トゥルゲーネフのレビュー一覧

  • 初恋

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    語り口が好きでした。主人公の心情がうんうん分かる分かると痛々しくも分かってしまう。ヒロインが小悪魔的な美女で想像が膨らむ。弄ばれたい衝動に駆られる。読んですぐに再読したくなる。そんな作品でした!

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    2023年12月13日
  • 初恋

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    ネタバレ

    ここ数年で読んで古典の中で一番素晴らしいと思った。最後数ページの主人公の心境の吐露は感動的ですらあった。「初恋」というタイトルのイメージからくる清涼感、ほろ苦い思い出、とはよほどかけ離れた衝撃を受けた。

    「青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密は、なんでもできるというところにではなく、なんでもできると思えるというところにあるのかもしれません。持てる力を、他に使いようがないまま無駄遣いしてしまう、そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。だれもが自分のことを浪費家だと本気で思い込み、「ああ、時間をつぶさなかったら、どれほどすごいことができただろう!」と本気で考える、そこにこそ潜んでい

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    2022年06月12日
  • 初恋

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    んあ~結構好きだな~!
    言い回しとか表現が好みだったんだけど、それは訳者さんのおかげかな?
    初恋のエピソードとかは目新しいのではないし、特に惹かれるものはないけれど(雰囲気はとても好き)、最後の章が良かったなぁ。そう、改めて考えるとこれって年をとってから自分の初恋を振り返ってるんだけど、何で思い出して書いたんだろう...。まだ自分の初恋に終止符を打てていないのかなぁ。うーん、もうちょっと読み込みたい!し、ツルゲーネフの他の作品読んでみたいなぁ!

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    2020年03月24日
  • 初恋

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    ネタバレ

    世の中に「初恋」を題材にした作品は多いが、その多くが「純粋」「淡い」「儚い」といった形容詞で語ることができると思う。なので本作もそのような内容ではないかと勝手に想像していたのだが、一味違っていた。たしかに先に挙げたように表現することもできるかもしれないが、しかしそもそもからして、ウラジーミルとジナイーダの2人の関係性は歪んでいる。告白を受け入れてデートを重ねて、というわけではなく、あくまでも一方的で、ウラジーミルは最後まで弄ばれ続ける。しかし、シチュエーションはともかくとして、こういった非対称的な構造のほうがむしろリアリティを感じるし、かえって今日でもじゅうぶんに通用するような内容になっている

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    2019年11月09日
  • 初恋

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    文章表現が巧みで、じっくり読んで場面を想像する楽しさを感じられた本でした。初恋の恋心の気もちをいろんな言葉で表していてすばらしかったです。ジナイーダが恋をしている相手がまさかの人で、小説後半は目を見開くほど衝撃的な場面が繰り広げられていました。

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    2019年08月29日
  • 初恋

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    古い作品だと侮っていたことが大間違いだった。この時代の、さらに日本人ではない国の人々が初恋と言う様々な作家が描くことを試みた永遠のテーマをどのように描いているのかということに興味を持って読み始めた。しかしそこに文化的、時代的違いによって分断されるような異なりはなく、自分も全く似たようなことを考えたり行っていたりしたと恥ずかしい記憶を思い起こさせるような記述が多くあった。相手を好きと思うことをただ「好きだと感じた」などと記述するのではなく、その気持ちをどのような行動に置き換え消費しているのかを細かく記していたことが、その共通点を生む大きな由来だと考える。少年の恥ずかしい、しかし楽しいそして苦しい

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    2017年07月02日
  • 初恋

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    今読んでもなお古びないのは普遍的な人間の性を描いているからでしょうね。
    ネットが発達しようが100年前と同じように恋に苦しむのです。って本当に最近は苦しむのか?苦しむのが面倒だから恋愛しないという話も聞くけど・・・
    それにしても、42歳でこんな瑞々しくも身勝手な恋心を描けるトゥルゲーネフ、凄い!

    ロシア語には愛と恋は別の単語としてあるのだろうか?

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    2016年03月12日
  • 初恋

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    決してなにかこう小説的に優れているかと言われれば、そうでもないと思う。なにやら高尚らしい終わりかたも取ってつけたようだと思うし。

    表現をうんぬんとかってより、筆がひとりでに滑ってるみたいな勢い、熱を感じられる。思えば冒頭の2人の紳士のためにノートに書きつづってるんだものなあ、律儀としか言いようがない。

    隣に引っ越してきた侯爵夫人。その娘のジナイーダは医者だの詩人だの騎兵だのといった男の一大コレクションといったものを従えて、彼らと蓮っ葉な遊びに興じる。男たちは皆彼女に熱っぽい気持ちを抱いているが、この恋愛ゲームにおいて彼女は常に女王様なのだ。
    16歳のウラジーミルも当然のように彼女に熱を上げ

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    2013年12月14日
  • 初恋

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    ネタバレ

    本当に初恋は儚くて、切なくて脆いもの。
    特にそれが望むべきものではないときには
    なおさらだと思います。

    多感な時期に一人の年上の女性に恋をし
    惚れてしまった一人の青年。
    だけれども彼女の心理はなかなか
    「見えない」

    ようやくつながったように思えても
    嫉妬ゆえにそれは遠回りになってしまう。
    そして…

    私は残念ながら
    このような恋をしたことはないです。
    だけれども、多感な時期だからこその
    心理描写は共感できるものがあります。

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    2013年09月06日
  • 初恋

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    ネタバレ

     主人公の別荘の隣に越してきた貧しい公爵夫人一家の娘のジナイーダに一目惚れし、失恋する物語。
     ジナイーダの周りには常に男がおり、常連として軍人、伯爵、医者、詩人を侍らせ、夜毎にくだらないどんちゃん騒ぎをしていた。主人公もその常連に加わるのだが、次第にジナイーダが恋をしている人物がいることに気付く。その相手が自分の父であることをひょんなことから知り、理解できないながらも本当の恋や愛に触れたように思う。でも、それが元で父は身を滅ぼし、ジナイーダにもすれ違いから再会せずに相手の死を知る。知らぬ老婆を看取りながら物語は幕を閉じる。
     個々の描写が素晴らしく、心情に沿った自然描写や瑞々しい初恋の機微を

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    2025年10月10日
  • 初恋

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    ジナイーダが自分のタイプじゃなくて、主人公に全然共感出来なかった。
    ただ好きな女の子を父親に寝盗られるって展開は、源氏物語みたいで面白かった。マイダーノフとかに取られるよりはマシなのかな?主人公もそんなに悔しくなかったって言ってたし。
    全体的に綺麗で、特に最後の青春に関する一節は好きだった。

    青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘訣は、なんにでも出来ると言うとこやろではなく、なんでも出来ると思えるというところにあるのかもしれません。

    自分はまだ大学生だけど、こんな感じの初恋してみたかったなあ。

    あと主人公の厨二病全開妄想シーンも好き。
    相手の男と戦闘をし、血まみれになる主人公。心配してる

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    2023年04月24日
  • 初恋

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    ネタバレ

     5つ年上の女性ジナイーダに恋をしてしまった16歳ウラジミールの恋物語。私も読みながら、ジナイーダに弄ばれて、それでも心躍ってしまった。また、1番好きなシーンは、ウラジミールが父からザセーキン家のことを聞かれるシーン。父は、聞いているのか聞いていないのかよく分からないのに、絶妙なタイミングで話し手の気持ちを煽るような合いの手を入れてくる。それが目に浮かんで、ジナイーダとは別の意味で翻弄された。

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    2022年09月06日
  • 初恋

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    好きな曲の原典で気になった事がきっかけです。

    主人公にとってのこの初恋は、あまりにも鮮烈である意味で大恋愛なものでした。
    私は誰かを好きになった事がないので、自分を変えられてしまうような恋愛が羨ましいですが、当人からしてみればそんな生優しいものではないのでしょう。
    寝ても覚めても頭から離れない、自分でも理解できない行動をとってしまったり、感情の制御ができなかったり……強制的に自分を変えられてしまう主人公の戸惑いや恐怖を、何度も目にしました。

    初恋というタイトルではありますが、ロマンスというよりジナイーダが誰を恋い焦がれているかを見つけるミステリーのようで、先が気になりました。
    お話自体が短

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    2021年01月14日
  • 初恋

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    ネジ読書会の課題本でした。16の初恋の甘く切なすぎるときめき。40になった主人公の人に読ませるための日記の形で綴られる。ネタバレしないで読んだ方がいいと、言われていたにもかかわらず、あらすじをつい読んでしまった。

    初恋は、他のどの作品よりも作者自身に愛された幸福な小説であるという。彼の人生そのものであり身をもって体験したものだそう。

    語り手ウラジーミル・ペトローヴィチの父と初恋相手21歳の、公爵令嬢ジナイーダがとりたてて美化されている。
    人生は短くどうしようもなく人間は悲しく惨めで、美しいと思えた。 

    どういう立場であれ一瞬のときめきがあるから人は生きていけるのかも。

    後ろのほうで、青

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    2020年02月09日
  • 初恋

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    ネタバレ

    ジナイーダが父に恋をしているとわかった時、嫉妬のあまり殺そうとしていたほどの激情に流されることなく引き返したのは、ウラジーミルも「父に相手にしてほしい」という一種の父への恋慕があったから?と思ってしまった。

    ウラジーミルは、恋の甘さと苦しさをすごいはやさで経験して、成長してしまったのだなと。でもこういう変化って本当に一瞬で、唐突に起こる。自分の初恋を思い返してみても、その前と後でずいぶん変わったなと思う。そしてそういう境はいつも唐突。


    とりまきを弄んでいるジナイーダに最初同じ女としてまったく好感が持てなかったが、ウラジーミル父に鞭で打たれた痕にキスをするシーンを読んで、「ジナイーダ、貴女

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    2020年01月16日
  • 初恋

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     豊富な語彙を用いた表現ではないが、テンポよく、主人公が自らの心の内を偽りなく純粋に、私たちに語りかけてくれている感じがした。主人公の内面や行動の描写が適切かつ雄弁で、ありありと伝わってくる。
     初恋の、どうしても陥ってしまう無限ループ的な感じ、高揚感、全能感、幸福感、絶望感、それらに振り回されに振り回される主人公。共感しつつも、子供だなぁって思って楽しく気楽に読めた。あの幸せは子供だからこそ存分に味わえるものであると思うし、特別で大切なものだと思う。その感情を抱かなくなったり、抱きそうになっても振り回されないようにと思ってブレーキをかけてしまうようになった自分を、大人になったのかなと思いつつ

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    2020年03月04日
  • 初恋

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    青年時代の大人の女性への憧れと失恋、その恋敵が衝撃的で、この時代ではかなりセンセーショナルな感じもします。
    序章での老人3人が語るところと、それに繋がる最終章の終盤の、青春を振り返る切なき思いが響きます。
    新約でとても読みやすいです。階級を露骨に描くところは時代を感じさせますね。

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    2019年07月01日
  • 初恋

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    ロシア文学って人間の内面に入り込んでいくことを得意としているイメージがあるので、積極的に読んでいきたいと思っている。

    初恋っていうと、衝動ばかりが前に出てしまっておかしな言動をとってしまうような、くすぐったいものを想像する。この本も読みながら身悶えすることを期待して読んだ。
    しかし、この作品は物語が進むほど精神的に追い込まれていくのでしんどかった。
    けれど、こんなのも悪くはない。

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    2018年08月29日
  • 初恋

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    これはもう読んでみてくださいとしかいいようのないみずみずしい物語。
    ウラジミールのジナイーダへの初恋と失恋の物語。

    ウラジミール 16歳
    ジナイーダ 21歳
    ジナイーダの彼氏 40歳代。

    年齢構成的にも申し分ない。
    ウラジミールに勝ち目があるはずがないですね。

    これも、いまぐらいの年になると、落ち着いて読めるなあ。

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    2017年12月09日
  • 初恋

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    とんでもない話です。
    10代半ばかな?今で言うと中学生かな?みたいな男の子が、20代前半くらいの女性に惚れちゃうわけです。
    それでまあ、別段エッチなことがあるわけではなくて、精神的に振り回されたりもてあそばれたりするんですが。
    実はその娘さんは、男の子のお父さんと不倫の関係でした。どっとはらい。

    という話なんです。

    それが、男の子目線から、実に繊細と言えば繊細に。
    理屈抜きで、とにかくキレイなお姉さんにのぼせちゃってる。
    もう、身もだえするほどに恥ずかしくて、自殺したいくらいみっともない。
    そんな10代のアホな恋ごころが、恥ずかしくて恥ずかしくてもう、たまりません。

    1860年に発表され

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    2016年02月16日