小説・文芸 - 中央公論新社 - 中公文庫作品一覧

  • 猫がかわいくなかったら
    3.3
    1巻748円 (税込)
    定年まで、あと四年――。長らく会社の花形部門で働いてきた吉岡だが、ここ数年はデータ管理の閑職についている。年齢なりに、体調ははっきりと怪しくなってきた。娘が就職して家を出た今となっては、妻の多恵子と共に静かに老いていくだけの毎日だ。ところが、近所に住む望月夫妻が二人とも入院したことから、状況が一変。彼らが飼っている老猫をどうするかを巡って、町内は大騒ぎとなる。望月夫妻が住むアパートの大家も、警官も救急隊員も生活支援課も、救いの手を差し伸べようとはしない。ある理由から、この猫を引き取ることができない吉岡と多恵子の選択は……。 誰もが身につまされること間違いなしの、ユーモアと愛情に満ちた人間ドラマ。 【目次】 日曜日に (その1)/他生の縁/望月盛衰史/日曜日に (その2)/吉岡家の猫/猫に通う/祇園精舎の鐘の声/里親さがし/最後に見た姿/奇特な人/深き淵より/静かな夜のために
  • 猫大名
    4.3
    新田義貞の末裔・岩松家はわずか百二十石の石高と霊験あらたかな「猫絵」でその名を知られていた。二十一代当主・満次郎俊純が明治維新後に男爵に叙せられるまでの波瀾万丈の日々を、幕末の世相・騒乱とともに描く。『猫男爵』を改題。

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  • 猫と庄造と二人のをんな
    4.3
    猫に嫉妬する妻と元妻、そして女より猫がかわいくてたまらない男が繰り広げる軽妙な心理コメディの傑作。安井曾太郎の挿画収載。同時併録は美女とペルシャ猫への愛を高らかにうたう未完の小品「ドリス」。

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  • 猫と漱石と悪妻
    3.9
    見合い相手としてあらわれた夏目金之助(漱石)に一目惚れした鏡子。「苦労するが大成する」相手だという占い師の言葉を支えに結婚を決めるが、慣れぬ土地での新婚生活に戸惑う。しかし、それは今後ふりかかる苦難の序章にすぎなかった……! 漱石没後100年に読みたい、山あり谷ありの文豪一家グラフィティ。文庫書き下ろし作品。
  • 猫の目散歩
    -
    吉原・谷中・根津・雑司ヶ谷……。「私の中の猫」に導かれ、猫のいる町、路地を行く。猫目線で歩くと、いつもの散歩道も違った景色に見えてくる。猫のパトロールのように、抜き足差し足、ぐるっと回って見聞を綴る、町歩きエッセイ。著者の自筆イラスト多数収録。書き下ろしと単行本未収録のエッセイを増補した。
  • ねこ物件 猫がいるシェアハウス
    -
    1巻770円 (税込)
    三十歳の二星優斗は、一軒家に住む祖父と猫の世話だけをして生きてきた。しかし、突然祖父が亡くなってしまい途方にくれていた時、不動産屋の女性に「シェアハウスをやりませんか」と提案される。同意した優斗が決めた入居資格は二つ。「二星家の猫(チャーとクロ)に気に入られる」「男性限定」だ。だが『猫審査』に合格する者はなかなか現れず……。 ねこ×イケメン×シェアハウス 誰もが癒やされる「猫エンターテインメント」開幕!
  • 猫ミス!
    3.9
    気まぐれでミステリアスな〈相棒〉をめぐる、豪華執筆陣による全8篇――新井素子×黒猫の独白、秋吉理香子×野良猫見守り隊、芦沢央×少年名探偵と仔猫、小松エメル×猫になりたがる妹、恒川光太郎×妖怪猫ケシヨウ、菅野雪虫×オッドアイと「死神」、長岡弘樹×高齢者とペットロス、そにしけんじ×探偵ニャンロックホームズ。いつでもどこからでも手軽に猫を愛でることができる、バラエティ豊かなアンソロジー。 ◆収録作と主な登場猫物◆ 新井素子「黒猫ナイトの冒険」(自称「名前は、ない」野良猫) 秋吉理香子「呪い」(白い野良猫のシロなど) 芦沢央「春の作り方」(黒と茶のサビ猫) 小松エメル「一心同体」(黄色い瞳の黒猫) 恒川光太郎「猫どろぼう猫」(水色の瞳のサバ虎) 菅野雪虫「オッドアイ」(虹彩異色症の白猫) 長岡弘樹「四月のジンクス」(シャム猫のハナ) そにしけんじ「猫探偵事務所」(助手のニャトソンくん)
  • 猫を看取る シュガー、16年をありがとう
    -
    娘として愛してきた、チンチラシルバーの猫・シュガーに悪性腫瘍がみつかった。クオリティ・オブ・ライフを考え、足を切断する手術はせず、痛みからも衰弱からも全力で守ると決意する――。発症から約1年半、カッチーニのアヴェ・マリアが流れる自宅の居間で見送るまでの、感動の記録。
  • 熱球三十年 草創期の日本野球史
    -
    なつかしき早慶戦の球音高々と響かせ、友愛の生涯を野球にかけた、明治・大正・昭和にわたる学生野球育ての親の回顧、指針の名著。

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  • ネットリンチ 悪意の凝縮 (『「電脳マジョガリ」狩り』改題)
    3.5
    そのツイート、大丈夫? あなたも訴えられますよ。 大学生の翼が巻き込まれた、現代の《魔女狩り》裁判の行方は? 「魔女狩り板」それはあるネット掲示板の通称。目的は、マスコミが実名報道しない未成年犯罪者や違法行為をした匿名ユーザーを吊し上げることだ。大学生YouTuberの翼は、オフ会で知り合った謎の女性・香織に脅され、掲示板の中枢四人の正体を暴くことに。香織の目的は? その憎悪の原因とは――?『「電脳マジョガリ」狩り』改題
  • 眠れない夜は体を脱いで
    4.2
    自分の顔がしっくりこない男子高校生。五十過ぎに始めた合気道で若い男の子とペアを組むことになった会社員。恋人の元カノの存在に拘泥する女子大生。妻も部下もなぜ自分を不快にさせるのかと苛立つ銀行支店長。彼らは「手の画像を見せて」という不思議なネット掲示板に辿り着く……。「私」という違和感に優しく寄り添う物語。〈解説〉吉川トリコ
  • ねむれ巴里
    -
    深い傷心を抱きつつ、夫人三千代と日本を脱出した詩人はヨーロッパをあてどなく流浪する。『どくろ杯』につづく自伝第二部。

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  • 野口冨士男犯罪小説集 風のない日々/少女
    3.0
    二・二六事件前夜。判で押したような平凡な日常を送る平凡な一銀行員が、自分と周囲の小さな行き違いの果てに一線を踏み越えてしまう……。リアルな描写の積み重ねが予測不能のサスペンスを生む『風のない日々』に、戦後の復員兵による財閥令嬢誘拐事件を描いた『少女』併録。〈同時代批評〉井上ひさし 〈解説〉川本三郎
  • 「のと恋路号」殺意の旅
    5.0
    婚約者の中原が自宅マンションから飛び降り自殺した。傷心の井岡あや子は、中原が死の直前に乗車した「のと恋路号」に乗り、恋路駅のノートに中原が書いた文章を見つける。そこには「なぜ、今になって、私の前に、現れたのだ! K・Tよ」と書かれていた。K・Tとは誰なのか? しかし、数時間後にその頁は何者かに破り取られてしまう。さらにあや子を尾行していた刑事が消息を絶ち、中原が泊まった旅館の従業員が絞殺される。そして十津川の捜査には上からの圧力が……。初期の十津川警部名推理が新装・改版で登場!
  • ノモンハン 元満州国外交官の証言
    -
    一九三九(昭和一四)年夏、満州とモンゴルとの国境で、ソ連軍と日本軍が激突し、合わせて二万近くの戦死者を出したノモンハン事件は、現代日本も抱える「国境問題」を、軍事力で解決しようとして起こった悲劇だった。停戦後の国境確定交渉に参画した外交官が綴る「事件」の深層。〈解説〉田中克彦
  • ノラや
    4.5
    ふとした縁で家で育てながら、ある日庭の繁みから消えてしまった野良猫の子のノラ。ついで居つきながらも病死した迷い猫のクルツ――愛猫さがしに英文広告まで作り、「ノラやお前はどこへ行ってしまったのか」と涙塞き敢えず、垂死の猫に毎日来診を乞い、一喜一憂する老百間先生の、あわれにもおかしく、情愛と機知とに満ちた愉快な連作14篇。
  • 乗りもの紳士録
    3.0
    鉄道・自動車・飛行機・船と、乗りもの全般に並々ならぬ好奇心を燃やす著者が、「紳士たち」との旅と交友を綴る。突如自動車教習所に通いはじめた吉行淳之介、著者の運転に御機嫌の志賀直哉、交通巡査にいつも親切にされる芦田伸介ほかが登場。
  • ノワール 硝子の太陽
    4.2
    〈ジウ〉サーガ×姫川玲子 誉田哲也の二大人気シリーズが、衝撃のコラボレーション! 沖縄での活動家死亡事故を機に「反米軍基地」デモが全国で激化した2月、新宿署の東弘樹警部補は、「左翼の親玉」を取調べることに。その直後、異様な覆面集団による滅多刺し事件が起こる。被害者は歌舞伎町セブンにとってかけがえのない男――社会に蔓延る悪意の連鎖を断ち切るべく、東とセブンの共闘が始まる! 『硝子の太陽N ノワール』を改題。掌篇小説「歌舞伎町の女―再会―」を収録。
  • 背教者ユリアヌス(一)
    -
    1~4巻1,100~1,210円 (税込)
    大帝の甥として生まれるも、勢力拡大を狙うキリスト教一派の陰謀に父を殺害され、幽閉生活を送るユリアヌス。哲学者の塾で学ぶことを許され、友を得、生きる喜びを見出す彼に、運命は容赦なく立ちはだかる。毎日芸術賞受賞の壮大な歴史ロマン開幕!【全四巻】 〈解説〉加賀乙彦 〈巻末付録〉著者による本作関連エッセイ二作 連載開始前に雑誌『海』で抱負を語った「ユリアヌスの浴場跡」、終了直後から『週刊読書人』に連載の「ユリアヌスの廃墟から」
  • 廃墟のとき
    3.3
    不毛な人生に倦み疲れた美砂は、自殺を決意する。ただし、死ぬまでの10ヶ月を可能なかぎり飾り立て、人々の羨望を浴びながら死ぬのだ。美人起業家への見せかけの転身は成功、偽りのショーは順調に始まったが……。明野ワールド全開のサスペンス長篇。『砂の花』改題

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  • 俳句とあそぶ法
    5.0
    俳句は遊びだ! 人生の杖となる遊びだ!――俳人・夏井いつき推薦!! 「ちょっと俳句をかじっただけの素人」と自称する著者が、愛好家の多くが陥る類型的発想という「わな」に気づき、それを誘発する「俳句そのものに内在する何か」に迫る。名作とされる先人の句に果敢に異を唱え、専門俳人たちの常識も容赦なく断罪。一方、作り手となった初心者に対しては、「俳句は遊びである。遊びだからこそ厳格なルールに従うべきである」と掲げ、世にはびこるセオリーを覆し、皮肉やユーモアを交えて江國流俳句の楽しみ方を実践的に説いてゆく。  曰く――、 『俳句は自然を詠むもの、俳句は写生だ』  藤・牡丹・菖蒲・芍薬のどれが先に咲きますか? これ分からない植物音痴の人は多い。俳句は自然を詠むもの。写生こそ俳句とは言うが、自然が詠み難ければ人事句から始めると入り易い。例えば雛祭、白酒、受験、卒業……。 『5・7・5がルール』  字余り、字足らずの破調は原則として避けるべし。破調はホントにやむを得ない時に限る。破調にも限界がある。「分け入れば水音(山頭火)」「咳をしても一人(放哉)」こんなのは俳句じゃない。 『ふりがなは、極力さける』  ルビは必要最小限度にとどめるべきである。ルビなしでは正しく読んでもらえない字句で、漢字を用いない限り意味が汲み取れなかったり、誤解を招いたりする場合だけ、よんどころなくルビを付ける。娘(こ)、亡父(ちち)、女(ひと)などは、絶対に使わないこと。 『自分なりの句風の確立』  名句を、世間の評価にとらわれずに、好きな句、嫌いな句に分ける作業をする。そのうちに、自分の句風の確立に役立つ。  昭和の俳句ブームを牽引した画期的な俳句指南の書、待望の復刊!
  • 俳句の五十年
    4.5
    子規との出逢い、漱石との思い出、のちに俳風をめぐり対立した畏友、碧梧桐への敬愛――。退学と転校を繰り返した青春時代、引き継いだ「ホトトギス」の経営苦難など迷走と模索をし続けた日々と森鴎外、幸田露伴、黒岩涙香、柳田國男などとの交遊を振り返る。一九四二年、中央公論社から刊行された知られざる自伝を初文庫化。〈解説〉岸本尚毅 目次より「同窓学誌」と碧梧桐 ベース・ボールと子規 第三高等中学校入学 碧梧桐上洛して同宿 復校後第二高等中学校に転ず 間もなく退学決行 「小日本」の廃刊 藤野古白の自殺 子規の委嘱を辞退 鴎外との関係 露伴と私 漱石と宮島に 湖南の新婚旅行 万朝報入社 「ホトトギス」を主幹 子規の死 文章熱の勃興 国民新聞に入る 碧梧桐派と虚子派 松山時代の漱石 ヨーロッパの旅 俳句の翻訳 日本俳句作家協会の結成 選者生活五十年 善悪良否の標準 文章の誘惑
  • 廃帝綺譚
    4.0
    遠く異朝をとぶらえば、元の宮廷に隠されたマルコ・ポーロのもう一つの見聞録『驚異の書』とジパングの神の珠。珠の放つ蜜色の光に、元と明の廃帝たちは何を見たのか。近く本朝をうかがうに、配流の後鳥羽院に神の珠が見せたのは、幼くして散ったあの兄宮なのか。『安徳天皇漂海記』につらなり、どこまでも滅びによりそう夢幻の物語。

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  • 這えば立て
    3.0
    あてにならない人生であるから、この舟がてんぷくすることばかりを心配していてもはじまるまい――明治・大正・昭和を駆け抜けた反骨の詩人・金子光晴。その滋味溢れる洒脱な文章は、今もなお色あせることがない。「幼時からこの間のこと」を綴った表題作を中心に、晩年の筆になる随筆を収録。

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  • 白鳥の歌なんか聞えない
    3.6
    1巻838円 (税込)
    死にゆくもの滅びゆくものを前に、ふとたじろぐ若い魂。早春のきらめきの中に揺れる、切ないほど静かで不思議に激しい恋の物語。シリーズ第三話。

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  • 箱館売ります(上) - 土方歳三 蝦夷血風録
    3.3
    土方歳三らの旧幕府軍は、新政府軍から箱館を奪還した。その混乱に乗じて、広大な土地を手に入れようと目論むプロシア人兄弟は、蝦夷政府の幹部たちに近づく。財政難にあえぐ旧幕府軍は、租借料を目当てに契約の締結を進めるのだが、プロシア人兄弟の背後には、領土を広げようと企むロシアの策謀が見え隠れしていた――。

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  • 鋏の記憶
    3.5
    物に触れると所有者の記憶を読み取ることができる「サイコメトリー」能力を持った、女子高生の桐生紫。その力を生かして、周囲で起こった四つの怪事件の捜査を手助けすることに。殺人、失踪、家族の秘密……「物」だけが真実を知っている! 傑作ミステリー。

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  • 蓮の数式
    3.9
    35歳の千穂は不妊治療を始めて10年、夫と義母からの嫌味に耐え続けてきた。ある日、夫が酒に酔った男・透を轢いてしまう。謝罪のため透を探す千穂は彼が算数障害だと気付き手を差し伸べる。だが、二人の関係を怪しみ千穂を追い詰める夫。一方的に疑われ、これまで抑えてきた感情を爆発させた千穂は、家を飛び出し透の元へ逃げるのだった――。
  • ハチ公の最後の恋人
    4.0
    霊能者の祖母が遺した予言通りに、インドから来た青年「ハチ」と巡り会った私は、彼の「最後の恋人」になった……。運命に導かれて出会い、別れの予感のなかで過ごす二人だけの時間――約束された至高の恋。求め合う魂の邂逅を描く奇跡の物語。[写真・若木信吾]

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  • 初女お母さんの愛の贈りもの おむすびに祈りをこめて
    5.0
    人のこころを解きほぐし、生きる力を与えるおいしい食事を、そっと差し出したい――。 そう願った佐藤初女さんが主宰した青森・岩木山麓の「森のイスキア」には、悩みや迷いを抱えた人が数多く訪れ、心のこもった手料理を一緒に食べて、生きる力を取り戻していった。 「初女さんのようなおむすびをつくりたい」という多くの人々に請われて各地で講演やおむすび講習会を開き、食の大切さを伝えていた初女さんが、料理のし方や心遣いを丁寧にわかりやすく語り尽くしたエッセイ。 食材を「いのち」ととらえ、いのちがささやく物語に耳を澄ませた著者ならではの“発見”が詰まった一冊。 おむすび、かぼちゃの煮物、ほうれん草のおひたし、ポテトサラダ、煮豆、りんごのコンポートなど、料理の作り方も多数紹介。 〈解説〉若松英輔 〈目次〉 1章 おむすびに心を尽くして/2章 いのちをいただく料理/3章 お母さんの手が伝えるもの/4章 病む人の心に寄り添うとき/5章 料理をすることが祈ること
  • 果てしなき追跡(上)
    -
    1~2巻836~858円 (税込)
    「百舌」シリーズの次はこれだ! 逢坂剛が満を持して送るエンタメ超大作。 元新撰組副長・土方歳三は新政府軍の銃弾に斃れた――はずだった。頭部に被弾した土方を救った時枝ゆらは、敵軍の目をかいくぐり、米国へと密航する。だが意識を取り戻した土方は、記憶を失っていたのだった。全てを無くしたサムライは、果たしてどこへ向かうのか? 海を、大地を駆けめぐる、壮大なる旅がここにはじまる。
  • 花篝 小説 日本女流画人伝
    -
    美人画で名をはせた北斎の娘お栄(応為)、狩野派隆盛の立て役者元信の妻千代女、幕府奥絵師狩野宗家の跡目争いにまきこまれ、かどわかされ牢に閉じこめられた悲運の人屋左女、周囲の反対を押して探幽門人伊兵衛と市井に幸せを求めた清原雪信、祇園茶店の娘から池大雅の妻となった玉蘭など、埋れた女流画人の絵にかけた情熱の生涯を発掘する12篇。

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  • 花咲ける上方武士道
    3.3
    風雲急を告げる幕末、公家密偵使・少将高野則近の東海道東下り。大坂侍・百済ノ門兵衛と伊賀忍者を従えて、恋と冒険の傑作長篇。
  • 非花
    3.0
    あとに残った薔薇の枝だけが、再会の証しだった……唐、宋、明、清――悠久たる中国史のなか、国家の狭間や民族の壁に押しつぶされず、凛と生きた女たちを鮮やかに描きだす。

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  • 花に問え
    -
    絶対の孤独と漂泊に生きた“捨聖”(すてひじり)一遍上人と、彼に終生つき従った尼僧の超一――『一遍聖絵』に描かれた彼らの姿と内なる対話を繰り返しながら、無限の自由を求めてさまよう、京都の老舗旅館の女将・美緒の心の旅。谷崎潤一郎賞受賞作。

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  • 花火 吉村昭後期短篇集
    3.0
    滅しゆく身体の変化。ほのかな生命のゆらぎ。若き日に死線を彷徨った作家は、生涯を通して生と死を見つめ続けた。円熟の晩年を迎え、その静謐な目は何をとらえたか。短篇小説の名手でもあった吉村昭が昭和後期から平成一八年までに著した、遺作「死顔」を含む一六篇。〈編者解説〉池上冬樹 ※収録作品 船長泣く 雲母の柵 花曇り 手 鏡 花 火 法師蟬 寒牡丹 桜まつり 観覧車 西 瓜 自 殺――獣医(その一) 心 中――獣医(その二) 遠い幻影 聖 歌 見えない橋 死 顔
  • 花までの距離
    -
    「私をいくらでも見てください」。女はそう言って衣裳を脱ぎ刺激的なポーズをとるが、目の前にいる男は、見つめるだけで指一本触れることさえ許されない……。“誘惑”と“視線”が交錯する二人だけの密室に立ちあがる透明なエロティシズムを描いた長篇。

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  • 花桃実桃
    3.8
    43歳シングル女子、まさかの転機に直面す――無情な肩たたきの憂き目に遭って、会社員からアパート管理人に転身した茜。昭和の香り漂う「花桃館」の住人は、揃いも揃ってへんてこで……。若くはないが老いてもいない。先行きは見通せずとも、進む方向を選ぶ自由がある。人生の折り返し地点の惑いと諦観を、著者ならではのユーモアに包んで描く長編小説。

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  • 花輪大八湯守り日記 艶福地獄
    5.0
    義による私闘を咎められ、勘当同然に山深き温泉の湯守となった新庄藩士・花輪大八。その肘折の湯に不思議な女の一群が現れた。率いるのは奇怪な技を使う医師。それを機に、鄙びた湯町を二分し新庄城下をも巻き込む騒動が引き起こされる。一方、大八には見合い話が持ち込まれ……。大八、女に惑う!?

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  • 花輪大八湯守り日記 湯けむり浄土
    -
    新庄領外れの山深い湯治場、肘折温泉。二十歳の藩士で具足術の名手・花輪大八は私闘を咎められ、勘当同然にそこの湯守り役を与えられた。湯守りとは温泉を管理する村役で、収入は湯銭と酒代。勤番の老人・勘兵衛、張番の次郎吉、世話役の六兵衛や奉行所の手先・伝兵衛ら一筋縄ではいかない連中との毎日が始まった。そして、いわくありげな湯治客たちが今日も肘折を訪れる……。

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  • 花輪大八湯守り日記 若草姫
    -
    やむを得ない私闘を咎められ勘当同然に肘折温泉の湯守りとなった若き新庄藩士、大八。雪深い霊場を訪れた姫君の持つ草子『若草ものかたり』に隠された謎とは。そして、城下での道場破り騒動と、突然の兄の蟄居との関わりは? 奔走する大八。兄、そして「若草姫」を救えるか!? 好評大八シリーズ第二弾!

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  • ハネムーン
    3.8
    世界が私たちに恋をした――。別に一緒に暮らさなくても、二人がたどる道はいつも家路で、二人がいる所はどこでも家だ……。互いにしか癒せない孤独を抱え、剥き出しの世界へと歩き始めた恋人たちの旅立ちを描く。限りない清らかさと生きることの痛みに彩られた、静謐な愛の物語。[挿画・MAYA MAXX]

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  • 母の遺産 新聞小説(上)
    4.0
    1~2巻770円 (税込)
    八十歳を過ぎた母が骨折をして病院に運び込まれたその日、美津紀は夫・哲夫の引き出しから花柄のティッシュ入れを見つける。施設に入った母に時間を奪われ続け、美津紀は思う。「ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?」親の介護、夫の浮気、忍び寄る更年期、老後資金の計算……実体験を交えて赤裸々に描き大きな話題を呼んだ、大佛次郎賞受賞作。
  • はみだしオケマン挑戦記 オーボエ吹きの苛酷なる夢
    3.7
    オーボエ吹きの夢はとどまるところを知らない。N響首席奏者として華麗かつ苛酷なビータ〈演奏旅行〉をこなしながらも、リサイタル、ソロアルバムレコーディングにと精を出す。飽くことなき好奇心を持つ音楽家の日常に眠る暇なし!? 『のだめカンタービレ』の著者二ノ宮知子氏絶賛!

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  • 隼別王子の叛乱
    4.0
    ヤマトの大王の想われびと、女鳥姫と恋におちた隼別王子は大王の宮殿を襲う。愛と権力を賭けた血なまぐさい叛乱の夢は、大王の前にあっけなく破れ、隼別は女鳥姫とともに誅殺される。かつて宝塚でも上演され、劇画化もされた、「古事記」の中の濃密な物語。
  • ハル回顧録
    4.5
    一九四一年、日米交渉の最中に「ハル・ノート」を突きつけ、日本に対米開戦を決意させたことで知られるハルは、「国際連合の父」としてノーベル平和賞を受賞した、戦後体制の樹立者でもあった。十二年にわたり国務長官としてルーズベルト政権を支えた外交官が綴る国際政治の舞台裏。 〈解説〉須藤眞志。
  • 遥かなる山旅
    3.0
    山に登り、自然の中に身を置くことで、自らとの対話を続けた思索家の、山エッセイ・ベストセレクション。「何故人は山へ登るのだろう」という問いかけに始まり、山行きの持ち物から記憶に残る思い出の山々、詩篇まで、四十六篇を収録。『山歩きの愉しみ』改題。〈編・解説〉高丘卓 【目次】 I小前奏曲   孤独な洗礼 II 身支度   輪かんじき   道具   バドミントン・スタイル   時計と高度計   手帖   画帖   絵具   地図   乗車券   歩き方初歩   夏の山で気をつけること   山の灯   下山術   登山者と山の本 III 山想   春蘭   光と水の戯れ   波   霙の降る林   高原の夕映え   暁の星   山と老人 IV 山の博物誌   山の博物手帖   山に棲む虫   冬の手帖   春の手帖   夏の手帖   秋の手帖   岩上の想い   雪崩の音   山上の初光   静かな流れのほとり V 心の山   上高地の今昔   小海線の車窓   上信越の山と峠   鳥海山   和山の宿   雨飾山   穴あき沢   関東の山々   北海道の山   北穂高岳   小黒部谷遡行剣岳   意地の悪い山案内 VI 詩篇   山頂   氷の岩峰
  • 春の戴冠1
    4.0
    1~4巻1,047~1,152円 (税込)
    メディチ家の恩顧のもと、祭りに賑い、楽しげなはずむような気分に覆われた花の盛りのフィオレンツァ。「私」と幼なじみのサンドロ(のちのボッティチェルリ)は、この日々が過ぎゆく人生の春であることに、まだ気が付いていなかった――壮大にして流麗な歴史絵巻。

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  • 春の魔法のおすそわけ
    3.2
    ある朝、作家・鈴木小夜子は桜の舞う歩道橋の上にいた。ひどい二日酔いに見舞われ、昨晩の記憶はない。手には札束が入った見知らぬバッグ、そして現れる不思議な美青年……。謎と酒に酔いしれる、一夜限りのファンタジックなミステリ。

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  • 春を恨んだりはしない 震災をめぐって考えたこと
    3.0
    〈あの時に感じたこと〉が本物なのだ。記憶を、感覚を、薄れさせてはいけない。 東日本大震災発生後間もなく、自ら車を駆って被災した各地をめぐり、見て、語らい、思考した、唯一無二のリポート。
  • 犯罪同盟
    3.0
    頻発する身寄りのない孤独な男女の失踪事件。都会の片隅に集うスナックの常連四人が、事件に敢然と立ち向かう決心を固め、行動を開始した。失踪事件の裏には政財界を巻き込んだ巨悪の影が見え隠れし、四人に危機が迫る。巨大な組織に比してあまりに微弱な彼らの戦いに勝機はあるのか? 現代の病理を鋭く抉る長篇社会派ミステリー。

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  • ハンニバル戦争
    4.2
    史上最凶の敵から祖国を守れ! 時は紀元前三世紀。広大な版図を誇ったローマ帝国の歴史で、史上最大の敵とされた男がいた。カルタゴの雷神・バルにあやかりつけられた名はハンニバル。戦を究めた稀代の猛将軍・ハンニバルが今、復讐の名の下にアルプスを超えた。予測不可能な強敵を前に、ローマの名家出身の主人公・スキピオは、愛する家族と祖国を守り抜けるのか?
  • バイオリニストに花束を
    4.2
    だれも信じてくれないが、私は十歳でバイオリンを始める前は、一日に一言も口をきかないような、青白い子供だった――「スーダラ節」に救われた修業時代、もぐりで聴いたカラヤンの「とてつもない何か」、愛憎こもった指揮者の思い出、感動のフィナーレに客席デビュー。元N響バイオリニストがのびやかな筆致で綴る音楽的日々雑記。

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  • 幕末 暗殺!
    4.5
    定説は覆されるのか? 真犯人の驚きの動機とは? 幕末の江戸で、京で、多くの命が刺客によって闇に葬られた。暗殺――。彼らはなぜ殺されなければならなかったのか。血塗られた歴史の暗がりに、7人の作家が、想像力と推理と筆で光を当てる。実力派たちが江戸末期の政局の暗部に斬り込んだ、大好評オリジナル競作アンソロジー。   谷津矢車×桜田門外の変◆「竹とんぼの群青」 早見俊×塙忠宝暗殺◆「刺客 伊藤博文」 新美健×清河八郎暗殺◆「欺きの士道」 鈴木英治×佐久間象山暗殺◆「血腥き風」 誉田龍一×坂本龍馬暗殺◆「天が遣わせし男」 秋山香乃×油小路の変◆「裏切り者」 神家正成×孝明天皇毒殺◆「明治の石」
  • 会津孤剣 - 幕末京都守護職始末
    3.0
    会津藩藩校日新館で学ぶ孝太郎は、親友・真之介の剣の指導に打ち込む父に自分を認めさせたいと願っていた。ある日、朋輩を目の前で謎の剣士に斬り殺された孝太郎は復讐を誓って京へ向かう。豪商の娘彩(あや)、男装の麗人直(なお)との出会いもあり、孝太郎の人生は大きく変化していく。会津・京都に展開する剣と情のシリーズ第一弾。(『天狗の剣』を改題)
  • 幕末疾風伝
    3.5
    時は幕末。倒幕だ佐幕だ攘夷だ開国だ、と意識の高い周囲の連中のなかで逼塞していた浪人・松浦佐太郎は、とある縁で助けた男に「勤皇の志士」という言葉を吹き込まれ、覚醒する。だが、高杉晋作、坂本龍馬ら名だたる英雄から思いを託され維新を最後まで見届けようとした佐太郎は、革命の渦中で大きな矛盾に気づいてゆく…。
  • 芭蕉
    -
    芭蕉の没年から一八〇年後の一八七四年に虚子が生まれた。本書は近代俳句の巨匠虚子が近世の巨人芭蕉の著作を論じる。まずは入門者向けに芭蕉の句を紹介、芭蕉の句を談林風の句(第一種類)、主観句(第二種類)、客観句(第三種類)に分け、時間軸に沿った芭蕉の作風の変化を分析し、さらに芭蕉と門人の俳句を評釈する。 各章の初出は明治三十六年から昭和十年にわたる。それぞれの章が書かれた時期が虚子にとってどのような時であったかを考えながら読むと興味深い。
  • バビロンの秘文字(上)
    3.7
    4500年前の謎を解き、愛する人を救い出せ――。 恋人の里香に会いにストックホルムを訪れたカメラマン・鷹見。その眼前で、彼女の勤務先である国際言語研究所が爆破された。現場から姿を消した里香は、未解読の粘土板“バビロン文書”を持ち出していた。行方を追ううちに、古代アッシリアのシュメル人の末裔と称する、亡国の民ラガーンの存在を知る。そして鷹見自身にも、襲撃者の手が迫り来る――。 “バビロン文書”に記された、世界を揺るがす秘密とは?  圧倒的なスケールで描く新時代のエンターテインメント、待望の文庫化!
  • 薔薇の殺人
    4.0
    それは不思議な「誘拐事件」だった。女子高生・浜岡文絵が自室から音もなく姿を消し、翌日届いた一通の脅迫状以外、犯人からの連絡は一切ないのだ。そして七日後、文絵の亡骸が山林で発見された……。宝塚歌劇団出身の清純派女優と大物男優が実の親と知らずに育った文絵の身に、何が起きたのか? 宝塚へ向かった浅見光彦が見た最も悲しく美しいフィナーレとは!

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  • バルザック(上下合本)
    -
    『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』ほか全九一篇、登場人物二〇〇〇人による壮大な「人間喜劇」を構想したバルザック(一七九九―一八五〇)。富と名声を求めて旺盛な創作活動に邁進し、天才と俗物の間を生きた。その彼を終生敬してやまなかった伝記作家が、五一年の生涯を情熱的に描いた遺作にして最高傑作。〈解説〉宮下志朗 目次 第一篇 青春と初舞台    第一章 少年期の悲劇    第二章 運命への早まった問いかけ    第三章 オラース・ド・サン・トーバン小説工場    第四章 ベルニー夫人    第五章 商業的幕間狂言    第六章 バルザックとナポレオン   第二篇 仕事部屋のバルザック    第七章 三十男    第八章 書斎のうちとそと    第九章 カストリー侯爵夫人    第十章 バルザック自己の秘密を発見す   第三篇 小説を地で行く    第十一章 未知の女    第十二章 ジュネーヴ    第十三章 ウィーンの別れ  第四篇 小説家バルザックの栄光と悲惨  第十四章 破局の年一八三六年  第十五章 イタリア旅行  第十六章 転機の年  第十七章 サルデーニャの銀山  第十八章 芝居の投機 第五篇 『人間喜劇』の作者  第十九章 ハンスカ夫人征服の戦い  第二十章 『人間喜劇』  第二十一章 最初の挫折  第二十二章 蒐集家バルザック 第六篇 事の成就と終り  第二十三章 最後の傑作  第二十四章 ウクライナのバルザック  第二十五章 結婚と帰国  第二十六章 おわり
  • バルザック(上)
    -
    『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』ほか全九一篇、登場人物二〇〇〇人による壮大な「人間喜劇」を構想したバルザック(一七九九―一八五〇)。富と名声を求めて旺盛な創作活動に邁進し、天才と俗物の間を生きた人間の魅力をあますところなく描き切った本格評伝。 【目次】 第一篇 青春と初舞台    第一章 少年期の悲劇    第二章 運命への早まった問いかけ    第三章 オラース・ド・サン・トーバン小説工場    第四章 ベルニー夫人    第五章 商業的幕間狂言    第六章 バルザックとナポレオン  第二篇 仕事部屋のバルザック    第七章 三十男    第八章 書斎のうちとそと    第九章 カストリー侯爵夫人    第十章 バルザック自己の秘密を発見す   第三篇 小説を地で行く    第十一章 未知の女
  • Valentine Stories
    4.0
    ドラマチックが、止まらない――。 あげる人もあげない人も、もらう人ももらわない人も、チョコが好きな人もそうじゃない人も、なぜか気になる日。心がザワザワする日。2月14日、バレンタインデー。本命チョコ、友チョコ、義務チョコなど、様々な関係性でやりとりされる〈それ〉は、ただ甘いのか、ほろ苦いのか……。バレンタインをめぐる「粒より」のドラマを8種詰め合わせた、ちょっと贅沢な限定アソート。
  • 晩夏 少年短篇集
    5.0
    1巻946円 (税込)
    「敵はおみかん食べている」 男と女が二人だけで山の中で蜜柑を食べている以上、きっと何事か始まるに違いないと思った――。(「白い街道」より) 若い男女を「敵」と見なして偵察するたわいない遊び、美しい少女への憧れ、そして覚えず垣間見た大人の世界……。誰もが通り過ぎるが、二度と帰れない〝あの日々〟の揺らぐ心を鋭敏な感性でとらえた、叙情あふれる十五篇。表題作ほか「少年」「帽子」「赤い実」など教科書名短篇を含む、文庫オリジナル・アンソロジー。〈巻末エッセイ〉辻 邦生・椎名 誠 【目次】 少年/蜜柑畑/滝へ降りる道/晩夏/投網/帰郷/黙契/白い街道/颱風見舞/ざくろの花/ハムちゃんの正月/馬とばし/帽子/魔法壜 〈巻末付録〉赤い実/少年に与える言葉(随筆)
  • 盤上の向日葵(上下合本)
    4.7
    埼玉県天木山山中で発見された身元不明の白骨死体。遺留品である初代菊水月作の名駒を頼りに、叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志していた新米刑事・佐野のコンビが捜査を開始した。 駒の来歴を追う地道な捜査から浮かび上がってきたのは、世紀のタイトル戦に臨む異端の天才棋士・上条桂介の壮絶な半生だった。 奨励会を経ず、実業界から異例の転身を果たした上条と、遺留品の駒の足取りを追って日本中を駆け回る二人の刑事。彼らの歩みが交錯し、物語は衝撃の結末へ――!!
  • パリからの紅茶の話
    4.0
    コーヒー好きのフランス人は、どうしてお茶によそよそしいのだろう―― パリに暮らして三十年、フランス料理とワインをこよなく愛好する著者が 五感を通して積み重ねた、歴史と文化の街ならではの心躍る紅茶体験。 お茶とワイン、この二つの飲み物が持つ香りと味は、 人の顔や性格のように変化と個性に富んでいて少しも退屈しない ――「あとがき」より 〈目次より〉 チャールズ二世と紅茶/南蛮屏風と茶/マドレーヌか焼きパンか!/アブダビの紅茶/ティポットが語る十八世紀の優雅/お茶とワイン/マルコ・ポーロと茶と磁器/烏龍茶と石乳香/朝一番に飲むダージリン ほか
  • パリ・東京殺人ルート 新装版
    -
    水面に色づきはじめたマロニエを映すサン・マルタン運河。ここに、十津川警部が内偵中だった容疑者谷口の刺殺体が浮かんでいた。パリへ飛んだ十津川は、谷口をガイドした留学生水原の協力で、事件に関わるブロンド美女の情報を入手。パリ警視庁のメグレ警部も捜査に協力するが、2人は何者かに狙撃銃で襲われる。強力な武器と国際的組織…。恐るべき犯罪者たちと両警部の対決は? 〈目次〉 第一章 三人の日本人観光客/第二章 失踪した男/第三章 発見された死体/第四章 十津川と小メグレ/第五章 裏の世界からの視線/第六章 亀井刑事の捜査/第七章 第二の殺人/第八章 解き明かされたキー/第九章 闇の中からの狙撃/第十章 ブローニュの森の非常線/第十一章 仕かけられた罠/第十二章 地下下水道の銃撃戦/ 第十三章 東京・福岡、執念の追跡
  • パリの異邦人
    4.0
    リルケ、ヘミングウェイ、オーウェル……触媒都市・パリに魅せられ、パリを愛した20世紀の異邦人たち。膨大な資料をひき、作品にあらわれた「パリ」を紹介しながら、彼らの人となりを浮き彫りにする。文庫化に際し、ルソー、アンデルセン、レーニン、ケルアックなど9名のポルトレ(肖像)を新たに収載。

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  • パリの学生街 歩いて楽しむカルチェ・ラタン
    -
    たおやかに曲がる細道を行けば、今日も小さな発見がある―― 歳月を経た建物の柔和な表情、ローマ人の支配の痕跡、 美術館、ソルボンヌ大学、教会、書店、露店市…… 知的で質実、おおらかな風が吹き抜けるこの街に暮らして二十年、 日々心をときめかせるカルチェ・ラタンの素顔の魅力をつづる。 〈本文より〉 「カルチェ・ラタンは歩いていて楽しい。観光名所にはないパリの魅力が味わえる」 「散歩でも用事でも、飽きもせず古い道を選んで歩く」 「古いパリの佇まいは、心が和むほどに優しい」 〈目次より〉 住まいは、右岸か左岸か/古代ローマの大浴場遺跡/学生街で楽しむ古い教会めぐり/ジョルジュ・サンドが賛美した「貴婦人と一角獣」のタピスリー/ヘミングウェイの空腹とリュクサンブール公園今昔/ソルボンヌと音楽祭/モンテベロ河岸の箱本屋/ひとつの村のようなモーベエル広場界隈/コレッジュ・ド・フランスの自由な講座/しっとりとした佇まいのビエーブル通り/辻邦生が住んだデカルト通りの坂/日本人の顔には「盗んでもいいよ」と書いてある/とっておきの場所、アラブ世界研究所の図書室 ほか

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  • パリの秘密
    3.5
    パリに居座るゲニウス・ロキ(地霊)は、多くの秘密を生む――エッフェル塔、モンマルトルの丘から名もなき通りの片隅まで。数百年の時を経てなお、パリに満ちる「秘密」の香りは遊歩者(フラヌール)を惹きつけてやまない。夢の名残を追って現代と過去を行き来する、瀟洒なエッセイ集。

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  • 悲華水滸伝 一
    3.7
    中国宋代の末、湖水の要塞梁山泊に結集し悪政に抗した百八人の好漢たち。その夢と数奇な運命を、雄渾華麗に描いた面白さ抜群の杉本水滸伝、堂々の開幕。

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  • 光ってみえるもの、あれは
    3.7
    ああ、やっぱり僕は早く大人になりたい--友がいて、彼女がいて、ちょっぴり規格はずれの「家族」がいて……生きることへの小さな違和感を抱えた、江戸翠、十六歳の夏。みずしい青春の物語。
  • ひぐまのキッチン
    3.5
    「ひぐま」こと樋口まりあは23歳。学業優秀だったにもかかわらず、人見知りの性格が災いしてか、就活をことごとく失敗し、冴えない日々を過ごしていた。 そんなある日、祖母の紹介で、商社の面接を受けることに。そこは、米、粉、砂糖などを扱う、「コメヘン」という小さな食品商社だった。食品商社なら、大学で学んだ応用化学の知識を生かせるのではないかと意気込むまりあだったが、採用はよもやの社長秘書。 入社したまりあは、通常の秘書業務に加え、ときに取引相手に、ときに社長の友人に、料理をふるまうことになる――。 数々の児童文学賞を受賞した著者が贈る、心にも「おいしい」お仕事小説。 【目次】 商社コメヘン 引き継ぎのお好み焼き 苦しまぎれのTKG 愛しのオムライス つめたいおにぎり ふるさとの鬼まんじゅう
  • 羆吼ゆる山
    3.0
    北海道日高山脈――悠久の大自然に展開する人とヒグマとの対決の日々を、自らが生きた時代の証言として物語る、戦慄の回想録。〈解説〉宮原昭夫

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  • 土方歳三 新選組を組織した男
    3.8
    新選組「鬼の副長」土方歳三。多摩に生まれ箱館に散った三十五年の生涯を、彼が組織した新選組の変遷と対応させながら詳細に語る。新選組の平時と戦時の体制の違いなどに踏み込み、通説となっている幼少期の奉公説を覆し、世に知られる山南敬助の切腹、伊東甲子太郎暗殺事件の真実を暴き出す。新視点の史伝「土方歳三」決定版、ここに登場!
  • 翡翠の封印
    4.0
    神殿で巫女姫として一生を終えるはずだった王女セシアラは、同盟の証として北方の新興国ヴェルマに嫁がされる。緑の瞳と「ある力」ゆえに心を閉ざす王女を待ち受けていたのは奔放に生きる少年王。婚姻の日、力は二人に決裂をもたらした。少女と少年の運命は……。第4回C★NOVELS大賞受賞作に、ノベルス未掲載短篇「幸せの約束」を収録

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  • 陽だまりの時間
    -
    大ベストセラー『だから、あなたも生きぬいて』の著者が、弁護士のキャリアを中断し、ダウン症の娘・悠ちゃんと夫とともに移り住んだ山里での日々を綴る。庭でハーブを育て、料理に腕をふるい、ステンドグラスやDIYの趣味に精を出し、夜には星空を見上げる……。弁護士や大阪市助役として都会で忙しく働いていた日々には想像できなかった、子どもと向き合って過ごす幸せのかたち。現代の生活で忘れがちな「一日一日を丁寧に感謝して生きる」豊かさが、ここにある。大平流レシピも満載。

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  • 秀吉と利休
    4.0
    勢威並ぶものなき天下の覇王・秀吉と、自在な境地を閑寂した茶事のなかに現出した美の創造者・利休。愛憎半ばする深い交わりの果てに迎えた宿命的破局――そこにいたる峻烈な人間関係を、綿密重厚な筆で描ききる、絢爛たる巨篇。女流文学賞受賞作。〈解説〉山崎正和
  • 秀吉の能楽師
    3.7
    晩年の太閤秀吉に、能の指南役として仕えた、役者・暮松新九郎が見た、秀吉の狂気とは? 太閤秀吉を能に没頭させよとの密命を帯び、天下人に接近、目論見どおり秀吉は能楽に熱中するようになるが、やがて秀吉に老いの影が忍び寄る。新九郎に密命を下したのは誰なのか、その真意とは? そして新九郎自身の数奇な出自とは? 家康・利家ら大名たちを巻き込み、華やかな舞いと権謀術数が繰り広げられる、桃山時代絵巻。
  • 人影花
    3.8
    見知らぬ女性からの留守電、真実を告げる椿の花、不穏に響く野鳥の声……ささいなことから平和な日常が暗転し、足元に死の陥穽が開く。戦慄に満ちたオリジナル短篇集。没後なお読者を惹きつけてやまない今邑ミステリの精華がここに。

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  • 人質の朗読会
    4.2
    遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた――紙をめくる音、咳払い、慎み深い拍手で朗読会が始まる。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは、人質たちと見張り役の犯人、そして……。人生のささやかな一場面が鮮やかに甦る。それは絶望ではなく、今日を生きるための物語。今はもういない人たちの声、誰の中にもある「物語」をそっとすくい上げて、しみじみと深く胸を打つ、小川洋子ならではの小説世界。

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  • ひとびとの跫音 上
    3.8
    1~2巻607~733円 (税込)
    歴史を変革する人物を描きつづけた著者が初めて身近な、正岡子規の詩心と情趣を受け継いだひとびとの豊饒にして清々しい人生を深い共感と哀惜をこめて描く。司馬文学の核心をなす画期的長篇。読売文学賞受賞作。
  • ひとびとの跫音(上下合本)
    -
    上下合本で名作一気読み! 正岡子規の詩心と情趣を受け継いだひとびと。その豊饒にして清々しい人生に深い共感と哀惜をこめた、司馬文学の核心をなす画期的長篇。詩人、革命家など鮮烈な個性に慕われつつ、自らは無名の市井人として生きた正岡家の養子忠三郎と周囲の人々の境涯を「人間が生まれて死んでゆくという情趣」を織りなして、香気ただうが如く描く名作。読売文学賞受賞。
  • ひと夜の恋 元禄お犬小屋異聞
    -
    第五代将軍・徳川綱吉が貞享二年(1685)に発した「生類憐みの令」から10年。巷に犬があふれ、ついに幕府は野良犬を収容する「御囲」を作った。中野村の「御囲」で数万頭の犬の世話をする娘・お吉は、「犬吉」と呼ばれ、犬たちから慕われていた。赤穂浪士が討ち入りを果たしたあくる日、一人の侍・依田との出会いが彼女の運命を大きく揺さぶる。討入りの興奮冷めやらぬ御囲で起こった狂気の事件と、犬吉の人生を動かすひと夜の恋を描く時代長篇。 『犬吉』を改題。
  • ひとりは平気。だけど、君とは一緒にいたい
    3.0
    眠る前に読る一編で、毎日、幸せな夢を――。 ちゃんと仕事をして、好きなことにお金を使う。こんな日常に満足だけど、ふとした時、誰かと一緒にいる時間を想像したり……。 「そういえば、恋ってどんなものだっけ?」 無意識に呟いてしまった時、読んでほしい九編を集めました。 なくても困らないけど、あったらより楽しくなるときめき。 『5分でとろける恋物語 ときめきスイート編』改題
  • 雛の家
    3.7
    ふたつの大戦の狭間、遠く軍靴の響きをききながら、それでも世の中がほんの少し凪いでいたころ。日本橋の老舗人形屋〈津の国屋〉の美しい三姉妹、ゆり子、真琴、菊乃が織りなす、それぞれの狂おしい恋愛を描く。

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  • ひなのころ
    3.5
    お雛様や、お人形とも話せた幼い日々、病弱な弟を抱える家族の中で、ひとり孤独を感じていた頃、将来が見えず惑い苛立った思春期。少女・風美にめぐる季節を切り取り、誰もが、心のなかに大事に持っている“あのころ”の物語を描き出す。期待の新鋭、初の文庫化!

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  • 火の十字架
    -
    元零戦の操縦士でその日暮らしを送っていた綾瀬勝治は、行きつけの飲み屋で知り合った男から、新会社の社長就任という意外な話を持ちかけられる。しかし綾瀬は数か月後に他殺死体となって発見され……。太平洋戦争で祖国のために戦った三人の男たちの戦後を壮大なスケールで描く、著者渾身の長篇ミステリー。

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  • 日日雑記 新装版
    -
    十九年ともに暮らした愛猫の玉が死に、深沢七郎、大岡昇平ら友人たちを送った昭和最後の三年間。映画や食べ物、小旅行、富士山荘での暮らしなど、身辺のできごとや気持の照り降りを、簡潔で心に響く文章で綴った、著者最後のエッセイ集。 〈巻末エッセイ〉武田 花
  • ヒマラヤのドン・キホーテ ネパール人になった男 宮原巍の挑戦
    -
    ヒマラヤが秘境であった七〇年代初頭、世界最高所にホテルを建てた男・宮原巍。しかし彼を魅了したこの国は政治腐敗と環境破壊が進行していく。事態を憂えた宮原は、ネパール国籍を取得、自らの政党を設立し政治活動に身を投じる。挑戦と挫折を繰り返しヒマラヤのドン・キホーテと呼ばれる男の半生を、自らも登山家である著者が熱く綴った評伝。
  • 日美子の軽井沢幽霊邸の謎
    -
    津名村画伯夫人に別荘へ遊びにいらっしゃいと招かれた日美子と従姉妹の由佳は、親友を誘って軽井沢に出かける。近くに幽霊が出る邸があると聞き、早速探検に出かけたのだが、そのことが事件の幕をあけてしまう。不気味さ漂う邸の窓辺に浮かぶ、逆さづりの人間の正体とは?〈殺人なき殺人〉に著者が挑む傑作青春ミステリー。

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  • 日美子の少女まんが家殺人事件
    -
    人気少女漫画家・花扇美代子の周囲に怪事件が起こり、アシスタントの鈴代が日美子に助けを求めたが、花扇は何者かによって殺害されてしまう……。傑作ミステリー。

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  • 日美子の唱歌殺人
    3.0
    知人の父が誰かに尾行されてノイローゼ気味で困っている、との相談を受けた日美子。彼女のタロット占いの結果は凶で、果たして小学唱歌の名曲「夏は来ぬ」の歌詞をなぞるような連続殺人が発生する。

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  • 168時間の奇跡
    3.0
    沢口涼也はある出来事の贖罪のため、街金会社の支店長の職を捨て、5年前に保護犬施設「ワン子の園」の運営を始めた。今では4人のボランティア仲間と心と体に傷を負った犬たちを癒やし、里親が現れるのを待つ毎日だ。しかし涼也は犬の幸せを願うあまり里親希望者の見極めに慎重で、断ることもしばしばだった。そんなある日、恋人で動物愛護相談センターで働く華の元に、「犬を虐待し闇業者へ売りさばいているペットショップがある」という通報が。犬と人間の共生が抱える闇と希望を描く、心温まる長編小説
  • 百鬼園戦後日記I
    5.0
    『東京焼盡』の翌日、昭和二十年八月二十二日から二十一年十二月三十一日までを収録。掘立て小屋の暮しを飄然と綴る。〈巻末エッセイ〉谷中安規(全三巻)
  • 百鬼園戦後日記(全三巻合本)
    -
    『東京焼盡』の翌日、昭和二十年八月二十二日から二十四年十二月三十一日までを収録。掘立て小屋の暮しを飄然と綴る。〈巻末エッセイ〉谷中安規、高原四郎、平山三郎、中村武志。〈解説〉佐伯泰英。
  • 冷ややかな肌
    3.7
    十年の商社勤めの末、三十四歳にして「島流し」の憂き目にあった夏季は、出向先の若き取締役、渡辺真理の手腕に羨望と疑念を抱く。地味な外見、希薄な存在感に反して発揮される冷徹な決断力と異様な行動力。夏季は後輩とともに秘密を探り始めるが……女の闇を描く明野ワールドの集大成!

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  • 評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」
    3.3
    【目次】 まえがき プロローグ 第一章 ナンシー関の才能とその影響力 ・作家 宮部みゆきの場合 ・天性の観察眼と「規格外」という自意識 ・「後悔はしないのか」 ・テレビプロビューサー 土屋敏男の場合 ・視聴率とは別の、もう一つの指針 ・コラムニスト 小田嶋隆の場合 ・視聴者と同じ目線の高さ ・イラストレーター 山藤章二の場合 ・“自己批判"という新しいジャンル 第二章 <ナンシー関>が誕生するまで ・照れ屋のちょっと変わった女の子 ・「ホットドッグ・プレス」での初仕事 ・改行なしのコラム原稿 ・たけしの「オールナイトニッポン」の影響 ・マブダチとの出会い ・丁稚で勝負 ・消しゴムを彫って生きる覚悟 ・「ビックリハウス」に単身で売り込みに行く ・「ミュージック・マガジン」の表紙に抜擢 ・自分自身の物差し ・独自のスタイルが完成 第三章 青森での関直美 ・子どもころから「大人」 ・実家でのナンシー ・クラスの中の“最後の砦" ・マツコとの鼎談 ・高校受験に失敗 ・サブカルチャーに傾倒 ・「演歌はいいけど、精神的演歌は嫌だ」 ・はじめて消しゴムハンコを彫る ・投稿ハガキが読まれ、拍手喝采 第四章 旅するナンシー、歌うナンシー ・香港でパーマをかける ・ハンコとスタンプ台を持ち歩く ・台湾社員旅行の過酷すぎるスケジュール ・「今考えれば、いいこと浮かぶかも」 ・ナンシーのバンド時代 ・染之助・染太郎の前座でバンドデビュー ・なぜか「嫌いじゃなくなった」カラオケ ・サブカル好きなお相撲さんと出会う ・憧れのムーンライダーズに緊張 ・いくつもあったカラオケの十八番 ・免許持つ人、持たぬ人 ・箱根への日帰りドライブ 第五章 ナンシー関の全盛期 ・はじめての単行本 ・愛用の消しゴム ・「噂の真相」での連載開始 ・見えるものしか見ない「顔面至上主義」 ・日常生活では「人の顔など見ちゃいない」 ・永ちゃんのコンサートに「潜入」 ・「フォーエバー毒蝮」 ・「テレビには出ない」という決断 ・本領発揮のプロレス技 ・ページはじまって以来の抗議の投書 ・大月隆寛との対談「地獄で仏」 ・ナンシーの外見と文章 ・週刊誌コラム連載で全国区に ・テレビコラムを主戦場に定めて ・デープ・スペクターとの論争 ・松本の外したような笑いのセンス ・定点観測の視点 ・リリー・フランキーとの対談「小さなスナック」 ・ワンアンドオンリーの存在感 エピローグ あとがきにかえて <巻末インタビュー> マツコから見たナンシー 〈解説〉 ナンシー関と雑誌の時代 与那原恵
  • 漂泊 警視庁失踪課・高城賢吾
    3.5
    ビル火災のバックドラフトに巻き込まれ負傷した明神。鎮火後の現場からは、殺しの痕跡のある身元不明の二遺体が出た。犯人による隠蔽目的の放火だったのか。傷つけられた仲間のため、高城は被害者の身元を洗う決意をする。調査の中で、ひとりは捜索願の出されていた作家ではないかとわかり、事態は思わぬ方向に進んでいく。書き下ろし長篇第四弾

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  • 漂流物・武蔵丸
    4.0
    「あのな、ええことおせちゃる。」――鬼気迫る母親の一人語り「抜髪」、平林たい子賞、川端康成賞受賞の表題作二篇ほか、私小説の真髄を示す佳篇を精選。さらに講演「私の小説論」と随筆一篇を併録した直木賞作家の文庫オリジナル選集。 〈巻末エッセイ〉高橋順子 〈解説〉井口時男 ■目次 木枯し/抜髪/漂流物/変/武蔵丸/狂/「鹽壺の匙」補遺/直木賞受賞修羅日乗(随筆)/私の小説論(講演) 〈巻末エッセイ〉けったいな連れ合い(高橋順子) 〈解説〉井口時男
  • 昼も夜も彷徨え マイモニデス物語
    4.3
    1巻1,100円 (税込)
    イスラーム教徒とキリスト教徒が抗争する十二世紀の地中海。勢力を広げるムワッヒド朝が突きつけた「改宗か死か」。神を求める人間の葛藤、迷い、失望と愛憎。マイモニデスはスペインからエジプトへと異郷を放浪しながら、言葉の力で迫害に抵抗し、人々に生きる勇気を与える。史実に基づき、中世最大のユダヤ思想家の波乱の生涯を描く歴史物語。 序 章 第一章  背教者 第二章  書状の決闘 第三章  ミルトスの庭 第四章  フスタート炎上 第五章  死者の町 第六章  王者と賢者 終 章 あとがき/表記上の注記/引用出典/参考文献

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