作品一覧

  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    理論物理学者のロバート・オッペンハイマーは、ロス・アラモス研究所初代所長としてマンハッタン計画を主導し、広島、長崎に災厄をもたらした原子爆弾を生み出した。その結果、「原爆の父」と呼ばれるようになるが、彼自身は名声の陰で原爆のもたらした被害、さらに強力な兵器「水爆」の誕生につながる可能性があることに罪の意識を抱き、その開発に反対の意思を表明していた。本書は、これまでに数多く書かれたオッペンハイマー伝をつぶさに再検討し、その多くに異を唱える。豊富な史料をもとに、彼の足跡を丹念に辿り、政治に翻弄され、欺かれた科学者の実像に迫る。
  • オペ・おかめ
    完結
    -
    全1巻305円 (税込)
    米大統領を襲った謎のテロ作戦「オペ・おかめ」。それは虐げられた弱者たちが突きつけた告発状だった。 偽善者を憎む娼婦ジャンヌは、自分のスリを見逃した東洋人・白鳥の正体を暴いてやろうと、その後を追い始める。同じ頃アメリカ大統領が小型ロボットで昏睡させられる事件が発生。現場には「オペレーション・オカメ」という謎のメッセージが残される。白鳥を犯人と思う対テロ組織のバート、次第に白鳥に惹かれていくジャンヌ。謎めいた白鳥の真意とは。 事件から浮き上がる原爆の惨劇。強者の傲慢と搾取に対する弱者たちの怒り、おかめの面に秘められた傷そして慈愛。人はいかに生き、なにと戦うべきなのかを問う、衝撃的作品。 【著者】 藤永茂 藤永茂(1926年生)満州国長春生まれ、国籍カナダ(カナダではSigeru Huzinaga)、1948年九大物理卒、1959年京大理学博士、1968年アルバータ大教授、1991年同大学名誉教授(著作):『分子軌道法』(岩波書店、1980年)、『化学や物理のためのやさしい群論入門』(岩波書店、2001年)、『アメリカ・インディアン悲史』(朝日選書、1991年)、『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』(朝日選書、1996年)『アメリカン・ドリームという悪夢』(三交社、2010年)など。
  • トーマス・クーン解体新書 Undoing Thomas Kuhn
    完結
    -
    全1巻713円 (税込)
    ポストモダーン科学論の栄光T・クーンは、やがて、そのスキャンダルとなる。Here is Why. トーマス・クーンの『科学革命の構造』は、「第二次世界大戦後、英語で書かれた哲学書として、最も広く読まれ、最も大きい影響を与えた」と哲学者リチャード・ローティは断定した。確かにそれは、思想史上、20世紀後半最大の事件の一つである。しかし、クーンに与えられたこの栄冠は、近い未来に人間精神の歴史の上での大きなスキャンダルとなるであろう。本書『トーマス・クーン解体新書』にはその理由が明示されている。それは、全ての権威の根拠を疑うあまり、虚偽と真実の区別を曖昧にしたポストモダン思想に対する断罪でもある。 【著者】 藤永茂 藤永茂(1926年生)満州国長春生まれ、国籍カナダ(カナダではSigeru Huzinaga)、1948年九大物理卒、1959年京大理学博士、1968年アルバータ大教授、1991年同大学名誉教授(著作):『分子軌道法』(岩波書店、1980年)、『化学や物理のためのやさしい群論入門』(岩波書店、2001年)、『アメリカ・インディアン悲史』(朝日選書、1991年)、『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』(朝日選書、1996年)『アメリカン・ドリームという悪夢』(三交社、2010年)など。

ユーザーレビュー

  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

    Posted by ブクログ

    著者が科学者なだけに、ヘンな想像(勘ぐり)や思い込みがなく、正しい共感を持ってオッペンハイマーを描いている。とかく文系の人が描くと、取りつかれた全能感の権化みたいに書かれることが多いけど、そんなマッドサイエンティストがこれだけの規模のプロジェクトをこれだけの期間引っ張って成功させられるわけもなく。女好きではあるものの、教養もあるちゃんとした社会人であることをきちんと踏まえて書かれていることに好感が持てる。映画『オッペンハイマー』の予習にもよいのではないか。(原作は上中下三冊もあるので)

    0
    2024年04月02日
  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

    Posted by ブクログ

    2025年3冊目

    オスカーで作品賞や主演俳優賞などを受賞したクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を観て、彼について詳しく知りたいと思い、読んだ

    0
    2025年01月06日
  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

    Posted by ブクログ

    オッペンハイマーと核爆弾研究の歴史を通じて、20世紀前半の世界戦争の背景を学ぶことができた。
    現代と原爆までの歴史は100年も離れていなことが、今の日本の社会と比べると想像もできなく、面白い。

    個人的にはこの本で、学生の頃に学んだ歴史を振り返ることができ、今の社会がどのように構築されてきたかを考えるいいきっかけになる本だった。

    0
    2024年12月17日
  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

    Posted by ブクログ

    原爆の開発に重要な役割を果たしたオッペンハイマーだが、量子力学を学び様々なアイデアを実現させた発想自体は凄いものだが、彼自身がそれ自体が莫大な威力を生み出す水爆につながることを察して開発に反対したことは何かの力が働いたと感じた.ウラン238には0.7%しか含まれていないウラン235が核分裂を起こすことを発見したが、分離が難しいため、プルトニウムに焦点を当てた着眼は素晴らしいと感じた.それぞれ広島と長崎に投下されるが、ソ連との開発競争に関連する政治問題はあまり面白くなかった.

    0
    2024年11月04日
  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

    Posted by ブクログ

    とても読み応えがあって面白かった。
    サブタイトル通り、オッペンハイマーを英雄や奸雄としてではなく、その才能を評価されつつ時代の波に翻弄された凡夫として描かれているのが興味深かった。

    昨年(2023年)夏、アメリカで公開され話題になった映画『OPPENHEIMER』を観る前にと思い読み始めたものの、やはり物理学に関する読み物ってことで中盤くらいに入ると理論解説が増えてちょっと難しくなってきたり、映画が日本で公開されるのかどうか一向に発表されないのもあって、半年くらい読みかけのままずっと通勤鞄の重りになっていたのを、いよいよ日本公開が発表されたので再び読み始めた。

    やはり理論に関する部分は難解

    0
    2024年03月18日

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