堀本武功の作品一覧
「堀本武功」の「物語 インドの歴史 インダス文明からムガル帝国、現代まで」「これからのインド」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「堀本武功」の「物語 インドの歴史 インダス文明からムガル帝国、現代まで」「これからのインド」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
今や世界一の人口を誇るインド。経済的にもますます注目されるこの大国の歴史を知るために、本書を手に取った。著者はインド政治を専門とし、インドを50年研究してきたという。本書には、半世紀にわたる研究成果および著者自身がインドと接してきた経験が盛り込まれている。
本書が描くのはインダス文明が栄えた紀元前2600年ごろ(!)から20世紀までのインドの歴史である。広大なインド亜大陸には、多様な民族が暮らし、多様な言語が使われている。この多様性がインドの特徴の一つであるが、統一国家を作るためには、まさに多様性を統一していかなければならない。本書の半分以上は、ムガル帝国において近世インド統一国家が成立し、イギリスの支配を経て独立し、民主的な近代国家を作る過程に割かれており、複雑なプロセスが丁寧に解説されている。
本書を読んでいてありがたかったのは、著者が日本人ならではの視点でインドのわかりにくさを噛み砕いて説明してくれる点だ。例えばカースト制度であったり、あるいはインド人の中にある価値基準(大きい方が偉い、中央に近い方が偉いという価値観。9頁)は日本人にはピンとこない部分であるが、インドでの生活経験も豊富な著者ならではの理解を提示してくれている。
私はインドが大好きだ(南インド旅行2回経験)。しかし、「インド」と一言で括るには、社会の有り様も文化も多様であり、「インド」の一言はほとんど意味をなさないということを、本書から学んだ気がする。
Posted by ブクログ
本書は、インダス文明の始まりから21世紀現在に至るインドの歴史を、長年現地に携わってきた専門家が丁寧かつ端的にまとめ上げた良書である。
数千年に及ぶ長い歴史が多数の章に分けて解説されており、各章の長さを一律とせず必要十分な説明に留めているため、非常に読みやすく理解しやすい構成となっている。
特に興味深いのは、古代に生まれたインド文化が地理的要因に守られつつも、その後の西側からの侵略によりイスラム勢力やイギリスに主権を奪われ、それが現在の非同盟・独自外交へとつながっていく歴史的文脈の提示である。
単なる最新の政治・経済情勢の解説にとどまらず、今後ますます世界の中心的存在となり得るインドという国を構造的に理解する上で、本書は極めて優れた一書であると言える。