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二〇世紀初頭のパリ。少女シルヴィーは、厳格な家庭で育ちながらも自分らしく自由を求めて生きる、ある少女と出会った。たがいに強く惹かれ合う二人の友愛は、永遠に続くはずだった――。一九五四年に執筆されるも、発表されることのなかった幻の小説を刊行。
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Posted by ブクログ
私なら絶対に選ばない作品だが、フォローしてる方からの推薦で読んだ。結果、読んで良かったと思える作品だった。舞台は今から百年前のパリ、9才のシルヴィーがアンドレと会う所から物語は始まる。教会を中心とする封建的な社会の中で、慣習を恐れず常に自分を失わないアンドレが、私には眩しい。 ボーヴォワールが親友に...続きを読む捧げた小説を彼女の養女が発表したもの。無機質なイメージのボーヴォワールの若き日の一面が垣間見れた様だ。
サヴァブッククラブで選書いただいた作品。 自分では出会えなかったであろう一冊であり、出会えなかったら後悔したであろう一冊。 半世紀以上の時を経て刊行されたふたりの物語に圧倒される。 解説にもある通り、古臭いのは書かれている時代であって、描かれた友愛は決して古くなくむしろ普遍だ。 アンドレはど...続きを読むうしたって死に向かってしまい、シルヴィーのほうが自由なのに彼女は彼女でアンドレに向かって見返りを求めない愛を注いでしまう。 生まれる時代が違ったなら、ふたりはきっと思うままに生きられたのに。 彼女たちがのような人がいつの時代もいたからこそ、こうして現代に繋がっているのかもしれない。 2021年に生きるわたしたちは、2100年に生きる彼女たちのために、住みやすい世界を残してあげなければ。
ボーヴォワールの未発表小説。実体験をもとに綴られた作品。作者の死後に出版される作品は、読者にとっては喜ばしいかもしれないが作者はどう感じるのだろうか、といつも考えてしまう。
シモーヌ自身にとってもパートナーであったサルトルにとってもこの小説はあまり良い評価を得なかった。だが、親友であるザザを若死により失ったシモーヌは今作とは別でも文学的恩恵によって何度も彼女を蘇らせようと試みている。そして養女によるあとがきを読んで今作は価値があったと確信した。
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