ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』に書かれた巧みな「ノンセンスの世界に止揚」(p.71)されたナンセンスを解説したもの。
「ノンセンス」とは、「当たり前が果たして当たり前なのかと疑問視して、根底から揺るがせて、新たな繋がりや理屈をつけていく」(p.71)ということで、「
...続きを読む一見、偶然、出鱈目でありながらも、厳密な方法や価値観に則って意識的に遊びが展開される」(p.121)様子を解説している。
アリスの解説本という感じで、この本を読んでアリスを読む、というよりもアリスを読んだ人がこの本を読んだ方が良いと思う。アリスの世界観を知らないと、具体的な場面が思い浮かばないので、ピンとこない。もちろんキャロルの巧みな論理、遊びには感心できるけれども、ネタは全部アリスなので、興味自体が湧きにくい印象を持った。挿絵が多くて面白い。(11/12/24)