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翻訳から批評へ、随筆から小説へと自在に横断し、独自の文学世界を築き上げた文士・吉田健一。その小説家の誕生を告げる第一短篇集『酒宴』(一九五七年)と第二短篇集『残光』(一九六三年)の全一七篇を収める初期短篇小説集成(『吉田健一全短編集』改題)。〈解説〉富士川義之 ■目次 逃げる話/マクナマス氏行状記/夏は暑い/アドニスとナスビ/マッチ売りの少女/沼/百鬼の会/酒宴/ロッホ・ネスの怪物/国籍がない大使の話/春の野原/辰三の場合/流れ/出廬/残光/空蟬/邯鄲
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Posted by ブクログ
一九五七年刊行の第一短篇集『酒宴』と、一九六三年刊行の第二短篇集『残光』を一冊にまとめた文庫本。短編小説集成と副題にあるが、小説というより随筆という感じの作品がほとんど。まあ一応最後まで読んどくか、と機械的にページをめくっているうち、次第に、ちょっと面白いかもという感じになった。最初期の頃の作品よ...続きを読むりも、ある程度創作経験を重ねてからの作品のほうが読み心地が良い。建物の内部を執拗に描写するのが特徴的。一番最後に収められた『邯鄲』(pp360-378)は、お酒に酔ってみた夢のなかで世界一周、という感じの内容で、これが一番読んでて楽しかった。
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酒宴/残光 吉田健一短篇小説集成
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