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助からないケースのほうが多い「小児固形がん」。 小児外科医の筆者は、闘病する子どもたちや患者家族と濃密なやりとりを重ねながら、どんな治療を施し、過程で何を考えてきたのか? 死の宣告や過酷な治療など、医師にはなぜそれらが「できる」のか? そして、自ら突然の病に冒された時、キャリアの途上で下した決断とは? 20年間、203人の子どもの生死に対して、真正面から向き合った輝く命の記録。 『命のカレンダー――小児固形がんと闘う』を文庫化。 解説・森健
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Posted by ブクログ
この本に出会えてよかったなと心から思えることは少ないと思うが、私の短い人生の中で間違いなく、そう思えた本のうちのひとつである。 命に対する向き合い方、それは死に対する向き合い方と同義であるのかもしれないと思った。 これを考えることをやめてしまうことは簡単である。まして自分や周りの人間など、身近に死や...続きを読む生が実感として存在していない場合、考えようと思うことすらないかもしれない。 けれど、本書の中に出てくる私よりもずっと小さい子供たちと、その家族は、徹底的にこの試練、難関を突きつけられて、それを自分たちなりに乗り越えていこうとしなくてはならなかった。その苦悶する姿、そして自分達の答えを見つけた姿はかなり感慨深く思われ、読んでいる最中何度も目に涙が浮かんだ。 そして、この家族と子供たちとともに、その一員となって一緒に苦しみ、一緒に考えて道を示し、一緒に幸せを共有する。そんな「小児がん外科医」という職業は本当に苛酷ながらも、素敵な職業であるなと思った。医師とはこうあるべきなのだろう。見習いたいと強く思った。 筆者の意図からも、一人の読者としても、この本が世の中の様々な人々の手に渡り、読まれて継がれていくことを強く願う。
小児がんと向き合い続けた医師が書いた本。だから、出てくる子供たちのほとんどは、2、3年のつらい闘病後に亡くなってしまう。でも悲しい話の中にも、どこか温かい気持ちにもさせてくれる本。なぜか、時々こういう本が読みたくなる時がある。
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