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ルポ 賃金差別
同じ職場で同じ働き方をしていても、賃金に差が生じるのはなぜなのか? 労働者の三人に一人が非正規雇用となり、受け取る生涯賃金にも大きな格差が生まれている。本書はアルバイト・パート・嘱託・派遣社員・契約社員など「働く人の賃金」に焦点を当て、現代日本の労働問題を考察する。賃金というものさしから、いま働く現場で何が起きているのかを読み解き、現代日本の「身分制」を明らかにする、衝撃のノンフィクション。 -
ルポ 特殊詐欺
騙すも地獄、騙されるも地獄――オレオレ詐欺、預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺盗などの「特殊詐欺」が社会問題化しておよそ20年、累計被害総額は5743億円、1日あたり7730万円が騙し取られている。強盗や傷害、殺人未遂事件を引き起こすなど粗暴化し、末端で犯行に及んでいるのはSNSで「闇バイト」募集から簡単にリクルートされた若者だ。本書は近年起きた事件に取材し、犯罪グループ側の組織の構図、実行の手口を犯人の視点から描く。少年から高齢者まで、全世代が警戒すべき凶悪犯罪のリアル。 -
ルポ 入管 ──絶望の外国人収容施設
2014年、カメルーン人男性が医師の診察を受けられず、東日本入管センター内で死亡。2018年、同センターでインド人男性が自殺。翌年、大村入管ではハンストによりナイジェリア人男性が餓死した。いったい、入管施設で何が起きているのか。東京五輪や外国人労働者の受け入れ拡大に合わせて、在留資格のない外国人の取り締まりが強化され、次々に入管施設に収容されている。2019年に出入国在留管理庁へと格上げされ、ますます大きな権力を振るう「入管」の実態に迫る。 -
ルポ 副反応疑い死 ──ワクチン政策と薬害を問いなおす
新型コロナワクチン接種後の副反応疑い死亡報告は1900件に迫る。健康被害救済制度もあるが、驚くほど因果関係は認められない。厚労省と巨大製薬企業が築く壁。打ちひしがれる遺族、因果関係を示す主治医や解剖医、遺伝医学者、製薬メーカー、制度を仕切る厚労官僚などを綿密に取材。副反応と死の間の真実、制度の闇、構造的要因を白日の下にさらす。 -
ルポ プーチンの戦争 ──「皇帝」はなぜウクライナを狙ったのか
ハイブリッド戦争の内幕とは。毎日新聞モスクワ特派員が両国政府と親露派の要人を取材、砲撃と空爆で破壊された街に潜入して、戦闘員と市民の声を聞く。激動のロシア情勢を伝えるルポルタージュ。 -
ルポ プーチンの破滅戦争 ――ロシアによるウクライナ侵略の記録
大破した住宅、穴だらけの乗用車、なぎ倒された街路樹、ずらりと並ぶ真新しい墓。前線では砲弾と銃弾が飛び交い、爆音、黒煙、振動、悲鳴、嗚咽、涙、流血、死が日々生み出されている。戦闘が終わっても、占領地では屈辱的な思想の押し付けや弾圧、相互の憎しみが続く――。ウクライナ各地を歩き、虐殺の街で生存者の声を聞いたジャーナリストが、ロシア・プーチン大統領の侵略行為を告発するルポルタージュ。 -
ルポ 平成ネット犯罪
平成の30年間で日常生活に欠かせないものになったインターネットだが、アンダーグラウンドな世界も広がっている。出会い系サイトやSNSによる売買春、ネットストーカー、仲間を募った集団自殺。裏サイトの誹謗中傷やいじめ、闇サイトの違法・脱法ドラッグ売買。しかし孤独の沼に沈む人にとって、そこはライフラインでもある。誰が読むともしれない日記をつづり、自殺志願者が語り合う。顔が見えないからこそ、本音をさらけ出せる居場所になる。新しいメディアと個人のかかわりを取材するジャーナリストが、その背景と変化を追う。 -
ルールはそもそもなんのためにあるのか
フランスのアナーキスト、ピエール・ジョセフ・プルードンは言った、「法律は、金持ちにとっては蜘蛛の巣。政府にとっては漁網、人民にとってはいくら身をよじっても脱けられない罠」だと。まさに今の日本の状況そのものじゃないか! 【目次】第1章 ルールは何のために生まれたのか…さまざまな局面に則して多様なルールが作られた/第2章 ルールとして成り立つ必須条件…人は自分が損をしてでも公平さを求める/第3章 フェアプレーの精神…ルールに反してなければいいのか?/第4章 時代に応じて変わるべきルールもある…いつまで異性同士の結婚にこだわる?/第5章 復讐するは誰にあり?…世界が滅ぼうとも刑は執行されねばならない/第6章 なぜ人々は立ち止まらないのか…利己的な人々が自ずと社会秩序を作る/第7章 こんなルールは嫌だ!…中途半端なルールは混乱を生む/第8章 民主主義は公正じゃない…多数決は根拠のない偏見までも温存する -
霊魂の民俗学 ――日本人の霊的世界
出産・七五三・成人・結婚・葬送など日本人が経験する人生儀礼や、各地に伝わる習俗や祭りのなかには、いかなる「霊魂観」が反映されているのだろうか。本書は、ミロク信仰から都市伝説までの多様な事例とともに、霊魂という実在が「この世」と「あの世」のあいだを往還するという日本独特の世界像と、その移動にともなって不安定になる霊魂をおちつかせるためにも儀礼が必要とされたことを説く。迷信の一言では片づけられない、日本の生活文化にいまも息づくアニミズム的心性を解明した宮田民俗学の真髄。講演記録を中心に編集された、平明な語り口による一冊。 -
レイチェル・カーソン ――『沈黙の春』で環境問題を訴えた生物学者
「農薬によって生態系が破壊され、やがて鳥も虫も鳴かない沈黙の春が来る」 周囲の無理解や中傷と闘い、公害問題に取り組んだ生物学者の生涯。(巻末エッセイ・福岡伸一) -
歴史
紀元前5世紀の古代地中海世界。スパルタ陣営との大激戦、ペロポネソス戦争で疲弊したアテナイでは屍が累々とし、人びとは疫病と困窮のなか、運命の手の弄ばれるままになっていた。この混迷から立ちあがった著者が綴った大戦の長大な記録が、本書『歴史』だ。四半世紀におよぶ激闘で諸国の力がぶつかりあうなか、何が失われ、何が生まれていったのか? 迷信や伝説を典拠としたヘロドトスと異なり、夥しい資料を駆使し、多様な視点を盛り込むことで実証的「歴史学」の礎を築いたとされるトゥキュディデスが、透徹した眼差しで古代地中海の姿を活き活きと記した不朽の名著。 -
歴史哲学最終講義
思想はここに極まる ヘーゲルの没年に行われた最後の講義。その筆記録を忠実に訳し、歴史哲学の実像を伝える。 ヘーゲル終焉の年に行われた「世界史の哲学」講義筆記録の新訳。歴史を通し精神の本質をなす自由はどう実現されたか。思想の最終到達点が示される。 === 「世界史は自由の概念の発展である」と主張し、その過程を縦横に語った講義「世界史の哲学」。長らくヘーゲルの入門書として読まれてきた『歴史哲学講義』は、恣意的な編集によって歪められたものであったため、多くの誤解を生んできた。アカデミー版全集に基づいた新訳は、真のヘーゲル像を明らかにする。10年間になされた講義のなかでも1830/31年冬学期の講義は特に重要だ。中国、インドなどの東方世界の歴史から、ギリシア、ローマ、ゲルマンへと辿り、フランス革命後の激動期を考察する。それはヘーゲル最後の国家論・政治哲学の卓抜な洞察であり、現代の自由主義論争にも大きな示唆を与える。 【目次】 訳者による序 凡例 訳注の凡例 世界史の哲学への序論 はじめに 一 世界史の哲学の普遍的な目的は客観的な目的 二 究極の目的設定の内容 三 世界史の歩み 世界史の哲学 一 地理学的三区分 二 世界史の時代区分 第一章 東方世界 一 中国 二 インド 三 ペルシア帝国 四 エジプト 第二章 ギリシア人 第一期 ギリシア世界の起源と形 第二期 ペルシア戦争からアレクサンドロス大王の東方遠征まで 第三期 ギリシアの没落 第三章 ローマ人 第一期 ローマの起源と強国への発展 第二期 第二次ポエニ戦争から帝政成立まで 第三期 帝政時代 第四章 ゲルマンの国 序 第一期 ゲルマン諸民族の登場 第二期 中世 第三期 近世 訳者あとがき 事項索引 人名索引 -
列島の歴史を語る
日本は決して「一つ」ではなかった! 中世史研究に新次元を開き『日本の歴史をよみなおす(全)』で多くの読者を魅了した著者が、日本の地理的・歴史的・社会的な多様性や豊かさをわかりやすく語った講演集。農業以外の生業の実態、外国との交易のありよう、神仏と金融、天皇や領主、神社の権力構造――。従来あまり取り上げられてこなかった実像を縦横に語るこれらの講演は1980~90年代、目覚しい活躍の起点となった時期のもの。のちに代表作として実を結ぶ内容に加え、歴史研究に対する鋭い問題意識や今後の課題も率直に語られる。歴史の常識を見事に覆す熱き名講演。 -
レビー小体型認知症とは何か ――患者と医師が語りつくしてわかったこと
著者の樋口は、50歳で「若年性レビー小体型認知症」と診断されたが、41歳の時にうつ病と誤診されて治療で悪化した経験がある。この本では、この病気に精通する内門医師と、この病気の早期発見のポイント、幻視や睡眠障害への対応、薬についての知識や治療で気をつけること、アルツハイマー病との違い等、ケアする側や高齢化社会では誰もが知っておくべきことを徹底的に語る。「認知症になったら人生終わり」ではなく、希望がある病気であることを伝えたい。 -
恋愛少女マンガ全史 ――ラブコメと若者文化の変遷を探る
マンガにおける男女の恋愛解禁に始まり、歴史ロマンとしての恋愛物、ロマンチック・コメディからおとめちっくマンガ、そして自立する女性の恋愛へ――恋愛少女マンガの変遷は、戦後日本の若者の歩みそのものだった。ラブコメという少女マンガの王道に焦点を当て、少女マンガが表現してきた生活や気持ちの揺れの細部に注目。少女マンガ家ならではの感性を読み解いて、その恋愛観や女性像、若者たちの価値観の移り変わり、さらには戦後日本社会における夢と現実の亀裂を明らかにする。 【目次】第1章 ラブストーリー解禁にむけて――ドラマ性、美しさ、そしてかわいらしさ/第2章 大ロマンからロマンチック・コメディへ/第3章 ラブコメは何を描いたか――西谷祥子・忠津陽子/第4章 「女の一生」を描くラブコメ、メロドラマ――大和和紀・一条ゆかり・里中満智子/第5章 恋愛と欲望をめぐるラディカルな探求――大島弓子・山岸凉子/第6章 多様化する恋愛――おとめちっくのそのまま、不良の刹那、優等生の憂鬱/第7章 バブル期という恋の終わり――岡崎京子を中心に/終章 それでも少女マンガは恋をする -
ロウソクの科学
小さな炎から物理・化学の本質へ 決定版新訳 電磁気学の創始者が、少年少女向けに語った科学史に残る連続授業。ロウソクの小さな炎から物理・化学の基本原理を鮮やかに解き明かしてゆく。新訳。 === 電灯もマイクもない19世紀、英国王立研究所の大講堂で700名前後の少年少女に向けてファラデーが行った実験授業6回分の速記録。ロウソクの燃焼という身近な出来事を素材に、炎のつくりや空気の役割、生じる水と炭酸ガスの確認、燃焼と呼吸の対比まで、自然現象の意味をじっくりと説く。厳密さを保ちつつ、初心の子どもたちに本質をわかりやすく教える姿勢は、少年の心を忘れない大科学者ファラデーの面目躍如。臨場感あふれる語り口で、科学の心を読者に伝える決定版新訳。 【目次】 訳者まえがき 原著序文 第1話 炎の顔つき 第2話 「燃える」と「輝く」 第3話 火がつくる水 第4話 水を生む二つの元素 第5話 空気・窒素・炭酸ガス 第6話 ロウソクと生命 ファラデー略年譜 原著の邦訳/伝記・解説書 訳者あとがき -
ロシア・アヴァンギャルド ――未完の芸術革命
既存の価値観に対する攻撃とともに、ロシアでは20世紀初頭に産み落とされた前衛芸術。1917年の社会主義革命に先行したその活動は、芸術革命に呼応するものとして政治革命に同調し、昂揚する民衆のエネルギーに支えられて、芸術運動を展開してゆく。これがロシア・アヴァンギャルドと呼ばれる運動である。しかしそれはやがて、スターリン体制から「形式主義」として批判され、芸術の論理によらず粛清され抹殺されてゆく。マヤコフスキー、マレーヴィチ、メイエルホリドなど、激しい時代を生きた芸術家たちの活動に光をあて、その再評価の嚆矢となった20世紀美術史の名著。 -
ロシア中世物語集
ロシア史の最も古い時期を扱い「過ぎし年月の物語」という名でも知られる『原初年代記』、ロシア的キリスト教精神を築いた12世紀の『フェオドーシイ聖人伝』、『ニーベルンゲンの歌』などと並び称される傑作『イーゴリ軍記』など、名高いロシアの中世物語を集成。11世紀からピョートル1世登場前夜の17世紀末までの作品を、文学的な見地から幅広く編纂したものとして類がない。各作品解説に加え、ロシア中世文学の表現上の特徴やその史的展開についての概説も収録。世界文学の中に特異な位置を占めるロシア中世文学を知るための、色褪せない物語集。 -
ロシアと中国 反米の戦略
内には独裁的体制を強化し、外には米国一極支配に対抗するという共通目標をもつロシアと中国。ロシアの豊富な資源と軍事技術を求める中国、中国の経済成長によって国際的な孤立からの脱却をはかるロシア。両国の蜜月関係は強固に見える。だが、じっさいの思惑は一致していない。その舞台裏では、熾烈な主導権争いが闘わされている。ユーラシア連合と一帯一路、AIIB、BRICS、上海協力機構、北極圏に関連する利権や勢力圏をめぐる駆け引き……。世界のリバランスが進むなか、両大国に接する日本はどうするべきか。気鋭の国際政治学者が最新情報から、激動の国際情勢を読み解く。 -
路地の教室 ──部落差別を考える
「路地(同和地区、被差別部落)って何?」「住所による差別なんて今もあるの?」「知らなければ差別はなくなる?」「同和教育、同和利権とは?」全国千か所以上の路地を歩いた著者が全ての疑問に答えます。差別について、他者について、イチから考えてみよう。 -
魯迅 ──中国の近代化を問い続けた文学者
水に落ちた犬は打つべし。一切の妥協を許さず容赦なく旧社会の儒教道徳や「正人君子」を批判し続けた中国近代文学最大の功労者の生き方を考える。「水に落ちた犬は打て」「私は人をだましたい」あの『故郷』の作家は、私たちに何を突きつけるのか。 -
ロック入門講義 イギリス経験論の原点
「人間の知識の起源と確実性を探求し、あわせて信念や意見の根拠を探求することが私の目的である」。ジョン・ロックは、近代哲学の基盤というべき「認識論」において、最初のアプローチを試みた一人である。しかし、その仕事に対しては誤読が重ねられ、真意は充分に捉えられてこなかった。例えば、ロックは心の直接的対象を観念と設定したため世界へのアプローチを不可能にしてしまったという批判等だ。イギリス経験論の原点となったロックの思想の真意とはどのようなものだったのか?社会思想・政治哲学でも知られるロックの形而上学的真価に迫る。平明な筆致による、書下ろし学芸文庫オリジナル。 -
ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者
理論物理学者のロバート・オッペンハイマーは、ロス・アラモス研究所初代所長としてマンハッタン計画を主導し、広島、長崎に災厄をもたらした原子爆弾を生み出した。その結果、「原爆の父」と呼ばれるようになるが、彼自身は名声の陰で原爆のもたらした被害、さらに強力な兵器「水爆」の誕生につながる可能性があることに罪の意識を抱き、その開発に反対の意思を表明していた。本書は、これまでに数多く書かれたオッペンハイマー伝をつぶさに再検討し、その多くに異を唱える。豊富な史料をもとに、彼の足跡を丹念に辿り、政治に翻弄され、欺かれた科学者の実像に迫る。 -
論語
春秋時代の魯国、周王朝の復興を唱え、政治へのあくなき情熱とともに理想を追求した人、孔子。その言行録『論語』は、古来、多くの人々に人生の指針を与えてきた。孔子が弟子たちに教えたもの、それは学問、礼の実践、徳の涵養である。中心にあるのは徳であり、わけても「仁」を至上とした。仁とは、日常生活において状況に相応しい価値を適切に選び取れることを指し、それを体得した者が君子となる。本書は、「『論語』をして『論語』を語らしめること」を主眼に置き、何晏、朱子、仁斎、徂徠など、数多の解釈を比較考量。新たな書き下し文と明快な現代語訳、詳細な注と補説を付した決定版訳注書である。 -
「論語」の話
政治が乱れ、人の世が荒み果てていた時代、現在の人間に失望しつつも未来の人類に対して期待を抱き、人間の可能性に大きな信頼を持ちつづけた孔子。「論語」全訳・注釈を手がけた中国文学の碩学が二十篇五百章を自在に読みこみ、孔子の生き方と思想をわかりやすく解き明かす。「子曰く、仁遠からんや、我れ仁を欲すれば斯ち仁至る」。伊藤仁斎や荻生徂徠ら江戸の学者をはじめとする人々は「論語」をどのように読んだか。また、孔子が説きたかった仁とは何だったのか。諸国を旅して味わった失望や、弟子や民との対話を通して、孔子を語り、吟味する最上の入門書。 -
論証のレトリック ──古代ギリシアの言論の技術
聞き手が思わず納得してしまう、説得力のある議論とはどのようなものか。ある主張の当否を見極めるためにはどんな点に着目すればよいのか。その手掛かりは古代ギリシアの思想家たちの「言論の技術」にある。本書では、アリストテレスを中心とした古代ギリシアのレトリック(レートリケー)理論、問答弁証術さらには論理学などを幅広く紹介。議論を組み立てる際の骨格となる、論証の基本的な型を整理していく。「どんな事柄に関してでも、可能な説得手段を見つける能力」(アリストテレス『弁論術』)としてのレトリックを磨く画期的入門書。 -
論理病をなおす! ――処方箋としての詭弁
論理ではなく、詭弁を身につけてみないか?詭弁と聞くと、子供だましの芸当と聞こえるが、口先だけ達者になることではない。詭弁には、思考そのものを鍛える力がある。人が詭弁を使う時、その人特有の癖があらわれる。その癖を見抜くことで、思考のパターンが理解でき、おのずと論議も強くなる。論理的思考に満足しない人のための一冊。 -
「わたし」が死ぬということの哲学
体、こころ、そして「自分」がなくなるとはどういうことか──「死」とは一体どのような事態なのか? 死ぬのは怖い──しかし、「体」が死ぬことと「こころ」が死ぬことは重なり合っていないのならいったい「死」とはどのような事態なのだろうか? 今ここにいて物事を感じている「自分」とは何か。生物学、意識科学、哲学を横断し、根源的な問いに迫る。 生きていることの根源に迫り、人間観が刷新される。 === 【目次】 第一章 体が死ぬということ 1 生物の「死」の科学 2 体のあいまいな境界 3 関係の連なりとしての体 第二章 こころが死ぬということ 1 動物意識──起きていること 2 他動詞的意識──体験し、知覚する 3 通時的意識──一続きの「自分」 第三章 自分が死ぬということ 1 計ることのできる「快」と「死」 2 何が「私」を一続きにするのか 3 社会的死──ホモ・サケルであること 第四章 死への処方箋 1 尊厳療法と辞世の句 2 やってくるものと正岡子規 3 平気で死ぬことと平気で生きること おわりに 文献一覧 === -
〈私〉の愛国心
この数年“ナショナリズム”をめぐる議論がかまびすしい。世界では冷戦に代わる国際秩序が定まらない中、極東アジアでは「北朝鮮」という冷戦の産物が大きな比重を占めている。国内においてもバブルの崩壊とグローバリゼーションの拡大に伴う「成果主義」や「市場原理主義」の浸潤によって、セーフティ・ネットが整備されないまま、勝ち組・負け組みへの階層化が進み、社会の安定感は急速に失われつつある。さまざまな要因が複雑に絡み合いながら過熱化する一方の言説を丁寧に解きほぐし、「愛国心」の行方について考える。 -
私の体がワイセツ?! ――女のそこだけなぜタブー
「この本を手にされた方は、少しびっくりするかもしれません。あの3文字があふれ返っているからです。まんこは人間の女性なら誰でも持っている体の一部。なのにどうして日本人は毛嫌いしたり、無視したりするの? そんな疑問からわたしはまんこのアートを作りました。(……)どういうわけか、警察に2回も逮捕されてしまいました」(「まえがき」より) 女は誰もが持っているものを作品にしてなぜ逮捕? 留置場で世の中のおかしさを深く考えた。その三文字で大あわてするこの国のおかしさを痛快に笑い飛ばそう! 「ワイセツ」裁判を闘うアーティストが、事件と半生を描く抱腹絶倒エッセイ! -
私の憲法勉強 ──嵐の中に立つ日本の基本法
1950年代初頭、冷戦の激化を背景に起こった日本国憲法改正論。この動きに対し、シェイクスピアの翻訳で名高い英文学者が反応する。改憲派の主張は、アメリカによって押しつけられた憲法を廃し、日本人が自主的に憲法をつくることであった。しかし、かれらの主張は本当に妥当なのか。日本国憲法成立の事情を調べながら、浮かび上がった事実を平明率直にまとめたのが本書である。そこには国民がまたも騙され、個人の自由や権利が制約されることへの危機感があった。憲法という国民的利害の最も重大なものについて、われわれはどのように臨むべきなのか。著者の切実な訴えはいまも強く響く。
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