中央公論新社作品一覧

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  • 小説を書くということ
    -
    フィクションとは、はじめ私が考えていたような、作者の勝手気ままによって、どのようにもなるというものではなく、むしろ、ある必然の動きをもって作者に迫ってくるものだ、ということができます。フィクションとは、全体の真実を、生きた形で表わすための、必要な新しいパースペクティヴなのです――作家志望者に向けた講座(「言葉の箱」)、フィクション論から自作歴史小説での史料活用法まで。貧血化し機能化する散文に対する、豊饒な文学世界の実現へと誘う創作講義。文庫オリジナル。 〈あとがき〉辻 佐保子〈解説〉中条省平 (目次より) 言葉の箱  Ⅰ 小説の魅力  Ⅱ 小説における言葉  Ⅲ 小説とは何か フィクションの必然性  「語り」と小説の間  小説家への道  小説家としての生き方 なぜ歴史を題材にするか  『春の戴冠』をめぐって  歴史小説を書く姿勢 『言葉の箱』あとがきほか  辻佐保子   あとがきにかえて――記憶と忘却のあいだに    文庫版へのあとがき  中条省平   解説
  • 正倉院のしごと 宝物を守り伝える舞台裏
    3.3
    奈良時代、光明皇后が聖武天皇遺愛の品々を東大寺大仏に献納したことに始まる正倉院宝物。落雷や台風、源平合戦や戦国時代の兵火、織田信長やGHQなど時の権力者による開扉要求といった、数多くの危機を乗り越えてきた。古墳など土中から出土したのではなく、人々の手で保管されてきた伝世品は世界的にも珍しい。千三百年にわたり宝物を守り伝えてきた正倉院の営みを、保存・修理・調査・模造・公開に分けて紹介する。
  • 正倉院 歴史と宝物
    3.0
    八世紀半ばに創建された正倉院は、当時の宝物を今に伝える世界でも稀有な存在である。聖武天皇ゆかりの品が目を惹くが、東大寺に関係する品や文書も多く含まれ、内容は多岐にわたる。宝物の献納や出用、御覧の記録をひもとけば、時の朝廷や権力者の姿が浮かび上がると同時に、いかに多くの人々が収蔵品の保存に力を尽くしてきたかがわかり、興味深い。一二〇〇年以上にわたって宝物を守り続ける正倉院の歴史をたどる。
  • 衝動買い日記
    3.7
    「えいっ!買った」。体脂肪計に腹筋マシーン、時計、財布、トランクス、猫の家からご存じ挿絵本まで全24アイテム、衝動的買い物の顛末日記。巻末に「衝動買い」結果報告を付す。
  • 昭南島に蘭ありや(上)
    4.7
    1~2巻817~880円 (税込)
    昭和十六年、シンガポールに在住する日本人に引き上げ命令が下りた。台湾生まれの客家の青年・梁光前は、その日から己の存在を問い続けることになる。中華の民か、大日本帝国の臣民か。どちらでもあり、どちらにもなれない己とは何か? ふとしたことから中華義勇軍に入ることとなった光前は……。
  • 小児がん チーム医療とトータル・ケア
    4.5
    小児がんは医学の進歩によって七〇~八〇パーセントの症例で治癒が見込めるようになった。しかし、三歳以上の子どもの死亡原因のなかでは、事故に次ぐ第二位の座をいまだに占めている。小児がんは大人のがんとどこが違うのか。どういった種類があるのか。そして、小児がんになった子どもに対して、まわりの大人はどのようにサポートすべきだろうか。症例コラムを交え、緩和ケアや家族への対応についても考察する。
  • 証人殲滅 オッドアイ
    -
    1巻2,200円 (税込)
    青森市内を震撼させる連続放火事件。 自衛官が立て続けに狙われたことから捜査に乗り出した朝倉たち「特別強行捜査局」は、謎の製薬会社に辿り着く。 彼らが抹消したい「証人」とは誰なのか? 特別強行捜査局VS闇の製薬会社!  自衛隊出身の最強捜査官・朝倉俊暉が活躍する人気シリーズ、第12弾!
  • 少年記
    4.3
    五銭で買った「レントゲン」、父から寄宿舎へ届く候文の手紙、教練でとった通信簿の「でんしんぼう」、匍匐練習中になくした万年筆、恩師と食べたまんじゅうの涙、若くして戦争で亡くなった友だちのこと――ものを書くようになってから五十年。その間、ずっと文章のなかで”私”を使わないよう心がけてきた著者が、思い出すまま綴った少年記。
  • 少年と空腹 貧乏食の自叙伝
    -
    日本中が貧乏だった著者の少年時代、空腹を抱えてさまざまな工夫を凝らし、何でもかんでも「食べ物」にした日々。おかしくせつなく懐かしい、美食の対極をゆく食味随筆の奇書。飽食の時代にこそ噛み締めたい、逆説に満ちた、食事風景の昭和史。『少年とグルメ』改題。
  • 少年は死になさい…美しく
    3.5
    妊娠中の妻と2歳の娘を少年たちに凌辱の末惨殺された恭介は、犯人の少年たちを切り刻み、それを撮影したDVDを犯人宅に送りつけた。しかしそれは復讐ではなかった。妻子の殺され方が美しくないことへの憤りだった。恭介にとって人間の死体は至福の「芸術品」であるべきなのだ。23年前、キスした姿の少年と少女の生首写真が被害者宅に届けられる事件があった。ご丁寧にもその写真には「ファースト・キス」というタイトルまで付けられていた。事件は迷宮入りし、警視庁の名倉警部は今でもその屈辱を胸に抱いているが、その犯人こそ当時中学生の恭介であった……。
  • 消費者と日本経済の歴史 高度成長から社会運動、推し活ブームまで
    4.0
    SDGs、応援消費、カスハラなど、消費者にまつわる用語に注目が集まっている。背景にはどのような潮流があるのか。本書は、一九六〇年代の消費革命から、平成バブル、長期経済停滞、現在までを、消費者を通して読み解く。生産性向上運動、ダイエー・松下戦争、堤清二とセゾングループのビジョン、セブン‐イレブンの衝撃、お客様相談室の誕生などを論じ、日本経済の歩みとともに変貌してきた消費者の姿と社会を描き出す。
  • 娼婦の本棚
    4.1
    【目次】 ●はじめに――時に夜があまりに暗く、字を照らす光がなくても 〈第1章 女は無意味に旅に出る〉 ●もしアリスが女の子ではなかったら  ――『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル/矢川澄子訳) ●女の子の殻をさらに包む強力な殻  ――『“少女神”第9号』(フランチェスカ・リア・ブロック/金原瑞人訳) ●娼婦になったり聖母になったりすればいい  ――『悲しみよ こんにちは』(サガン/河野万里子訳) ●女子高生にある個室の自由  ――『いつだってティータイム』(鈴木いづみ) 〈第2章 セックスなんかで分かるもの〉 ●資本主義と愛と整合性のないカラダ  ――『pink』(岡崎京子) ●たかが一度や二度のセックス  ――『性的唯幻論序説 改訂版 「やられる」セックスはもういらない』(岸田秀) ●されどセックスが解放する時間  ――『蝶々の纏足』(山田詠美) 〈第3章 女ではない奇怪な生き物〉 ●買う男の論理があるのだとして  ――『わが悲しき娼婦たちの思い出』(ガルシア= マルケス/木村榮一訳) ●基本的には他人事でしかない男の青春  ――『大胯びらき』(ジャン・コクトー/澁澤龍彥訳) ●お金を介した男女の滑稽な話  ――『遊女の対話』(ルーキアーノス/高津春繁訳) 〈第4章 信じられる神がいなくとも〉 ●ありえないほど汚れた場所の、ありえないほど高貴な信仰  ――『ぼくんち』(西原理恵子) ●夜のオカネと昼のオカネ  ――『大貧帳』(內田百閒) ●この世で最も不公平な関係  ――『シズコさん』(佐野洋子) 〈第5章 言葉を身体に貼り付けて〉 ●夜が過ぎても生き残る可能性があるなら  ――『夜になっても遊びつづけろ』(金井美恵子) ●若い女の心はそう整うものじゃない  ――『私家版 日本語文法』(井上ひさし) ●一〇〇年越しの女の味付け  ――『モダンガール論』(斎藤美奈子) ●それでもピンヒールは正義  ――『ちぐはぐな身体 ファッションって何?』(鷲田清一) 〈第6章 荒唐無稽な夜を生き抜く〉 ●無敵だったココロと冷めた見解  ――『桃尻娘』(橋本治) ●若さも九〇年代も空っぽだったと皆言うけれど  ――『モモ』(ミヒャエル・エンデ/大島かおり訳) ●半分腐った世界でナウシカになれるわけもなく  ――『風の谷のナウシカ』(宮崎駿) ●おわりに――それでも「絶望的に期待する」
  • 勝負師 将棋・囲碁作品集
    -
    木村義雄、升田幸三、大山康晴、呉清源……。盤上の戦いに賭けた男たちの対局に、安吾は何を見たのか。表題作ほか小説、観戦記、エッセイ、座談まで初集成する。文庫オリジナル。 〈巻末エッセイ〉沢木耕太郎「私だけの教科書」 〈解説〉西上心太 【目次】  Ⅰ 散る日本/勝負師/九段/名人戦を観て/坂口流の将棋観/観戦記/将棋の鬼  Ⅱ 囲碁修業/負け碁の算術/文人囲碁会/本因坊・呉清源十番碁観戦記/呉清源論/私の碁/碁にも名人戦をつくれ 座談会二編 囲碁・人生・神様/呉・藤沢十番碁を語る
  • 消滅世界 上
    3.7
    長野の山奥で起こった住民消失事件。それを解決するため派遣された陸上自衛隊特殊部隊サイレント・コアの土門康平一佐は、その現場でひとりの少女を保護する。彼女の体内には見たこともないメモリ機器が埋め込まれており、そこには動画データが――この世界にはもういない人物から、司馬と姜を名指しして「自分たちを助けてほしい。われわれが全滅したら、この被害は拡大するだろう」というメッセージが記憶されていた。検証を重ねた結果、土門は最強コマンド・司馬は残し、原田&姜小隊を連れ、《彼》の救出を決意するが……。
  • 消滅 VANISHING POINT
    4.0
    202x年9月30日の午後。日本の某空港に各国からの便が到着した。超巨大台風の接近もあり離着陸は混乱、さらには通信障害が発生し、あらゆる端末上での通信が不可能になった。そして入国審査で止められた11人が、「別室」に連行される。この中に、「消滅」というコードネームのテロを起こすテロリストがいるというのだ。世間から孤絶した大空港内で、緊迫の「テロリスト探し」が始まる!
  • 醤油・味噌・酢はすごい 三大発酵調味料と日本人
    3.9
    料理の素材を引き立て、味付けの決め手となる調味料。古くから用いられてきた発酵調味料の醤油・味噌・酢は、日本の食卓に欠かせないばかりか、海外での需要も年々高まっている。本書は、発酵学の第一人者がこれら三大調味料の製造工程や成分をわかりやすく解説。我が国の食文化に根ざした歴史や魅力を述べる。さらには、近年の科学的知見をふまえ、血圧上昇や肥満の抑制、発ガン予防などの驚くべき効能も紹介する。
  • 省略の詩学 俳句のかたち
    -
    世界でいちばん短い詩――俳句。日本独特の短詩型文学における、主として切字の考察を通して日本語の豊かさを実証し、「省略の詩学」としての魅力をも解明する日本語論の先駆的名著。
  • 高座のホームズみたび 昭和稲荷町らくご探偵
    4.0
    真打ち昇進を目前に控えた二つ目・佃家花蔵が、高座で「犬の目」を口演中に、酔客に左眼を殴打され殴打され、廃業の危機に。佃家傳朝と梅蔵は長年の不仲を改め、弟弟子を援助することを誓うが、その直後、夜道で傳朝が命を狙われる。相次ぐ噺家受難の陰には思いもよらぬ真実が……。名探偵・八代目林家正蔵の推理がまたもや冴え渡る、痛快落語ミステリー第三弾! 文庫書き下ろし。
  • 昭和歌謡史 古賀政男、東海林太郎から、美空ひばり、中森明菜まで
    4.0
    日本人の心を躍らせ、泣かせてきた昭和の歌謡曲。その礎は中山晋平、西條八十が築き、三大作曲家の古賀政男、古関裕而、服部良一によって確立する。時代は戦争、敗戦と復興、高度成長へと進み、視聴手段もレコード、ラジオからテレビへと変化する。本書は作詞家、作曲家、歌手らが残した膨大な史料を用いて実証的に考察。数々の名曲が生まれた背景とその特徴を炙り出す。人はなぜ昭和歌謡に魅了されるのか。
  • 昭和歳時記
    -
    戦前・戦中の東京下町を、昭和2年生まれの著者が体験を通して振り返る。 綿密な考証と巧みな描写にもとづく歴史小説・ノンフィクションに定評のある著者による、昭和事物回顧。 「歴史」「昭和史」という括りからは見落とされた、庶民の暮らし・風俗、東京下町の情景が、生き生きと甦る。 単なるノスタルジーではない、冷静な視線で、自らの記憶を掘り起こす。 「『古き良き』とは浅薄な過去を美化する言葉でしかない。決して『良き』ばかりとは言えず、簡単にそんなことを口にしてもらいたくはないのだ」(本文より) 【本書に出てくる事物】 物干台/毛糸/焼芋屋/羅宇屋/お化け煙突/自転車泥棒/電柱掘り/焼け金庫屋/ソフト帽/下駄・雪駄/銀流し/朴歯の高下駄/ハダシ足袋/ソロバン/エジソン・バンド/大学芋/電球/提灯/リヤカー/山手線/地下鉄/汽車/チッキ/花柳病/肺病/肝油/脚気/浣腸/ヒマシ油/蚊帳/火の見櫓/湯タンポ/長火鉢/焚火/映画館/ポスター貼り/ラジオ体操/仏法僧/ベルリン・オリンピック/二・二六事件/喫茶店/お定事件/浪曲・講談/徳川夢声/玉音放送/ラジオ/ツェッペリン号/説教強盗/下駄スケート/大八車/オート三輪/木炭自動車/輪タク/都電・市電/谷中墓地の桜/アメ横のサクラ/井の頭のひき蛙/食用蛙/夏服/カンカン帽/パナマ帽/アッパッパー/南京虫/蚤/虱/DDT/銭湯/行水/朝顔/石榴/金魚/山の湯宿/赤トンボ/柿木金助/B29/夜の闇/双葉山/男女ノ川/夜行列車/蒸気機関車/煤煙 〈解説〉森まゆみ
  • 昭和式もめない会話帖
    3.7
    小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男などの昭和映画には、人の心を丸くする、技ありフレーズがいっぱい。泥酔した人に優しく「お元気が過ぎましたのね」、財布を取り出す後輩を制して粋に「ほんの少しだから恥かかすんじゃないよ」……。仕事、恋愛、冠婚葬祭に、たった今から使いたいニクイ大人の会話帖。『昭和ことば辞典』を改題し再編集。
  • 昭和史再掘 〈昭和人〉の系譜を探る15の鍵
    3.0
    「GHQが演出した熊沢天皇」、「中野正剛はなぜ自殺に追いこまれたか」、「挫折した日本の原爆製造計画」など歴史の闇に消えた史実を掘り起こし検証する。著者の昭和史観がうかがえる一冊。
  • 昭和史の天皇 1 空襲と特攻隊
    4.0
    最初の神風特別攻撃隊の戦果に対する「陛下のお言葉」は「そのようにまでせねばならなかったか、しかしよくやった」だった……。 延べ一万人・六千時間に及ぶ証言を元に昭和二十年元旦から終戦に至る時代を再現。第一巻は、特攻隊、和平工作開始、東京大空襲を取り上げる。〈解説〉戸部良一
  • 昭和 絶滅危惧職業の人々
    NEW
    -
    飴細工師・俗曲師・銭湯絵師・幇間・見世物師・イタコ・蝋人形師・チンドン屋。 時代の流れとともに「職業」も変遷と興亡を繰り返してきた。昭和から平成、そして令和へと移ろうなかで、今や風前の灯となった職業もある。そんな消えつつある職業とそれに従事する人々(職人たち)。今に至るまで生き延びてきた理由、それでも続ける意味はどこにあるのか。 絶滅寸前の職業に携わる人に取材し、生きること、働くこと、職業観を問うルポルタージュ。昭和100年、戦後80年の機会に、あらためて、これらの職業(人)の記録をとどめておきたい。 本書は、『職業外伝』(正続)から、8の職業(人)を選り抜き、後日談、追加取材を盛り込んで再編集したものです。
  • 昭和天皇(上)
    4.3
    戦前は「立憲君主」、戦後は「象徴天皇」として一貫した行動を取り続けた昭和天皇。その足跡を丹念に辿りつつ、「昭和の意味」を浮き彫りにし、日本という国、天皇という存在の全体的意義を改めて問い直す。昭和史研究の第一人者による労作。
  • 昭和天皇(上下合本)
    -
    戦前は「立憲君主」、戦後は「象徴天皇」として一貫した行動を取り続けた昭和天皇。御製、会見、側近の証言など多岐にわたる貴重な資料をもとに、その八十七年の生涯を辿りながら、「昭和の意味」を浮き彫りにし、日本という国、天皇という存在の全体的意義を改めて問い直す。昭和史研究の第一人者による労作。 目次 プロローグ 崩御のとき――昭和六十四年一月 Ⅰ 帝王教育とヨーロッパ外遊 Ⅱ 軍部暴走の時代 Ⅲ 日米戦争突入へ Ⅳ 終戦、国民とともに Ⅴ 皇太子結婚と経済成長 Ⅵ ヨーロッパ再訪とアメリカ訪問 Ⅶ 天皇と経済大国日本 Ⅷ 寡黙な当事者 エピローグ 平成時代の幕開け  主要参考文献  関連年表 補章一 歴史になっていく「昭和天皇」 補章二 昭和天皇の秘められし「言語空間」  あとがき  文庫版あとがき
  • 昭和天皇の敗北 日本国憲法第一条をめぐる闘い
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    昭和天皇が「象徴」を受け入れたという「聖断」は存在するのか――。 日本国憲法の基本原理の一つである国民主権の成立過程を追うなかで発見された資料には、昭和天皇のそれとは逆の真意が示されていた。 「聖断」の唯一の証言者・幣原喜重郎はなぜ昭和天皇の真意を隠したのか。 本書は、昭和天皇が主権を失うまでの経緯を検証し、戦後という時代の始まりと終わりを再考するものである。
  • 昭和動乱の真相
    -
    警視庁初代特高部長であり、終戦内閣の内務大臣を務めた著者が、警察官僚だからこそ知り得た情報をもとに、五・一五事件、血盟団事件、共産党リンチ事件、二・二六事件などのテロ事件や、満州事変、盧溝橋事件、そして対米開戦などの軍事と、揺れ動く「昭和」の裏面を語る。 〈解説〉黒澤 良
  • 昭和23年冬の暗号
    4.0
    昭和二十三年十二月二十三日、東條英機をはじめA級戦犯が処刑された。なぜ皇太子明仁の誕生日、のちの「天皇誕生日」が選ばれたのか。そこにアメリカが仕掛けた「暗号」から敗戦国日本の真実を解き明かす、『昭和16年夏の敗戦』完結篇。 再刊にあたり書き下ろし論考「予測できない未来に対処するために」を収録。 〈解説〉梯久美子 (『ジミーの誕生日』『東條英機 処刑の日』改題)
  • 昭和二年生まれの流儀
    5.0
    1巻1,650円 (税込)
    昭和二年生まれは、少年時代を戦争の中で過ごし、青年時代の入口で敗戦を迎えた――。昭和三十年代にデビュー、ともに自分の道を見つけ書き続けてきた城山三郎と吉村昭。気心の知れた二人が、戦争観から酒飲みの流儀まで心おきなく語り合う全対話四篇と、関連作品を一冊に収める。 【目次】 昭和二年生れの眼差し   吉村昭  Ⅰ あの戦争とこの半世紀の日本人  対談:城山三郎×吉村昭 語りつぐべきもの        対談:城山三郎×吉村昭 ぼくの流儀・きみの流儀     対談:城山三郎×吉村昭 私たちが生きた時代       座談:城山三郎×吉村昭×佐野洋  Ⅱ 名門・背広・軍服     城山三郎 昭和・戦争・人間     吉村昭 昭和二年生まれの戦友へ  城山三郎
  • 「昭和の遺構」 モダニズムホテルを訪ねて
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 国立西洋美術館の世界遺産登録をきっかけに、ますます注目を浴びるモダニズム建築。しかし、一方で老朽化のため取り壊される建物も多い。吉村順三設計の箱根ホテル小涌園も2018年1月10日での営業終了が発表された。しかし、同じ箱根にあり、唐破風の玄関を持つ本館が有名な富士屋ホテルにもモダニズム建築の建物があることはあまり知られていなかった。『箱根富士屋ホテル物語』の著者が、その富士屋ホテル・フォレスト館の謎を解き明かす。
  • 昭和の遺書
    -
    「遺書」は個人が時代に記す小さな刻印──。 芥川龍之介、太宰治、山本五十六、円谷幸吉、三島由紀夫、石原裕次郎、美空ひばり、昭和天皇といった著名人から特攻兵、戦没学徒など市井の人まで、人物ノンフィクションの名手が昭和の歴史を遺書でたどる。 平成期の遺書を扱った補章を増補した完全版。〈解説〉保阪正康 〈目次〉 中公文庫版まえがき  第一章 テロと不安と憤怒と〈昭和初年~開戦まで〉 芥川龍之介、磯部浅一、北一輝、西田税、小林多喜二の母・セキほか 第二章 前線に散った人々 〈開戦~昭和20年8月〉 特攻の父・大西瀧治郎、戦没学徒・林尹夫、詩人・竹内浩三、山下奉文、山本五十六、今村均ほか 第三章 敗れた国に殉じて〈敗戦前後〉 阿南惟幾、杉山元、東條英機、近衛文麿、甘粕正彦、川島芳子ほか 第四章 戦後の混乱のなかで 〈昭和20年代〉 広田弘毅、山崎晃嗣、太宰治、秩父宮雍仁ほか 第五章 政治の季節と高度成長〈昭和30~40年代〉 樺美智子、山口二矢、円谷幸吉、三島由紀夫、連合赤軍・森恒夫、小泉信三、沢田教一 ほか 第六章 大いなる終焉へ〈昭和50~60年代〉 井上成美、日商岩井常務、日航機墜落事故被害者、石原裕次郎、美空ひばり、昭和天皇ほか 補論 平成の遺書を読む
  • 昭和の戦争、指導者の失敗
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●満洲事変、三国同盟、対米開戦…… 破局は避けられなかったのか 波多野澄雄×牧野邦昭×佐々木雄一 ●東條英機と陸軍 既存制度に縛られた「軍事官僚」の限界 戸部良一 ●五つの局面で読み解く 大局的視座を持たなかった海軍 手嶋泰伸 ●日中戦争はなぜ泥沼化したか 意思不統一の果てに覚悟なく決まった長期戦 岩谷 將 ●東條、近衛は指導者ではない 山本五十六が演出した対米開戦 相澤 淳 ●玉音放送後も続いた戦い 日ソ戦争と認知バイアス 麻田雅文 ●中野正剛、石橋湛山、三木武吉…… 評伝で知る言論人の翼賛と抵抗 小宮一夫 ●チャーチルに学ぶ 政治指導と軍事指導は車の両輪 細谷雄一
  • 昭和の戦争、令和の視点
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●〔対談〕理念・民衆・メディア── 歴史研究から戦争を問い続ける意味 戸部良一×小山俊樹 ●満洲事変――1931年 国民と軍部を結びつけた起点 加藤聖文 ●盧溝橋事件――1937年 相互不信から生み出された泥沼への道 岩谷 將 ●第二次上海事変――1937年 全面戦争への転換点 庄司潤一郎 ●ノモンハン事件――1939年 日ソ衝突から学ぶ現代史的意義 花田智之 ●大東亜戦争―― ~1945年 「先の戦争」をどう伝えるか 波多野澄雄
  • 昭和の戦争を読み解く 戦争観なき平和論
    5.0
    20世紀は昭和の時代であった。戦後に刻印された我々の記憶は本当に正しい20世紀像を結んでいるのであろうか。昭和史研究の第一人者である著者が、昭和の戦争、エポックメイキングな事件を再検証し、昭和という時代と昭和を生きた日本人の実像を、独自の視点から読み解く。
  • 昭和の名短篇 戦前篇
    4.0
    激動の昭和・戦前戦中期、作家たちはみずからの限界点を見つめながら、文学を愛する人たちの期待に応えようとした。そこから忘れがたい多くの名編が生まれた――。芥川龍之介から中島敦、織田作之助まで現代詩作家・荒川洋治が厳選した全十三篇を発表年代順に収録。解説では昭和の名長篇も紹介する。文庫オリジナル。〈編集・解説〉荒川洋治 【目次】 玄鶴山房/芥川龍之介 冬の日/梶井基次郎 橇/黒島伝治 風琴と魚の町/林芙美子 和解/徳田秋声 一昔/木山捷平 あにいもうと/室生犀星 馬喰の果て/伊藤整 満願/太宰治 久助君の話/新美南吉 コブタンネ/金史良 名人伝/中島敦 木の都/織田作之助
  • 昭和文芸史
    4.0
    大正五年の創刊以来、世に女性の多様な生き方を提示してきた『婦人公論』。同時に、その文芸欄は人気作家の競演の場となり、数々の代表作が生み出された。激動の時代をくぐり抜けた誌面から、二三人の作家と作品を通して、昭和文芸の豊穣を味わう。『「婦人公論」にみる昭和文芸史』を改題。
  • 昭和40年代ファン手帳
    3.3
    高度経済成長まっただ中の昭和40年代は、日本人の生活が大きく変わり、エレキブーム、フーテン族、ラジオの深夜放送など若者発の文化も数多く生まれた。ビートルズ来日、駅弁大会、ツチノコ騒動など各年の世相を代表する出来事を、著者自身の小学~高校時代の経験・日記とからめて紹介し、激動の10年間をコラムで振り返る。巻末に自民党幹事長・石破茂氏と著者との高校同級生対談を収録。
  • 諸葛孔明(上)
    4.0
    後漢衰微後の群雄争覇の乱世に一人の青年が時を待っていた……。透徹した史眼、雄渾の筆致が捉えた孔明の新しい魅力と「三国志」の壮大な世界。史料の徹底的な吟味によってよみがえる孔明の「志」! 後漢の光和四年(一八一)、琅邪の諸葛家に次男が誕生した。名は亮。四歳のとき、黄巾の乱が起こった。宦官と士大夫が抗争を繰り返した後漢王朝は衰微し、中国は未曾有の動乱期に入ったのである。父を亡くした孔明は叔父にひきとられ、襄陽で青年期を迎えた。覇を競いあった群雄の多くは滅び、袁紹を破った曹操が北方の大勢力となった。万民の幸福を希求し、天下の形成を冷静に分析する「臥竜」孔明の草廬を、荊州の劉表に身を寄せる劉備が訪れる……。透徹した史眼、雄渾の筆致がとらえた諸葛孔明の新しい魅力と壮大な「三国志」の世界。
  • 諸葛孔明(上下合本)
    -
    名作一気読み。史料の徹底的な吟味によってよみがえる孔明の「志」! 後漢の光和四年(一八一)、琅邪の諸葛家に次男が誕生した。名は亮。四歳のとき、黄巾の乱が起こった。宦官と士大夫が抗争を繰り返した後漢王朝は衰微し、中国は未曾有の動乱期に入ったのである。父を亡くした孔明は叔父にひきとられ、襄陽で青年期を迎えた。覇を競いあった群雄の多くは滅び、袁紹を破った曹操が北方の大勢力となった。万民の幸福を希求し、天下の形成を冷静に分析する「臥竜」孔明の草廬を、荊州の劉表に身を寄せる劉備が訪れる……。透徹した史眼、雄渾の筆致がとらえた諸葛孔明の新しい魅力と壮大な「三国志」の世界。
  • 初期万葉論・後期万葉論 合本
    -
    『初期万葉論』 万葉集の「見る」という語は、自然に対して交渉し、霊的な機能を呼び起こす語であった。人麻呂の解析を中心に、呪歌としての万葉歌、秘儀の方法としての歌の位置づけを明らかにする。 人麻呂の挽歌を中心に古代日本人のものの見方、神への祈りが鮮やかに描かれる、それまでの通説を一新した、碩学の独創的万葉論。 『後期万葉論』 中国の文学や思想の影響が強まった万葉後期、変容する古代国家が残した歌は、その時代の心のありようを伝える。旅人・憶良・家持の分析を中心に、七夕などこの時期からの風習や言葉についても明らかにする。 『初期万葉論』に続く、独創的万葉論。人麻呂以降の万葉歌の精神の軌跡を描き、文学の動的な展開を浮かび上がらせる。
  • 職業としてのアキバ・メイド
    3.5
    知りたい? 知りたくない?ほんとうの素顔。元メイドがお店の舞台裏や、「ご主人様」の実態を衝撃レポート! 老人から「男の娘」まで、あらゆる職種・性癖が集う秋葉原には、危険も少なくない。この街で繰り広げられる過酷な生き残り競争から、リフレ、JKビジネスなど次々生まれる新業態。過激化する「裏オプション」。セクハラ、ストーカー被害と背中合わせでも、「癒し」を与え続ける彼女たちは何を思うのか。
  • 贖罪のヨーロッパ 中世修道院の祈りと書物
    4.0
    中世の西ヨーロッパでは、禁欲の達成のために自らの欲望のありかを特定し、意識的に摘出する思想が生まれた。この贖罪の制度化は、社会に大きな影響を与えるとともに、修道院の生活を厳しく規定していく。絶え間ない祈りと労働のなかからは、さまざまな書体や華麗な写本も生み出された。本書は、6~12世紀までのアイルランドやフランスの社会を、修道院の制度、王侯との関係、経済、芸術等から読み解くものである。
  • 食卓のつぶやき
    3.6
    ほんとうにうまい大根は、 「ほんとうに、うまいねえ」  むかし、三井老人が、よくいっていたものだ。(本文より) 四季折々の味を慈しみ、土地土地の食を堪能する、たべものエッセイの神髄。 幼き日の海苔弁当の思い出から時代劇の食べもの、卵のスケッチ、そして大根の滋味に目覚めるまで。あるいは東京下町から奥多摩、仙台、湯布院、さらにフランス、スペイン、インドネシアまで――。古今東西の味と人をめぐるおいしい話の数々を、時代小説の大家にして食エッセイの達人が味わい深く描く。 〈巻末対談〉荻昌弘×池波正太郎「すきやき」
  • 食道楽
    4.3
    和洋中、四季折々、多種多様の料理をレシピと共に味わうグルメ小説の元祖。明治期空前のベストセラーを読みやすくコンパクトな現代語抄訳で初めて文庫化。 美味しくてやめられない、これぞグルメ小説の元祖―― 若き大食漢・大原と、料理に凄腕を発揮する妙齢のお登和のラブロマンスとともに、 和洋中、四季折々、膨大な数の各種料理の調理法を蘊蓄たっぷりに紹介。 前代未聞のその手法と、滑稽味あふれるストーリーで絶大な人気を博した本書は、実用性を貴び家庭料理の近代化を説く、先見的な食の啓蒙書でもあった。 食材、調理器具、栄養学、衛生にまで及ぶ圧倒的な情報量から、 嫁入り道具としても重宝されたという明治期空前のベストセラーを、 読みやすくコンパクトな現代語抄訳で初めて文庫化
  • 職人
    -
    草創期の建築界と、いまは滅びた明治の職人の世界を、江戸前の歯切れのよい文章で描いた好随筆。日本エッセイスト・クラブ賞受賞。〈解説〉山本夏彦
  • 食の実験場アメリカ ファーストフード帝国のゆくえ
    3.8
    先住インディアン、黒人奴隷、各国の移民らの食文化が融合したアメリカの食。そこからバーベキュー、フライドチキン、ハンバーガーなど独自の食文化が形成されたが、画一化されたファーストフードや肥満という問題をも引き起こした。そしていまアメリカではスシロールをはじめとする、ヘルシーとエスニックを掛け合わせた潮流が生まれ、食を基点に農業や地域社会の姿が変わろうとしている。食から読む移民大国の歴史と現在。
  • 食の人類史 ユーラシアの狩猟・採集、農耕、遊牧
    3.4
    人は食べなければ生きていくことはできない。人類の歴史は、糖質とタンパク質のセットをどうやって確保するかという闘いだった。今では、西洋では「小麦とミルク」、東洋では「コメと魚」のセットとして摂取されることが多いが、山菜を多食し、採集文化が色濃く残る日本のように、食の営みは多様である。本書は、ユーラシア全土で繰り広げられてきた、さまざまな生業の変遷と集団間の駆け引きを巨細に解読する。
  • 食は広州に在り 改版
    3.8
    美食の精華は中国料理、そのメッカは広州である。広州美人を娶り、白亜の洋館に在って、時に自ら包丁を手にとる著者が蘊蓄を傾けて語る、中国的美味求真の世界。一読、その美酒佳肴に酔う――。
  • 職場のハラスメント なぜ起こり、どう対処すべきか
    3.7
    職場にはパワハラ、モラハラ、セクハラなど数々の嫌がらせ行為があり、多くの被害者を生み続けている。しかし日本では、社会的なルール不足により被害者の救済もままならず、基本的な統計も整っていないため実態把握すら難しい。ハラスメント規制の先進地域であるEU諸国の法整備に通じ、民間団体で相談活動に関わる著者が、日本での概況を解説。参考となる判例や法律の根拠、海外での事例などを紹介し、対策を提言する。
  • 植物のいのち からだを守り、子孫につなぐ驚きのしくみ
    5.0
    森の中で巨樹を伐る。轟音を立てて倒れ、生命が絶たれたように見える。だがしばらくすると切り株から小さな芽が生まれてくる。死んだと思った木は生きていたのだろうか? 植物の「いのち」は、わたしたち動物とはずいぶん違って見える。動かず、しゃべらず、食べない。一方で、栄養を自分で作る、体の一部が失われても復活するなど、動物には真似できない能力も持つ。ユニークな「いのち」の形と仕組みをやさしく解説。
  • 植物のひみつ 身近なみどりの“すごい”能力
    4.5
    なぜウメはサクラより早く開花するのか、タンポポの茎はどうして空洞なのか、イネの根が水に浸かっても生きていられるのはなぜか、緑色のアジサイの花を見かけたら何に注意すればよいのか、ヒマワリはどこまで背が伸びるか、ジャガイモの食べる部分は根か茎か、バナナの皮は滑りやすいというのは本当か……。学校や家庭でよく目にする植物10種の〈ひみつ〉を紹介し、身近な植物たちに秘められた驚きの能力を解説する。
  • 植物はすごい 生き残りをかけたしくみと工夫
    3.9
    身近な植物にも不思議がいっぱい! アジサイやキョウチクトウ、アサガオなど毒をもつ意外な植物たち、長い年月をかけて巨木を枯らすシメコロシノキ、かさぶたをつくって身を守るバナナ、根も葉もないネナシカズラなど、植物のもつさまざまなパワーを紹介。動物たちには真似できない植物のすごさを、「渋みと辛みでからだを守る」「食べられる植物も毒をもつ」「なぜ、花々は美しく装うのか」などのテーマで、やさしく解説。
  • 植物はすごい 七不思議篇 知ってびっくり、緑の秘密
    4.1
    アサガオの花はなぜ夕方になると赤紫になるの? どうしてゴーヤの実は熟すと爆発するの? トマトのタネはなぜぬるぬるに包まれているの? トウモロコシの黄色い粒と白い粒の比率が3対1って本当? イチゴの種はどこにあるの? チューリップの花はなぜだんだん大きくなるの? ソメイヨシノはなぜ暖かい九州よりも寒い東京で先に咲くの? 7つの身近な植物に秘められた「すごさ」から学ぶ、生き方の工夫と知恵。
  • 触法精神障害者 医療観察法をめぐって
    3.7
    2001年の池田小事件をきっかけに、05年に施行された「医療観察法」。この法律では、殺人、傷害、放火、強盗、強制性交、強制わいせつを行い、刑法第三九条の規定によって、心神喪失者または心神耗弱者とされ、無罪、あるいは執行猶予、不起訴、起訴猶予になった人を、「加害者」という代わりに「対象者」とする。対象者は精神科病院での鑑定入院を経て、地方裁判所で医療観察法の処遇を受けるかどうかの審判を受ける。医療観察法が適用されるとなった場合、医療観察法病棟のような指定入院医療機関への入院か、指定通院医療機関への通院が決定する。 全国に35施設ある医療観察法病棟では、どのような治療が行われているのか? 対象者はどのような過程を経て、社会に復帰するのか? 病棟内を取材し、現場で働く医療者、退院者、被害者遺族、法律に反対する人など、さまざまな立場の人を訪ね、制度のあるべき姿を考えるルポルタージュ。 【目次より】 第一章 「対象者」 第二章 医療観察法病棟 第三章 医療観察法の誕生 第四章 医療観察法病棟の内側から 第五章 医療観察法病棟立ち上げのエキスパート 第六章 医療観察法に異を唱える人たち 第七章 元対象者が感じる負の刻印 第八章 医療観察法反対運動の源流としての社会運動 第九章 被害者の悲痛な思い 第十章 医療観察法と社会復帰
  • 曙光の誓い
    3.7
    闇。疾走する馬。夜の草原。なんでこんなことになったんだろう? 覚えているのは紅蓮の炎。燃え落ちるゲル。銃声。争う声。父の胸の黒いしみ。馬の背に必死に掴まり駆け抜けた。この後のことは、わからない。でも約束した。だから、行かなくちゃ。――明日へ。少年の冒険が始まる。
  • 諸国畸人伝
    -
    都々一の始祖都々一坊扇歌、松江の指物師小林如泥、北越雪譜の著者鈴木牧之など近世に生きた畸人を取りあげ、その生涯を描く。〈解説〉中村幸彦
  • 諸子百家 儒家・墨家・道家・法家・兵家
    3.9
    春秋戦国時代、諸国をめぐって自らの主張を説いた思想家たち。彼らの思想は、その後の中国社会の根幹を形づくったのみならず、日本をはじめ東アジアにおいても大きな影響力を持った。一九九〇年代には大量の古代文献が発掘され、これまで謎とされてきた事柄も解き明かされつつある。新知見をふまえ、儒家(孔子・孟子)、墨家(墨子)、道家(老子・荘子)、法家(韓非子)、兵家(孫子)などの思想と成立の過程を平易に解説する。
  • 処女懐胎 描かれた「奇跡」と「聖家族」
    4.4
    処女にしてキリストを宿したとされるマリア。処女懐胎はキリスト教の中心に横たわる奇跡であり、夥しい図像を生み出してきた。「無原罪」の「~がない」という否定形の図像化一つとってみても、西洋絵画に与えたインスピレーションは巨大である。また、「養父」ヨセフや、「マリアの母」アンナはどのように描かれてきたのか。キリスト教が培ってきた柔軟な発想と表象を、キリストの「家族」の運命の変転を辿りつつ描き出す。
  • 書とはどういう芸術か 増補版 筆蝕の美学
    3.0
    書は紙と筆と墨の芸術である。墨跡には深度・速度・角度と力が秘められている。 書の美は草書体に萌芽し、楷書体とその基本運筆「三折法」の成立により完成したが、そこには石と紙の争闘史があった。 筆と紙の接点に生じる力(筆蝕)こそ書の美の核心で、文字でなく言葉を書くところに書の価値はある。 甲骨文から前衛書道までを読み解き、書の表現を歴史的、構造的に解明したロングセラーに、新章「現代の作家の書」を収録。 ■本書の目次 増補版発刊にあたって はじめに 序章 書はどのようなものと考えられてきたか 「書は美術ならず」論争/「書は文字の美的工夫」/「書は文字の美術」/「書は線の美」/「書は人なり」/その他の書論/従来の書論を超えて/書は筆跡、書字跡である/書は肉筆である 第一章 書は筆蝕の芸術である―書の美はどのような構造で成立するか 肉筆と筆蝕/筆蝕とは何か/書は「深度」の芸術である/書は「速度」の芸術である/書は「角度」の芸術である/深度と速度と角度のからみ合い/書は「力」の芸術である/構成 第二章 書は紙・筆・墨の芸術である―書の美の価値はなぜ生じるのか 紙・筆・墨の前史/抽象的表現空間、「白紙」の発見/抽象的刻具、毛筆の発見/楷書体の成立/抽象的刻り跡、墨の発見/紙が石に勝利する条件/草書体、行書体、楷書体/三折法の逆襲/つながる草書、狂草/顔真卿「顔勤礼碑」の意味/黄庭堅「李太白憶旧遊詩巻」の 革命/書の芸術性の根拠 第三章 書は言葉の芸術である―書は何を表現するのか 書は漢字文明圏の芸術である/日本の書と中国の書/日本の書と背景/書は文学である 第四章 書は現在の芸術でありうるだろうか―書の再生について 書の近代/現代の書/近代詩文書/伝統書道の変貌/素人の書/書の再生 第五章 現代の作家の書 戦後の書の語られ方/作家たちの書をどう見るか/岡本かの子の書/川端康成の書/松本清張の書/三島由紀夫の書/中上健次の書 あとがき 増補版あとがき 図版出典
  • ショパン・コンクール 最高峰の舞台を読み解く
    3.8
    ポーランドのワルシャワで五年に一度開催されるショパン・コンクール。一九二七年の創設以来、紆余曲折を経ながらも多くのスターを生み出してきた。ピアニストをめざす若者の憧れの舞台であり、その結果は人生を大きく左右する。本書では、その歴史を俯瞰しつつ、二〇一五年大会の模様を現地からレポート。客観的な審査基準がない芸術をどう評価するか、日本人優勝者は現れるのか。コンクールを通して音楽界の未来を占う。
  • 初歩からのシャーロック・ホームズ
    3.7
    1887年、『緋色の研究』にて世に登場して以来、シャーロック・ホームズは、小説、コミック、映像、ゲームなどメディアの変遷に乗り、名探偵として世界中で親しまれてきました。国と世代を越えて、どうしてこれほど人気を保ち続けているのでしょうか? 本書は、日本屈指の研究家がそんなホームズの謎に迫り、魅力を初歩から解説します。マニアも楽しめる読み所とエピソードが満載、資料も入った永久保存版です。これから読む人には最高の入り口となり、正典60篇を読み終えた人にはその後の指針たらんことを!
  • 庶民烈伝
    4.0
    庶民とは、ぶかっこうで食いしん坊、強情であわてもの……周囲を気遣って本音を言わずにいる母親のすがた(『おくま嘘歌』)、美しく滑稽な四姉妹の人生(『お燈明の姉妹』)ほか、烈しくも哀愁漂う庶民のすさまじい生き方を描いた連作短篇集
  • 所有とは何か ヒト・社会・資本主義の根源
    3.0
    本やスマホ、土地や家屋、雇用や資産。自分のモノとして持っていることが「所有」であり、衣食住や商品取引、資本主義の原点である。こんにちシェアやレンタルがあるのに、ヒトは所有せずにいられない。他方でヒトの自由を守る所有権が、富の偏在を生む元凶となっている。なぜだろうか? 経済学や社会学、人類学の最新知見をふまえ、所有(権)の謎をひもとき、人間の本性や社会の成立過程、資本主義の矛盾を捉えなおす意欲作。
  • ショローの女
    3.5
    新しい生活が始まった。 熊本―東京を行き来するあたしを待つのは、 愛犬(三歳)、植物(八十鉢)、学生たち(数百人)。 ハマる事象、加齢の実状、 一人の寂しさ、そして、自由。 老いの体感をリアルに刻む最新エッセイ。 熱く共感を集めて大好評の 『閉経記』『たそがれてゆく子さん』に続く 〈伊藤比呂美の今〉 週一で早稲田に通勤  こんやくにハマる  熱中症になりかける  鉢植えをどんどん買う  靴が合わない  ズンバに行かない  父の寂しさを思う  食べるのがめんどくさい  入浴剤に凝る  サンディエゴに帰る  オヤジたちに絶望する  『ボヘミアン・ラプソディ』礼讃  高齢者の運転を考える  しょうゆ味に回帰  仔猫を拾う  LINVEがおもしろすぎる  甘くない食パンが食べたい  姿勢が悪い  不安がひたひたと沁みてくる  ロボット掃除機を購入  友人にマスクを送る  空港への道を忘れた  車を買う  びんのふたが開けられない  学生とオンライン飲み会  母のコートを着る  譲渡犬のサイトを見る…………本書のエピソードより
  • 消費するアジア 新興国市場の可能性と不安
    3.9
    中国の一人あたりGDPと上海をはじめとする大都市圏の繁栄ぶりとのギャップからわかるとおり、もはや国レベルの平均化された指標は意味を持たない。大都市圏ごとの新しい経済単位を使う必要があるのだ。本書は、注目を集めるアジア大都市圏の構造を「消費」の視点で分析、格差拡大や社会不安など懸念材料を現実に即して考察し、アジア経済の新しい見方とアジアの未来市場としての日本の立ち位置を示す。
  • 昭和天皇 「理性の君主」の孤独
    4.1
    新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。しかし、時代はそれを許さなかった-。本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に注目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。そしてそれは実際の天皇としての振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたか、戦争責任についてどう考えていたか、さらに近代国家の君主のあり方をも考察する。
  • 昭和陸軍の軌跡 永田鉄山の構想とその分岐
    4.3
    1巻1,034円 (税込)
    昭和十年八月十二日、一人の軍人が執務室で斬殺された。陸軍軍務局長永田鉄山。中堅幕僚時代、陸軍は組織として政治を動かすべきだとして「一夕会」を結成した人物である。彼の抱いた政策構想は、同志であった石原莞爾、武藤章、田中新一らにどう受け継がれ、分岐していったのか。満蒙の領有をめぐる中ソとの軋轢、南洋の資源をめぐる英米との対立、また緊張する欧州情勢を背景に、満州事変から敗戦まで昭和陸軍の興亡を描く。
  • 植物の〈見かけ〉はどう決まる
    3.0
    花の色、葉の形、茎の長さなど植物の「見かけ」はどのように作られているのか。種の多様性はどうして生まれるのか。 「遺伝子による制御」という視点から、疑問が解明されつつある。 その鍵を握るのが、突然変異体の研究である。 栽培品種作出にも重要なこの研究は、新材料アラビドプシス(和名シロイヌナズナ)を得て世界的ネットワークへと拡大した。 野外研究とバイオテクノロジーの融合が生んだ遺伝子解析最前線の息吹を生き生きと伝える。
  • 不知火・人魂・狐火
    -
    昭和初期、発光動物の研究に生涯を捧げた孤高の学者がいた。実証により自然界のさまざまな「発光現象」を解明する科学的古典。
  • 調べて、伝えて、近づいて 思いを届けるレッスン
    4.0
    マラソン・駅伝中継での、選手の人柄に迫る解説に定評がある増田明美さん。一度聞いたら忘れられない、あの「こまかすぎる」名解説はいかにして生まれるのか。相手との信頼関係の築き方、情報収集の極意、選手につけるニックネームに込めた思いまで――その舞台裏を初公開。さらには、20年以上続けている大阪芸術大学での講義や、朝ドラ『ひよっこ』のナレーション、『読売新聞』「人生案内」回答者など、幅広い仕事で培ったコミュニケーション術に迫る。 〈目次より〉 【プロローグ】途中棄権で終わった選手生活 走る楽しさを教えてくれた宗兄弟/ロサンゼルスオリンピックの記憶/ゼロからの再起、そして引退レース 【第1章】取材する力――人の心を開く ●マラソン解説者デビュー 最初の解説で大失敗/取材の原点「会いたい人に会いにいく」/選手は何をいちばん伝えてほしいのか? ●信頼関係を築き、寄り添う 口調や言葉遣いを相手に合わせて/監督からいかに話を聞き出すか/ニックネームに込めた思い/中学時代から取材した鈴木亜由子選手/誰かの靴を履く ●スポーツライターの心得 取材相手はとことん調べる/忘れられない大失敗/汗かき、恥かき、手紙書き 【第2章】伝える力――人の心を摑む ●人生の師からの教え 崖っぷちからのスタート/嫌われた理由/自分を笑える強さが大切/楽しんでいれば、それがそのまま伝わる/話し上手は聞き上手から/小出さんから学んだ「人間力」 ●大学の講義で試される 芸術大学でスポーツを教える/飽きさせない工夫が勝負/高橋尚子さん、野口みずきさんのすごい食べっぷり/宮本武蔵の教え   ●スポーツの力を信じて 開発途上国の暮らしぶりを伝える/ラオスの山岳地帯で一緒に走った日/支援の"バトンリレー"をつないで/朝ドラ『ひよっこ』のナレーション/たくさんの「心のひだ」を持つ 【第3章】つなげる力――人の絆を育む ●支えることの喜び 「心のレベル」という教え/言い訳をしない、と決めた/応援される選手に/素直な言葉は愛される/パラスポーツとの出会い/残されたものを最大限に生かせ/心のぜい肉を落とす ●一歩一歩、前へ向かって 私が憧れるロールモデル/「人生案内」で社会を知る/結婚は、呼吸が楽な人と/座右の銘は「知好楽」 【エピローグ】次のステージに向かって マラソン解説にひと区切り/人のために生きること/人生のチャレンジは続く
  • しりあがり寿版 瘋癲老人日記
    3.3
    77歳、元気ハツラツ!「今日ハオ爺チャン、ネッキングサセタゲマショウカ」――文豪・谷崎が〈老年の性〉を追究した晩年の最高傑作。挿絵・しりあがり寿。
  • 尻出し天使
    -
    いたずらっぽい媚態が魅力の若い愛人達と嫉妬と猜疑心の塊の九歳年上の妻。三人の女の間を揺れ動く男の夢と欲望を描いた傑作長篇。〈解説〉勝見陽一
  • 「死霊」殺人事件 警視庁捜査一課・貴島柊志
    3.6
    家に送り届けた後、「金を取ってくる」と言ったまま戻らない男性客。しびれを切らしたタクシー運転手が家の中で目撃したのは、二人の男の死体だった。さらに二階からは泥まみれの女の死体も発見され……。密室状態で起きた不可解な殺人に貴島刑事が挑む、本格推理+怪奇の傑作、貴島シリーズ第三作。
  • シリーズ 禁欲文化のヨーロッパ―修道制の歴史(合本)
    -
    『禁欲のヨーロッパ』 ヨーロッパにおける「禁欲の思想」はいつ生まれ、どう変化していったか。身体を鍛錬する古代ギリシアから、ローマ時代を経て、キリスト教の広がりとともに修道制が生まれ、修道院が誕生するまで、千年に及ぶヨーロッパ古代の思想史を「禁欲」という視点から照らし出す。 『贖罪のヨーロッパ』 中世西欧では、禁欲の達成のために自らの欲望のありかを特定し、意識的に摘出する思想が生まれた。この贖罪の制度化は、社会に大きな影響を与え、修道院の生活を厳しく規定していく。6~12世紀の社会を、修道院の制度、王侯との関係、経済、芸術等から読み解く。 『剣と清貧のヨーロッパ』 12世紀、突如それまでの修道制の伝統から大きく離れた修道会が生まれた。聖地エルサレムやイベリア半島などで戦った騎士修道会と、聖フランチェスコらが信仰のあり方をラディカルに変革した托鉢修道会である。これら修道会の由来と変遷を、戒律や所領経営などにも注目しながら通観する。 『宣教のヨーロッパ』 16世紀の宗教的動揺は、イエズス会という新たな組織を生んだ。霊操と教育を重視し、異教徒への宣教を実践するイエズス会は、ポルトガル・スペインの植民地開拓とともに新大陸やアジアへ進出した。その思想や布教方法、経済的基盤など、「キリスト教の世界化」のプロセスを詳細に検証する。 『歴史探究のヨーロッパ』 宗教改革以降、カトリックは修道院での学術活動を活発化させた。サン・モール修道会のマビヨンをはじめとする人文主義者が教会史や聖人伝などの文書を批判的に検証することで、文献学や文書学、ローマ法の解釈学など、現代の歴史学の基礎が誕生する。啓蒙思想の席巻、宗教と世俗の相剋の間で、歴史と真理を探究した人々の足跡を追う。
  • シルバー民主主義 高齢者優遇をどう克服するか
    4.5
    急激な少子高齢化により、有権者に占める高齢者の比率が増加の一途にある日本。高齢者の投票率は高く、投票者の半数が60歳以上になりつつある。この「シルバー民主主義」の結果、年金支給額は抑制できず財政赤字は膨らむばかりだ。一方、保育など次世代向けの支出は伸びず、年功賃金など働き方の改革も進まない。高齢者にもリスクが大きい「高齢者優遇」の仕組みを打開するにはどうすべきか。経済学の力で解決策を示す。
  • 白いジオラマ
    3.5
    1巻1,650円 (税込)
    元刑事で、現在は神奈川県小田原市鴨宮で「防犯アドバイザー」を務める麻生和馬は、元引きこもりの孫・新城将に言った。「二万円やるから、俺のバイトを引き受けろ。張り込みだ」。無茶振りされた孫は、ある老女の〈捜査〉ならぬ〈調査〉を開始する。やがて、箱庭=ジオラマのような街の〈断層〉が浮き彫りになる――。姿を消した独居老人の行方は、そして、暗い顔で子ども食堂に通う少女に笑顔が戻る日はくるのか?
  • 白き帽子の放浪者
    5.0
    紛争続く大陸各地で噂される《白き帽子の放浪者》。どこからともなく現れ、問題を解決して去るという。折しも、ダグラント王国では、大公が蜂起、内戦が勃発し、国民たちは《放浪者》の救済を待望するように。そんなある日、辺境の村娘エファが出会ったみすぼらしい男は、逃走中の国王デュアン四世だと名乗るが……。C★NOVELS大賞特別賞受賞の英雄譚シリーズ堂々完結!
  • 白の十字架
    3.0
    刑事の妻が不倫の情交中、相手の大学生を何者かに殺害されたうえ、強姦された。彼女はその後妊娠し、女児を出産する。殺人犯として捜査線に浮かんだのは、ヒマラヤで頂上アタックに失敗した際、仲間を見捨てて下山した登山家の津雲。心に重い十字架を背負う彼の前に、ある日、幼い娘を連れた女が現れる。
  • 城の中
    -
    すぐれた随筆家としても知られる著者が、侍従生活二十数年の感慨を、皇居内の四季の折節に寄せて、流麗な筆と巧まぬユーモアで綴る珠玉のエッセイ。
  • 死をどう生きたか 私の心に残る人びと
    3.8
    著者が主治医として死をみとった六百人を越える人びとの中から、十六歳の女工、外交官夫人、石橋湛山、正力松太郎など二十数名の最後の時間を真摯に描いたロングセラーの文庫化。生きることはどういうことか、また死を受容するとは何かについて深く考える、感動の書。新版にあたり、亡き妻への想いを初めて文章にして収めた。
  • シン・炎上するまくら〈2022〉
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『中央公論』の人気連載コラム、落語家・立川吉笑さんの「炎上するまくら」を2022年1月号から12月号まで12回分収録。
  • 新燕石十種〈第1巻〉
    -
    1~8巻3,524~4,400円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 飛鳥川/続飛鳥川/親子草他
  • 深海の悪魔 上
    4.3
    深海を疾駆する白い影。海溝部で未知の生命体が発見された。科学者たちが「スピード・フィッシュ」と命名し、更なる調査を予定していたさなか南の島で怪事件が。それが事件の発端だった!!
  • 深海のスノードーム
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    幼い頃から、ピンクもリボンも恋愛も好きではなかった。 だから私は、世界から逃げ出した――。 「やさしい死に方」を教えてくれるという喫茶店に集まった三人。 「女」であることへの違和感を押し殺してきた沙保。 家の関係で、ゲイであることを誰にも言えなかったミナト。 そして、なぜここにいるのかわからないほど、全てから自由に生きる律。 奇妙な共同生活の中で、沙保はこれまでの「当たり前」から解き放たれて――。
  • 新幹線開発物語
    -
    20世紀最大の国家事業、新幹線建設。時速200キロ実現までの試行、安全運転のための自動列車制御装置の開発、列車妨害対策、ルート選定、用地買収交渉など、最先端の技術・設計思想に貫かれた、世界最高水準のモノ作りの軌跡。中公新書『東海道新幹線』を改訂・解題。〈解説〉老川慶喜
  • 新幹線の歴史 政治と経営のダイナミズム
    3.0
    なぜ東海道新幹線の開業後に三島駅が新設されたのか? なぜ九州新幹線は南の端から飛び地的に開業したのか? なぜ北陸新幹線は金沢までの開業なのか? 本書は、2800kmにおよぶ日本の新幹線網が、いかに政治と経営の相克のなかで建設され、国鉄・JRや地域社会に与えた影響はどれほどだったのかを解説。さらには、北陸新幹線・北海道新幹線・中央リニアなど、今後の新線が何をもたらすのかまで紹介する。
  • 新型コロナの科学 パンデミック、そして共生の未来へ
    4.0
    未曾有のパンデミックはなぜ起きたか――。世界を一変させた新型コロナウイルス。本書は、治療薬やワクチン開発を含む研究の最前線を紹介。膨大な資料からその正体を探る。ロックダウン前夜のベネチア、雲南省の洞窟、武漢ウイルス研究所、ダイヤモンド・プリンセス号と舞台を移してウイルスの変遷を辿り、見えない敵に立ち向かう人々のドラマを生き生きと描く。日本政府の対応にも鋭く迫り、今後の課題を浮き彫りにする。
  • 新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年
    4.1
    中国西北部に位置する新疆ウイグル自治区。中国全体の6分の1ほどの面積に、約2500万人が暮らす。1955年に自治区が成立した当初、中国共産党は少数民族の「解放」を謳った。しかし習近平政権のもと、ウイグル人らへの人権侵害は深刻さを増している。なぜ中国共産党は、多くの人々を「教育施設」へ収容するといった過酷な統治姿勢に転じたのか。新疆地域の歴史を丁寧にたどり、その現在と未来を考える。
  • シンクタンクとは何か 政策起業力の時代
    4.3
    世界大戦や恐慌など、歴史上の危機から生まれたシンクタンク。革新的なアイデアをもとに政策を提言し、社会を動かしてきた。ポピュリズムの台頭や中国とロシアが仕掛ける「情報戦争」に直面する今、シンクタンクの「政策起業家」たちはどう応えるのか。「シンクタンク小国」日本の課題は何か。米国の現場を知り尽くし、現在は自らシンクタンクを率いるジャーナリストが、実体験を踏まえ、国際政治の最前線を描く。
  • 灰燼騎士団 新月が昇るまで1
    3.5
    神速の剣を振るう〈首狩〉のジグラートと必殺のナイフ遣い〈怠惰〉のニム――凄腕の傭兵コンビは、謎の女の依頼を受け、魔女として処刑される少女を強奪するが……!? 新シリーズ始動!
  • 信玄の軍配者(上)
    4.2
    足利学校で共に学んだ仲間たちと別れた山本勘助。軍配者として仕えようと駿河の今川家を訪れるが、過去の因縁から逆に囚われてしまう。以来六年、齢四十を超えて尚、仕える主君と巡り会えずにいた。そんな折、甲斐を追われた武田信虎から実子・晴信暗殺計画を告げられる。死中に活を求めるべく甲斐に向かう勘助は、ついに歴史の表舞台へと歩み出す!
  • 信玄の軍配者(上下合本)
    -
    名作一気読み! 勘助は仕官のため駿河を訪れるが、過去の因縁から囚われる。武田晴信暗殺の企てに誘われ、死中に活を求めるべく甲斐に向かう勘助。晴信に軍配者として仕え、勘助はついに表舞台に。鮮やかな戦略で武田を常勝軍団へと導く。だが、家中には傲りが生じ大きな危機を招くことに。天才、山本勘助の起死回生の策とは!
  • 新興国は世界を変えるか 29ヵ国の経済・民主化・軍事行動
    3.8
    21世紀以降、ますます存在感を強めている「新興国」。特にブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国は「BRICS」と呼ばれ、リーマンショック後の世界不況を立て直す牽引役として期待された。一方、中国は海洋進出を進め、ロシアはウクライナに軍事侵攻を行う。力をつけた新興国は世界にどのような影響を与え、どこへ向かうのか? 本書は29ヵ国を新興国と特定し、経済成長、政治体制、軍事行動を分析する。
  • 侵攻作戦パシフィック・ストーム
    4.8
    南北戦争によってアメリカは、東海岸から西海岸までを支配する合衆国USAと、メキシコ湾岸の南部連合CSAの二国に分裂。日英同盟が結びつきを強める一方、USAはドイツと接近するが、アラスカ原油もテキサス原油も失ったUSAは深刻な資源不足に直面する。この国難に、USA大統領ジョセフ・ケネディは外部に敵を求め、日本本土への奇襲作戦〈パシフィック・ストーム〉を発動! 太平洋の覇権をかけた日米激突の行方は!? 著者最後の長篇架空戦記、本篇三巻(未完)と外伝を合本した愛蔵版。超大型陸上攻撃機〈大山〉カラー口絵を再録し、著者直筆のラフスケッチと作画メモを収録する。 目次より Ⅰ 対立要因  プロローグ 戦略哨戒任務  1 二つの家  2 原色の敵 Ⅱ 想定状況  3 会話と喧噪の日々  4 ゲーム・プレイヤーズ  5 発動 Ⅲ 可能行動  6 奇襲効果  7 アイランド・キャンペーン  8 ブルー・クリスマス 外伝  チンパンジーがシェークスピアをタイプする日  真田中佐は戦争を愛する  黄色い悪魔  かくも素晴らしき場所  そして我らが女神は死にゆく  連れ帰っておくれ、故郷へ 創作メモ――〈大山〉
  • 信仰なき時代の仏教
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●安心の岸辺は残されているのか 山折哲雄 ●ケアラーズカフェ、フードパントリー、災害時の避難場所…… 思いをかたちに――時代に合った社会貢献 戸松義晴 ●『月刊住職』を作って49年 日本のお寺はなくならない 矢澤澄道 ●1995年生まれの女性僧侶が語る 生きづらい現代にこそ知りたい親鸞の教え 片岡妙晶
  • 辛酸なめ子の独断! 流行大全
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 読売新聞夕刊「popstyle」不動の人気コラム待望の書籍化!時代のキーワードが250語収録。経済・社会風俗・科学・芸能、時事ワードのクロニクル……時代に踊らされる私達のすべて! 【登場する流行(一部)】 レジェンド/スメハラ/アイス・バケツ・チャレンジ/自撮り棒/ YouTuber /肩ズン/コールドプレスジュース/新ハチ公像/日本刀ブーム/イケメンすぎる首相/スカンツ/超いいね! /ハイヒールもう無理/バスタ新宿/日本語ロゴブーム/ポケモンGO /最後のリッツパーティー/新幹線清掃/ペンパイナッポーアッポーペン/プレミアムフライデー/オリーブオイルの量/メルカリの闇/うんこ漢字ドリル/パンダ誕生/アムロス/ AIスピーカー/ダサいセーター世界選手権/ざんねんないきもの/羽生結弦展/やばい日本史/筋肉体操/高輪ゲートウェイ/令和ビジネス/ KONMARI /東京五輪チケット/かぶる傘/ハンディーファン/タピオカ漬け丼/イートイン脱税/サブスクリプション/ぴえん/モーニングルーティン/マスク不足/アマビエ/縄跳びダンス/ワーケーション/スパダリ/ clubhouse/ピクトグラム…
  • 新種の発見 見つけ、名づけ、系統づける動物分類学
    4.0
    現在、地球上で名前が付けられている生物は約一八〇万種。だが、まだ数百万から数千万以上もの未知種がいると言われていて、誰でも新種に出会う可能性がある。採集の楽しみから、新種を新種と見抜く方法、動物分類・命名の基本、新種として公式に認められるための論文発表の苦労まで。「珍しい生物」好きが高じて深海生物テヅルモヅルの研究者となり、実際に新種を発見してきた著者が綴る、動物分類学への招待。
  • 新書大賞2020
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1年間に刊行されたすべての新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ「新書大賞」。 今回で第13回を数え、第1回では福岡伸一著 『生物と無生物のあいだ』、第2回では堤未果著『ルポ 貧困大国アメリカ』、第3回では内田樹著『日本辺境論』を大賞に選出し、常に話題を提供してきた。 今回の「新書大賞2020」では、2018年12月~2019年11月に刊行された1500点以上の新書を対象に、有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者など新書に造詣の深い方々99人に投票していただいた。 (中央公論2020年3月号「新書大賞2020」の電子化) (目次より) ●新書通99人が厳選した 年間ベスト20 ●大賞受賞者に聞く 『独ソ戦』大木 毅 ●2位『ケーキの切れない非行少年たち』、3位『教育格差』ほか、ベスト20レビュー ●全ランキング作(2008~19年)の「ベスト3」は? 出口治明が総覧! 新書の12年 ●カリスマ書店員、著名ブロガーに聞く やっぱり新書は面白い! ●宇野重規、楠木 建、竹内 洋、渡邊十絲子…… 目利き45人が選ぶ2019年私のオススメ新書
  • 神書板刻 祇園社神灯事件簿五
    -
    長屋を焼かれたうえ、虚無僧姿の武士に襲われている男を危機一髪のところで助けた植松頼助。男は板木の彫り師で、神書――天皇を崇める「日本書紀」や「神皇正統記」を密かに彫っていたのだ。襲撃した武士は、神書の頒布に目を光らせる幕府からの刺客であった! 朝幕の争いに身を投じる植松頼助、最後の事件簿!

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