を生き生きと描く.醜い鐘番のカジモド,美しい踊り子エスメラルダ,陰鬱な司教補佐クロード・フロロ.〈宿命〉によって結ばれた登場人物たちが,運命にもてあそばれ,愛や情熱や嫉妬といった感情のドラマを繰りひろげる.(全2冊)

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  • ノートルダム・ド・パリ(上)
    3.0
    パリにそびえるゴシック建築のシンボル、ノートルダム大聖堂をバックに、ジプシーの踊り子エスメラルダと、醜い鐘つき男カジモドをめぐって繰り広げられる中世歴史ロマン。ロマン派の巨匠ユゴーの代表作。「ノートルダムのせむし男」のオリジナル版。19世紀の銅版画の挿絵を多数収録した。

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  • ノーマの発酵ガイド
    -
    ノーマで提供される料理にはすべて、発酵食品が使われている。 数年前から「発酵」に興味を持っていたレネ・レゼピが、一般読者に向けて、発酵食品作りの始め方と実用的なレシピを書いた。 共著者は、ノーマの発酵ラボのリーダーであるデヴィッド・ジルバー。
  • ハイネ詩集
    -
    1巻440円 (税込)
    「ハイネは読者を親友にしてしまう」といわれる。「歌のつばさに」や「ローレライ」など、ハイネの詩ほど多くの作曲家によって取り上げられて歌曲になったものはない。またハイネほど、国境を越え時代を超えて多くの読者を見いだしている詩人も少ない。

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  • ハウスキーピング
    3.5
    両親のいない姉妹と、放浪生活を営んできた奔放な叔母との奇妙な三人暮らし。拠り所となる家(ハウス)の喪失の悲しみを詩情豊かにつづる、ピュリツァー賞・全米批評家賞作家のデビュー作。
  • 墓に唾をかけろ
    -
    白人どもを殺せ! おれの黒い血が騒ぐ――パーティーで出会った金持ち美人姉妹を獲物に狂気の行動に走る白い肌の黒人青年リー。真夏に爆発する若者たちの暴力とセックスを描く衝撃の発禁小説!
  • 白鯨(上)
    -
    自分の足を食いちぎったまぼろしの鯨を追って、怨念(おんねん)を晴らそうとする船長エイハブ。エイハブが乗組員たちをまきこんで大海原を舞台に死に物狂いでモービー・ディックを追う物語は、乗組員のひとりの力強い語りで進行していく……。海と船、一頭のマッコウ鯨をめぐって展開される壮大な人間ドラマ。鯨を語るにも必読。

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  • 『白鯨』アメリカン・スタディーズ
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    「世界名作十大小説」に必ず入る『白鯨』。この物語は、魔獣モビイ・ディックへの単なる復讐譚ではない。時空を越えて現れる巨大生物が象徴するものとは何か? ここに19世紀から21世紀へ至るアメリカ文明史を、そしてグローバルな現代史をスリリングに読み解く。新訳相次ぐ現在、アメリカ研究の第一人者が満を持して贈る。

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  • 白痴1
    4.3
    初冬のペテルブルグに姿を現した外国帰りの青年ムィシキン公爵。莫大な遺産を相続した彼をめぐり、高慢な美女ナスターシヤ、誇り高き令嬢アグラーヤ、血気盛んな商人ロゴージンなどが織りなす人間模様。ドストエフスキー五大長篇中もっともロマンとサスペンスに満ちた傑作、新訳決定版。
  • 白痴(上)
    -
    霧ふかいある冬の朝、ペテルブルグの終着駅へと、列車が疲れきったかっこうで物語を運んでくる。三等車の座席に三人の男がいる。色あせた包み一つをかかえてスイスから帰国途中のムィシキン公爵と、熱病やみの男で、着のみ着のままでプスコフからわが家へ帰るラゴージン、そして、赤鼻、吹き出物だらけで、何のために列車に乗っているのか見当もつかぬ、抜け目のないレーベジェフだ。列車の到着後、その日のうちに主人公はほとんどすべての登場人物と会う。…純真な子供のような眼をもつムィシキンを、ひとは「白痴」よばわりする。だが公爵は常にその曇りのない大きな空色の眼に微笑をたたえているのである。……「しんじつ美しい人物を描こうとした人は常に失敗しています。なぜなら、それは量り知れぬほど大きな仕事だからです」ドストエフスキーのこの決意が結実した傑作。

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  • 白痴 完全版
    -
    白痴と呼ばれる純朴なムィシキン公爵と二人の女性をめぐる群像劇を感動的に描き、ドストエフスキー五大長編の一つとされる『白痴』。ロシア文学者中山省三郎の読みやすい名訳を上下巻セットで合本した完全版。
  • ハザール事典[女性版]――夢の狩人たちの物語
    5.0
    歴史上から姿を消した謎の民族ハザールに関する事典の形をとった前代未聞の物語集。キリスト教、イスラーム教、ユダヤ教の交錯する45項目は、通して読むもよし、関連項目の拾い読みもよし、たまたま開いた項目を一つ読むもよし、読者の意のまま。男女両版の違いはわずか10行。どちらの版を選ばれますか? 旧ユーゴスラヴィアNIN賞受賞。/解説=沼野充義※解説も男女両版に違いがあります。
  • ハザール事典[男性版]――夢の狩人たちの物語
    5.0
    歴史上から姿を消した謎の民族ハザールに関する事典の形をとった前代未聞の物語集。キリスト教、イスラーム教、ユダヤ教の交錯する45項目は、通して読むもよし、関連項目の拾い読みもよし、たまたま開いた項目を一つ読むもよし、読者の意のまま。男女両版の違いはわずか10行。どちらの版を選ばれますか? 旧ユーゴスラヴィアNIN賞受賞。/解説=沼野充義※解説も男女両版に違いがあります。
  • ハズリット箴言集 人さまざま
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「こざかしい人間と偽善者と口先ばかりの小才子がはびこる今の世の中で、ともすれば見失われがちな大切なことをハズリットは私たちに思い出させてくれる。それは、この世から何が失われようと、偉大な気高いものを消し去ることは誰にもできない、そしてそれを探し求め、いつくしむことこそ、私たちの人生を実り多いものにする、ということである。」(R・H・ブライズ)

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  • 傍迷惑(はためいわく)な人々~サーバー短編集~
    3.6
    子どもの頃から不器用で、工作すれば傷だらけ、車は毎度エンストの「なんでも壊す男」。偶然手にとったシェイクスピアを読むミステリー小説マニアの暴走がおかしい「マクベス殺人事件」。思わずくすりと笑わせるイラストを、作者自ら大真面目に分析する「本棚のうえの女」。味のあるイラストと軽妙な文章で愛され続ける作家サーバーの縦横無尽の妄想力が炸裂。各種の笑いを取りそろえた短篇集。本邦初訳2篇を含む20篇を収録。
  • はだかの王さま
    -
    児童向け名作古典童話のアンデルセンシリーズより、はだかの王さまが電子書籍になりました。短編で読みやすく、ちょっとした時間にも読める作品ですので、是非お手に取って頂ければと思います。
  • 八十日間世界一周(上)
    4.1
    1872年のロンドン、謎の紳士フォッグ氏は、《改革クラブ》の友人と大金2万ポンドの賭けをした。それは80日間あれば世界を1周できるというものだった。成功に絶対の自信をもつフォッグ氏は、フランス人の召使いパスパルトゥーを従えて出発。全財産とプライドを賭けた旅が始まった! 『海底二万里』、『二年間の休暇』など、SF小説の先駆者であり冒険小説で有名なジュール・ヴェルヌの代表作。【光文社古典新訳文庫】
  • 80日間世界一周
    5.0
    80日間で世界一周してみせると豪語して友人と2万ポンドの賭けをしたフォッグ氏は、フランス人の忠実な召使いパスパルトゥーを相棒にしてロンドンを出発、エジプト、インド、中国、日本、アメリカとめまぐるしく旅を続ける。ラストの驚くべきどんでん返しは、第一級のユーモアと科学的教養に富むヴェルヌ作品の中でも、最高の名場面と評価されている。

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  • 8人のいとこ
    -
    すてきなおじさんとカッコイイ7人のいとこたち、 ローズがさいごに選ぶのは? ローズはひとりぼっち。ある日、すてきなアレックおじさんに ひきとられ、男の子ばかり7人のいとこと初対面!  さあ、“運命のとびら”がひらき、ローズの新しい生活がはじまります。 病弱でさみしかったローズに、いったいどんなことがおこるでしょうか。 世界の名作『若草物語』のオルコット作の、笑いと涙と愛にあふれた感動の物語。 さいごにローズが選ぶのはだれ? あなたならだれを選ぶ? <B世界の名作 小学中級から すべての漢字にふりがなつき >
  • ハックルベリィ・フィンの冒険
    -
    「トム・ソーヤーの冒険」の続編にあたる本書は、放浪を宿命づけられたハックを主人公に描いたもので、“南部人”としてのトウェインの顔が随所に現れた作品としても論争の的になっている。巻末に新たに発見された原稿を追補。

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  • ハックルベリ・フィンの冒険
    5.0
    ヘミングウェーによってアメリカ近代文学の源泉とみなされた作品。ミシシッピ川流域ののびやかで豊かな自然と小さな町を舞台に繰り広げられる、浮浪児ハックと黒人奴隷ジムの冒険。名訳として名高い刈田元司氏の翻訳で。

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  • ハックルベリー・フィンの冒険(上)
    -
    19世紀のアメリカ南部。何ものにもとらわれない自然児のハックルベリー・フィンは、ダグラスさんの未亡人の家での生活にも、学校の勉強にもうんざり。乱暴者の父親からも逃げ出して、黒人奴隷のジムとともにミシシッピー川を下る旅に出る--。アメリカ文学史上に燦然と輝く名作が、読みやすい新訳でよみがえる! <世界の名作 小学上級・中学から すべての漢字にふりがなつき>
  • ハックルベリー・フィンの冒険(上)
    4.4
    トム・ソーヤーとの冒険で大金を得た後、まっとうな(でも退屈な)生活を送っていたハック。そこに息子を取り返そうと飲んだくれの父親が現れ、ハックはすべてから逃れようと筏で川に漕ぎ出す。身を隠した島で出会ったのは主人の家を逃げ出した奴隷のジムだった……。小中学生から楽しめる内容でありながら、大人の読者はこの物語の世界観と奥深さに魅了され、アメリカ文学の最高傑作と称される理由を知ることができるでしょう。
  • 8歳から80歳までの世界文学入門~対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義4~
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    本を読むのに早すぎるも遅すぎるもない! 創作の最前線で活躍し、またプロの本読みでもある作家・翻訳家たちが、みずからの読書遍歴や、自著にまつわるエピソード、世界文学への思いを熱く語る! 世界と日本の文学を知り尽くす東大・沼野教授の好評対談集第4弾。ゲスト:池澤夏樹、小川洋子、青山南、岸本佐知子、マイケル・エメリック。
  • 初恋
    4.0
    16歳の少年ウラジーミルは、隣に引っ越してきた年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。取り巻きの青年たちと恋のさや当てが始まるなか、ある日彼女が恋に落ちたことを知る。だが、相手はいったい誰なのか? 初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した自伝的中編。
  • はつ恋
    3.9
    16歳のヴラジーミルは、別荘で零落した公爵家の年上の令嬢ジナイーダと出会い、初めての恋に気も狂わんばかりの日々を迎えるが、ある夜、ジナイーダのところへ忍んで行く父親の姿を目撃する……。青春の途上で遭遇した少年の不思議な“はつ恋”のいきさつは、作者自身の一生を支配した血統上の呪いに裏づけられて、無気味な美しさを奏でている。恋愛小説の古典に数えられる珠玉の名作。

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  • 初恋
    -
    ツルゲーネフの最大傑作の一つとして名高い『初恋』。異性へのあこがれに目ざめてゆく少年のナイーヴな心。その心の展開が完璧なまでに美しく、リアルに描かれている。ツルゲーネフの天分が遺憾なく発揮された珠玉の自伝小説を佐々木彰氏の名訳で。

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  • 鼻/外套/査察官
    3.7
    自分の鼻が一人歩きをして物議をかもす「鼻」。貧しい官吏が思い切って新調した外套を奪われ幽霊となって徘徊する「外套」。戯曲「査察官」では、ある地方都市にお忍びの査察官がくるという噂が広まり、市長をはじめ小役人たちがあわてふためく――増殖する妄想と虚言の世界を新しい感覚で訳出し、従来の深刻、生真面目な作家像を完全払拭。代表作3篇を収録した、これぞゴーゴリの真骨頂。
  • 話の終わり
    4.2
    書くことをめぐる無二の長編 「翻訳の仕事をしていると、たまに「自分が今までに訳したものの中で一冊だけ自分が書いたことにできるなら何か」と質問されることがある。そんなとき、私はいつだって「『話の終わり』!」と即答してきた。それくらい私にとっては愛着の深い作品だ」(本書「訳者あとがき」より) 語り手の〈私〉は12歳年下の恋人と別れて何年も経ってから、交際していた数か月間の出来事を記憶の中から掘り起こし、かつての恋愛の一部始終を再現しようと試みる。だが記憶はそこここでぼやけ、歪み、欠落し、捏造される。正確に記そうとすればするほど事実は指先からこぼれ落ち、物語に嵌めこまれるのを拒む――「アメリカ文学の静かな巨人」デイヴィスの、代表作との呼び声高い長編。
  • 鼻・幌馬車
    -
    1巻550円 (税込)
    ゴーゴリの中編小説集。プーシキンが絶賛した「ネフスキー大通り」、鋭い諷刺作品「鼻」、チェーホフが高い評価をくだした「幌馬車」ほか、異色作「狂人日記」、ローマ讃美の詩編ともいえる「ローマ」の5編を収めた。
  • 離れがたき二人
    3.5
    二〇世紀初頭のパリ。少女シルヴィーは、厳格な家庭で育ちながらも自分らしく自由を求めて生きる、ある少女と出会った。たがいに強く惹かれ合う二人の友愛は、永遠に続くはずだった――。一九五四年に執筆されるも、発表されることのなかった幻の小説を刊行。
  • ハムレット 七五調訳シェイクスピアシリーズ〈5〉
    -
    1巻495円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 七五調シリーズも〈5〉になった。試行錯誤の結果、良くなってきている。散文形式の筋をただ追うだけの訳ではないので、最初は抵抗感があるかしれない。シェイクスピアの作品自体、英文の「劇的詩」である。訳は近松門左衛門的な「日本の劇的詩」なのである。シェイクスピアの全作品の中で傑出しているのは『ハムレット』である。その理由は作品の中にある作者の「人生論」だ。そこに我々は共感し、感動し、学び、生きる指針を見出せるからだ。文学や演劇には大切な役目がある。それは「鏡」の役目だ。時代を映し、読者や観客の内面を映し出すもの。『ハムレット』の中には高品質の「(受け手の内面を映す)鏡」がある。ハムレットの「狂気」という屈折する鏡まである。受け手はそれに自分を映し出してみて、自分の知らなかった自分を発見できるのかもしれない。シェイクスピアの登場人物の提示する「宝」を発見できれば、人生が有意義なものになるに違いない。
  • ハムレット
    4.0
    弟に毒殺されたデンマーク王の亡霊が王子ハムレットに真相を告げ復讐を迫る。苦悩しながらも復讐を遂げ、自らも毒刃に倒れるハムレット-古くから伝わる復讐譚が、精妙な劇的構造のもとに近代的な心理悲劇に生れ変わった。世界中で愛読され繰返し上演されてきた、詩人の代表作。主人公の解釈は、時代の鏡でもある。新訳。

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  • ハムレット
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    不気味な雰囲気にとざされた、デンマークのエルシノア城。暗い夜の城壁の一画にあらわれた亡き父王の亡霊は王子ハムレットを招き、現王クローディアスが自分を殺害し、王位をうばったこと、ハムレットの母でもある妻のガートルードを王妃にしたことを物語る。亡霊のことばで、父の死因を知ったハムレットは復讐のために狂気をよそおう。だが、老臣ポローニアスの娘、オフィーリアはハムレットから愛も正気も失われてしまったことを嘆く。いっぽうクローディアス王も身の危険を知り、ハムレット殺害をたくらむ。シェイクスピア四大悲劇の最高傑作。

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  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)
    4.0
    デンマーク国王が急逝。王子ハムレットが喪に服すなか、父の弟すなわち彼の叔父は早々に母を娶り、王権を引き継いでしまう。ある日、悲嘆に沈む彼の前に父王の亡霊が現れ、自分が弟に暗殺されたことを告げる。復讐を誓ったハムレットは苦悩を重ねながらも、徐々にその実現に近づくに見えたが、しかし、叔父は彼に対しさらなる姦計を仕掛けていた……。シェイクスピア戯曲の真髄を画期的な訳文で現代に甦らせた永遠の名著。訳者自身による詳細を極めた脚注を付す。
  • ハリール・ジブラーンの詩
    5.0
    愛し合いなさい、しかし愛をもって縛る絆とせず、ふたりの魂の岸辺のあいだにゆれ動く海としなさい。(「結婚について」より) 深い思索の中から紡ぎだされた、静かな叡智に満ちた詩の数々。人生の礎となる一冊。
  • 遥かなる調べ
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    教職課程を終え、小学校の教師となったクラリッサはジャカレカンガに帰郷する。そこで目にするもの全ては、かつて自らが夢見、心に描いていたものとあまりにもかけ離れていることに気づき、愕然とする。斜陽にある一族とともに、自らも滅び行く運命に翻弄されながらも、持ち前の夢想癖でクラリッサは青春を謳歌する。  少女から大人の女性への過渡期にある多感な主人公の目で、現実と夢想の間に横たわる軋轢を瑞々しい文体で描いた、文豪エリコ・ヴェリッシモの青春ラプソディー第二弾。
  • 春の嵐
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    主人公クーンは少年時代、そりの事故を契機に失恋して不具となったときから、音楽家として立つことを志す。そのなかで永遠の女性ゲルトルートを見出したように思ったが…それはあっけなく、友人で情熱家の歌手ムートンの手に奪われてしまう。心傷つきながらも、クーンは諦観の境地にいたる。青春の彷徨の物語。

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