ユーザーレビュー 初恋 トゥルゲーネフ / 沼野恭子 語り口が好きでした。主人公の心情がうんうん分かる分かると痛々しくも分かってしまう。ヒロインが小悪魔的な美女で想像が膨らむ。弄ばれたい衝動に駆られる。読んですぐに再読したくなる。そんな作品でした! Posted by ブクログ 初恋 トゥルゲーネフ / 沼野恭子 ここ数年で読んで古典の中で一番素晴らしいと思った。最後数ページの主人公の心境の吐露は感動的ですらあった。「初恋」というタイトルのイメージからくる清涼感、ほろ苦い思い出、とはよほどかけ離れた衝撃を受けた。 「青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密は、なんでもできるというところにではなく、なんでもで...続きを読むきると思えるというところにあるのかもしれません。持てる力を、他に使いようがないまま無駄遣いしてしまう、そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。だれもが自分のことを浪費家だと本気で思い込み、「ああ、時間をつぶさなかったら、どれほどすごいことができただろう!」と本気で考える、そこにこそ潜んでいるのかもしれません。」 Posted by ブクログ 初恋 トゥルゲーネフ / 沼野恭子 んあ~結構好きだな~! 言い回しとか表現が好みだったんだけど、それは訳者さんのおかげかな? 初恋のエピソードとかは目新しいのではないし、特に惹かれるものはないけれど(雰囲気はとても好き)、最後の章が良かったなぁ。そう、改めて考えるとこれって年をとってから自分の初恋を振り返ってるんだけど、何で思い出し...続きを読むて書いたんだろう...。まだ自分の初恋に終止符を打てていないのかなぁ。うーん、もうちょっと読み込みたい!し、ツルゲーネフの他の作品読んでみたいなぁ! Posted by ブクログ 初恋 トゥルゲーネフ / 沼野恭子 世の中に「初恋」を題材にした作品は多いが、その多くが「純粋」「淡い」「儚い」といった形容詞で語ることができると思う。なので本作もそのような内容ではないかと勝手に想像していたのだが、一味違っていた。たしかに先に挙げたように表現することもできるかもしれないが、しかしそもそもからして、ウラジーミルとジナイ...続きを読むーダの2人の関係性は歪んでいる。告白を受け入れてデートを重ねて、というわけではなく、あくまでも一方的で、ウラジーミルは最後まで弄ばれ続ける。しかし、シチュエーションはともかくとして、こういった非対称的な構造のほうがむしろリアリティを感じるし、かえって今日でもじゅうぶんに通用するような内容になっている。巻末解説によれば、じっさいに著者の経験が如実に反映されているようである。そして、結末もまた印象的。ふたたび冒頭の記述に戻るが、主人公の初恋が実らなかった理由として、相手と実父が繫がっていたからとなる作品は、いったいどれだけあるのだろうか。そういう意味では、この悲劇的で独特な結末こそがなによりも純粋で新しく、いつまでも陳腐さを感じさせない瑞瑞しいものであり、著者にそういう意図はなかっただろうが、こうした状態もまた「初恋」と呼べるかもしれない。 Posted by ブクログ 初恋 トゥルゲーネフ / 沼野恭子 文章表現が巧みで、じっくり読んで場面を想像する楽しさを感じられた本でした。初恋の恋心の気もちをいろんな言葉で表していてすばらしかったです。ジナイーダが恋をしている相手がまさかの人で、小説後半は目を見開くほど衝撃的な場面が繰り広げられていました。 Posted by ブクログ トゥルゲーネフのレビューをもっと見る