ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理)

ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理)

小説・文芸
1,760円 (税込)

8pt

魂のための味覚、そして魂のための栄養素。それが人間にとっての「食」なのだと実感した。――ヤマザキマリ

ねたましい!これはぼくがするはずの旅であり、食べるはずの料理だ。ベイルートにつながるバグダッドの味、イスファハンの味。会ったことはないが、この作者は(彼女が認めてくれるなら)ぼくの分身である。――池澤夏樹

カタストロフを生き抜く食の力と、心揺さぶる街の記憶。五感のアーカイブとしての料理を描く珠玉のルポルタージュ・エッセイ。

「料理の話をしてください」。戦争の傷跡が色濃く残る街で、翻訳家・作家の著者は人々が語る食べ物の話を聞く。多彩な声と仕草で語られる物語は、万華鏡のように街の肖像を描き出す。異なる民族、宗教、文化をもつ人々が一堂に会する理想の食卓は可能なのか。ベイルート、パリ、東京を往還しながら紡ぐ、多様性に満ちた「食」の思考。
フランスで刊行され高く評価された作品を著者自ら邦訳した待望の書。

詳しい情報を見る

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    エッセイ・紀行 / エッセイ
  • 出版社
    :
    講談社
  • タイトル
    :
    ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理)
  • タイトルID
    :
    1123699
  • ページ数
    :
    280ページ
  • 電子版発売日
    :
    2022年04月26日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理) のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    中東の小国レバノンの首都ベイルート滞在記。食を媒介にして、短い思索と散文が続き、読みやすく、考えさせられる内容でした。レバノン人が体験した戦争や内戦、災害、革命などが、食を通して見えてきます。今まで革命が起きたことのない国でもいつか閾値を超えるかもしれない。国を捨てる人が増える民族の離散が起こるかもしれない。そういう同時代的な危機感も感じとりました。

    0
    2026年02月16日

    Posted by ブクログ

    食を「その時代の五感のアーカイブ」としてベイルートの街を捉えようとするアプローチが新鮮。ベイルートの市井が脳裏に浮かぶような、不思議で曖昧で情緒的な文章がとてもすてき。

    0
    2025年05月29日

    Posted by ブクログ

    部落を巡る筆者の回想のところで何故か涙が出た。不意に心の琴線に触れる詩の言葉。生きるうえでのガイドブック。

    0
    2023年03月19日

    Posted by ブクログ

    ぐんま、ひゃくさいかんや、なんぶれあんごうや、あんきものいたかんぐあいはごいたがゆいかいしやくでなやんでいるひとおおいよ!わりとすぐほてるるかのこ、からかいとしてのはかどこに、なぜしんちようるいながさここはけどこ、おがながい、つがいもふくめて、めがかまぬるいかんがるう、だてどこまかおたていたにみずふくしのふくさみたまぐう、ふくろだぬやかたんやかんににて、しようぼうだいうからないのか、ものめつきいろぐろさ、やたいほつつに、いわしみつくろいだにへすぺす、すとれっつみさかい、さかいやすたぢいしたほうがいいよ!

    0
    2023年03月12日

    Posted by ブクログ

    料理はプルースト効果の枠を超え、五感のアーカイブであると教えてくれた。
    私が作る食品が多くの人のアーカイブに残ることを祈る。

    0
    2022年05月01日

    Posted by ブクログ

    食に絡んでおり、読みやすかった。
    美しい文章だった。
    国によっても、人によっても違うと思うが、世界最後の日の食事と言われると、やはり私はおにぎりが思いつく。
    「距離があることが救いになる場合があることは確かだ。」印象に残った言葉であった。



    0
    2025年12月29日

    Posted by ブクログ

    フランス在住の著者が1か月半ほどベイルートに滞在し、料理をきっかけとして、ベイルートに住む人たちにさまざまな話を聞く。
    料理の思い出はもとより、内戦のこと、現在のレバノン社会のこと、移民とのかかわりなど、さまざまな話題が紡ぎだされる。
    文章で表現されるレバノンの料理はどれも美味しそう。レシピを調べて自分でも作ってみたい。

    0
    2025年06月28日

    Posted by ブクログ

    パリ在住の著者がレバノンの大都市ベイルートに滞在し、「他者を内部に入れる」行為である食事と料理を通じて考えた、街と戦争と生活にまつわる321章。


    フランス語の著作が高く評価されているパリ在住の日本人が書いたレバノン滞在記。本書も元々フランス語で発表したものを著者自ら日本語に書き換えている。
    関口さんは1ヶ月半のベイルート生活にあたり、料理をテーマに本を書く決めた。滞在中は自炊せず、三食すべて土地の人と同じものを食べたという。他国での食事は「他者を自らの内部に入れ、受け入れられるか否か」を問う行為だからだ。
    並行してレストランガイドも作ったというから沢山の店に行ったのだろうが、本書はその食体験を詳細にルポするエッセイではない。関口さんが料理を研究家みたいに分析することもない。それよりもベイルートの人びとから聞いた食事にまつわる思い出話や、外国料理屋に関する省察などにページが割かれ、全体としては都市論になっている。
    レバノンの人びとは美味しいものが大好きでレストランも水準が高く、関口さんがベイルートに行くと言うとパリの人からも羨ましがられたとか。けれど、彼らが語る料理の思い出には戦争の記憶が分かちがたく結びついている。「戦争のことを話して」と頼むよりも料理の思い出を聞くほうが、より実感的な戦争のエピソードにでくわすのではないかと関口さんは言う。特に印象深かったのは、戦時に自家発電機を回してできた貴重な電気を、マルガリータの氷を作るために使ったお父さんのエピソード。愚行の裏にある切実さ、人の尊厳を保つために必要な“無駄なもの“の重大さが伝わってくる。
    レバノン料理は香りの料理なのだそうだ。本書で紹介されるのも香草がふんだんに使われたものばかりで、そういう料理は嗅覚で記憶に強く訴えかけるのだろう。何度もくり返しでてくるのは「ケッベ」というダンプリングの一種で、これも美味しそう。一つ語りだすと蓄積された食体験が引きだされ、日本食はもちろんイラン料理との共通点やパレスチナ難民に聞いた好きな料理のランキングなど、幅広い“味”の話が連想的に語られていくのが贅沢である。
    ベイルートにはアジアの他地域からの移民が多いにも関わらず、彼らがオーナーになって自国の料理を振る舞う店が極端に少ないという指摘は、関口さんならではの視点だろう。自国民がディアスポラとして世界中に散らばっているレバノンでは、他国から戻ってきたレバノン人がやっている外国料理の店は多く、食の多様性自体は開かれているが、移民とレストランの数の不均衡には社会的ヒエラルキーが隠れている。
    関口さんのベイルート滞在は2018年で、その後2020年に起きた革命によってレバノンは大変動を余儀なくされた。さらに不幸な大事故のせいでベイルートの商業地域が壊滅状態になってしまい、今はもうさまざまな意味でこの本に書かれたような都市ではないという。革命が本格化するきっかけがWhatsAppへの課税政策だったこと、「忍耐とは、物事が続いていく幻想を抱ける国の美徳でしかない」ということばに日本の現状を重ね見てしまう。
    ベイルートといえば四方田犬彦の『さらば、ベイルート』も読んだが(ジョスリーンの名前は本書にもちらっとでてくる)、むしろ同著者の『モロッコ流謫』を連想するところがあった。人と街と食事。西洋的な権威に対するコンプレックス、非西洋的アイデンティティの継承。生と死の境界を明らかにする営みとしての食の本。

    0
    2023年12月27日

    Posted by ブクログ

    レバノンという国、ベイルートという街のことをあまりにも知らなかったが、この本を読んだことで、もう少し関心を持っていきたい。

    0
    2023年09月23日

    Posted by ブクログ

    2021年にフランスで出版され翌年に邦訳版が刊行…という、逆輸入のような本書。

    副題の「321皿の料理」だが、全て料理のレシピが書いてあるわけではなく、著者(作家・翻訳家。仏語と日本語で創作活動を展開)が現在住まうパリや取材で訪れたベイルート、日本での幼少期の出来事が321項目列挙されている。
    そんな不思議な番号の振り方・統一感がないようにも見える書き方に当初は違和感を覚えたが、次第に話の続きが気になるように気持ちが向いていた。

    「ベイルートの住民が食べる料理」をテーマに、2018年4月6日-5月15日まで取材・滞在することになった著者。滞在中はベイルートの人々が作るものしか口にしないとルールを決め、多くの住民や友人、料理研究家に聞き取りをされている。

    現地では「(今まで取材に来た作家やジャーナリストとは違い)初めて内戦を取り上げない人が出てきた」と大歓迎されたという。街自体に興味を持ってくれていると感じられる、遊びに来て一緒に過ごせるのが嬉しいのだと。
    その真意を聞いて、彼らの屈託のない笑顔が目に浮かんでくるのはきっと自分だけではないはずだ。

    「ベイルートという街自体が一冊の本なの。それもとても美しい本」

    著者は食文化を「一つの言語」とし、そこから材料(=語彙)が集まって一皿やディナー(=文章や作品)が出来上がると言い表している。
    思えば彼女の洗練された文体や、多彩な表現の数々に息を飲みっぱなしだった。それらを結集させた本書は、彼女にしか出せないカラーを散りばめた美食そのもの。
    感謝の意として、自身の言葉をベイルートをはじめとした人々に届け、振る舞おうとされたのかもしれない。

    「ぼくたちは自分たちの前世代の代理人として、都市の歴史的な層が失われることを悲しむんだ。一度も見たことのないものにノスタルジアを覚えるんだよ」

    ここではしばしば 「ノスタルジー」というワードに行き当たる。
    (内戦や2020年のベイルート港爆発事故によって)失われた風景を今回書き残したことに対しても、著者はベイルートの人々から感謝された。
    「感謝の裏側で、在りし日の情景を読むたび落ち込んだりしないのだろうか」と不安に思う。実際馴染みのある事物といった「指標」を失う時彼らのノスタルジーは生まれるのだから。生活の彩りも失われていくのでは、と耐えず気にかけていることだろう。
    でも著者は生活の彩りの一つである料理に、希望を見出している。

    「この街にはどこかしら、有機的な、生き生きとしたところがある。街自体の息吹きとでもいうべきもの。それがわたしたちの心を揺さぶるのだ」

    ベイルートの住民たちは作るのも食べるのも好きで、料理に対して並々ならぬこだわりを見せる。レバノン料理は「香りの料理」と称され、調理の時点でハーブの香りがキッチンに満ち溢れるのだそう。「香り」も調味料の一つとするほど、料理を疎かにしない。
    「料理への情熱が消えない限り、まだまだ街は大丈夫!」と、力いっぱいのエールが最後に添えられていた。

    0
    2023年06月28日

ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    エッセイ・紀行 / エッセイ
  • 出版社
    :
    講談社
  • タイトル
    :
    ベイルート961時間(とそれに伴う321皿の料理)
  • タイトルID
    :
    1123699
  • ページ数
    :
    280ページ
  • 電子版発売日
    :
    2022年04月26日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める エッセイ・紀行

エッセイ・紀行 ランキング

関口涼子 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す