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Posted by ブクログ
古い作品だと侮っていたことが大間違いだった。この時代の、さらに日本人ではない国の人々が初恋と言う様々な作家が描くことを試みた永遠のテーマをどのように描いているのかということに興味を持って読み始めた。しかしそこに文化的、時代的違いによって分断されるような異なりはなく、自分も全く似たようなことを考えたり行っていたりしたと恥ずかしい記憶を思い起こさせるような記述が多くあった。相手を好きと思うことをただ「好きだと感じた」などと記述するのではなく、その気持ちをどのような行動に置き換え消費しているのかを細かく記していたことが、その共通点を生む大きな由来だと考える。少年の恥ずかしい、しかし楽しいそして苦しい大切な相手を思う気持ちと行動は、当時の自分を見ているかのようでとても応援したくなった。その分その後に起こる悲劇を見たときは、半分ほどあらすじを見ていた時点で分かっていたものの、胸を貫かれる思いであった。さらに注目すべき点は、残り数ページ辺りで描かれるこの作者の青春の定義である。ただロマンスを描くのではなく、青春とは一体何なのかを描くことによって、物語の少年、そして読者が追体験したあの出来事は過ぎ去った人生におけるもっとも素晴らしい、そしてもう戻ることのできない過去の事であると認識できだのであった。同時に、人生におけるもっとも愚鈍になりしかし素晴らしい全能感を味わい行動に移す気力や体力のある青春時代とはなんてかないものなのかと哀しくなった。
Posted by ブクログ
ジナイーダが自分のタイプじゃなくて、主人公に全然共感出来なかった。
ただ好きな女の子を父親に寝盗られるって展開は、源氏物語みたいで面白かった。マイダーノフとかに取られるよりはマシなのかな?主人公もそんなに悔しくなかったって言ってたし。
全体的に綺麗で、特に最後の青春に関する一節は好きだった。
青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘訣は、なんにでも出来ると言うとこやろではなく、なんでも出来ると思えるというところにあるのかもしれません。
自分はまだ大学生だけど、こんな感じの初恋してみたかったなあ。
あと主人公の厨二病全開妄想シーンも好き。
相手の男と戦闘をし、血まみれになる主人公。心配してるジナイーダに向かって、格好つけながら「何にも」と答える。
Posted by ブクログ
好きな曲の原典で気になった事がきっかけです。
主人公にとってのこの初恋は、あまりにも鮮烈である意味で大恋愛なものでした。
私は誰かを好きになった事がないので、自分を変えられてしまうような恋愛が羨ましいですが、当人からしてみればそんな生優しいものではないのでしょう。
寝ても覚めても頭から離れない、自分でも理解できない行動をとってしまったり、感情の制御ができなかったり……強制的に自分を変えられてしまう主人公の戸惑いや恐怖を、何度も目にしました。
初恋というタイトルではありますが、ロマンスというよりジナイーダが誰を恋い焦がれているかを見つけるミステリーのようで、先が気になりました。
お話自体が短い事もありさらっと読めた印象です。
この小説はトゥルゲーネフさんの半自伝だそうで、当たり前といえば当たり前なのですが、恋で頭がいっぱいになる気持ちはロシアでも同じなんだな、と思いました。
決してこのお話をなぞりたくはありませんが、自分を変えてしまうほどの恋を、自分もしてみたくなりました。
Posted by ブクログ
ネジ読書会の課題本でした。16の初恋の甘く切なすぎるときめき。40になった主人公の人に読ませるための日記の形で綴られる。ネタバレしないで読んだ方がいいと、言われていたにもかかわらず、あらすじをつい読んでしまった。
初恋は、他のどの作品よりも作者自身に愛された幸福な小説であるという。彼の人生そのものであり身をもって体験したものだそう。
語り手ウラジーミル・ペトローヴィチの父と初恋相手21歳の、公爵令嬢ジナイーダがとりたてて美化されている。
人生は短くどうしようもなく人間は悲しく惨めで、美しいと思えた。
どういう立場であれ一瞬のときめきがあるから人は生きていけるのかも。
後ろのほうで、青春の魅力について語り手が語ってるのがほんとにそうだなぁと共感した。
以外引用。
青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密はなんでもできるというところにあるのかもしれません。持てる力を他に使いようのないまま無駄つかいしてしまう。そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。だれもが自分のことを浪費家だと本気で思いこみ、『あぁ、時間を無駄につぶさなかったら、どれほどすごいことができただろう!』と本気でかんがえる、そこにこそ潜んでいるのかもしれません。
Posted by ブクログ
豊富な語彙を用いた表現ではないが、テンポよく、主人公が自らの心の内を偽りなく純粋に、私たちに語りかけてくれている感じがした。主人公の内面や行動の描写が適切かつ雄弁で、ありありと伝わってくる。
初恋の、どうしても陥ってしまう無限ループ的な感じ、高揚感、全能感、幸福感、絶望感、それらに振り回されに振り回される主人公。共感しつつも、子供だなぁって思って楽しく気楽に読めた。あの幸せは子供だからこそ存分に味わえるものであると思うし、特別で大切なものだと思う。その感情を抱かなくなったり、抱きそうになっても振り回されないようにと思ってブレーキをかけてしまうようになった自分を、大人になったのかなと思いつつも、心が老いたなぁと少し切なくなった。
主人公が恋している相手や主人公の父親をみて、魅力とは何か考え直そうと思った。人格者と、人間的に魅力的な人は違う。また、人間的に魅力的な人と、女性や男性として魅力的な人は違う。(登場人物と直接的な関係はないが)個人的にはそう思った。
印象に残った文
青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密は、なんでもできるというところにではなく、なんでもできると思えるというところにあるのかもしれない。
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