【感想・ネタバレ】ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月02日

著者が科学者なだけに、ヘンな想像(勘ぐり)や思い込みがなく、正しい共感を持ってオッペンハイマーを描いている。とかく文系の人が描くと、取りつかれた全能感の権化みたいに書かれることが多いけど、そんなマッドサイエンティストがこれだけの規模のプロジェクトをこれだけの期間引っ張って成功させられるわけもなく。女...続きを読む好きではあるものの、教養もあるちゃんとした社会人であることをきちんと踏まえて書かれていることに好感が持てる。映画『オッペンハイマー』の予習にもよいのではないか。(原作は上中下三冊もあるので)

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Posted by ブクログ 2024年03月18日

とても読み応えがあって面白かった。
サブタイトル通り、オッペンハイマーを英雄や奸雄としてではなく、その才能を評価されつつ時代の波に翻弄された凡夫として描かれているのが興味深かった。

昨年(2023年)夏、アメリカで公開され話題になった映画『OPPENHEIMER』を観る前にと思い読み始めたものの、...続きを読むやはり物理学に関する読み物ってことで中盤くらいに入ると理論解説が増えてちょっと難しくなってきたり、映画が日本で公開されるのかどうか一向に発表されないのもあって、半年くらい読みかけのままずっと通勤鞄の重りになっていたのを、いよいよ日本公開が発表されたので再び読み始めた。

やはり理論に関する部分は難解だけど、その一方で展開される人間ドラマが興味深くてどんどん引き込まれる。理論的な部分も読んでいくうちに概要くらいはなんとなく理解出来たような気になってくるのは、筆者の藤永茂さんが物理学者であり、翻訳家・作家でもあるということもあるのだろうか。藤永さんの他の作品も読んでみたくなった。そういえば先日買った『闇の奥』もこの方の訳書だった。

ロバート・オッペンハイマー本人だけではなく、同じ物理学者のローレンスやテラー、弟のフランクや軍のグローブス将軍が映画でどのように描かれるのか興味深い。

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Posted by ブクログ 2021年08月28日

科学者は罪を知ってしまった
ロスアラモスの科学者の罪業は、原爆を作り出したその時、生涯最良の時を過ごしていたこと。国家が財政措置を行い、それに科学者が乗っかり、技術を甘美したこと。

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